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日本共産党渋谷区議団は10月30日、長谷部区長に対して、2021年度渋谷区予算編成に関する要望書を提出しました。

はじめに

 2020年は、消費税10%増税による景気後退が深刻さを増すなか、新型コロナ感染症の世界的大流行によって、区民の生活はいっそう厳しいものになりました。
 党区議団の今年の「くらしと区政アンケート」には、「コロナ禍でアルバイト先が営業停止となり無収入となった」「50年営業してきた飲食店だが、コロナの影響大で苦しい」「コロナで派遣切りにあいました。未だに仕事が見つからず、体調が悪くても病院に行けません」など、コロナ禍によるくらしや営業の悪化で、多くの区民から痛切な声が寄せられています。
 菅政権は、「自助、共助、公助」とコロナで苦しむ国民に自己責任を求めるばかりで、国の責任を果たそうとしません。一方で、学問の自由を踏みにじる日本学術会議会員の任命拒否など、安倍政権以上の強権政治をすすめていることは重大です。日本共産党は、来るべき総選挙で野党連合政権を実現し、いのちとくらし第一、国民が主人公の政治をつくるために力を尽くします。

 長谷部区政は、介護・障がい者事業所への減収補てんを実施したものの、PCR検査の拡大や保健所の体制強化、区民や中小業者に対する支援はほとんど実施していません。
 またアンケートでは86%が医療保険料の負担が重いと感じているのに国民健康保険料を16年連続で値上げし、かけがえのない自然体験の場である新島青少年センターの廃止を打ち出したことは許されるものではありません。ムダ遣いと批判の強い河津保養所には毎年1億円以上の税金を投入しています。
 さらに、東急グループが中心の渋谷駅周辺再開発には総額で166憶円もの血税を投入し、庁舎建て替え事業や宮下公園整備事業では三井不動産の儲けのために区民の土地を提供し、今度は美竹第二庁舎跡地や美竹公園まで大企業の儲けのために差し出そうとしています。こうした逆立ちした区政のあり方は転換すべきです。
 2021年度予算編成については、コロナ禍によってかつてない深刻な事態にある区民の生活と営業を守るために、PCR検査の拡大をはじめ、中小零細企業に対する家賃補助の実施、生活支援金の支給、国民健康保険料や低所得者の介護保険料の引き下げ、子ども医療費の高校生までの無料化、少人数学級の実施、学校給食費の無償化、認可保育園の待機児ゼロ、特別養護老人ホームの待機者ゼロなどを実施すべきです。そのために区政のあり方、税金のつかい方をくらし、福祉第一に切りかえ、1119億円の基金を活用するよう強く求めるものです。

【重点要求】

1、新型コロナ感染症で明らかになった区の重要な役割を果たすため、大企業の利益のための区政を改め、区民のくらしと営業、福祉と教育に軸足を置いた区政をすすめること。

2、コロナ禍から区民のくらしと営業を守るために、区独自の給付金の支給、国保料や介護保険料の軽減、中小事業者の賃貸店舗への家賃などの固定費補助、学生への支援を実施すること。

3、区として新型コロナ感染拡大防止のため、感染震源地や感染急増地へのPCR検査等の網羅的な検査とともに、感染リスクの高い保育園、幼稚園、学校などへの定期的な検査を実施すること。保健所の人員体制を抜本的に強化して、感染拡大に対応できるようにすること。国に対し、検査費用の全額負担を求めること。

4、感染拡大による「医療崩壊」を引き起こさないために、経営危機に陥っている医療機関への強力な支援を国や都に求めるとともに、区としても医療の継続や感染防止のための支援を行うこと。
 医療、介護、障がい者福祉、保育など、ケア労働を担う働き手の処遇改善を国に求めるとともに、区としても対策を強化すること。
 感染症対策への行政の責任を後退させる、都立広尾病院をはじめ都立・公社病院の地方独立行政法人化を中止するよう都に求めること。

5.国や都に対して、一人ひとりの子どもに行き届いた教育を保障し、コロナ対策として身体的距離もとれる20人程度の少人数学級を早急に実施するよう求めるとともに、区としても具体化をすすめること。教育予算を大幅に拡充し、大学学費を半額し、給付型奨学金の拡充を国に求めること。

6.新型コロナ感染拡大で落ち込んだ経済を回復するため、国に対し、ただちに消費税を5%に引き下げ、恒久化するとともに、その財源は、負担能力に応じた税制の抜本改革で、大企業、大金持ち優遇税制をただすとともに、軍事費や無駄な公共事業にメスを入れて確保するよう求めること。

7.国に対し、渋谷区上空を低空で飛行し、騒音や落下物、墜落など、区民のいのちと環境を危険にさらす羽田空港の新飛行ルートの運用中止を求めること。航空会社がコロナによる減便に乗じて、発着地を成田から羽田に変更させないよう求めること。

8.高すぎる国保料を協会けんぽ並みにするため、国の負担割合を引き上げ、都にも負担金の増額を求めること。また、区としても一般会計からの繰入れを増額して保険料を引き下げること。
 新型コロナウイルス感染症により、収入の回復しない事業者に対しては来年度も保険料の減免を継続し、休業した場合の傷病手当金は、自営業者も対象にするよう国に求めるとともに、区独自にも実施すること。
 国に対して均等割制度の廃止を求めるとともに、区として子どもの均等割を無料にし、低所得者に対する申請減免の基準を生活保護基準の1.15倍から引き上げること。保険料の徴収にあたっては、生活を破壊する強引な取り立てはやめること。

9.第8期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画では、すべての高齢者に必要な介護を保障するために、住民税本人非課税以下の保険料を引き下げること。介護保険料の区独自の減額制度は、収入基準額の引き上げと預貯金額の制限を撤廃し、拡充すること。介護保険サービス等利用者負担額助成は住民税非課税者にまで拡大するとともに、預貯金額の制限を撤廃すること。
 国に対して、厚生労働省令の改悪による総合事業の対象を要介護者まで拡大することはやめるよう求め、区としても実施しないこと。

10.すべての高齢者に必要な介護が提供されるよう、国に対し介護報酬の引き上げと介護従事者の処遇改善を行うよう求めること。
 利用者と介護事業者・従事者に犠牲を強いる総合事業の緩和サービスAはやめて、国と同じ介護報酬にすること。区が上乗せしてきた区型介護サービスの値上げを元に戻し、介護区分限度額による制限をやめること。また、高齢者配食サービスなど切り捨てた高齢者福祉施策を復活させること。
 地域包括ケアの構築については、区の責任で医療と介護の連携や質の確保された切れ目のないサービスが提供できるよう、地域包括支援センターの体制を強化すること。また、専門職による高齢者だけの世帯の見守り活動を実施すること。

11.待機者ゼロをめざし、国有地、都有地の活用などで特別養護老人ホーム、グループホームを増設すること。
 代々木2、3丁目の国有地への特養ホーム等の整備は、定期借地による利用ができるよう、国に強く求めること。

12.75歳以上の高齢者の医療費窓口負担の2割への引き上げに反対し、区として住民税非課税世帯の医療費を無料にすること。また、後期高齢者医療保険料の低所得者の軽減特例を復活するよう国に求めること。

13.自然災害が多発する中で、地域防災計画を、いのちを守ることを最優先にした予防重視の対策にするよう、抜本的に見直すこと。
 震災対策では震度7、水害では時間雨量75mmなど、災害の想定を引き上げ、被害を最小限に食い止める計画にすること。
 木造住宅の耐震補強工事費助成制度の委任払いや補助額の引き上げ、既存不適格や店舗併用の住宅にも助成対象を拡大すること。分譲マンション等の耐震化をすすめるため、補助率を引き上げること。

14.中小事業者に対する備蓄品の購入費助成制度を創設すること。
 防災ラジオを無償配布するなど、災害時に正確な情報が確実に伝わるよう改善すること。
 避難所運営については、感染症対策を考慮し、一人当たりの面積を国際基準の3.5㎡に見直し、区施設を活用するとともにホテルや旅館、寺社なども活用して収容人数を拡大すること。また、在宅避難した被災者に対しても、必要な情報提供や食料などの支援をすること。政府の「避難所の生活環境の整備等について」の「通知」にもとづいて、適温食の提供やプライバシーの確保などが実施できるよう抜本的に見直すこと。また、路上生活者を排除しないこと。

15.区の責任で、福祉避難所を地域ごとに整備するとともに、避難計画などを具体化した高齢者、障がい者の災害時ケアプランを早急に作成するための専任職員を配置するなど、災害時要配慮者対策をさらに進めること。耐震補強の必要な民間福祉施設に対して、区の責任で早急に耐震補強工事を行い、備蓄品の配備や情報伝達手段を確保すること。

16.保育園の待機児対策は、保育の必要なすべての子どもに認可基準の保育を保障する立場を明確にし、区立保育園の計画的整備を軸にして、認可園の増設による待機児童ゼロを早期に実現すること。国、都に対して用地取得費の補助を求め、公有地を積極的に活用するとともに、待機児の多い地域では民有地の取得を進めること。
 私立保育園の職員の賃金引き上げのために区独自の助成を実施すること。また、東京都に保育従事者宿舎借上げ事業の継続を求めるとともに、区独自に継続すること。認可外保育施設などに、全員有資格の職員を配置するため運営費を増額すること。

17.区として子どもの貧困実態調査を実施し、子育て支援を強化すること。
義務教育完全無償化にむけ、保護者の重い負担となっている学校給食費を無償化すること。
 就学援助は、区独自で生活保護基準の1.5倍に基準額を引き上げるとともに、PTA活動費についても給付すること。新入学学用品費の支給は、対象者全員の基準額を6歳児で算定し、準要保護の支給額を国の生保基準と同額に増額すること。
 渋谷区の奨学資金貸付制度に給付制を導入するとともに、収入が少なく返済が困難な場合は返済免除にすること。
  子ども医療費の無料化を高校生まで拡大すること。

18.子どもに寄り添える教育の保障と教師の多忙化を解消するために、国に対して教員の削減や変形労働時間の導入はやめ、教員の人数を抜本的に増やし、持ちコマ数を減らすよう求めること。
 公共施設総合管理計画にもとづく学校のあり方については、教育財産としての役割を明確にし、建て替えにともなう統廃合は行わないこと。
 予算に格差をつける特色ある学校づくりとともに学校間に競争と格差を持ち込む学校選択制はやめること。
 放課後の子どもの生活の場を保障するために、保育を必要とする児童に対して学童保育を実施すること。

19.区が新島青少年センターを建替えて事業を継続するとともに、廃止された桧原自然の家に替わる青少年団体や子育て世帯が利用できる施設を確保すること。
 子どもたちのかけがえのない自然体験学習の場であり渋谷区の貴重な教育施設である富山臨海学園はリニューアルして復活すること。

20.国に対し、引き下げた生活保護基準を元に戻すとともに、高齢者加算の復活を求めること。
 区の夏冬の見舞金を復活するとともに、住宅扶助の特例基準を適用すること。
  夏季の猛暑対策として、低所得者のクーラー設置費と電気代への助成を行うこと。
 福祉事務所は、すべての区民に最低生活を保障する行政の基本的役割を担う部署であり、本庁舎内に整備すること。

21.国に対して、障がい者が生活するために必要なサービスは原則無償にするとともに、重度障がい者が就労するために必要な支援についても自立支援給付の対象とするよう求めること。
 障がい者の就労支援施設に対する報酬単価の引下げを元に戻すよう国に求め、区として民間施設の運営の安定化を図ること。
区として、グループホーム・ケアホームを増設すること。
 削減した福祉タクシー券の助成額を元に戻すこと。また、常時車椅子利用者が外出時にいつでも介護タクシーを利用できるようにすること。
 移動支援については、不足しているガイドヘルパーを確保するために、区独自の単価の上乗せを実施すること。
 障害者差別禁止法に基づき、福祉タクシー券の交付など、在宅6事業を精神障がい者も利用できるようにすること。

22.東京都に対し、都営住宅の新規建設を再開するとともに、区として「住宅は福祉」と位置づけ、区営住宅や高齢者住宅を増設すること。
 若者向けの家賃補助制度を復活すること。また、定住対策家賃補助を復活し、福祉型家賃補助の限度額を3万円に戻すとともに、更新料補助を復活すること。都営住宅から移管された住宅については、東京都独自の家賃減免を引き継ぐ軽減策を実施すること。

23.小規模企業振興基本法を生かして、地域経済を支える商店街、中小企業への支援を抜本的に強めるため、中小企業振興基本条例を制定すること。
 商店街の街路灯電気代は全額補助するとともに、商店街が行う買い物難民支援事業に助成すること。
 住宅簡易改修支援制度(住宅リフォーム助成制度)の拡充を図ること。公契約条例の対象となる工事契約額を5000万円以上に拡大すること。

24.ジェンダー平等、多様性を尊重する社会の実現のために、すべての差別をなくす立場で、区民と区内事業者への啓発事業を強化すること。また、LGBTQと女性に対する相談員は専門性を持つ正規職員を配置し、相談事業の拡充をはかること。女性幹部の登用に努めるとともに、男性職員の育児休暇取得を奨励すること。

25.渋谷駅周辺整備事業として、駅街区北側自由通路や桜丘口再開発、南口北側自由通路などに166億円もの多額の税金投入が進められている。東急グループをはじめ、大企業のための渋谷駅周辺再開発への税金投入はやめること。
 区立宮下公園の定期借地契約は、党区議団が行った鑑定評価よりも190億円も安く、不当である。路線価の上昇や、公園と一体化したホテルを含め、用地全体の定期借地料の再鑑定を行い、区民に説明すること。
 美竹第二庁舎用地と美竹公園を東京都が主導するステップアッププロジェクトの用地として、民間企業の開発事業に差し出すことはやめること
 区民の憩いの場である都市公園を、営利企業に儲けさせる指定管理やパークPFI手法による整備はやめること。

26.国民へのマイナンバーカードの押し付けをやめるよう国に求めること。マイナンバー制度は、個人情報の漏えいが拡大しており、情報漏えいを防ぐ完全なセキュリティは不可能である。預金口座や健康保険証、運転免許証などと連動させることをやめ、大企業に国民のプライバシーを提供するスマートシティ実行計画の中止を政府に求めるとともに、区として活用の拡大をしないこと。

27.産官学民連携で、公共財産やサービスを営利企業の儲けのために活用させる渋谷未来デザインへの税金投入や職員の派遣を中止すること。また、グローバル企業のためのスタートアップ・エコシステムに、職員や税金を使うことはやめること。

28.伊豆・河津町の第二保養所は、運営・維持費に年間約1億円以上もかかる上、今後の設備の改修や大規模修繕費用などで多額の税金を投入することは必至であり、区民から「遠くて、交通費も高い」「税金の浪費だ」という批判もだされており、廃止すること。

29.東京都に対し、広尾病院の建替えでは、病床削減とPFI方式による整備をやめ、区民の医療要望にこたえる医療提供体制を確立するよう求めること。
 また、国に対し、444の公的病院の病床削減、廃止計画を撤回するよう求めること。

30.国に対して、9条改憲を中止するよう申し入れること。北東アジアの平和と安定のために、9条を生かした平和外交を進めるよう求めること。
 立憲主義と民主主義を否定した戦争法(安保法)、特定秘密保護法、共謀罪法を廃止するとともに、日本学術会議の6名の任命拒否を直ちに撤回するよう政府に求めること。

31.唯一の被爆国である日本政府として、国連で採択され発効が決まった「核兵器禁止条約」に一刻も早く署名し、核兵器廃絶の世界の運動の先頭に立つよう求めること。

32.福島原発事故によりいまだに4万人以上の人たちが避難生活を余儀なくされており、原発再稼働に多くの国民が反対している。国に対し、原発ゼロ、再稼働の中止と自然・再生可能エネルギーへの転換を促進し、原発汚染水の海洋放出をしないよう求めること。
 区として、給食食材の放射能測定を復活させること。

33.国に対し、「2050年の温室効果ガスの排出ゼロ」を実現するために、石炭火力発電の新規増設の中止と計画的な廃止、原発をゼロにし再生可能な自然エネルギーへの抜本的転換を求めること。
 区として、気候非常事態宣言を発して区民、事業者と認識を共有し、環境基本計画を見直して「2050年にCO2排出ゼロ」の目標を明確にし、民ぐるみで取り組むため、太陽光発電助成の復活などの具体的施策を推進すること。

34.墜落事故を繰り返しているCV-22オスプレイの横田基地への配備撤回をアメリカに申し入れるよう国に求めること。沖縄県民の総意にそむく名護市辺野古への新基地建設を中止し、普天間基地の無条件撤去、沖縄東村高江の米軍オスプレイヘリパットの使用中止を求めること。

35.8時間働けば普通にくらせる雇用を実現するために、国に対して、全国一律最低賃金制を導入し、直ちに時給1000円に引き上げ、1500円を目指すよう求めるとともに、そのための中小企業支援を求めること。