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2018年第2回定例会 6月8日の秋元ひでゆき議員の一般質問

私は、日本共産党渋谷区議会議員団として大きく4つのテーマで区長・教育長に質問させていただきます。(一部、他会派からの質問と重複するところがございますが、通告のまま質問します)

1、子どもの貧困対策について
子どもの貧困問題解消について 

最初のテーマは、子どもの貧困対策についてです。
2017年の厚生労働省の調査によると、日本の子どもの貧困率は13・9%、約7人に1人の子どもが「貧困ライン」を下回っています。なかでも深刻なのがひとり親世帯です。貧困率は50・8%で、主要国で最悪の水準です。調査では、母子世帯の82・7%が「生活が苦しい」と答えています。
児童福祉法の第二条には、国及び地方公共団体は、保護者とともに児童を心身ともに健やかに育成する、とあるように、子どもたちが健康で文化的な生活をおくることができるようにすることは自治体の責務です。
子どもの貧困問題解消のためには、まずは調査を行い、実態把握に取り組むべきと考えます。
沖縄県では、県内のこどもの貧困率を算出するために調査を行いました。項目は、食糧・衣料を買えなかった経験や電話料金などの滞納経験、ライフラインを止められた経験があったか、大学までの教育を受けさせたいか、などです。沖縄県子ども総合研究所の顧問で、加藤彰彦(あきひこ)・沖縄大学名誉教授は「子どもの貧困が可視化され、生活困窮の現実に気づいた時、県民1人ひとりが、市町村の職員が、自分にできることはないかと行動を始めたのではないか」、と指摘しており、その後の各自治体の施策につながっています。
運営支援制度を活用し、居場所をつくり、生活・学習支援、食事の提供、親の養育支援を行ったり、支援員を配置し、子どもの目線に立った貧困対策が始まっています。党区議団が昨年視察した那覇市では、こうした対策のために2億5千万円の事業を実施しています。「国と県の補助金の打ち切りに関係なく実施し、隠れた貧困を見つけることが大事だ」という話を聞いて、まさにそのとおりだと実感しました。
当区では、児童扶養手当の認定時や、生活保護世帯への調査、ニーズ把握は行っているとのことですが、それでは貧困の可視化はできず、声なき声を拾うことはできません。隠れた貧困を明らかにし、すべての子どもを支援するために、まずはアンケートなどによる悉皆調査を行うべきです。区長の所見をうかがいます。

就学援助の拡充について
生活が厳しい世帯によりそうための施策について質問します。一つ目は、就学援助についてです。H27年度は、小学生で19.7%、中学生で31.1%の子どもが受けています。
その就学援助において、新入学学用品費の支給時期と単価の見直しが求められています。新入学時は特に家計の負担が重く、小学校では約6万円かかる費用を捻出するのに困難な家庭は、多く存在します。新入学学用品費は、中学校での入学前支給が今年度の入学生から実現していますが、小学校ではまだです。
すでに実施している北九州市では、「入学する年の家庭の1月時点の収入を見ることで、支給を決めたが結果的に大きな誤差はでなかった」と言っていました。就学援助は必要な時に支給することが大事で、文科省はすでに通知の中で「特に新入生学用品費等は、十分配慮すること」と留意事項として伝えています。
23区では、江東区、新宿区がすでに入学前支給を実施しており、荒川区でも来年度からの実施、と広がりをみせています。先進自治体を参考に来年の小学校新入学生から入学前に支給すべきです。教育長の所見をうかがいます。

新入学学用品費の単価引き上げについて
また、支給額は、小学校が生活保護世帯の入学準備金の40600円に対し、23890円、中学校は47400円に対し、26860円となっており、小・中学校ともに生活保護世帯と比べ、約2万円も少ない金額です。
品川区、江戸川区、豊島区などではすでに、生活保護世帯と同額に引き上げています。中野区では、来年からの実施に動き出し、港区では、教育長が「経済的支援の更なる充実が必要」「今年の新入生には差額分を支給する」と答弁しています。
当区でも、新入学学用品費の単価を、生活保護世帯と同額にまずは引き上げるべきです。教育長の所見をうかがいます。

給食費の無償化について
給食費の無償化についてです。
給食費は今年度小学生の年間平均が約4万9千円、中学生が6万2千円と学校に通う子を持つ家庭の負担の中で、大きな割合となっています。我が党は、第一回定例会で「学校給食費の助成に関する条例」を提案しましたが、現在、83の自治体で給食費無償化を実現しています。当区では、3億3千万円で実現が可能です。義務教育は無償が原則であり、安定した給食の提供と無償化で、食育を充実させるとともに子育て世帯の経済的負担軽減をはかるべきです。
区長は、「総合的な子育て支援策を検討する中で判断する」、と答弁していましたが、給食費の無償化はただちに実施すべきです。区長の所見をうかがいます。

高校生までの医療費無料化について
高校生までの医療費無料化についてです。現在、高校生については、医療費の無料化を千代田区、北区で実施しています。我が党は第一回定例会で無料化提案しましたが、年間約8500万円で実現が可能です。
2016年の東京都の調査では、16~17歳の生活困窮層の保護者が医療の受診を抑制する理由として、自己負担金を理由にあげた割合が18.8%にも上っています。
怪我や病気に関して、経済的な理由により我慢することがないよう医療費の無料化を高校生まで拡大するべきです。区長の所見をうかがいます。

奨学金について
奨学金についてです。
現在、様々な奨学金を借りて進学した若者が、その返済に苦しんでいます。学校を卒業して、希望しても、安定した職に就けず、収入が少ない中での奨学金の返済に追われることが深刻な社会問題となっています。日本学生支援機構は、過去5年間にのべ1万5千人が返済できず自己破産をしていることを明らかにしています。
当区では、進学の機会を広げるために奨学資金の貸付制度を実施しています。返済困難な人に対しては猶予をもうけていますが、収入が生活保護基準の1・2倍程度の場合は、その年の返済を猶予でなく免除するなどの対策が必要です。子どもの貧困対策を全庁的に行っている足立区では、給付型奨学金の実施に加え、教育ローンの返済支援にも乗り出しています。
当区でも、まずは奨学資金返済の免除、そして、給付型奨学金の制度を実施すべきです。区長の所見をうかがいます。

子どもテーブルについて
こどもテーブルについてです。
区内では様々な団体やボランティアが、子どもの食の確保、学習支援のためにこどもテーブルを実施しています。中には、子どもに限定せず、地域のコミュニケーションの機会を増やそうという理由での取り組みも行われています。実施団体から、「現在は、月1回開催で定着してきたが、本当は回数を増やしたい。しかし、食材の寄付は一部あるものの、予算的に厳しく、まだまだ支援が必要です。」との声を聞いています。
今年度から、社会福祉協議会が、食事事業に関しては年間10万円、学習支援に関しては5万円を助成していますが、活動の幅を広げるためにも区独自にも助成すべきです。区長の所見をうかがいます。

教育について
教育とは

次のテーマは、教育についてです。
国連子ども権利委員会は、日本の教育は「過度な競争教育」によるストレスによって、子どもたちの心や体の成長発達がゆがめられている、と厳しく指摘しました。今日、点数で評価する競争はますます強まり、こうした下でのいじめや不登校などが深刻な社会問題になっています。さらに、教育への管理が厳しくなり、教員の業務が多忙化する中で、子どもたちと向き合う時間さえ確保できないなど深刻な状況が広がっています。
教育の目的とは本来、旧教育基本法に書かれているように、人格の完成をめざすことです。平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければなりません。今、切実に求められているのは、教育環境を整え、現場の自由裁量を拡大し、一人ひとりの個性を尊重し寄り添った教育を進めることです。

35人以下学級について
そこで、最初の質問は、35人以下学級の推進についてです。
今年度の速報値での小中学校のクラス数は、小学校で237クラス、中学校は62クラスとなっています。この中で、1クラスの児童生徒数が36人を超えるのは、小学校7、中学校4クラスです。小中合わせ、11人の教員を増員することで35人学級が実現します。
これまで、文科省が「生徒の発表の場が増える」「教室にゆとりができグループ学習など、学びあい、話し合いがしやすくなる」等様々なメリットがあると進めようとした35人以下学級の推進が現在、中座しています。2011年の義務標準法改正で、公立小・中学校1年生の学級編成の標準は35人となり、小学2年生については東京都独自の予算措置で実現していますが、それ以外は40人学級のままとなっています。
教員が子どもたち一人ひとりに向き合う時間が増え、子どもたちにとってゆとりある教育を行う上でも、11人の教員の増員を都に求めるとともに、区として35人以下学級を実施すべきです。教育長の所見をうかがいます。

教員の多忙化について
次に、社会問題となっている教員の多忙化についてです。
2016年に行った国の教員勤務実態調査によれば、月に100時間以上の残業を行う過労死ラインを超えて働いている教員は、小学校の33.5%、中学校では57.6%です。さらに持ち帰り残業などを含めれば、学校現場は、他業種平均をはるかに上回り、異常に長い労働時間の環境となっています。
昨年11月28日に出された文科省の「学校における働き方改革特別部会」の中間まとめ(案)では、「教師の専門性を生かしつつ、児童生徒に接する時間を十分確保し、児童生徒に真に必要な総合的な指導を継続的に行うことのできる状況をつくりだすことが必要」と指摘されました。
その後、国や都は、具体的な対策を打ち出していますが、当区ではどのような対策を行うのか。教育長に所見をうかがいます。

当区では、タブレット学習など、区独自の試みが行われていることからも、区内の教職員の具体的な労働実態調査を行うべきです。教育長の所見をうかがいます。

また、教員の多忙化解消を行うためには、根本的に教員の数を増やさなければなりません。東京都に教員の増員を求めるとともに、区としても増員すべきです。教育長の所見をうかがいます。

学校施設の改善について
充実した学校施設となるよう、施設改善についてです。
学校トイレ改修の予算が今年度も付けられていますが、学校ごとに洋式化率の差があります。1年度に2校ずつとかではなく、計画を前倒しし、各フロアの誰でもトイレ設置と共に洋式化を今年度中に全校実施すべきです。
また、体育館のクーラー設置は、小中合わせ、現在区内では3校の設置にとどまっています。熱中症などの対策や災害時の避難所として利用することからもトイレ改修と合わせ、早急に全校設置すべきです。区長に所見をうかがいます。

保育について
待機児問題解消について
三つ目のテーマは、保育についてです。
今年4月時点の認可保育園の申込数は、1856人、その中で入れなかった子どもは485人いました。どこの保育施設にも入れなかった子どもは151人です。これまで、待機児解消に向け新規園を毎年開設している努力は承知しています。10月にも新規園の開設で108人分の定数拡大、来年度も4園の開設が予定されていますが、待機児のほとんどは低年齢児に集中しているため今明らかにされている計画だけでは、ゼロにはならない可能性が高いです。
保育の責任は区にあり、保護者の「安心して子どもを預け、働きたい」という願いに応えるためには、現在の設置計画をさらに早める必要があります。同時に、保育の質の確保を行わなければなりません。そのためには認可保育園の増設で待機児を解消すべきです。区長の所見をうかがいます。

区立保育園について
認可保育園の中で、区立保育園は、渋谷の保育の質をリードするとともに、保育士の確保などスピード感を持った設置が可能です。北区では昨年度、「スピード感をもった定員増を行うため」として、公立直営の保育園4園を新たに増設しました。区民から喜ばれ、保育士も80人の募集に500人以上の応募がありました。保育の質をリードする施設を増やすためにも、区立保育園を増設するべきです。特に、現在、仮設運営の笹塚第二保育園、移設が計画されている渋谷保育園は区立のままで存続させるべきです。区長の所見をうかがいます。

保育士の処遇改善について
保育士の処遇改善についてです。
保育士不足の最大の原因は賃金の低さです。都内の保育士の給与は、2016年でみると全産業平均より月15万円も低く、保育士の平均年齢である33歳と同じ年齢層と比べても月8万円もの差があります。東京都が行った保育士実態調査では、職場への改善要望のトップは給与・賞与等の改善で59%、退職した理由も民間の保育園でのトップは「給料が安い」でした。
東京都は保育士の給与を月2万1千円上げると言って、H28年度から保育士等キャリアアップ補助および保育サービス推進事業補助を始めました。国もH29年度から経験年数3年以上と7年以上の副主任保育士などに、5千円から最大4万円の処遇改善を実施しましたが、補助対象となる職員数が各施設で3年以上で5分の1、7年以上が3分の1と制限されているため、対象職員全員の処遇改善につながっていません。
さらにキャリアアップの研修を受けることが条件ですが、「保育士が足りず研修に参加出来ない」という現場の深刻な声も出されています。こうした問題を解決するためには、まず区独自に賃金そのものを引き上げるために助成を行うべきです。区長の所見をうかがいます。

また、当区では、宿舎借り上げ事業を行い家賃補助を行っていますが、区内在住、保育士・看護師のみなど利用が限定されています。対象をすべての職員に広げるべきです。区長の所見をうかがいます。

羽田空港新ルートの中止について
最後に、羽田空港新ルート計画についてです。
計画の発表から、これまでの国交省の対応では、区民の不安が拡大するばかりです。
昨年9月には、落下物事故が相次いで発生しました。関西空港から離陸したKLMオランダ航空機から約4キロのパネルが落下して、大阪市内を走っていた乗用車に衝突しました。成田空港へ向かっていた全日空機からは、約3キロのパネルが2日続けて脱落し、約3週間後に一度目の部品が茨城県の工場内で発見されました。この間の国内での航空機の部品脱落は落下物を含め、451件に上っています。
落下物事故は、整備点検を徹底しても防げるというものではありません。
密集市街地の渋谷区上空を通る羽田空港新ルート計画について、区長は区民の生活、命及び財産を守るために、国に撤回を求めるべきです。区長の所見をうかがいます。