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2017年第3回定例会 牛尾まさみ区議が「国民健康保険料の値下げを求める請願」に賛成討論

10月26日、区議会第3回定例会最終本会議で、牛尾まさみ議員が、「国民健康保険料の値下げを求める請願」に対する賛成討論を行いました。


「国民健康保険料の値下げを求める請願」に賛成討論

私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題になりました「国民健康保険料の引き下げを求める請願」の採択に賛成する立場から討論します。

この請願は、負担の限界を超えている国民健康保険料を引き下げるために、国と東京都に対し、国庫負担の引き上げや財政措置を求めるとともに、区として保険料軽減のための一般会計からの繰り入れを行うことなどを求めるものです。

渋谷区の国保料は、2004年度に、桑原前区長が「保険料と給付の格差が大きい」として、引き上げを据え置きましたが、その翌年度以降は、23区統一保険料に戻したため、13年連続で値上げが繰り返されてきました。その結果、年収300万円の30代夫婦と子どもの3人世帯で29万8千円、年収400万円の30代夫婦と子ども2人の4人世帯で41万円にもなり、負担の限界を超える保険料になっています。非正規雇用の加入者は、「月9万円の手取りで保険料が年5万3千円。預金を取り崩すたびに不安が募る」と訴えています。渋谷区では、2016年度の保険料滞納世帯は27.82%にのぼり、保険料を払えない500世帯は6か月しか使えない短期保険証に、31世帯は医療費を一旦全額払わなければならない資格証に切り替えられています。こうした実態のもとで提出されたこの請願には、高い保険料を引き下げて、安心して医療を受けられるようにしてほしいという区民の切実な願いが込められています。

請願審査の中で、区が国保加入者のために一般会計からの繰り入れを行うことは、税金の使い方として公平性に欠けるとの指摘がありました。しかし、誰でも定年や失業などで離職すれば国保に加入することになります。医療を受ける機会をすべての区民に保障するため税金を使うことは、くらしを守る自治体として当然のことです。また、請願項目にあるような強引な取立てや差し押さえはあるのかという疑問が出されました。渋谷区での差し押さえは2016年度で10件ですが、国の国保改革は、自治体に保険料収納率の引き上げを競わせることになります。また、東京都はすでに、差し押さえや短期証の交付件数の多い区市町村への補助を行なっています。「日々の生活に欠かせない賃金が振り込まれたその日に差し押さえられた」などということが起こらないことを願っての請願者の意思であると受け止めるべきです。

来年度からの国保財政の都道府県単位化で、国は現在自治体が行っている一般会計からの「その他繰り入れ」を解消するよう求めています。9月20に開催された東京都国保運営協議会には、国が示した算定方法による保険料試算が示されましたが、一般会計からの繰り入れを行わない場合、2017年度の渋谷区の一人当たりの保険料は、15万8,266円となり、2015年度との比較で17.42%、23,480円の引き上げになるとしています。国は、保険料の引き上げが制度改革への批判につながることを恐れて、都道府県化の初年度の保険料の引き上げ幅を一定の枠内にとどめるよう通知を出していますが、公費の投入を減らす方針の下では、保険料が毎年値上げされていくことは避けられません。

国民健康保険は、憲法25条の生存権を保障し、すべての国民が必要とする医療を受けられるようにするための国民皆保険制度の根幹をなす制度です。加入者は退職後の高齢者や失業者、他の保険制度に加入できない非正規労働者などが多く、東京都の資料によれば、平均所得は約83万円と低いため、被保険者の所得に占める保険料の割合は、10.3%となっており、協会健保の4.99%、健保組合の5.6%と比べても、飛びぬけて高くなっています。

すべての加入者が無理なく払える保険料にする最大の責任は、国にあるにもかかわらず、国は1984年度に総医療費の45%だった国庫負担率を引き下げたのを皮切りに、国保の財政運営に対する国の責任を後退させてきました。そのため、国保の総会計に占める国庫負担の割合は、1980年代前半の50%から2015年度には20.3%にまで下がっています。また、東京都が行っている保険料軽減のための財政措置も、1990年代には加入者一人当たり8千円以上あったものを、2015年度には1,700円にまで減らしてきました。保険料を引き下げるためには、国庫負担の引き上げをはじめとした公費による支援が欠かせません。

国保財政の都道府県化が行われても、保険料の決定は区市町村の役割であることに変わりはありません。また、国は、憲法が定める地方自治の原則から、自治体が福祉的施策として行う一般会計からの繰り入れを禁止することはできないということを認めており、国会答弁でも「自治体でご判断いただく」としています。渋谷区は、国や都に対し、国庫負担の引き上げや都の財政措置を強く求めるとともに、区民のくらしを守る自治体の役割を果たし、国保加入者の誰もが払える保険料にするために、これまでどおり、一般会計からの繰り入れを行って、高い保険料を引き下げるべきです。

住民の意思を代表する議会として、この請願を採択し、高すぎる国民健康保険料を引き下げるために、区があらゆる努力を行うことを求めて、賛成討論とします。