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田中まさや議員は、2月26日の区議会本会議で、日本共産党区議団として、区長、教育長に一般質問を行いました。

2021.2.26

私は、日本共産党区議団として、区長、教育長に質問します。

1.教育について
⑴小中学校35人学級について
 政府は、小学校の学級編成を2026年度までに35人に引き下げる義務教育標準法改定案を閣議決定しました。小学校全学年の学級規模の引き下げは40年ぶりです。長年の教育関係者や保護者の運動の成果であり、日本共産党も提案し続けてきました。
 コロナ禍の分散登校で20人以下の学級になったとき、一律指導でなく、子ども一人ひとりの個性を生かし、変化を感じながら向き合える豊かな授業を経験しました。教育研究者有志の「早急に30人、速やかに20人学級を求める署名」は22万人を超えました。菅首相は国会答弁で、中学校も含めた35人学級実現について「子どもの状況を把握し、一人ひとりにきめ細かな教育が可能になると思っている」と明言しました。
 子どもひとり一人に向き合え、みんなで深く考えあえる少人数学級は大いに評価すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。

 しかし、今回の決定は、小学校は5年間の段階的実施で、中学校は含まれていません。また東京都も渋谷区も、独自の加配で2年生まで35人学級ですが、来年度は拡大しません。区内の保護者らは「早急に全学年を35人学級に」との署名活動を始めています。杉並区では、約70人の教員を採用して小学校の全クラスを35人以下にしています。渋谷区で新年度小中学校の全クラスを35人以下にするには、小学校9クラス増やせば実現できます。
 コロナでストレスを抱える子どもに寄りそえるよう、直ちに小中学校の全クラスを35人学級にするよう政府に求めるとともに、区としても早急に実施し、さらに30人学級をめざすべきです。区長の所見を伺います。 

⑵ICTの活用について
 教育の目的は、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」としての「人格の完成」であり、国や自治体に求められているのは、子どもたちの豊かな成長・発達を保障するための教育条件の整備です。
 渋谷区は、学習履歴などのビッグデータの活用、デジタル教科書導入の実証実験などを来年度予算で計上しています。これは文科省が、財界や経済産業省の要求で、AIやビッグデータで子どもの学習記録を解析し、個別最適化された教材・プログラムを提供するギガスクール構想の先取りです。
 個別最適化された学びとは、対話的でなく子どもが一人でタブレットに向かいAIが提供する学習プログラムにとりくむ学習形態で学習の個別化です。これは教育の機会均等や子どもの発達権、学習権、集団的に学び合い成長する学校教育の否定につながります。
 また、学習履歴など多様な「教育データの蓄積・分析・利活用」は、営利目的の民間企業に歯止めなく個人情報を活用させる危険性や、個人情報の流出、プロファイリングなど重大な懸念があります。実際、政府は今年度の大学入試で、高校生の課外活動などを記録し「主体性」を評価する「JAPAN e ポートフォリオ(JeP)」の導入を進めていましたが、システムの不具合と高校生や教員から、「個人情報が民間企業の営利追求に利用される」との批判が広がり、JePの運営許可を取り消しました。
 ICTは、あくまで教育目的を達成するための手段です。その活用が自己目的化すれば、「孤立した学び」に陥る危険や活用できる子とできない子ども、教員の得意、不得意による教育格差を生む可能性があります。またビッグデータの活用は、個人情報の営利目的での活用や流出が危惧されます。さらにデジタル教科書の活用は、子どもの実態を踏まえた教員の自主的創造的な教育実践を阻害する危険があります。
 教育長は、こうした懸念をどのように考えているのか、伺います。学習履歴などのビッグデータの活用はやめるべきです。ICTの活用は、現場の教師の自主性や専門性に任せるべきです。教育長の所見を伺います。

 「いのち環境ネットワーク」代表の加藤やすこさんの実験では、生徒が無線接続している時の電力密度は0.49マイクロワット/平方cmで、無線のない教室の490倍だったといいます。実際、教師や生徒に、電磁波過敏症による頭痛、思考力の低下、めまい、吐き気が発症しています。電磁波対策として、欧州評議会は有線LANを推奨しており、札幌市教育委員会は、PoE給電機を各教室に設置し、電磁波過敏症の子どもがいれば給電機をオフにするように通知しています。
 子どもたちを電磁波から守るためのガイドラインを示し、電磁波過敏症の子どもや教員を守るための対策を具体化すべきです。教育長に、所見を伺います。

⑵学校施設長寿命化計画について
 「渋谷区学校施設長寿命化計画」「素案」は、学校施設を「産官学等の地域資源」として「図書館やホール、スタジオ等を地域の施設として高機能化」、「プールや運動場を地域に開かれた区民施設として整備」するなど、区民施設との複合化、共用化を打ち出し、小規模校の学区変更や統廃合、さらに民間資金での整備手法まで検討しています。
 一方、文科省は「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」で「地域とともにある学校づくり」を求めており、地方6団体は、教職員定数の合理化、教育費の削減は、義務教育に対する国の責任放棄であり、強制的な学校統廃合につながり、地域コミュニティの衰退を招くとして、決して行わないように求めています。
 学校は、未来を担う子どもたちの人格形成の場であり、地域コミュニティの核です。いま学校施設に求められているのは、財政削減のための学校統廃合や公共施設との集約化、民営化ではなく少人数学級を進めるための教室の確保や小規模校の良さを生かすことです。
 学校施設の長期的なあり方については、教育委員会が主体となって、教育に関する有識者、学校関係者、保護者、地域住民による開かれた検討委員会で協議すべきです。また、子どもの教育環境の改善を最優先に、少人数学級の推進を計画に入れ、小規模校の良さを尊重すべきであり、統廃合や公共施設との共用ありきで進めるべきではありません。区長の所見を伺います。

⑷本町学園第2グラウンドと本町幼稚園について
 本町学園第2グラウンド複合施設(仮称)基本計画(案)は、保育・幼児教育施設、本町出張所、本町区民会館、本町子育て支援センターを統合した4階建ての複合施設を整備する方針で、2021度中に設計し、22年度に本体工事を始める計画です。
 しかし、本町学園や本町幼稚園の子どもや保護者、地域住民や広く区民の声は聞いていません。私が昨年参加した、区とコンサルタントが主催のワークショップは、参加者の意見を聞く時間はなく、カフェなどを併設することが前提の一方的なケースワーキングでした。参加していた本町幼稚園の保護者は、本町幼稚園を存続してほしいと訴えたかったのに機会がなかった、と悔しがっていました。
 本町学園第2グラウンド複合施設基本計画は、学校関係者や住民参加で再検討すべきです。そして、所管を教育委員会にもどし、教育財産として活用すべきです。区長の所見を伺います。
 区立幼稚園は、障がいのある子どもも含めて、ひとりひとりの子どもに寄り添いあたたかく育むかけがえのない幼児教育の場です。また本町幼稚園は、渋谷区の北西部唯一の区立幼稚園です。区立本町幼稚園は、存続すべきです。教育長の所見を伺います。 

2.保育について
⑴認可保育園の待機児解消について
 コロナ感染リスクの中で働き続ける保育士さんに対して、医療関係の保護者からは、「安心して預けられる保育所があるから働き続けられる」、テレワークをする保護者は、「子ども連れではテレワークは不可能」との声が感謝とともに寄せられています。
 渋谷区の今年4月の認可保育園の募集人数は、0歳児511人、1歳児580人に対して、第1次入園申し込みは、0歳児578人、1歳児645人で、0歳児67人、1歳児65人が募集数を超えており、区長が、今年4月には待機児ゼロにするとの宣言は実現しません。それなのに来年度の認可保育園の新規増設はゼロです。
 児童福祉法第24条は、希望する保育園で保育する義務を国と自治体に課しています。待機児解消に背を向けることは、保育実施義務の放棄であり到底許されません。直ちに、待機児解消のために認可保育園の増設計画を示し、予算計上すべきです。区長の所見を伺います。

 この間、中野区や世田谷区をはじめ全国で民間保育園の突然の閉園で、保育が保障されない事態が起きています。昨年は足立区の指定管理の認可保育園で指定管理料が差し押さえられ、保育園の運営法人が突然指定管理を辞退したため、区が直接運営することになりました。
 緊急に待機児を解消するために、保育士を確保しやすく安定した保育が保障できる区立認可保育園を中心に増設を進めるべきです。区長の所見を伺います。

⑵保育の質の確保について
① 保育士の処遇改善について
 コロナ禍は、エッセンシャルワーカーとしての保育士の重要性とともに、子どもの育ちを支える専門職にふさわしく処遇されていないことも明らかにしました。
 民間保育施設で働く正規の保育士の賃金は、2019年には年収363万5千円と全労働者の平均年収より130万円以上低い状態です。
 区長は、感染リスクの中で、子どもの育ちと家庭や社会経済を支えている保育従事者の低賃金の改善が必要だと考えませんか。国に対して、賃金を全産業平均並みに引き上げるために保育単価の引上げを求めるべきです。区としても、そのための助成を行うべきです。所見を伺います。
 また保育現場は、日常的な過重労働に加え、感染対策としてマスク着用、3密回避、保育園内や遊具の消毒など通常以上の仕事で大変です。民間保育園に、感染症対策としての助成金と保育士への慰労金を支給すべきです。またコロナの影響で出来高払いの延長保育などの利用が減り、減収の要因になっています。2019年度実績で延長保育の運営費を支給すべきです。区長の所見を伺います。

② 保育の最低基準について
 新型コロナ対策の登園自粛によって子どもの人数が減ったことで、保育士から、一人ひとりの子どもに関わる時間が増え、スペースに余裕ができ、子どもたちが落ち着いて過ごせるようになったとの声が寄せられています。感染症や地震等の災害時にも、子どもの安全を確保し、のびのびと育てられる保育環境が求められており、国際的にも低い保育基準の抜本的引き上げが求められます。
 子ども一人当たりの面積基準は、2歳児以上は72年前の1.98㎡のままで、ニューヨーク州やイングランド2.5㎡以上、パリ3.1㎡の3分の2程度です。また保育士配置基準も、4歳児以上は、日本は30:1ですが、ニューヨーク州は7:1、イングランド13:1などで2~4倍配置されています。
 面積基準と保育士配置基準を抜本的に改善するよう国に求めるとともに、区独自に現在の基準を引き上げるべきです。区長の所見を伺います。
 政府は、新たな保育整備計画「新子育てあんしんプラン」で、各クラスで常勤保育士1人という規制を緩和して、短時間勤務保育士2人も可とする方針を示しました。これに対して全国私立保育園連盟は「1日の中で保育士が変わって落ち着かない」として反対の声を上げています。
 2人の短時間保育士で可とする規制緩和を撤回するよう国に求めるとともに、区も緩和すべきではありません。区長の所見を伺います。  

以上