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日本共産党渋谷区議会議員団

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第四回定例会でトマ孝二議員がおこなった一般質問(大要)

 最初に、介護保険制度について質問します。

 政府は、介護保険で国の負担を抑えるため、「要支援者」を保険給付の対象からはずす、利用料は所得によって二割に引き上げる、特別養護老人ホームの入所は「要介護三」以上に限る―などの大改悪を打ち出しました。

 これに対し、関係機関や自治体、利用者などから大反対の声が上がり、政府は、訪問看護やリハビリなどは継続することを明らかにしました。しかし、在宅介護の要である訪問介護や通所介護については、区市町村に移管する方針はかえませんでした。

 ヘルパー派遣やディサービスは、自立支援のための重要なサービスであり要支援者には欠かせないサービスです。それを政府が、保険給付からはずすことは、「要支援者」を切り捨てる暴挙と言わなければなりません。

 幡ヶ谷二丁目の都営住宅に暮らす七十三歳の要支援二のK子さんは、脳梗塞で倒れて以来、右手がきかず、週三回のヘルパーさんの支援によって入浴や髪を洗ってもらうことなどによって生活が支えられています。

 「要支援一・二」と認定されている高齢者は全国で百五十万人。渋谷区の場合、ことしの七月末現在、要支援一・二の人は三千二百七十五人にのぼります。

 「要支援者」への訪問、通所介護を介護保険制度から外すことについて、政府に撤回するよう求めるべきです。区長の見解をうかがいます。

 現在、私たち区議団が実施している「暮らしと区政にかんするアンケート」で、社会保障・年金、医療や介護の要望については、負担が重くなったとこたえた人が過半数もあり、「医療費、保険料などが年間十五万円。特に介護保険が高すぎる」という回答もありました。

 保険料については、三年ごとの制度見直しのなかで、毎回保険料が引き上げられ、一昨年四月の改定のさいも第一段階の保険料が平均で四千円引き上げられました。来年度の見直しのさいには基金などを活用して、低所得者への保険料の引き上げはやめるべきです。区長の見解をうかがいます。

 政府は、利用料は所得によって一割負担から二割負担にすることを打ち出しています。一割負担の利用料は高く、ディサービスは、食事代と合わせ一回の利用料が千円ほどかかるため毎日利用したいと思っても週一・二回にとどめている人も多くいます。いまでさえ利用料の負担が重いため、利用限度額の半分程度しか利用していないのが実情です。利用料の引き上げをやめるよう政府に求めるべきです。区長の見解をうかがいます。

 さらに当区が、低所得者のためにおこなっている保険料、利用料の軽減制度について、預貯金の限度額の規定を廃止し、対象を住民税非課税世帯まで広げるべきです。区長の見解をうかがいます。

 政府は、特別養護老人ホームの入所対象者について、「中重度を支える施設に重点化」として要介護三以上の人とする方針を打ち出しました。

 現在、特別養護老人ホームの待機者は全国で四十二万人。うち、要介護一・二の待機者は十三万人。当区の場合、六百三十三人の待機者がおり、そのうち要介護一・二の待機者は二百三十九人となっています。

 要介護一・二の待機者とその家族は、独り暮らしや老々介護をはじめ、介護が理由の離職者は毎年一〇万人にのぼるなど深刻ななかで待機しています。区長は、政府に方針の撤回を求めるべきです。区長の見解をうかがいます。

 また、今議会に特養ホームの建設が計画されている本町東小学校跡地施設の基本設計の補正予算案が提出されました。わが党は特養ホームの増設を求めてきた立場からこれを評価するものです。しかし、深刻な待機者の状況を解消することにはなりません。ケアコミュニティ原宿の丘に計画している地域密着型の特養ホームについて、前倒し実施すべきです。さらに、六百三十三人の待機者解消のための新たな年次計画を策定すべきです。区長の見解をうかがいます。

 第二に、医療と福祉の拡充について質問します。

 政府は、来年四月から七十歳から七十四歳までの高齢者の医療費の窓口負担を一割から二割に引き上げようとしています。

 また、東京都後期高齢者医療広域連合は、来年四月からの保険料について、平均で年額一万三百八十六円ないし、一万七千七百八十七円引き上げる検討案を示しています。これまで二年ごとの改定によって保険料は引き上げられ、八万四二七四円だった保険料が六年間で二万円も引き上げられてしまうのです。

 この十月から年金が一%引き下げられました。さらに来年四月から一%引き下げられ、そのうえ消費税の三%引き上げ、医療費や保険料の負担増で生活苦はいちだんと深刻になります。

 区長は政府に対し、高齢者を苦しめる七十歳から七十四歳の窓口負担を二割に引き上げの中止を求めるべきです。また、七十五歳以上の高齢者だけを囲い込む後期高齢者医療制度は、世界に類例のない高齢者差別の制度です。これを廃止し、元の老人保健医療制度に戻すよう政府に求めるべきです。区長の見解をうかがいます。

 さらに、東京都後期高齢者医療広域連合に対し、保険料の引き上げをやめるよう申し入れるべきです。区長の見解をうかがいます。

 病気や老いによる衰えは、個人の努力だけで解決できません。だからこそ、高齢者が安心して医療にかかれるよう、低所得の住民税非課税世帯への医療費を無料にする制度を創設すべきです。また、高校は準義務教育という現状にもとづき子育て世帯の経済的な負担を軽減するため、医療費の無料化を高校生まで拡大すべきです。区長の見解をうかがいます。

 区は高齢者の生活の支えとなっていた配食サービスについて、高齢者の社会参加と商店街振興のための食事券事業に統合し、一食当たりの補助額を一般世帯で三百六十円、生活保護世帯で五百八十円だったものを一律百五十円にし、事実上、この制度を廃止してしまいました。このサービスを利用していた人びとから、復活してほしい、という声が強く出されています。食事をつくることが困難になっている高齢者に栄養のバランスのとれた食事を提供し、また、安否を確認するこの制度は、非常にすぐれた施策です。補助金を元に戻し、この制度を復活すべきです。区長の見解をうかがいます。

 次に震災対策の強化について質問します。

 東日本大震災の教訓は、今後起こり得る大地震に対し、できるかぎりの対策を講じ、区民の生命・身体・財産を守るため減災をはかっていくことにあります。いま、首都直下型地震などの発生が指摘されているだけに、区民の安全を守るために、住まいの耐震性の向上などをはかっていかなければなりません。

 

 当区の場合、東京消防庁が危険度四以上の木造密集地域が本町や幡ヶ谷など三十三丁目もあると発表し、その対策は急務となっています。

 しかし、二〇一二年度の木造住宅に対する耐震補強工事助成制度の実績は、耐震診断で九十七件、改修は一般住宅六件、高齢者等住宅十五件で今年度は診断二六件、一般住宅は、改修はゼロ、高齢者等住宅六件となっています。本町や幡ヶ谷地域などは、道路が十分確保されていないなど不適格な住宅が多くあります。先の九月議会のわが党の牛尾議員の質問に対し、区長は、「助成をしていく方向で考えたい」と答弁しました。

 既存不適格建築物も補助することについてただちに周知を徹底していくべきです。また、建替えに対する補助も品川区のように実施すべきです。さらに、補助の対象からはずした非木造の鉄骨造やRC造の住宅もふたたび対象にすべきです。区長の見解をうかがいます。 東京都は、甲州街道などの幹線道路を特定緊急輸送道路と規定し、その沿道マンションについて条例で耐震補強工事を義務づけたことから、二〇一二年度は四十三件の耐震診断、二件の耐震改修基本設計の実績となっています。

 しかし、一般の分譲マンションなどは三件の耐震診断、耐震改修基本設計はゼロです。一般のマンションの耐震化を促進するため、アドバイザー派遣を復活し、補助額を引き上げるなどの改善をはかるべきです。区長の見解をうかがいます。

 障害者団体から施設の耐震診断をおこない、耐震化をはかるための助成制度をつくってほしい、また、火災報知機、消火器、ヘルメット、食料や水を備蓄するための補助をしてほしい、という声が出されています。また、震災が発生した場合、障害者を別個に受け入れる避難所をつくってほしい、という要望も出されています。区長は障害者への震災対策を強化していくべきです。見解をうかがいます。

 最後に地球温暖化対策について質問します。

 この夏、日本でも、最高気温の更新、経験したことのない集中豪雨の多発、台風の異常発生とその大規模化など温暖化の進行を背景とした深刻な被害が起きており、温暖化対策は差し迫った課題となっています。

 安倍内閣は、さる十一月十五日、温室効果ガスについて二〇二〇年までに九〇年比二五%削減としていた目標を撤回し、九〇年比では三%増にすることを発表しました。これに対し、ワルシャワで開かれた国連の会議できびしい批判が出されました。

 桑原区政も地球の温暖化を加速させる渋谷駅前の再開発事業を推進する一方で、温暖化を抑制するための緑化対策を後退させるなど温暖化対策と逆行しています。その結果、二〇一〇年度の温室効果ガスの排出量は、一九九〇年比で一・三二倍となっているのです。

 いま、国はもとより自治体としても地球の温暖化抑制のために、住民と連携し、実効あるとりくみが求められています。千代田区や中野区などでは地球温暖化防止条例をつくり、温室効果ガス削減のために力を尽くしています。

 当区でも「温暖化対策条例」を制定し、温室効果ガスの排出を抑制の具体策をすすめるべきです。区長の見解をうかがいます。

 先月、都市環境委員会が、行政視察をした堺市では、「クールシティ都市宣言」を行い、「環境モデル都市行動計画」が策定され具体的なとりくみがすすめられていました。

 その中で、私が注目したのは、市内にある十五万戸の戸建て住宅について、二〇三〇年までに十万戸に太陽光発電を普及するという取り組みでした。二〇〇九年度から補助事業が開始され、今年度中に一万戸の目標は達成できるということでした。

 当区は太陽光発電の売電に対する補助事業を一年で打ち切り、こうした取り組みに背を向けています。温室効果ガスを抑制する具体化の一つとして太陽光発電を普及する事業にとりくむべきです。区長の見解をうかがいます。

 廃プラスチックを全量焼却しているのは渋谷をはじめ十一区だけです。他の区は廃プラスチックの資源化にとり組んでいます。当区でも廃プラスチックの資源化にとりくむべきです。

 また、今議会で区長は不燃こみの収集回数を月2回から月1回に削減する方針を打ち出しました。不燃ごみに混在しているビンや缶の資源化にどうとりくむのか、また、収集回数は減らすべきではないと考えますが、区長の見解をうかがいます。

 当区の二〇〇四年度に策定された「緑化基本計画」は今年度が最終年度となっています。これまで当区の緑化対策は、生け垣助成制度を二〇〇八年度で廃止したのをはじめ、屋上緑化助成制度や保存樹木補助制度を二〇一〇年度で廃止し、その負担を区民に押しつけるなど後退に次ぐ後退といわなければなりません。保存樹木補助事業などはただちに復活し、緑化対策を強化すべきです。区長の見解をうかがいます。

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