HOME > 議会の動き > 田中正也議員は区議会最終本会議で、日本共産党区議団を代表して、渋谷区2020年度渋谷区一般会計予算と国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論を行いました。

田中正也議員は区議会最終本会議で、日本共産党区議団を代表して、渋谷区2020年度渋谷区一般会計予算と国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論を行いました。

 田中正也議員は区議会最終本会議で、日本共産党区議団を代表して、渋谷区2020年度渋谷区一般会計予算と国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論を行いました。


●2020年度予算に対する反対討論

2020.3.23 田中正也

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第17号 令和2年度渋谷区一般会計予算に反対の立場から討論をいたします。 
 
 新型コロナウイルス対策は、国や区にとって最重要課題です。
 新型コロナウイルス感染症の拡大が、区民のくらし、フリーランス、中小業者の営業、日本の経済に大きな影響を与えています。安倍政権は、追加の緊急対応策を示していますが、医療・検査体制の整備についての財政支援、政府が要請したイベント自粛で仕事が失われ収入が断たれた業者、劇団員、音楽家などのフリーランスへの補償も不十分です。例えば、フリーランスの補償は、一律休校によって休まざるを得ない保護者に限られ、しかも雇用されている方の半額以下の4100円です。また緊急融資の枠も、1兆5千億円とリーマンショックの時の1割以下です。また、経済対策として、現金型の給付を行うと報じられていますが、各界から抜本的な対策にならないと批判が広がっています。
 日本共産党は、まず医療・検査体制の抜本的強化、中小企業への20兆円規模の無担保・無保証人融資枠拡大、フリーランスへの所得補償の抜本的拡充などとともに、内需主導で日本経済を立て直すために、消費税を5%に引き下げることを強く求めています。
 国は、税や社会保険料の支払い猶予を実施するといっていますが、区としても、区長の判断で国保料の緊急減免を行うとともに、中小業者やフリーランスの苦難を軽減するなどの独自予算を確保すべきです。

 私が、区長提案の予算に反対する第1の理由は、区民のくらしが大変な時に、負担増と福祉・教育の切り捨てを押し付け、福祉の増進義務を負う区の責任を放棄しているからです。
 区民のくらしはかつてなく深刻です。昨年秋の日本共産党区議団の「くらしと区政アンケート」でも65%が、生活が苦しいと訴えていました。その後、消費税が10%に増税され、今は新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけています。フリーランスの方は、「3月の舞台はすべて中止、収入はゼロ」、クリーニング店の店主は、「3月の売り上げは、例年より2割減。運転資金を借りても返せる見込みもない」など、悲痛な声が寄せられています。
 こんな時こそ、くらし、福祉、子育て・教育への手厚い支援で、区民一人ひとりのくらしに希望を示すことが必要です。ところが、渋谷区の2020年度予算は、過去最高の1052億4900万円と前年度比128億円も増やし、基金などのため込みも1079億円とこの5年間で394億円58%も増やしているのに、区民には負担増と福祉切り捨ての連続です。
 国民健康保険料は16年連続の値上げで、フリーランスや非正規労働者、高齢者に払いきれない高額な保険料を押し付けています。また、後期高齢者医療保険料も値上げし、低年金の高齢者に過酷な負担を強いようとしています。わが党区議団のアンケートでは、生活苦の原因として、物価の値上がりとともに社会保険料・税の負担だと答えています。区民のくらしを破壊する負担増を押し付けることは認められません。
 今年4月から学校図書館専門員を突然解雇し、民間委託に切り替え、しかも学校から切り離して中央図書館の所属にしようとしています。学校図書館専門員から、「継続し、安定した子どもとのかかわり、学校との連携があってはじめて、ひとり一人の子どもが読書の楽しさや学び探求する喜びを感じてもらえる。委託では、子どもへの支援や学校との連携は安定しないのでは」と不安の声が寄せられています。子どもの学びと成長に寄りそってきた学校図書館専門員を解雇することは、公教育に対する責任放棄であり言語道断です。雇用を継続し、学校図書館法でも位置付けているように、学校ごとに常勤の学校司書を配置すべきです。

 福祉の切り捨てが、区民を苦しめています。長谷部区長の下でこの間、高齢者寝具乾燥サービスは有料化、高齢者マッサージの利用料は1.5倍化、上乗せ訪問入浴は要支援者を対象から外し、障がい者の福祉タクシー券は月1100円削減、児童発達支援も有料化、生活保護世帯の夏冬の見舞金を廃止するなど、次々と区独自の福祉制度を切り捨ててきました。高齢者が尊厳を保ち自立した生活をおくるために、介護保険の対象外となる上乗せ訪問介護などを実施してきた区型介護サービスの2020年度予算は2019年度比888万円8.7%削減、この5年間では8067万円削減し、予算を半減させています。毎年行ってきた民生委員の一泊研修を3年に1回にしてしまうことに、民生委員からも批判の声が上がっています。
 高齢者や生活保護世帯、障がい者の尊厳と自立した生活を支える渋谷区独自の福祉を切り捨て続けていることは、福祉の増進に責任を負う自治体としての責任放棄であり許されません。切り捨てた施策を復活し、さらに充実すべきです。

 第2の理由は、子育て支援や高齢者福祉の充実を求める声に背を向けているからです。
 希望するすべての子どもを認可保育園に入れてほしいとの保護者の願いは切実です。ところが、今年4月の入園申し込み者は、0歳から2歳までで、受け入れ可能数を393人上回っており、待機児が出る深刻な事態です。2020年度予算で5園を新設する計画ですが、どれも2021年4月以降の開設です。また、来年度も同規模の申し込みがあれば、この5園だけでは低年齢児を中心に待機児をゼロにできません。認可保育園の増設のための予算を増やすとともに、早急に保育士を確保し、質を保ちながら安定した保育ができる区立認可保育園の増設を中心にすべきです。
 保育士の処遇改善も待ったなしです。世田谷区のように、区独自に賃金引き上げを行うとともに、保育職員宿舎借り上げ助成制度をすべての保育職員に拡大すべきです。
 放課後クラブに、新たに有料プログラムを導入しようとしていることも問題です。格差と貧困が深刻な中で、学童保育を必要とするすべての子どもが、経済的差別なく安心して過ごせる生活の場に、お金のあるなしで差別を持ち込むことは許されません。無料にすべきです。
 学校給食無償化をする自治体が広がっている中で、無償化に背を向けることは許されません。学校給食は、子どもの豊かな食育や栄養のバランスの良い食材を提供することで、心身ともに健やかな成長を保障しています。学校給食費費は、学生で6万1476円と義務教育にかかる保護者負担としては最も重いものです。小中学校で無償化に必要な予算は年間3億8千万円です。直ちに実施すべきです。
 高校生まで医療費窓口負担を無料化している自治体は、全国で541に広がっています。子どもがお金のことを心配して、医者にかかるのを遠慮することがあってはなりません。9900万円で実現できる高校生の医療費の無料化は、直ちに実施すべきです。
 難聴高齢者が補聴器を使用することは、認知症を予防し、生活の質の向上を保障する上で重要です。補聴器購入助成には東京都も補助しており、今年10区に広がります。高齢者の切実な願いであり、直ちに実施すべきです。
 特別養護老人ホームの待機者は338人と依然として深刻です。「一人暮らしの姉が認知症を発症して自立した生活ができないのに、区内の特養はいつ入れるかわからない」など、在宅介護は限界との声が多数寄せられています。現在の計画は、高齢者ケアセンター跡地複合施設の84床だけです。住み慣れた地域に、特養をとの願いにこたえて直ちに特別養護老人ホームの増設計画をたてるべきです。ケアコミニュティ原宿の丘の再整備の際も特養を整備し、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡地、本町1丁目の警察寮跡地の早期取得、民有地の借り上げなどで用地を確保するとともに引き続き代々木23丁目の国有地の活用の可能性を追求すべきです。また、低所得者でも入居できる従来型や多床室を増床すべきです。
 介護職員の処遇改善も喫緊の課題です。新年度から、介護職員宿舎借り上げ助成制度を創設し、区独自に処遇改善に乗り出した点は評価します。しかし、1事業者に1戸、月5万円で40人分、2400万円の予算では不十分です。制度を改善し規模も拡大すべきです。
 また、最も深刻な訪問介護士は、60歳以上が全体の6割以上を占め、専門職にふさわしい賃金が保障されていません。若い介護士が希望を持って働けるよう、国に対して大幅な賃上げを求めるとともに、区としても賃上げすべきです。

 第3の理由は、区民無視、くらし、福祉を後退させる一方で、財界戦略として、国際競争力を高めるために、大企業の儲けを最優先にしているからです。
 渋谷駅周辺再開発事業は、中心となっている東急グループが国際競争力を高める事業だと言っている通り、区民福祉とは無関係の大企業のための開発事業であり、2020年度だけで19億2300万円も投入することは許されません。この事業で利益を得る事業者が負担すべきです。さらに美竹第二庁舎や美竹公園などを一体開発する事業には、新年度600万円を計上していますが、区民の土地を営利企業に使わせて儲けさせる再開発はやめて、区民福祉の増進に使うべきです。
 宮下公園整備事業に、新たに6億5762万円を投入しようとしていることは重大です。その内、6億2522万円は、宮下公園の地下から出た瓦礫の撤去費用であり、公園の完成目前まで議会にも区民にも知らせないという異常なやり方です。区民の憩いの場である公園を、三井不動産に190億円も値引きして貸し出し、ホテルや商業施設に加えて、さらに宮下公園の指定管理や駐車場でも儲けさせるまさに三井不動産のための事業です。民間の事業だからと区民の声も議会も無視して、大企業のもうけを最大限保障する民間資金の活用手法はやめるべきです。
 一般社団法人渋谷未来デザインには、1604万円の予算が計上されています。この事業は、官民連携として、公共財産を活用して出資企業に新たな儲けの場を提供するための企画を作る団体であり、今後は代々木公園にサッカー場を整備する構想まで進めています。一方、議会や区民の声を聴く保障はありません。渋谷未来デザインには、設立以来4年間、4人の区職員を派遣し、区民の税金1億5837万を投入することになります。新年度、退職する区の幹部職員を天下りさせその人件費1210万円を区が負担するというやり方も異常です。大企業のもうけの場を拡大するために、職員や税金を投入することは許されません。
 また、北谷公園を公園PFIの手法で、東急電鉄に整備させ、さらに指定管理にすることで営利企業に儲けさせたり、区営住宅や高齢者住宅などを、東急コミュニティに指定管理させ、駐車場まで貸し出させることは、区民の福祉や利便性より大企業の儲けを優先し、区民の声を反映しにくくなるなど、自治体の役割を投げ捨てるものであり認められません。
 破綻したアベノミクスの国際競争力強化を至上命題にして、区民も議会も不在で、大企業のもうけを最優先にするやり方は、自治体本来のあり方をゆがめるもので許されません。

 第4の理由は、不要不急の無駄遣いの予算だからです。
 区民のくらしが大変な時に、税金の無駄遣いは許せません。区民からは遠くて不便と不評の河津保養所には、1億3458万円もの税金を投入しようとしています。取得の経過も不透明なこの施設にはすでに14億6千万円以上の税金が投入されており、今後の建て替えや大規模修繕を考えれば、これ以上存続することは許されません。廃止すれば、高校生までの医療費窓口負担を無料にする財源が確保できます。
 渋谷アロープロジェクトには、1333万円が計上されています。区民からは、どこを指しているのかわけがわからない。矢印はもっとシンプルなほうが良いとの声が寄せられています。これだけの予算で、難聴高齢者に補聴器を貸与することができます。
 また、ハロウィーン対策に、昨年と同規模の1億円以上使うことは、区民の理解を得られません。税金のムダ遣いはやめて、くらし福祉、中小業者支援に回すべきです。
 以上、令和2年度一般会計予算に反対する討論とします。

国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計
 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第18号令和2年度渋谷区国民健康保険事業会計予算、議案第19号、同介護保険事業会計予算、議案第20号、同後期高齢者医療事業会計予算に反対する立場から討論いたします。 
 まず、国民健康保険事業会計についてです。「高すぎて払えない」と悲鳴が上がっている国保料を、来年度も値上げし、これで16年連続となります。年収400万円の夫婦と子ども二人の世帯の国保料は1万2419円もの値上げで、50万7321円にもなります。長谷部区長の5年間だけで、9万9440円もの値上げを押し付けることになるのです。国保には、フリーランスや非正規雇用、年金生活者など経済的に弱い立場の方が多く加入しており、サラリーマンの健康保険料に比べて2倍を超える保険料は命の平等に反し、憲法25条の生存権を侵害する事態です。全国知事会、市長会などが求めているように、国庫負担を増やして保険料を引き下げるべきです。一般会計からの繰り入れを増やして国保料を引き下げることは、自治体の判断で可能です。実際、2019年度の保険料は全国で6割が値上げしておらず、千代田区などは引き下げています。消費税や新型コロナウイルスの影響に苦しむ区民に、国保料の値上げを押し付ける予算は認められません。国や都に対して、1兆円規模の公費投入の拡大を求めるとともに、区としても子どもの均等割を無料にするなど保険料を引き下げるべきです。

 次に、介護保険事業会計についてです。
 高い介護保険料が、高齢者に耐え難い負担となっています。わが党区議団のアンケートでも8割以上の方が、保険料負担が重いと回答しています。実際、普通徴収の保険料滞納率は、今年2月現在24%で、第1段階から世帯全員が住民税非課税の第3段階までの滞納者が42%を占めていることからも低所得者ほど負担が重くなっていることは明らかです。また保険料の滞納による給付制限を受けている21人のうち9人は、実際に介護サービスを利用している低所得者です。保険料が払えない低所得の方に利用料を上乗せするペナルティはやめるべきです。そして住民税非課税世帯の介護保険料を軽減すべきです。
 国に対して、直ちに国庫負担の大幅引き上げを求めるとともに、区として低所得世帯に対する区独自の介護保険利用者負担額助成を住民税非課税世帯にまで拡大し、預貯金制限を撤廃すべきです。
 区の独自事業である緩和サービスAは、生活援助介護サービスを、国基準より安くして無資格者に担わせるものです。訪問介護で週2時間の場合、国基準より月4035円・15%も低くなっています。昨年3月から半年間の緩和サービスAの訪問介護の実績は5151件7379万円余に上りますが、一定の研修を受けた介護資格のない担い手は8人しかおらず、ほとんど有資格者が担っているため、事業者の減収となっています。このまま続ければ介護事業者の経営が成り立たなくなり、介護崩壊につながります。訪問介護事業者や低賃金の訪問介護士にいっそうの負担を強いる緩和サービスAの基準額は、直ちに国基準に引き上げるべきです。

 最後に、後期高齢者医療事業会計についてです。
 新年度の後期高齢者医療保険料は、一人当たり10万1053円と3926円の引き上げです。特に、国は軽減特例を、2020年度は大幅に縮小し、来年4月からは完全に廃止しようとしています。このため、新年度の保険料は、区内の高齢者の6773人が値上げされ、年金収入80万円の人で4600円、168万円では3400円の引き上げになります。低年金の高齢者に高額な保険料を押し付けることは許せません。
 さらに国は医療費窓口負担を原則2割に倍増することを狙っていますが、所得の少ない高齢者は医療が受けられなくなります。絶対に認められません。そもそも、医療にかかる機会が多い高齢者だけを別の保険制度に囲い込み、高い保険料と給付抑制を押し付けるこの制度は廃止し、国の責任で高齢者が安心して医療にかかれる制度にすべきです。

 以上、令和2年度渋谷区国民健康保険、同介護保険、同後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論とします。