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渋谷区議団ニュース 2017年3月号 渋谷区の役割は、大企業に奉仕することではありません

区民のくらし・福祉第一への改革が必要です

 長谷部区政は、大企業の儲けのために区民の税金や財産を大盤振る舞いで差し出す一方、区民の福祉・くらしを切り捨てています。これは、安倍政権と財界が進める「世界で一番、企業が活躍しやすい国」づくりの渋谷版です。
 実際、長谷部区長の「渋谷区基本構想」では、区は「ロンドン パリ ニューヨークに並ぶ、成熟した国際都市(「成熟」とは、「高度な国際競争力と強烈な地域性とを兼ね備え」ること)にすると宣言し、渋谷駅周辺再開発や官民連携などに突き進んでいます。
 日本共産党区議団は、憲法と地方自治法にもとづいて、自治体本来の役割である「住民福祉の増進」を住民が主人公で進めるよう区政の改革を求めています。

「成熟した国際都市」=
企業が一番活躍しやすい渋谷へ

「国際競争力」の発信源は財界と安倍政権

 日本経団連は、「大都市は魅力と活力にあふれたグローバルシティへと進化し、世界中の先端企業、人材、投資や観光客を集め、国全体の経済を牽引する」ために、「都市機能の高度化を効果的に進める上で、…民間にある知恵やノウハウを最大限発揮させる」として、自治体を大企業の儲けの場に変えるよう提言。安倍政権が、財界戦略にしたがってアベノミクスを進めた結果、貧富の差や都市と地方の格差は大きく広がりました。

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渋谷区ソーシャルアクションパートナー協定

福祉は二の次で、区民の目も届かなくなる…

 区は、くらしや福祉、防災・安全、街づくり、教育など、区政のあらゆる分野で、「企業の強みを、区政課題のスピーディかつクリエイティブに解決」するためとして渋谷区ソーシャルアクションパートナー協定を推進。企業にとっては、宣伝や商品開発の場となるメリットがある一方、区民の情報管理や企業の儲けにならない福祉分野の切り捨て、事業の実施状況について議会や区民の関与が困難になりかねません。

宮下公園整備計画

みんなの公園を三井不動産に差し出す

区民の憩いの場であり防災空間である区立宮下公園を三井不動産に33年間貸し出し、3層1万6千平方メートルの商業施設と17階建てのホテルを建設させ、公園は商業施設の屋上に整備する計画を進めようとしています。
 区民や識者から、「自治体のやることではない」との批判の声が上がっています。

党区議団は、庁舎建替え計画も宮下公園整備計画も、PPP手法は止めて、区民と専門家の参加で計画を練り直すための条例を提案しています。

区庁舎建て替え事業

三井不動産は、区民の土地で大儲け

 区民の財産である庁舎の土地を約77年間、三井不動産レジデンシャルに貸し出し、地上39階の巨大分譲マンションを建てさせる見返りに区庁舎を建ててもらう手法(PPP)を採用。庁舎建てかえと一体なのに、総事業費や民間マンションの建設費は「闇」。区民や職員の声も聞かずに民間事業者の思いのままです。

区民には福祉切り捨てを押し付け

 長谷部区長は、障がい者の福祉タクシー券の削減、生活保護世帯の夏・冬の見舞金の廃止、緊急ホームヘルプサービスなどの上乗せ介護サービスなど、肝心のくらし・福祉は次々切り捨てています。さらに、国民健康保険料は毎年連続して値上げで、区民からは悲鳴が上がっています。

区立小中学校のすべての子どもに

タブレット端末貸与

7億500万円

 区は、今年9月から区立小中学校全校の子ども全員に、タブレット端末を貸与し、ICT教育を推進しようとしています。
 タブレット端末を使った教育活動は、専門家からも様々な問題が指摘されており、教育委員や保護者からも不安の声が上がっています。
 区内では、28年度、代々木山谷小学校の5年生にモデル実施していますが、区民や保護者にはその検証結果は明らかにされていません。このまま見切り発車で進めてよいのでしょうか。
 まずは子どもの学びと成長を第一に、教師と保護者、専門家、区民で検証すべきで、拙速な導入はやめるべきです。

渋谷区教育委員会でも不安が続出

 昨年9月29日に行われた教育委員会定例会で、「渋谷区立小・中学校ICT教育推進計画について」が議題となりましたが、多くの疑問や不安の声が上がりました。

●デメリットも示すべきで、例えば お互いの顔を見て会話ができなくなることが挙げられる。
●人間形成が歪められないよう、紙による教育とのバランスが大事。
●本来であれば、教育委員会として学校を視察して、ICT教育推進計画を踏まえておきたかった。 実際に代々木山谷小学校の視察に行き、ICTの授業を見たが、このままで良いのかと思った。授業の中で子供の反応がきちんとあり、日常の授業がしっかりと見える形で示されなかったので、各委員も不安になってしまったと思う。

すでに実施した経験では…

●荒川区では、全校児童・生徒貸与を見直し
 2014年9月から、全校児童・生徒にタブレットを貸与した荒川区では、1年間で1000件以上のトラブルが発生。「タブレットがなくても十分学力が身につく」などとして、教育委員会は、小学校低学年を中心に、「4学級に35台」、「利用は1日1時間」などの見直しを行いました。
●韓国では、全面見直し
 IT先進国・韓国では6年前から約2200億円の予算で、全校で1人1台のタブレット端末を導入。しかし、子どもの学力に目立った成果は現れないとする学校が多く、ICT教育の全面的見直しに踏み切り、結局3、4年生の理科と社会に限定しました。

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ICT教育の本当の目的は…

一部のエリートとICT産業の市場づくり

 安倍政権は「新成長戦略」の一環として、世界最高水準のIT社会を目指すとして、2020年までに「世界最高水準のIT利活用社会」を実現しようとしています。そのため就学前の子どもから高齢者までITの利活用を推進し、「突出した情報イノベーション力」を持つ一部の人材と情報を利活用する膨大な市場を生み出そうとしています。

拙速な導入やめ、子どもの学びと成長第一に検証を

※紙面のPDFファイルは次のリンクからご覧ください。

「区議団ニュース」2017年3月号(PDF926KB)