HOME > 議会の動き > 牛尾まさみ議員は、10月13日区議会第3回定例会最終本会議で、東京都に「来年度内の都立病院の地方独立行政法人化を中止することを求める」意見書提出を求める請願に対する賛成討論を行いました。

牛尾まさみ議員は、10月13日区議会第3回定例会最終本会議で、東京都に「来年度内の都立病院の地方独立行政法人化を中止することを求める」意見書提出を求める請願に対する賛成討論を行いました。

 牛尾まさみ議員は、10月13日区議会第3回定例会最終本会議で、東京都に「来年度内の都立病院の地方独立行政法人化を中止することを求める」意見書提出を求める請願に対する賛成討論を行いました。

 なお、同請願は、自民、公明、しぶや笑顔などの反対多数で不採択となりました。


東京都に「来年度内の都立広尾病院の地方独立行政法人化を中止することを求める」意見書提出を求める請願 賛成討論

2021.10.13 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました、東京都に「来年度内の都立広尾病院の地方独立行政法人化を中止することを求める」意見書提出を求める請願、の採択に賛成する討論を行います。
 
 小池都知事は、昨年12月3日の都議会で「14の都立病院と保健医療公社病院の地方独立行政法人への移行の準備を開始する」と表明し、独立行政法人の定款の議案が今日の都議会本会議で議決されようとしています。
 私は、この夏のコロナ感染症の第5波で、コロナに感染しても10人に1人しか病院に入院できず、多くの患者が在宅のまま死亡する事態を招いたにもかかわらず、公務員として都民の命を守るために必死で頑張っている職員の身分を奪い、都立・公社病院の独立行政法人化をすすめる東京都に対し、満身の怒りをもって抗議するものです。

 第一の賛成理由は、コロナ禍で東京都が最優先にすべきなのは都民の命を守ることだからです。
 今年8月、東京では新型コロナ感染症による医療崩壊を経験しました。新型コロナ感染症患者の病院外死亡者が112人に上り、自宅待機と入院調整中の感染者は最大で3万9592人に上りました。
 都立・公社病院は、都内の全病床数のわずか4%であるにもかかわらず、2000床のコロナ病床を提供しました。これは都内のコロナ病床の3割にのぼります。こうしたことができたのは、東京都が直接運営する都立とそれに近い公社病院だからこそです。
 独立行政法人化によってコロナ対応が後退することは明らかです。
 すでに独法化された東京都の健康長寿医療センターは550の病床のうち、コロナ病床として提供したのはわずか38床にすぎません。2004年に独法化された国立病院機構は3万9千の病床を保有していますが、提供できたコロナ病床は95病院、1854床で、都立・公社病院が確保した病床数よりも少なかったのです。東京都はこれまで、「独法化は医療ニーズの変化に柔軟で迅速な対応が可能」と言ってきましたが、現実は全く違うことが明らかになりました。
 コロナ対応だけではありません。都立病院は感染症以外にも、救急、小児、周産期、難病、障がい者、島しょ、災害など、不採算であっても命を守るために欠かせない行政医療を提供していますが、これらの医療を安定的に提供するためにも、都が直接責任を負う都立病院として運営すべきです。

 第二の賛成理由は、独立行政法人化で都の財政が削減されることにより、患者負担増で誰もがかかれる医療が脅かされるからです。
 東京都は都立病院に「効率的、効果的な運営を実現すること」を求めています。独立行政法人化は、採算優先の効率的な運営を迫り、東京都の財政負担を極限まで軽減することを目的とした仕組みです。しかし、これによってもたらされるのは、患者負担増であり、経済的に困難を抱える都民が医療にかかりにくくなることです。
 東京都健康長寿医療センターでは、差額ベッドが全病床の4分の1にまで拡大され、個室には10万円の入院保証金を払わなければ入れない仕組みになり、患者負担がふえています。
 しかも、独法化後の病院では海外富裕層のための医療ツーリズムに対応することまで想定していることは許されません。
 都立広尾病院の有料病床は422床中26床で、分娩費も平均41万円で医療保険の出産一時金で賄うことができます。
 独立行政法人化で患者負担を増やし、医療を受ける権利を狭めることは認められません。

 第三の理由は、都民の圧倒的多数は都立病院のままを望んでいるからです。
 請願の提出団体である広尾病院を都立のままで存続・充実させる会は、広尾病院についての住民要望を聞くアンケートを2011年と2018年に実施しましたが、都立のままの運営を求める回答がいずれも9割を超える圧倒的多数です。住民からは、「東京医療センターに通院していますが、独法化されてから個室ばかり増やしています。数年前肺炎で入院した時、個室しか空いてなくて『いやなら他の病院へいけ』とまで言われました。国公立の病院はもっと庶民が安心してかかれる病院であるべきです」「都立病院として、費用の心配なく安心して受診できる病院が必要」「島で安心して暮らすために広尾病院はなくてはならない病院」などの声が多数寄せられました。
 圧倒的多数の都民の声を無視して、独立行政法人にする理由は全くありません。

 請願団体は、都立広尾病院を守る活動を行っていますが、今回の請願で求めているのは、コロナ禍での独法化の中止です。独政化についての立場は様々であっても、現在のコロナ禍での独法化は一旦中止し、検証、総括すること、とりわけ独法化した病院でなぜコロナ受け入れが進まなかったのかの検証抜きに、独法化に突き進むのでは、新たな感染症に立ち向かうことはできません。
 渋谷区議会としてこの請願を採択し、東京都に意見書を提出することこそ、区民に安心できる医療を保障する立場だということを強調し、請願の採択に賛成する討論とします。