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渋谷区議団ニュース 2016年12月号 くらし・福祉最優先の区政へ 子育て安心の渋谷区を

保育園の待機児解消へ区が責任を

 今年10月現在の認可保育園待機児は、451人。昨年同時期より136人増えています。区は、来年4月に420人余の定数拡大する計画ですが、このままでは来年4月に認可保育園に入れない待機児があふれることになりかねません。
 保護者、区民の願いは、質の確保された認可保育園です。児童福祉法では、保育を必要とする子どもを保育する義務が、国や自治体に課せられています。党区議団は、区が責任をもって、待機児の解消と保育士の処遇改善を進めるように提案しました。

党区議団の提案

(1)潜在的な待機児も含め、全面的に調査を行い、就学前の人口の50%を目標に、認可保育園の増設を中心とした整備計画を策定する。
(2)区立保育園設置を中心とした整備を進める。整備にあたっては、近隣住民との合意を大切にする。代々木2・3丁目や神宮前3丁目の国有地、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡地など、国有地、都有地、民有地を積極的に活用する。
(3)認可外保育施設については、認可保育園への移行を促進する

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保育士の処遇改善を
民間園の保育士さんの宿舎借上げ支援制度が実現

 民間園の保育士の賃金は、都内では他業種より月額約15万円低いといわれています。良質な保育を保障しながら保育園を増設するには、保育士の処遇改善は待ったなしです。
 第3回定例会で、保育従事職員宿舎借り上げ支援制度が実現しました。党区議団は、区長に対して、区議会で何度も実施を求めてきました。この制度の実現は保育士の処遇改善へ一歩前進です。

党区議団の提案

(1)民間の保育施設で働く保育士や職員などに当面月5万円の賃金の引き上げができるよう、国と都に求める。
(2)民間の保育園に対して、区独自に、人件費引き上げのため運営費補助の拡充を進める。

制度の概要

対 象:私立認可保育所、認定子ども園、認証保育所、小規模保育事業所で働く、施設長、保育士、看護師。助成は、保育事業所を運営する法人に対して行われ、法人が借り上げた「区内の宿舎」に居住すること。非常勤も一定条件で支給。
助 成:賃借料の補助基準額は10万円を上限とする実負担額。礼金は月額10万円を上限とする2カ月分。転居費用15万円迄。
期 間:平成28年12月~平成32年度迄の予定。

平成27年度決算でハッキリ
区民には、福祉切り捨て負担増の一方で、大企業には土地や税金大盤振る舞い

 平成27年度は、長谷部区政が誕生して最初の年であり、区民の願いにどうこたえたかが問われました。
 長谷部区長は「これまでの手厚い福祉は守ります」といいながら区民には負担増と福祉切り捨てを押し付け、渋谷駅周辺再開発事業や庁舎建て替え計画、宮下公園整備計画など、大企業に奉仕する逆立ちした税金の使い方や区政運営を行いました。
 こうした問題を批判して、党区議団は決算に反対しました。

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国保料は11年連続値上げで、滞納者は33.6%に

 国民健康保険は、失業者や不安定雇用の若者などが加入しています。国民皆保険の理念にもとづき、国と自治体が支えることは当然です。ところが政府は、総医療費に対して50%であった国庫支出金の割合を1984年以降、年々減らし、2014年度には24%に。
 区も、保険料を2015年度で11年連続値上げした結果、1 カ月分の給料が消えてなくなるほど高い保険料となっています。
 区民からは、高すぎて払えないと悲鳴が上がっています。政府に対し国庫支出金を増やすよう求めるとともに、区としても保険料を下げるべきです。

福祉切り捨てと負担増で貯め込んだ基金は736億円に

 区が貯め込んだ基金は、736億円。区の一般会計予算の8割以上にもなります。党区議団は、これらの基金の一部を活用して、切り捨てられた福祉の復活・充実、子育て支援、国保料の値下げなどに活用するよう提案しています。

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くらしそっちのけで、税金のムダ遣い

稼働率34.6%… 伊豆・河津保養所に4億円の血税

 区民から、「遠くてとても行けない」と批判が上がっている伊豆・河津保養所。2015年度は、大浴場の改修費や運営費などに、4億円余の莫大な血税を投入。この年度の利用率は34.6%で、収入は2358万円余です。ムダな河津保養所は、廃止すべきです。

大企業のための渋谷駅周辺再開発事業には、8億2570万円

 東急グループを中心に、超高層ビルを林立させ、多国籍企業の儲けの場を提供するために90億円もの区民の税金を注ぎ込む渋谷駅周辺再開発事業では、桜丘口の市街地再開発事業に5億7600万円も支出したのをはじめ、渋谷駅北口自由通路と南口北側自由通路整備事業など、2015年度だけで合計8億2570万円もの血税を投入しました。

庁舎建て替え計画に続いて
宮下公園、神宮外苑地区再開発でも三井不動産などに便宜

 福祉の向上という自治体の役割を投げ捨てた長谷部区政の逆立ちぶりが加速しています。三井不動産などに庁舎の土地を70年間貸し出し、地上39階建ての超高層分譲マンションを建てさせ、大儲けをさせる庁舎等建て替え計画に続いて、宮下公園整備事業や神宮外苑地区再開発による民間マンションの建て替えでも三井不動産に大儲けさせるために便宜をはかっています。
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宮下公園整備事業─三井不動産に巨大商業施設とホテルを建てさせる

 宮下公園を、三井不動産に33年貸し出し、1万6千平方メートルに及ぶ3層の巨大商業施設と17階建てのホテルを建てさせる見返りに、宮下公園を整備させる事業(右図)で、三井不動産は、テナント料やホテルで大儲けする計画です。区は、三井不動産のために地区計画を変更してまで、公園の一部にホテルを建てさせる便宜をはかっています。
 区民からは、「区民の憩いの場で、防災空間でもある宮下公園を企業の儲けのために差し出すやり方は区のやることではない」、「区民の意見を聞かないで計画を進めるのはおかしい」など、批判の声が上がっています。
 党区議団は、計画は白紙に戻して、公園のあり方については、区民参加の検討委員会を設置して、再検討するよう条例提案も行っています。

神宮外苑地区再開発─区道の拡幅などで高さは4倍、容積率は1.5倍に緩和─三井不動産レジデンシャルは大儲け

 区は、新国立競技場に隣接する民間マンションの建て替えのために、区道631号線を幅員12mにすることを決定し、地区計画も変更しようとしています。この変更によって、高さ制限が20mから80mに、容積率は300%から450%へと緩和されます。
 民間マンションは、現在の7階建て196戸から、22階、高さ80m、約410戸の高層マンションに生まれ変わります。この計画の変更で三井不動産レジデンシャルは莫大なもうけを得ることになります。

幡ヶ谷2丁目防災公園・地下水モニタリング調査結果──汚染濃度が基準値に迫る
区民の健康第一に、整備工事は中止し、徹底調査を

 土壌汚染があることを知りながら、区が32億円で取得し、防災公園、保育園、高齢者施設などの建設を進めている幡ヶ谷2丁目防災公園整備計画。
現在は、土壌汚染対策法に基づく2年間の地下水モニタリング調査期間中にもかかわらず、工事が進められています。党区議団は、汚染のある土地の取得に反対し、計画の白紙撤回を求めてきました。
 モニタリング調査は、敷地内の5カ所の観測井戸で、2年間に8回の調査を行う予定ですが、初回調査に比べて、2回目、3回目と次第に汚染濃度が上がり、3回目の調査では、4カ所の観測井戸で汚染濃度が上昇し、その内2カ所では、法定基準濃度に迫っています。
 住民から、「再汚染の可能性が高いのでは」、「汚染の心配な土地に、子どもの遊ぶ公園や保育園をつくるのは止めて」との不安の声があがっています。
 区民の健康第一に、直ちに整備工事は中止し、土壌汚染対策に関するすべての資料を公開し、専門家も含めて徹底的に再調査すべきです。
 必要な保育園、高齢者施設などは、近隣の6号通りそばにある都営住宅跡地などで確保すべきです。

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渋谷区基本構想
区民の意見は聞かず福祉への責任は後退

 区長は、「今後の20年を見据え、渋谷区がどのようなまちになるのかのビジョンを示すもの」として、渋谷区基本構想を提案し、第3回定例区議会で賛成多数で議決されました。
 党区議団は、(1)策定過程で、区民参加が保障されていない、(2)憲法と地方自治法に基づく住民福祉の向上と区の責任が明確にされていない、(3)区政を大企業の利益追求の場に変えてしまう危険性がある、として反対しました。

区民参加を保障しないで決めていいの?

 この基本構想は、1年間で9回の審議会を経て答申されたものです。審議会でも、「相当タイトなスケジュールで、通常一年くらいかけるが半分くらいの時間でやろうとしている」という発言があったほど。しかも、区民には十分な周知もされず、7月に4会場で開催した住民説明会の参加者は70人でした。パブリックコメントも、13人から意見が寄せられただけです。
 実際、区民からは、「基本構想を決めようとしていること自体知らなかった」との声が多数寄せられています。
 今後20年の区政の在り方を定める基本構想には、十分に区民の意見を聞き、しっかり反映させるべきではないでしょうか。

住民福祉の向上と区の責任はどこへ?

 新たな基本構想では、憲法の平和原則も地方自治法に定められた、自治体の責任である住民福祉の増進も明確に示されていません。それどころか「もとになる価値観」で「共助の人間関係を不可欠なもの」とし、さらに福祉の分野では、「産業や文化をつくるヒントになる福祉とは何か。それらを渋谷区が率先して追求、実践」すると定めています。これでは、福祉の向上についての区の責任は後景に追いやられ、「自助、共助」任せになりかねません。しかも、「産業」をつくるヒントになる福祉を追求、実践すれば、福祉を営利追求の企業の儲けの場にして、弱者が切り捨てられかねません。

区政を大企業の活躍の場に?

 新しい基本構想の価値観では、ロンドン、パリ、ニューヨークなどと並び称されるような「成熟した国際都市」を目指すとして「高度な国際競争力と強烈な地域性とを兼ね備えてゆくこと」と述べています。これは、日本経団連や安倍首相が求める「世界一企業が活躍しやすい国」にする考えと一体です。渋谷駅周辺再開発事業への税金投入や区庁舎の建て替え計画、宮下公園整備計画のように大企業のもうけに奉仕するやり方をさらに加速することにつながりかねません。福祉の増進を目的とする自治体の役割とは相いれません。

日本経団連提言「わが国の持続的成長につながる大胆な都市戦略を望む」(2016年3月16日)
 日本経団連は、この提言の「グローバル化への対応」として「大都市は、魅力と活力にあふれたグローバルシティへと進化し、世界中の先端企業、人材、投資や観光客を集め国全体の経済を牽引する役割を担わなければならない」として競争力を高めることを求めている。

「渋谷区基本構想」のもとになる価値観
(渋谷区基本構想から抜粋)
 基本構想の策定にあたって、これからの渋谷区は何を大切だと考えるのか。
 つまり、20年後を見据えた渋谷区の価値観が、この基本構想全体を貫くことになります。
(1)渋谷区はどこへ向かうのか
 渋谷区が目指すのは、規模こそ異なるものの、ロンドン、パリ、ニューヨークなどと並び称されるような『成熟した国際都市』です。ここでいう成熟とは、高度な国際競争力と強烈な地域性とを兼ね備えてゆくこと。そして、区民自身が誇りをもってそこで暮らせること。これらはすべて、世界から注目され愛される街の条件だと考えます。
(2)渋谷区はどうやって向かうのか
 成熟した国際都市へと進化してゆくために、渋谷区は「ダイバーシティとインクルージョン」という考え方を大切にします。
 この地上に暮らす人々のあらゆる多様性(ダイバーシティ)を受け入れるだけにとどまらず、その多様性をエネルギーへと変えてゆくこと(インクルージョン)。人種、性別、年齢、障害を超えて、渋谷区に集まるすべての人の力を、まちづくりの原動力にすること。
 つまり「街の主役は人」だというのが、この考え方の本質なのです。
(3)渋谷区には何が必要か
 どんなに技術が進歩しようとも、つながりを求める人の心と、お互いに支えあうことの必要性は普遍なものと考えます。誰もが誰かと助け合える。そうした「共助」の人間関係を不可欠なものと考えます。
 また、渋谷区にかかわる人々の人生の豊かさを、永続的に続いてゆくものにしたい。そのため、全編において「サステナビリティ」の視点を大切にします。


※詳しくは「ニュース」紙面のPDFファイルをご覧ください。

「区議団ニュース」2016年12月号(PDF1,346KB)