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2017年第4回定例会 秋元ひでゆき議員が行った一般質問

区議会第4回定例会で、渋谷区議団として、秋元ひでゆき議員が行った一般質問を紹介します。


私は、日本共産党渋谷区議会議員団として、大きく4つのテーマで区長、教育長に質問させていただきます。

1 子どもの貧困対策について

最初のテーマは、子どもの貧困対策についてです。

日本の子どもの相対的貧困率は16.3%、OECD加盟国34か国中ワースト10の深刻さです。当区も例外ではなく、昨年度の就学援助を受けた割合は、小学生19.7%、中学生31.1%という数字が示しているように、格差と貧困の問題からは目が離せません。

経済的理由により進学を断念せざるを得ない、本来進みたい道とは別に進むしかない、という話は、私が議員になってからも区内でよく耳にする話です。「高校は、公立高校しか受けられない。」、「大学への進学は、アルバイトをしながら通うことが前提でしか考えられない。」こうした話を聞くたびに、子ども本人の意思とは別の理由から進路を判断しなければならないということは、子どもの健やかな成長や教育を受ける権利が侵害されているのでは」、と感じます。

子どもの権利条約は、「子どもたちは教育を受ける権利を持っており、また、休んだり遊んだりすること、様々な情報を得、自分の考えや信じることが守られることも、自分らしく成長するためにとても重要なこと」として、「育つ権利」を大きな柱の一つとして位置づけています。

親の貧困が子どもに連鎖することなく、一人ひとりが個人として自立し尊厳をもって成長するためには、子どもの権利条約を生かし、すべての子どもを視野に入れた取り組みが必要です。

沖縄県那覇市では、「本当に貧困で苦しんでいる世帯は自ら声をあげることは難しい。声なき声を拾い上げ、原因やその背景を把握することが、貧困を考える第一歩だ」とし、様々な部署が主体的かつ連携した取り組みを進めています。足立区では高校中退率、不登校率、朝食摂取率なども含め、細かい情報の取得分析を行い、全庁的なプロジェクトを立ち上げています。

当区でも、まずは実態把握のための悉皆調査を行うべきです。そして、子どものいる家庭の深刻で厳しい貧困と孤立の実態に寄り添い、貧困問題の解決に向けて効果ある計画を策定し、全庁的な推進体制をつくることが必要と考えます。区長に所見を伺います。

2 教育について

二番目のテーマは、教育についてです。はじめにまず、経済的格差に左右されず、子どもの権利が守られていくための施策として、三つ提案させていただきます。

(1)給付型奨学金の実施について

その一つ目が、給付型奨学金制度の実施です。

一昨年度の厚生労働省の調査では、全国の進学率は高校96.5%、大学が53.7%ですが、貧困をかかえる家庭では、その割合が下がります。特に、貧困率が半数以上と結果が出ているひとり親家庭においては、進学率が高校で93.9%、大学となると全体の半数以下の23.9%となっています。子どもが家庭の経済的事情を気にすることなく進学する機会を与えるためにも、給付型奨学金制度が求められています。

文京区では来年度から、就学援助制度を利用している生徒を対象とし、高校入学時に公立高校6万円、私立高校10万円を支給する制度をつくりました。また、文教委員会で視察を行った香川県高松市では、「家庭の経済的理由のため修学困難なものに対して、奨学金を支給することにより修学の機会を与え、有為な人材を育成することを目的とする。」として、市独自にS36年から給付型奨学金の制度を実施しています。人数の上限を設けることなく、基準を満たした進学意欲ある全ての生徒を対象とし、単価は月額9千円で、退学等の特別な事情の無い限り支給を行い、今年度は新入生99人、2・3年生158人が受給しています。当区でもまずは、高校進学からサポートできるよう、給付型奨学金制度を実施するべきです。教育長に所見を伺います。

(2)就学援助の拡大について

二つ目は、就学援助の拡大についてです。

[1] 新入学学用品費の支給時期の前倒しについて

新入学学用品費の支給時期について、先の第三回定例会で来年度、中学生から入学前の支給へ前倒しを実施すると答弁が出ましたが、小学生についても早急に検討を行うべきです。青少年問題協議会でも同様の意見が出ていました。これまで実施できない理由の一つとして挙げられていた家計収入の判断については、党区議団が視察を行った那覇市では、「お子さんが入学する年の1月の家計収入から支給を判断したが、実際、大きな誤差が出なかった」という実態を伺っています。このことからも、先進自治体の例も参考に当区でも、小学生への前倒し支給を実施すべきです。教育長に所見を伺います。

[2] 新入学学用品費の引き上げについて

小・中学校の入学時にかかる費用は、小学校の場合、ランドセルが平均4万円、そこに、体操服や上履き、図工、音楽科などの準備も加わり、6万円近くになります。中学校では標準服、いわゆる制服代も加わり、さらに体操服、上履きなどが加わると7万円前後、学校によっては10万円以上かかる場合もあります。
国は、今年度予算で生活保護世帯の新入学児童生徒に対する入学準備費用の国の扶助単価を、小学生は2万470円から4万600円に、中学生は2万3550円から4万7400円と、約2倍に引き上げることとしました。当区の就学援助の新入学学用品費の単価は、小学校で23890円、中学校で26860円と、それとは大きな開きがあります。新宿区では、実情に合った単価にするため、就学援助の新入学学用品費を、国の生活保護世帯と同額にする見直しを行いました。当区でも、国基準に引き上げるべきだと考えます。教育長に所見を伺います。

[3] 就学援助の認定基準の見直しについて

区内のある中学校に子どもを通わせている保護者から、副教材費、給食費、部活の費用、修学旅行の積立などで、年間20万円以上の負担がある、という話を聞きました。

現在、当区の就学援助の認定基準は、生活保護基準の1・2倍で、所得の目安は、ひとり親と小学生1人の世帯の場合で所得約279万円、両親と小学生1人の世帯で約346万円。ギリギリの生活が水準となっています。そのためまずは、保護者の経済的負担を減らすために、生活保護基準の1.5倍に引き上げるよう求めます。教育長に所見を伺います。

(3)給食費の無償化について

そして三つ目に給食費の無償化についてです。

我が会派は、義務教育は無償が原則であり、給食は食育、つまり教育の一部でもあることから給食費は無償にすべき、と一貫して主張しています。実際、学校への私費負担にかかる割合の中で、給食費は小学生平均49698円、中学生61824円と大きなウェイトを占めています。給食無償化をすでに実施している自治体は、全国で83となり、茨城県大子町では、子育て支援の一環として、保護者の負担を軽減するために今年度から、公立小中学校に加え、幼稚園でも無償化を実施しています。

これまで区長は、給食費の無償化は研究課題だと言ってきましたが、給食費の負担軽減はまさに区民の大きな声であり、早急に進める必要があると考えます。区長の所見を伺います。

(4)栄養士の配置について

栄養士の配置についてです。

現在、学校給食直営校では、栄養士が全校配置となっていません。栄養士を配置することで、子どもの顔を見ながら学校独自の献立をつくることができ、調理室でアドバイスも行うことができます。さらに食材を自ら発注し、子どもたちには、食材や献立の内容を直接、説明することで食育の幅が広がります。給食・食育の充実のために、栄養士を全校に配置するべきです。区長の所見を伺います。

(5)教員について

[1] 35人以下学級編成について

35人以下学級編成についてです。

教育基本法の第一条は「人格の完成を目指す…」となっています。そのためには児童・生徒一人ひとりに寄り添う教育が必要です。

少人数学級になると生徒の発表、活躍の機会が増えるとともに、教師が生徒一人ひとりに向き合う時間が増えます。ちなみに、欧米では20~30人までのクラス編成が基準で、少人数学級は世界の流れであり、国内でも東京都以外では実施しています。

昨年度、当区では小学校8クラス、中学校で5クラスを増やすことで35人以下学級の編成が可能でしたが、実現には至っていません。すでに実施している山形県では、成果として、教育にゆとりが生まれ、学力向上、不登校・欠席率の減少が報告されています。当区でも一人ひとりに寄り添う教育を行うために、独自に教員を加配し、35人以下学級を実施すべきです。

[2] 教員の多忙化について

教員の多忙化についてです。教育長から、昨日、他の議員への答弁で「教員の在校時間を把握する」という発言がございましたが、あらためて質問させていただきます。

東京都教育庁は都教育委員会で今月9日、都公立学校勤務実態調査を公表しました。その結果では、「過労死ライン」相当にある教員が、小学校で37.4%、中学校で68.2%、高等学校で31.9%、特別支援学校で43.5%存在していることが明らかになりました。

文部科学省がH28年度実施した勤務実態調査では、病気休職者は年間約8千人で、そのうち約5千人が、うつ病などによる精神疾患です。多くの教員が健康を害し、命を脅かされるほど働かされている現状は放置できません。区として、実態調査を行うべきです。教育長の所見をうかがいます。

[3] 教員の長時間労働について

教員の長時間労働は、子ども達の教育にも深刻な影響を及ぼします。激務に追われ、子どもの話にじっくり耳を傾けることや、授業の準備もままならない―。長時間労働は、子ども達一人ひとりに心を寄せる教育の重大な妨げです。国と自治体は、教員の生命・健康のためにも、子ども達のためにも、直ちに長時間労働を解消する責任があります。

区として今、必要なことは、教員の数を増やすとともに部活動などを見直すよう、国と東京都に求めることです。教育長の所見を伺います。

(6)学校施設の改善について

学校施設の改善についてです。

学校運営に関して、我が党のアンケートでも、保護者から直接受ける声としても学校施設の改善が圧倒的多数の声として求められています。子ども達の人格完成を行う場として、ふさわしい学校運営を行うためにも、予算を増やすべきところは学校施設整備関係ではないでしょうか。

その中でも特に要求が多い二つについて質問します。一つ目は、体育館の冷房化についてです。現在、区内で体育館に冷房施設があるのは、小中学校合わせ、3校のみです。熱中症が心配される中で、夏場にも使用し、災害時には避難所としても使う体育館の冷房化は早急に行うべきです。二つ目は、学校トイレについてです。文教委員会ではH32年度までに洋式化率を80%の目標にしているといった説明がありましたが、小学校では昨年度の段階で50%まで行っていないところは9校あります。80%に近づける計画をもっと早めるべきです。そして、誰でもトイレはダイバーシティを標榜する当区として、各フロアに一つは設置すべきと考えます。以上、合わせて教育長に所見をうかがいます。

3 保育について

続きまして、三番目のテーマである、保育についてです。

(1)来年度の保育園の申し込み受け付けが始まりました。今年度10月に4施設を開設、来年度は8施設の新規開設が予定され、待機児問題解消への期待が高まっています。

しかしながら、今年10月時点で、どこの保育園にも入れなかった子どもは366人と依然、深刻です。この間、区として待機児解消に向け保育施設を増やし、今年度から3年間で1400人分の定数を確保する計画も来年4月で達成させるなど前倒しを行い、努力を重ねていることは重々承知していますが、来年度での解消の見込みが難しくなっています。

さらなる計画を立てる上で把握しなければならないことの一つとして、出生児のうち、何%が保育施設への入園を希望するかを調査することです。まず、ここ最近の希望する割合はどのようになっているのでしょうか。区長に伺います。

(2)保育を必要とするすべての子どもを保育することは、児童福祉法第24条の通り、自治体の責務であり、同時に保護者の望む保育の質の確保を行う必要があります。ニーズ調査からも、我が党のアンケートからも、保護者の希望は認可保育園への入園です。

0~5歳児まで一貫して預けられる認可保育園の増設が求められています。区長の所見をうかがいます。

(3)区立保育園に関して、この間区は、西原、上原、昨年度は本町第二など5園を廃止し、新たな増設はありません。区立保育園には、園庭があり、渋谷区の保育の質の水準をリードする役割があります。その存在を廃止していくことは認められません。

現在、渋谷保育園の移設計画があり、笹塚第二保育園が建て替えとなっています。この2園は区立保育園として守り、今後も継続させるべき、と考えますが、区長の所見をうかがいます。

(4)区立保育園は計画から、保育士の募集まで、スピード感を持って開設することができます。代々木2・3丁目の国有地、幡ヶ谷社教館隣の都営住宅跡地などの都有地も活用し、区立保育園の増設を中心に待機児解消を行うべきと考えます。区長の所見を伺います。

(5)保育料についてです。当区の保育料は、家計収入を27段階の階層に分け、所得に応じて減免を行う制度があり、H28年度は、その減免を受けた人数がのべ18443人でした。全体の60%の方が利用している制度です。さらに、年収400万円以下は無料となり、多くの子育て世帯に喜ばれている制度となっています。

来年度の予算編成方針の中で、「保育料の検討を行う」ことが示されました。保護者の切実な要望に応えた制度は維持するべきであり、保育料の値上げはやめるべきです。区長に所見を伺います。

(6)保育士の処遇改善についてです。全産業の平均賃金と比べて月収が10万円程度低いと言われている民間保育士の処遇を改善するための施策の一つとして、当区では昨年度から保育従事職員宿舎借り上げ事業を始め、家賃、引っ越し代、などの助成を行っています。先日行われた、文教委員会と私立保育園との懇談会でもこの事業について「助かっている」と評価を受けました。

しかし、この制度を利用したくても家庭の状況から、区内へと移住することができない保育士も多くいます。また、対象が保育士・看護師に限られているため、施設内での収入格差が生まれています。そこでまず、対象を区外から通勤する保育士と保育士以外のスタッフまで広げるべきと考えますが、区長の所見をうかがいます。

収入そのものの改善を行うためには、賃金の補助が必要です。世田谷区では処遇改善として、保育士・看護師に区独自に月額1万円を支給しています。当区でも、公私格差を是正するために、区として賃金補助を行うべきと考えます。区長の所見をうかがいます。

4 公園について

最後のテーマ、公園についてです。

(1)区内には125の区立公園が存在し、その中には児童遊園地など、地域住民の要望から設置されたものも多く含まれます。区民と来街者の憩いとコミュニケーションの場、子ども達の遊び場でもある、この公園のあり方がいま問われています。

富ヶ谷小学校近くにある上原児童遊園地では、以前はあったトイレが撤去されています。この付近には、探そうとしても、公的なトイレはありませんので駅や商業施設の一部を借りなければならない状況があります。

この公園に限らず、区はH26、27年度に、11ヶ所のトイレを撤去しており、76カ所から65カ所になったことで、区民からは不満の声が上がっています。「保育士さんたちからは、園児を連れておさんぽへ行きたいが、トイレがないところへは連れて行けずに困っている。」高齢の方から、「途中で立ち寄る場所がなくなり、外出することが億劫になった。」という声も上がっています。撤去したトイレは元に戻し、改善すべきです。区長の所見をうかがいます。

(2)公園の利用ルールの明確化と誰もが快適に過ごせるような公園づくりについてです。代々木深町小公園は、区内で、ボールを使った運動が行える貴重な公園です。2年前には人工芝が設置され、安全性が高くなった公園ではありますが、「気軽に誰もが利用できる雰囲気に無い」、と区民から指摘が出ています。

条例上、特定の団体が独占使用する時や、営利につながる活動を行う場合は許可を必要としています。しかし、その許可を得て利用している団体なのか、そうでないのかが利用者や周辺住民にはっきり分かる表示が無いため、気軽に利用しようと思い公園に行った利用者との間で、トラブルが発生しています。

スポーツ以外の施設のように、許可を得て利用する団体があればその時間がいつなのかを示す明確な表示を行うとともに、団体、少人数それぞれのグループが仲良く利用できるように、仕切りなどを作り場所を確保すべきです。そして、ルールを逸脱した使用が行われることが無いように一定規模の施設には公園管理者を置くなどの措置をすべきです。区長の所見を伺います。