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2018年第2回定例会 「新庁舎及び新公会堂案内サイン製作設置業務委託請負契約」に対する、五十嵐千代子幹事長の反対討論

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただ今議題となりました議案第39号 新庁舎及び新公会堂案内サイン製作設置業務委託請負契約 につきまして反対の立場から討論します。

 本議案は、渋谷区が入札参加希望事業者に送付した新庁舎及び新公会堂案内サイン製作設置業務委託仕様書によれば、新庁舎と公会堂を利用する高齢者や障がい者、乳幼児連れ、外国人などに対して、誰にでもわかりやすく案内、誘導できる案内サインを製作及び設置し、来庁者がスムーズに手続きや相談ができる環境を創出することを目的とする、として新庁舎と新公会堂の屋内外の案内サインの製作及び設置工事の業務委託契約です。

 この契約は4月27日から5月21日の10時30分までを入札期間として電子調達サービスで実施され、入札に参加した7事業者のうち、5事業者が最低制限価格を下回ったとして無効とされ、最高額と2番目に高額な金額を入札した2者のみが有効とされ落札事業者が決定したものです。

 この決定に対し日本共産党区議団に無効とされた事業者から、「落札金額が高すぎるのではないか、区議会の議決後に契約するとなっているので議会の質疑で明らかにしてほしい。税金を無駄に使うようなやり方は納得出来ない」との申し出があり、渋谷区が各事業者に送付した仕様書や渋谷区新庁舎サイン計画基準書等の資料一切を提供していただき精査しました。

 第一の反対理由は、区の設定した予算額の積算根拠が明確になっていないことです。
 設定された最低制限価格2億548万3623円が妥当なのかが問題となります。区は予算額の3億3271万7112円から消費税を除いた額の66、2%を最低価格とした、と説明しましたが、最低制限価格の元となる予算額の3億3271万7112円の積算根拠について、明確な根拠は示されませんでした。積算方法については、年度当初の予算審議の段階で新庁舎の設計業者で基本協定の相手である日本設計の協力業者から見積をとり4億300万円が示され、さらに、契約段階で再度別の業者の見積もりで3億3200万円が提示されましたが、この事業者も4億300万円を提示した業者が紹介した事業者であったことも明らかになりました。

 最低制限価格を下回って無効とされた事業者が、公益法人日本サインデザイン協会や社団法人全日本屋外広告業団体連合会などに加盟するサインの専門事業者であるのに対して、区の見積もりを出した事業者は道路標識などを専門とする標識看板等の電子入札登録事業者であることが区の説明で明らかになりました。実際落札した事業者の主な取り扱い業務も道路標識、道路サインの製作、設置ほか交通安全施設の補修、移設、遮音壁、防音壁、トンネル内装などの設計施工等となっているのです。

 今回無効とされた事業者は屋内外のサイン専門業者のベスト10に入っている事業者と聞きました。さらに事業者から「この契約の内容は、区から使用する材質、点数、デザイン等細かく指定されており請負業者が手を加えることは出来ない」さらに、「自社工場がある、なしの違い以外に、大幅な金額の差が出ることは考えられない」と語っています。しかし実際質疑の中で明らかになった最低制限価格2億548万3623円を下回った事業者の入札価格は、最低が6677万7600円、ガイドサイン最大手で世界の企業や、公園通りに最近オープンしたホテルKOEのサインも請け負った事業者の額は1億7900万円、最高でも1億8983万円でした。落札額の2億3860万円は最低額の3、8倍、最高額と比べても4877万円も高額となっているのです。このことからも、区の予算額と最低制限額の設定は、疑問が生ずると言わざるを得ません。

 第2の反対理由は、地方自治法234条の本来の目的からみて妥当だとは言えないからです。

 本契約に対して渋谷区は、地方自治法234条第3項と同施行令167条の10第2項の規定により最低制限価格を設定することを入札の条件としています。しかし地方自治法234条第3項は、税金を支出をする契約については、契約の目的に応じ予定価格の制限の範囲内で最低の価格を持って申し込みをした契約の相手方とすると定めており、渋谷区が最低制限価格を定めるやり方は、但し書きとして認められているやり方で本来の「最少の経費で最大の効果を上げる」ものとは言えません。

 また、今回の新庁舎と新公会堂のサイン設置の業務委託は、庁舎建設費用として使われる三井不動産の借地料211億円とは別に、区民の税金が使われる契約であり、税金が適正に使われているかどうかが厳しく問われなければなりません。しかし、今回の契約額はサインの専門事業者が適正に見積もった価格より最低で約後000万円、最高で3、8倍もの高額な金額であり、積算根拠が明確になっていないことと考え合わせると地方自治法の定めた「最少の経費で最大の効果」をあげているとは言えません。事業者が改札後に直接渋谷区に対して、「高すぎるのではないか」との質問をしたが何ら対応しなかったと話してくれました。その時点で入札時に各事業者から提出させている「総括内訳書」等で比較検討すべきであったのにそれも実施していないことは税金の無駄遣いのそしりを免れることはできません。以上反対討論とします。