HOME > 区政の焦点 > 田中正也議員は3月25日の区議会最終本会議で、日本共産党区議団を代表して、渋谷区2021年度渋谷区一般会計予算と国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論を行いました。

田中正也議員は3月25日の区議会最終本会議で、日本共産党区議団を代表して、渋谷区2021年度渋谷区一般会計予算と国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論を行いました。

 田中正也議員は3月25日の区議会最終本会議で、日本共産党区議団を代表して、渋谷区2021年度渋谷区一般会計予算と国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3事業会計予算に反対する討論を行いました。


●2021年度予算に対する反対討論

2021.3.25 田中正也

[一般会計]
 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第14号 令和3年度渋谷区一般会計予算に反対の立場から討論をいたします。

 新型コロナウイルス感染症は、いままでの社会を続けて良いのかを問い直しています。世界でも日本や渋谷区でも、経済・効率最優先で大企業の儲けや大資産家の富を増やす一方、医療や公衆衛生、いのちとくらしを守る公共の役割を市場化し、後退させ、社会保障を切り捨ててきたことが、格差と貧困をひろげ、感染症に弱い社会にしてしまいました。
 こうした社会を改めて、医療や福祉、教育、中小業者支援など、いのち、くらしを守ることを最優先し、そのための公共の役割を発揮する社会へと転換することが求められます。
 ところが、2021年度渋谷区予算は、当面の最大の課題であるコロナ対策は、ほとんど不十分な国や都の施策の範囲で区の独自施策はわずかです。さらに大企業の儲けを優先し、住民福祉を後退させ、自治体本来の役割を投げ捨てる逆立ち予算であり認められません。
 日本共産党渋谷区議団は、コロナ禍にふさわしく、くらし、福祉を充実するために96事業の予算修正案を提案し、住民福祉の機関としての役割を果たすために全力をあげています。

反対の第一の理由は.新型コロナ対策が極めて不十分であることです。
 新型コロナウイルス感染症は、感染再拡大と感染力の強い変異株の蔓延など危険をはらんだ緊迫した状況です。渋谷区でも高齢者施設でクラスターが発生し、学校などでも相次いで新規陽性者が確認されています。期待のワクチン接種は見通せず、効果が表れるまでに一定期間を要するため、ワクチン頼りになれば感染の急拡大に対応できなくなります。
 感染再拡大を防ぎ、終息させるためには、無症状感染者を発見・保護するためのPCR等の検査を抜本的に拡充することが急務中の急務です。区は、東京都の事業を活用して、高齢者・障がい者施設でのPCR検査を引き続き予算化していますが、検査実績は、高齢者施設で44人、障がい者施設で23人にとどまっています。
 これまでの「関係者に陽性者や濃厚接触者がいる」などの条件付けをやめて、医療機関、小中学校、幼稚園、保育園などの施設を対象に加え、定期・頻回検査を実施すべきです。また、駅や繁華街等でのモニタリング検査を区として直ちにとりくむべきです。
 長引く自粛要請のもとで、区民も中小業者も疲弊しており、わが党区議団のアンケートには、「飲食店を経営している。今の状態だと廃業して生活保護になる」「パート先から、突然解雇通され失業。家賃が払えません」など、窮状を訴える声が多数寄せられています。国や都の支援が後手後手で不十分なため、自治体が少ない財源でも住民に寄り添い独自の支援を行っています。ところが、渋谷区の来年度予算のコロナ対策32億9800万円のほとんどは国や都の補助事業で、とりわけ困難な区民への給付や中小業者への固定費給付、医療機関への支援など区独自の給付はまったくありません。第4波や次の感染症に対応するための保健所の体制強化も極めて不十分です。
 100年に一度といわれる災害に際して、1119億円もの貯め込みの活用も予算措置もしないことは、自治体としての役割を放棄するもので許されません。

2.コロナ禍で苦しむ区民に対して、負担増と福祉の切り捨てを押し付け、福祉の増進義務を負う区の責任を放棄しているからです。
 コロナ禍は、高齢者、障がい者、女性など社会的に弱い立場に置かれている区民のくらしを圧迫しているだけに、区民の福祉・くらしを守る区政の役割はとりわけ重要です。こうした中で、新年度の介護保険料を据え置き、低所得者を引き下げたことは評価します。
 しかし来年度予算全体では、区民のくらしや福祉を後退させるとともに、感染リスクの中でもくらしや社会経済を支えている保育士や介護職などエッセンシャルワーカーの処遇改善に背を向けるなど、コロナ禍の区政に求められる役割を投げ捨てていることは許されません。
 認可保育園の今年4月の入園申し込みでは、0歳児82人、1歳児89人が募集を上回っており待機児が出ることは明らかなのに、来年度の認可保育園の整備予算も今後の増設計画も示さないことは、区としての保育実施義務の放棄です。特別養護老人ホームの待機者は、昨年10月時点で、386人で最長3年9ヵ月も待つ事態にもかかわらず、23区トップクラスと言って新たな特養の増設計画を示していません。代々木23丁目の国有地の活用の可能性を追求するとともに、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡地、本町1丁目の警察寮跡地の早期取得、民有地の借り上げなどをすすめるべきです。また、ケアコミニュティ原宿の丘の再整備の際にも特養を整備すべきです。
 また訪問や通所介護の事業を区が独自に行う区型介護サービスは、新年度予算は761万円減額の8517万円ですが、区長が就任した2015年以降、利用料を値上げ、生活援助と高齢者世帯サービスは区分限度額以内に利用を制限するなど、毎年予算を削減し半分以下に減らしています。さらに家庭内での入浴が困難で、介護保険では不十分な高齢者に訪問入浴介護を実施する高齢者入浴介助事業は、新年度から事業者の値上げを本人負担に転嫁して100円引上げ1000円にします。高齢者の尊厳ある生活を守る区の責任を果たすために、区が年間わずか3万円程度負担すれば値上げせずに済むのです。値上げは中止すべきです。
 敬老館は昨年に続き、千駄ヶ谷敬老館を民間委託するために1568万円を計上しています。敬老館をはじめ区の施設は、区民福祉の重要な拠点であるだけでなく、災害時は救援活動の拠点の役割を果たします。また、新年度一般職員数は、前年度との比較で、合計で51人削減し、予算額は4億9400万円減額しています。区民の財産である公共施設を民間委託する一方で、全体の奉仕者としての公務員を削減することは、区民福祉の後退に直結するもので認められません。

3.子育て支援や福祉の充実を求める声に背を向けているからです。
 一人ひとりの子どもに寄りそえる少人数学級の良さが痛感され、保護者や教職員、教育関係者の運動が広がる中で、40年ぶりに文科省が義務教育標準法を改正し、小学校の35人学級を5年間で段階的に実施する方針を示しました。しかし、東京都も渋谷区も新年度は小学校の2年生までと中学1年生の現状維持で、保護者や教育関係者の願いに背を向けていることは許せません。渋谷区で新年度、35人学級を実施するために必要な教室と教員は小学校の9クラスのみです。直ちに小中学校全学年で35人学級を実施し、さらに30人学級をめざすべきです。
 また学校施設長寿命化計画の中で、学校統廃合や区民施設との共用化、民間資金の活用による管理運営が進められようとしていますが、今求められているのは直ちに少人数学級を進めるための環境整備であり、学校統廃合や共用化などを進めるべきではありません。教育委員会を中心に、教育の有識者、学校関係者、区民で再検討すべきです。
 学校給食は教育の一環であり、義務教育は無償であることから、小中学校の給食無料化は、現在76自治体まで広がっています。渋谷区の給食費は中学生の場合、月額5千円以上で、年間6万4500円の負担となっています。コロナ禍で子育て世帯の貧困が社会的問題になっており、学校給食費の負担が重くのしかかっている今こそ、4億1100万円でできる学校給食の無償化を実施すべきです。また1億2607万円の予算で実現できる高校生までの医療費無料化を実施すべきです。
 国は75歳以上の高齢者に対して、単身者で年収200万円以上、夫婦で年収320万円以上の方の医療費窓口負担を原則2割に倍増することを狙っています。高齢になれば、収入は減る一方、医療に受診する機会が増えることは当然です。年金は減らしながら、窓口負担を2倍にするなど絶対に許されません。区として、7億6000万円で実現できる75歳以上の医療費無料化に踏み切るべきです。
 福祉タクシー券は、障がい者の社会参加をはじめ、病院への通院など生活に欠かせない事業ですが、区は2016年度に月額4600円から3500円に支給額を1100円引き下げました。新年度も377万円減額しており、2015年度予算と比べて3382万円・27%もの削減です。障がい者からの元に戻してほしいとの要望に背を向けています。障がい者のくらしを守る大切な制度として、月額支給額を4600円に戻すべきです。
 
4.コロナで苦しむ区民に背を向ける一方で、財界戦略に従い、国際競争力を高め、大企業の儲けを最優先にしているからです。
 東急などが中心となって進めている渋谷駅周辺再開発では、総額80億円の税金投入を進めていますが、新年度の渋谷駅桜丘口地区への補助金は7億5600万円、渋谷駅中心五街区整備事業として、新年度は駅街区北側自由通路に6億8千万円、南口北側自由通路に2億8800万円もの予算を計上しています。こうした大企業中心の事業への税金投入は認められません。
 また、東京都の旧児童会館跡地と区の美竹第二庁舎と区立美竹公園を一体に民間に定期借地させ、営利事業を展開させるステップアップ事業に470万円余を計上し、新年度には募集が行われる予定です。大企業の利益のために区民の大切な財産である公有地を差し出す事業は認められません。
 さらに国内外から企業を呼び込み渋谷をグローバル拠点都市にするとして、これらの企業のためにコンソーシアム運営費、不動産の賃貸や資金調達、起業家育成システムの構築、PR費、ウエブサイト運営、ピッチイベント・トークセッション、実証実験事業、ワンストップセンターの設立など手取り足取り支援する予算を、区の独自予算で1億456万円計上しています。
 いま商店街でも休廃業が出ており、かろうじて営業を継続している店舗なども、「これ以上の融資は不可能。いつまで持ちこたえられるか不安」との声があふれています。区民のくらしや雇用を支えてきた中小事業者や商店街が、コロナ禍でかつてない苦しみに見舞われているときに、固定費支援などの願いには背を向けて、1億円もの税金を投入することなど許されません。
 1億2656万円を予算化したスマートシティ推進は、企業や生活者の利便性・快適性向上を目指すために、区民の個人情報を活用した事業で企業に利益を与える一方で、国民のプライバシーの侵害の危険をはらんでいることは、この間フェイスブックの2億6700万人の個人情報漏洩事件やいま大問題となっているLINEの個人情報管理不備問題などで明らかです。情報管理者への信頼や個人情報の保護が確立していないまま、IT産業の儲けのために区民の情報をビッグデータにして活用させることは認められません。
 コロナ禍で苦しむ区民、中小業者への支援に背を向けて、新年度予算だけで20億円以上の税金を大企業の儲けのために投入し、区民の土地を提供することは、自治体の役割を投げ捨てるもので到底許されません。20億円あれば、住民税非課税世帯に1人3万円の給付金を支給し、中小企業の固定支援にも踏み出すことができます。

5.不要不急の無駄遣いの予算だからです
 わが党区議団の昨年のアンケートでは、区政への要望で最も多かったのが、税金のムダ遣いをただすことでした。コロナ禍での生活困窮の中で、税金の使い方には区民の厳しい目が注がれています。
 ところが今年度も、河津さくらの里しぶやに1億2304万円の予算が計上されています。今年度の宿泊利用者はコロナ禍の影響で1月までの宿泊者累計は4586人にすぎません。そもそも区民の要望もないまま老朽化した施設を十分な検討もなく取得、開設し、今後大規模改修など多大な税金投入につながるこの施設は廃止すべきです。1億2千万円あれば、区内で働く民間保育士の賃金を月1万円引上げることが可能です。

以上、反対討論とします。

[国保会計]
 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第15号 令和3年度渋谷区国民健康保険事業会計予算に反対する討論を行います。
 予算原案では、渋谷区の1人当たり保険料は、医療・支援金分で902円下がりますが、介護分が4117円も引き上げになります。その結果、40歳以上64歳未満の国保料は値上げになります。40代の夫婦と子ども2人の世帯では、保険料は51万9270円で1万1949円の値上げです。国保料の値上げは、17年連続となりますが、被保険者には自営業者や非正規雇用の労働者など低所得の方が多く、くらしはコロナ禍でいよいよ厳しさを増しているのに、無慈悲に保険料を引き上げることは、社会保障としての国保制度の否定につながるものであり認めることはできません。
 また、子どもの均等割保険料については、国が未就学の子どもの半減を打ち出しましたが、実施は2022年度からで、新年度は所得のない子どもにも一人当たり5万2千円もの過酷な保険料が課されます。
 日本共産党区議団は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げる第一歩として、子どもの均等割を全額免除するとともに、低所得者の均等割軽減率を1割上乗せして保険料を軽減するもので、2億4040万4千円の財源で実現できます。コロナ禍のもとで、所得が少なくても安心して区民が医療にかかれるようにすべきです。
 以上、反対の討論とします。

[後期高齢者医療事業会計]
 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第17号 令和3年度渋谷区後期高齢者医療事業会計の予算に反対の討論を行います。
 新年度の予算では、後期高齢者医療保険料の改定はありませんが、高齢者を差別し高い保険料を押し付ける医療制度に対する国民の強い反対のもとで、国が実施してきた軽減特例が完全に廃止され、7.75割軽減だった方が、7割軽減となります。これによって3093人の方々が、3308円の保険料値上げとなります。
 そもそも、医療にかかる機会が多い高齢者だけを別の保険制度に囲い込み、高い保険料と給付抑制を押し付けるこの制度そのものを廃止し、国の責任で高齢者が安心して医療にかかれる制度設計をすべきです。
 以上、反対の討論とします。