HOME > 議会の動き > 渋谷区議会予算特別委員会は、3月19日、渋谷区令和2年度一般会計予算と同国民健康保険事業会計・同介護保険事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算の3事業会計予算と日本共産党渋谷区議団の提出した予算修正案について、討論、表決しました。委員会で行った牛尾まさみ議員の、渋谷区の予算に対して反対し党区議団の予算修正案に賛成する討論を行いました。

渋谷区議会予算特別委員会は、3月19日、渋谷区令和2年度一般会計予算と同国民健康保険事業会計・同介護保険事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算の3事業会計予算と日本共産党渋谷区議団の提出した予算修正案について、討論、表決しました。委員会で行った牛尾まさみ議員の、渋谷区の予算に対して反対し党区議団の予算修正案に賛成する討論を行いました。

 渋谷区議会予算特別委員会は、3月19日、渋谷区令和2年度一般会計予算と同国民健康保険事業会計・同介護保険事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算の3事業会計予算と日本共産党渋谷区議団の提出した予算修正案について、討論、表決しました。委員会で行った牛尾まさみ議員の、渋谷区の予算に対して反対し党区議団の予算修正案に賛成する討論を行いました。


予算特別委員会 2020年度予算反対討論

2020.3.19 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第17号 令和2年度渋谷区一般会計、議案第18号 同国民健康保険事業会計、議案第19号 同介護保険事業会計、議案第20号 同後期高齢者医療事業会計の各予算原案に反対し、日本共産党渋谷区議団が提出した一般会計、国民健康保険事業会計の各予算修正案に賛成の討論をします。

 区民のくらしは厳しさを増し、日本共産党区議団が昨年夏から取り組んだ「暮らし・区政に関するアンケート」でも65%がくらしの苦しさを訴えています。昨年10月からは安倍政権が消費税10%を強行したことで、国民の消費がさらに落ちこみ、景気を悪化させました。今年に入ってからは、新型コロナウイルス感染の拡大で「売り上げが大きく下がった」「仕事がなくなり給料が払われるか不安」など、区民生活を直撃する事態が進行しています。

 こうしたときに自治体に求められているのは、何よりも区民のくらしを支え、安心して生活できる福祉や教育の充実です。
 ところが、長谷部区長の示した新年度予算では、特別区民税の税収が23億3725万円も増収が見込まれ、予算総額も1052億4900万円と史上最大の予算を組んでいるのに、区民のくらしを守る新たな施策はわずかです。また、現在の基金残高は1079億円にものぼっています。
 区民には、16年連続となる国保料の引き上げ、後期高齢者医療保険料の引き上げと軽減特例の廃止で、耐えがたい負担増を押し付けるとともに、介護保険の区型介護サービスなどの福祉を削り、区営住宅等は指定管理に、学校図書館専門員や非常勤講師は民間委託にして区の責任を後退させています。その一方で、大企業のための渋谷駅周辺再開発への巨額の税金投入を続け、新宮下公園でも、三井不動産に対し、借地料の大幅値引きに加え、公園の指定管理でも儲けを保障しています。こうした税金の使い方は、自治体本来のありかたに反するもので認められません。
 以下、各会計、各部の予算の問題点を指摘します。

 まず一般会計についてです。

経営企画部
 官民連携事業として一般社団法人渋谷未来デザインに、1604万円の予算が計上されており、今年度に比べ1082万8千円も増額されています。
 そのうち1596万円は、現在、区から派遣されていた事務局長が退職するため、後任者として渋谷未来デザインが直接雇用する予定の職員の人件費分1210万円と、これまでどおり派遣される三人の職員の共済費358万円を負担金として、区が支出するものです。しかも、この人件費は新年度だけでなく2021年度以降も継続されるとの答弁がありました。
 そもそも一般社団法人渋谷未来デザインは、出資企業に新たな収益事業を提供するために、区が官民共同で設立したもので、新たな事業には区の公共財産を活用することも予定されています。わが党は公共財産を企業の利益のために差し出すものとして反対してきましたが、区は、2017年度に準備室費用として6200万円、設立した18年度には、7512万3千円、19年度は4人の派遣職員の社会保険料事業主負担分として521万2千円を支出し、新年度の1604万円も合わせると、この4年間で総額1億5837万5千円の税金を計上しているのです。自治体本来の役割を逸脱した税金投入は断じて認められません。

総務部
 公契約条例については、この間、関係者等の意見を取り入れ工事現場への公契約条例の対象工事であることの掲示や、19年度からは支払い賃金についても確認できる書類作成を要綱等で求めるなどの改善が行われたことは評価します。さらに対象工事を拡大するため、予定価格を引き下げるとともに、労働者に支給される賃金が、渋谷区が定めた下限額を下回っていないことを区が確認できる賃金台帳の提出を条例に明記すべきです。

危機管理対策部
 客引き行為等防止指導員配置を3人から4人に増員し、渋谷駅周辺だけでなく、原宿竹下通りでも、民間の警備会社の巡回を実施することは評価します。しかし、渋谷駅、原宿、恵比寿駅周辺でのスカウトによる性的搾取にかかわる事業所数は40を超え全国1多いといわれ、被害者の数も減少していません。恵比寿駅周辺にも指導員を配置し、飲食店等の客引きに加え警察との連携も強めて性的搾取の被害を減少させるよういっそう強化すべきです。

 災害対策として、昨年の台風19号で防災無線が聞こえなかったという区民からの声が多く寄せられています。新年度屋外無線2か所を更新する等の予算が600万円計上されていますが、先進自治体に学び防災無線だけでは情報が伝わりにくい高齢者や障がい者に正確に伝わる手段として防災ラジオ等の支給を行うべきです。また、障がい者が利用している民間福祉作業所や民間の保育施設等への災害備蓄品購入費助成を実施すべきです。さらに福祉避難所を増やして、より身近な場所に設けるとともに、重度障がい者用の食料も関係者の意見を聞き備蓄する予算を計上することを指摘します。

区民部
 河津さくらの里しぶやの運営費の1億2568万3千円に加え、施設維持管理費として890万円が計上されていますが、その大半は老朽化した施設の工事費です。今年度の宿泊利用者は1月までの累計で7638人で、二の平しぶや荘の2万1337人にくらべ、三分の一程度にすぎないのに、新年度の予算は二の平の1億6241万2千円に対し、河津は1億3458万3千円にもなっています。費用対効果などを含め、区が十分な検討もなく廃業した旅館を取得したことは問題です。これまでに区が投入した予算は、施設の取得など開設前に、2億4189万円、開設後も今年度までに12億21万2千円を費やしてきました。区民の要望もないまま開設し、区民からも遠くて不便、また行こうとは思わないなど、批判が上がっています。こうした施設に、新年度も1億3458万3千円も予算をつけることは認められません。税金の無駄遣いであるこの施設は廃止すべきです。

都市整備部
 渋谷駅周辺整備では、市街地再開発事業として住民や小規模店舗を追い出して進められている、渋谷駅桜丘口地区再開発に9億4300万円、渋谷駅中心五街区整備事業として、駅街区北側自由通路に4億円、南口北側自由通路に5億8千万円、総額で19億2300万円もの税金が投入されます。また、今年度1300万円が予算化されてスタートしたステップアップ事業は、東京都の旧児童会館用地に加え、区の美竹第二庁舎と区立美竹公園を一体の敷地として、民間に定期借地させ、営利事業を展開させようとする事業で、この検討業務に600万円余が計上されていることは認められません。
 地域住民からは、美竹第二庁舎の敷地を活用して、不足している特養ホームや保育施設を整備する提案もなされており、住民の声に耳を貸さず、大企業の利益のために区民の大切な財産である公有地を差し出して大儲けさせることはやめるべきです。

 新年度から、区営住宅、区民住宅、借上げ等高齢者住宅、地域福祉人材住宅を一括して東急コミュニティに管理させ、募集業務を含めた指定管理料として1億4251万6千円が計上されています。昨年改定された区営住宅条例では、区営住宅内の空駐車場も指定管理者の判断で活用できる仕組みも導入され企業の利益とされます。公的住宅管理の業務にたいする区の責任を後退させることは認められません。

土木部
 新宮下公園等整備費として、6億5762万2千円が計上されていますが、その内訳は、総合事業支援業務委託として778万8千円、瑕疵担保責任の負担金として、宮下公園の地下から出たレンガやブロックなどの撤去費用として三井不動産から請求があった6億2522万7千円などです。この負担金は、新年度の三井不動産からの年間借地料5億6950万円上回る巨額の支出であるにもかかわらず、区議会にも全く報告がありませんでした。
 また、このほかに宮下公園にかかわる予算として、公園維持管理費として指定管理料が1億3199万9400円、供用部施設管理費負担金としてエレベータの電気代など4300万円が計上されています。
 さらに、公園の地下に6月から開設される予定の渋谷駐車場(宮下公園駐車場)は、開設3か月前の今日になっても管理の方法が決まっておらず、予算計上がなされていません。駐車場施設の中には三井不動産との共有部分と区の専用部分があり、三井不動産との規定をまとめていく作業が必要とのことでした。すでに、今定例会で指定管理に委ねることができる渋谷駐車場条例が可決されていますが、この施設も三井不動産の了解なしに運営できない施設となっています。
 これらは、宮下公園整備にPPP手法を採用し、敷地全体を定期借地させて商業施設やホテルを建てて三井不動産に利益を上げさせ、借地料の大幅値下げだけでなく、開設後の公園や駐車場の管理まで、企業が利益を上げ続けるための手法と支出であり、認めることはできません。

子ども家庭部
 認可保育園の待機児童解消は、多くの保護者の願いですが、今年も多数の待機児童が生まれることは必至です。
 今年4月の認可保育園、認定こども園、幼保一元化施設の入所申込件数は0、1、2歳児の合計で1549人となっており、受け入れ可能数を合計で393人上回っています。
 区長は待機児童ゼロの目標年度を1年先延ばしにし、来年度には解消することを目指すと発言していますが、待機児解消は「様々な手法を活用していく」という姿勢ではなく、保護者の願いとなっている、施設や職員配置などの基準を満たし、小学校入学前まで安定して預けられる認可保育園での保育を保障するため、区の責任で認可保育園の増設を行い、待機児を解消することを強く指摘します。

 保育の質を確保するうえで欠かせない保育士の処遇改善について、新年度の新たな改善策は示されませんでした。改善が進められているとはいえ、若い保育士が集まらず、また、就職しても早期に辞めて定着しないという深刻な事態が続いています。一般労働者の平均月額給与より、7万円から10万円低い民間保育士の賃金引き上げは急務であり、国、東京都に対し抜本的な対策を求めるとともに、区独自に、賃金引き上げの補助と宿舎借り上げの対象を拡大すべきです。

 子どもの医療費無料化を高校生まで対象にしている区市町村は、全国で541にのぼり、都内では千代田区、北区、日ノ出町、奥多摩町、新島村で実施されています。
 しかし、当区では住民の切実な要望が出されているにもかかわらず、新年度の実施は何ら検討もされていません。保護者からは、「高校生になって交通費などもかかるようになり、突然の出費となる医療費の負担をなくしてほしい」などと無料化を望む声が上がっています。 保護者の経済的負担を軽減するため、9900万円でできる高校生までの子どもの医療費無料化を実施すべきです。

教育振興部
 35人学級を全学年で実施することは、教師が一人ひとりの子どもに寄り添った教育をおこなうとともに、教員の多忙化を解消するためにも保護者と教職員の強い要望となっています。
 国に対し、全学年での35人学級の実施を要請するとともに、全国の都道府県で唯一少人数学級を実施していない東京都に対し、すみやかに実施するよう求めるべきです。また、学級編成権は国や都にあるとして現状を放置する姿勢を改め、新年度、35人を超える小学校8学級、中学校2学級に教員配置を行ない、区独自に全学年での35人学級を実施すべきです。

 学校図書館専門員は、学校図書館法の改正で「学校司書」が法的に位置づけられたことを契機に、2014年度から区立の全小学校に、区の非常勤職員として配置され、教員と連携した調べ学習など、その専門知識を生かした授業支援を行なうなど、学校教育に大きな役割を果たしています。
 ところが、教育委員会は学校図書館専門員に対し、今年度末で雇用を中止することを一方的に通告し、新年度から委託に切り替える予算を計上しました。さらに新たな専門員は中央図書館の所属となり、これまで、学校長のもとで教員と一緒に築いてきた子どもとの関係をこわし、子どもに対する区の責任を後退させることで認められません。学校司書がその役割を十分に発揮するためにも、文科省が求めているように、区が直接雇用し常勤で安定した専門職として配置すべきです。

 放課後クラブは、子どもたちが安心して豊かな放課後を過ごせるようにするために重要であり、充実がもとめられています。しかし、教育委員会が新年度から導入しようとしている有料のスポーツ教室や習い事は、教育と保育の場に経済的格差を持ち込むもので認められません。放課後クラブに最も求められているのは、学童保育の機能の充実であり、安定した指導員を確保し活動の場を児童数にふさわしく広げることや、おやつの無料支給、安静のための休憩室の確保などの改善をすべきです。また、スポーツ教室や習い事は、子どもの自発性を尊重するとともに、希望する誰もが参加できるよう無料にすべきです。

福祉部
 特別養護老人ホームは、つばめの里・本町東が開設されましたが、昨年10月現在の待機者は338人と依然として深刻な事態です。予定していた代々木2丁目の国有地への140床の整備が見通せなくなる中で、現在の増設計画は、2020年度完成予定の高齢者ケアセンター跡地複合施設の84床しかありません。また、けやきの苑・西原の大規模改修の際の代替施設も必要となることから、待機者解消にむけて直ちに特別養護老人ホームの増設計画をたてるべきです。
 具体的には、代々木2・3丁目の国有地の活用の可能性を追求するとともに、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡地、本町1丁目の警察寮跡地などの公有地や適切な民有地を確保するとともに、美竹第二分庁舎の移転後の跡地やケアコミニュティ原宿の丘の再整備の際にも特養ホームの整備を進めるべきです。

 介護職員の処遇改善については、今年度は2月末までに特養の介護職員の退職者が、けやきの苑で11人、つばめの里で34人もあり、美竹の丘では3月末に9人が一斉退職するなど深刻な事態となっています。介護職員の確保と定着は喫緊の課題となっており、処遇改善を直ちに行うべきです。
 昨年の処遇改善は、けやきの苑では一時金支給で最高7万5千円にとどまり、事業団でさえ10年以上の介護福祉士で月1万8千円、10年未満は月4500円から9千円引き上げで、専門職にふさわしい処遇にはなっていません。
 国に対し、抜本的な処遇改善を求めるとともに、区としても、介護職員と介護サービスの質を確保するために、賃金の引き上げなどの処遇改善を行うべきです。

 介護人材確保のためとして、新年度から、介護職員宿舎借り上げ助成制度が創設されることは、区独自に処遇改善に乗り出した点は評価します。しかし、1事業者に1戸、月5万円で40人分、2400万円の予算では不十分です。制度を改善し規模も拡大すべきです。
 また、最も深刻な訪問介護士は、60歳以上が全体の6割以上を占め、専門職にふさわしい賃金が保証されていません。若い職員が希望を持って働けるよう、国に対して大幅な賃上げを求めるとともに、区としても上乗せすべきです。

 区型介護サービスは、高齢者の尊厳と自立した生活を支えるために、介護保険制度で支援できない部分を上乗せする区独自の事業で、全国にも誇れる事業です。しかし区は、この間、利用料の値上げ、緊急派遣型ホームヘルプや外出介助を廃止し、国基準より単価が安く無資格者に担わせることができる緩和サービスAに置き換え、総合事業を実施しない介護事業所には区独自サービスの利用を制限するなど、5年前と比べて8063万円、47%も予算を削減してきたことは認められません。
 廃止した上乗せサービスを復活し、単価を戻すとともに、自立と認定されている方へのサービス提供など制度を充実すべきです。

 難聴高齢者への補聴器支援は、専門学会でも、うつ病や認知症対策としての効果が認められ、23区では新年度から支援を開始する足立を含め、10区が助成制度を実施しています。 また、東京都も高齢社会対策推進区市町村包括補助で、補聴器支援を行う区市町村に補助制度を設けています。当区でも、難聴高齢者に対する補聴器購入費助成と調整への支援を実施すべきです。

 敬老館は、高齢者福祉の増進を目的に、無料で利用できる高齢者の憩いと交流の場として親しまれています。ところが、区は昨年笹塚敬老館を廃止して地域交流センターに置き換え、さらに新年度は、初台敬老館を直営から民間委託に替え、委託費として1224万円を計上しています。敬老館は、これまでどおり区の職員を配置し、直営で存続すべきです。

 福祉タクシー券は、障がい者の社会参加をはじめ、病院への通院などに活用されてきた重要な施策ですが、区は新年度、前年度比で905万円を減額しています。2015年度には月額支給額が4600円だったのを、1100円引き下げ、3500円にしましたが、2015年度以降も3005万円、24%も削減しています。障がい者からも元に戻してほしいとの強い要望が出されているにもかかわらず、この年度も3500円の単価で据え置かれていることは認められません。

 区は、生活保護受給世帯にたいし、冬の暖房代、夏の冷房代のために支給してきた冬の見舞金4000円を2017年度に、さらに夏の見舞金を2018年度に廃止しました。国が生活扶助費を6年間で6%も削減している中で、昨年も猛暑の中で、クーラー代も我慢するなど命にかかわる深刻な事態で、3200万円余でできる夏冬の見舞金を復活すべきです。

健康推進部
 2018年度、がんによって死亡した区民は446人で、全体の約3割と死亡原因の1位となっています。早期発見・早期治療につなげるためにも、要精密者全員が再検査を受けることが求められています。当区では以前は、精密検査は無料でしたが、現在は自己負担となっています。要精密者全員が安心して再検査が受けられるよう再検査を無料にすべきです。
 また、内視鏡検査の受診機会を増やすため、医療機関が1カ月に検査できる検査回数の制限を撤廃するとともに、前立腺がん検診も対象にすべきです。

 日本共産党渋谷区議団は、区長の一般会計予算案に対し、修正案を提出しました。主な内容は、国民健康保険料の軽減のための繰り出し金の増額、介護保険の保険料や利用料を住民税非課税世帯に対して軽減する、区立小中学校の給食費の無償化、高校生と低所得高齢者の医療費無料化、小中学校の全学年での35人学級の実現、民間の保育士や介護従事者の処遇改善、難聴高齢者への補聴器支援、区長が切り捨てた障害者の福祉タクシー券や生活保護世帯への見舞金の復活、商店街街路灯の電気代と維持管理費の全額補助、建築物の耐震化助成の拡充など、区民の切実な願いを実現するとともに、大企業のための再開発への税金投入や河津さくらの里しぶやなど、不要不急の経費を削減するものです。
 区民のための施策に必要な予算は45億6430万7千円です。一般会計予算の4%で多くの区民要望の実現できることを示しています。

つぎに国民健康保険事業会計について
 新年度の国民健康保険料は、医療分と支援金分で均等割を600円引き上げ、所得割を0.06%引き下げるとともに、医療分の限度額を2万円引き上げるものです。また、介護分については、所得割保険料を0.49%引き上げ、限度額を1万円値上げするものです。その結果、加入者全員にかかる医療分と支援金分の合計では、均等割の引き上げのため、低所得世帯ほど引き上げ率が高く、重い負担となります。また、介護分のかかる、世帯主が40歳から64歳までの世帯では、年収400万円で1万円以上、年収700万円で2万円以上など、中間所得層を中心に大幅引き上げとなります。
 この結果、40代の夫婦と子ども2人の世帯では、保険料は50万7321円と1万2419円の値上げで、家族構成や所得が同じ協会けんぽの加入者の2.18倍、27万4121円も高くなり、医療保険制度間の格差はいっそう広がります。区長が就任した2015年以降の5年間の値上げ額は、9万9440円にものぼり、負担の限界を超える保険料は、くらしを壊すものといわざるを得ません。
 高い保険料を押し付ける一方で、新年度予算では、保険料軽減のための一般会計からの繰入金を9751万円も減らしています。新年度の繰入金削減によって上乗せされる保険料は、一人当たり約2700円にもなり、今後も4年間にわたって引き上げが続きます。国民健康保険は、憲法25条の生存権を保障する社会保障の重要な制度であるにもかかわらず、区民には負担増を押し付け、区の国保への支援を後退させる予算は認めらません。
 日本共産党が提案した修正案は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げる第一歩として、子どもの均等割を全額免除するとともに、低所得者の均等割軽減率を1割上乗せするもので、2億8300万円の財源で実現できます。区民が安心して医療にかかれるようにするために、区長の判断で実行すべき提案と考えます。

 つぎに介護保険事業会計について。
 高い介護保険料は、年金が引き下げられ、消費税が増税される中で、預金を取り崩しながら生活している高齢者にとって耐え難い負担となっています。わが党区議団のアンケートでも8割以上の方が、保険料負担が重いと回答しています。実際、普通徴収の保険料収納率は、今年2月現在76%で前年より低下しています。とりわけ第1段階から世帯全員が住民税非課税の第3段階までの滞納者が42%を占め、保険料の滞納による給付制限を受けている方も21人で全員が第6段階までとなっており、低所得者ほど負担感が重くなっていることは明らかです。給付制限を受けている方のうち9人は、実際に介護サービスを利用している方であり、保険料が払えない低所得の方に利用料を上乗せするペナルティを課す事態となっています。住民税非課税世帯の介護保険料を軽減するとともに、給付制限はやめるべきです。
 また、介護度別の利用限度額に対するサービス利用率は、要支援1が36.4%、要支援2が27.1%、要介護1が49%などと低い利用率にとどまっています。
 低所得世帯に対する区独自の介護保険利用者負担額助成を住民税非課税世帯にまで拡大するとともに預貯金制限を撤廃すべきです。

 介護予防・生活支援総合事業は、政府が要支援者の生活援助を全国一律の介護サービスから外し、自治体に丸投げして開始されました。区は、家事援助などの生活援助サービスを緩和サービスAとして無資格者に担わせることを想定し、介護報酬を、訪問介護で約2割、通所介護で約3割も国基準サービスより引き下げました。しかし、区が予定した、ヘルパーの資格がなくても一定の研修を受けた担い手は8人しか雇用されておらず、圧倒的多数は資格のあるヘルパーが担っているのが実態です。緩和サービスAに置き換えられた介護報酬の減額分は、週2回、1時間の訪問介護で月4035円、国基準よりも15%も安く、すべて介護事業者の減収となっています。
 利用者のサービスを低下させ、介護事業者を苦しめる緩和サービスAはやめて、要支援者の介護サービスの報酬を国基準に戻すべきです。

 最後に、後期高齢者医療事業会計について。
 新年度の後期高齢者医療保険料は、2年ごとの保険料の見直しで、均等割が800円引き上げられ、所得割が0.08%引き下げられ、低所得者ほど重い負担になりました。一人当たり保険料は、10万1053円と3926円の引き上げになっています。特に、高齢者を差別し高い保険料を押し付ける医療制度に対する国民の強い反対のもとで、国が実施してきた元被扶養者などへの軽減特例は、新年度、9割軽減だった方が7割に、8.5割軽減は7.75割軽減に縮小され、来年4月からは完全に廃止されます。このため、新年度の保険料は年金収入80万円の人で1万3200円と4600円の、年金収入168万円の人は1万6400円と3400円もの引き上げになります。区内の高齢者の6773人が大幅引き上げとなるような保険料引き上げを認めることはできません。
 さらに国は医療費窓口負担を原則2割に倍増することを狙っていますが、所得の少ない高齢者が医療を受けられなくするもので、絶対に認められません。そもそも、医療にかかる機会が多い高齢者だけを別の保険制度に囲い込み、高い保険料と給付抑制を押し付けるこの制度そのものを廃止し、国の責任で高齢者が安心して医療にかかれる制度設計をすべきです。

 以上、区長提出の一般会計ほか3事業会計に反対し、日本共産党提出の一般会計及び国民健康保険事業会計の修正案に賛成する討論とします。