HOME > 区政の焦点 > 田中まさや幹事長は、9月14日(火)の第3回区議会定例会本会議で、日本共産党区議団を代表して区長、教育長に質問を行いました。

田中まさや幹事長は、9月14日(火)の第3回区議会定例会本会議で、日本共産党区議団を代表して区長、教育長に質問を行いました。

第3回定例会・日本共産党区議団代表質問

田中

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問します。

 コロナ対策の無為無策と逆行、立憲主義破壊の強権と腐敗に対する国民的批判に追い詰められ菅首相が政権を投げ出しました。9年間の安倍・菅政治の破綻です。日本共産党は、国民のいのちとくらしをなりよりも大切にする政治、地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会、ジェンダー平等、憲法9条を生かした平和外交を実現するため、野党連合政権の実現に全力をあげる決意を表明して質問に入ります。

1.区民のいのちとくらしにかかわる国政問題について

(1)病床削減推進法と都立・公社病院独法化について

 菅政権は、コロナ感染拡大による医療崩壊の最中に、病床削減推進法と高齢者医療費2倍化法を強行しました。歴代政権も、1993年から25年間に一般病床を30万床減らしたため、コロナの医療崩壊で、必要な入院ができずにいのちを失うケースが続出しています。いのちよりも財政と効率を優先してきた政治の転換が必要です。

 また小池都知事も、財政削減のためにコロナと最前線でたたかっている広尾病院など都立公社病院の独立行政法人化を進めており、患者負担増や医療・感染症対策の後退の危険があります。実際、独立行政法人化した東京都健康長寿医療センターでは病床の25%で差額ベッド代を取り、10万円の入院保証金を徴収するなど営利優先に転換しました。日本共産党区議団のくらし・区政アンケート2021には、「医療や福祉、公衆衛生、防災などは、本来、行政が責任をもつべき」、「民営化で利益が追求され、負担増が心配」などの声が寄せられています。

 国に対して、病床削減推進法の撤回を求めるとともに、東京都に対して、広尾病院をはじめ都立公社病院の独立行政法人化の撤回を求めるべきです。区長の所見を伺います。

 また高齢者医療費窓口負担2割化法は来年10月以降、75歳以上で年収200万円以上の約370万人の本人負担を2倍にするもので、渋谷区では約4600人以上が値上げとなり、10万円以上の負担増となるケースもあります。政府は1050億円もの受診抑制が起こることを認めており、健康悪化につながることは明らかです。

 区民からは、「年金が下げられ、食費を削るのも限界。医者に行く回数を減らした」、「医療費を減らすために高齢者のいのちを削るなど、政治の劣化だ」と厳しい批判が上がっています。

 国に対して、75歳以上の医療費窓口2割化は中止するよう求めるべきです。区長の所見を伺います。

(2)消費税について

 消費税は、コロナ危機の中で失業や廃業して収入が無くなった人の食費や日用品費からも徴収する血も涙もない税金です。アンケートには、「消費税増税で食費を切り詰めている。軍事費を削減し消費税減税に回すべき」、「失業中なのに、食費など生活費にまで消費税がかかるのは納得できない」など減税を求める切実な声が寄せられています。

 世界では61の国と地域で消費税を減税しています。区民のくらし、営業にかかわる重大問題です。国に対して消費税5%減税を求めるべきです。区長に所見を伺います。

 2023年10月から始まるインボイス制の導入によって、消費税の申告には課税業者しか発行できない適格請求書が求められるため、課税売上げ1000万円以下の個人事業主、ひとり親方、フリーランス、シルバー人材センターで働く人などは、課税業者に登録し消費税を納めなければ、取引を断れたり、単価が引き下げられる可能性があります。

 コロナで困難にあえぐ零細業者や個人事業主など非課税業者に負担を強いるインボイス制は中止するよう国に求めるべきです。区長の所見を伺います。

(3)羽田新低空飛行ルートについて

 羽田新飛行ルートの運航から1年6か月が経ちますが、コロナ禍で、海外からの利用者は激減しており、「五輪のための増便」、「外国人観光客呼び込み」のためとの国土交通省の説明は成り立たなくなっています。しかも政府は、羽田空港で「後方乱気流管制方式」を採用することで飛行時間が短縮できると認めており、この方式を採用すれば都心飛行ルートの中止は可能です。

 アンケートには、「自宅が高台のため、騒音は想像を絶します。ストレスで片頭痛を起こし、うつ病と診断された」との訴えが寄せられました。

 羽田新飛行ルートによって区民が健康被害を受けているのです。国に実態調査と補償を求めるとともに、危険きわまる羽田新ルートは撤回を求めるべきです。区長に所見を伺います。

2.新型コロナウイルス対策について

(1)いのちを守る自治体の責任果たせ

 「五輪よりいのちが大事」の世論と運動、専門家の指摘を無視して、五輪・パラリンピックを強行し、第5波の感染爆発を招いた菅政権の責任は重大です。長谷部区長は、医療がひっ迫し、子どもにも感染が広がる中、多くの区民や保護者の中止を求める声を無視して、パラリンピックへの子どもの観戦動員を強行しました。子どもを危険にさらし、観戦した子としない子に分断を持ち込んだことは到底許されません。党区議団はパラ観戦の強行に断固抗議します。

 新型コロナによるいのちの危険が続く中で、緊急事態宣言が延長されました。現在新規陽性者数は減少傾向ですが、いつ再燃するか予断を許しません。

 8月にコロナに感染しても入院できず、自宅療養中にいのちを落とした人は、東京都内で31人、区内でも軽症・中等症で入院できる患者は1割以下です。アンケートには「家族がコロナに感染しても入院できず。陽性者と陰性者が同居している」との悲痛な訴えが届いています。保健所も、土日出勤、不眠不休で入院調整や健康観察、本来業務に追われています。医療・保健所体制の強化は急務です。また1年9カ月に及ぶコロナ禍のもとで、困難に陥っている区民や中小業者への支援も待ったなしです。

 いま、安全確実なワクチン接種と一体に、感染拡大を抑え込むPCR等検査の抜本拡大、医療と保健所の体制強化、自粛と一体の補償が緊急に求められますが、今定例会の補正予算には、区独自の緊急対策はありません。コロナ対策は国と都まかせでは、自治体の責任放棄です。

 いのちが何より大切です。すべての人が必要な医療が受けられるよう国や都に対して、緊急に臨時医療施設の設置を求めるべきです。また区独自の緊急対策として、墨田区のようにコロナ病床の確保や保健所体制を強化するとともに感染拡大抑止、区民や中小業者への支援など、今定例会の補正予算で基金に積み立てようとしている40億円を活用して実施すべきです。区長の所見を伺います。

(2)PCR等検査の抜本拡大について

 感染拡大を防ぐには、無症状者からの感染のリンクを断ち切る積極的検査が重要です。渋谷区で8月から9月7日迄の区立小中学校児童生徒の感染者は60人に達しており、職場から家庭、家庭から学校という感染拡大の連鎖を断ち切るための検査が求められます。文科省は、陽性者が出た場合、学級単位や学校単位で広く検査をすることを呼びかけており、早急に実施する必要があります。ドイツは、児童生徒に週2回抗原検査をしています。

 学校や保育園で、子どもに定期的な抗原検査を実施し、陽性者が出た場合、広くPCR等検査を実施すべきです。また放課後クラブの職員についても定期的に検査を実施すべきです。区長の所見を伺います。

 区内全駅でモリタリング検査を実施している江戸川区をはじめ多くの自治体で感染拡大を抑え込むための大規模検査を実施しています。足立区では、デルタ株の感染力やエアロゾル感染に対応するため、これまでの濃厚接触者の基準を拡大し検査の対象を広げています。

 「いつでも、だれでも、何度でも」PCR等検査が実施できるよう、区内の薬局でPCR・抗原検査キットを配布し、無料で検査できる体制を確立すべきです。また陽性者と接触のあったすべての人にPCR等検査を実施すべきです。区長の所見を伺います。

(3)安全迅速なワクチン接種について

 区長は、10月末までに2回目の接種率で70%超をめざすと発言しましたが、現在未接種の24,000人以上の1回目の接種を10月17日迄の35日間で終える必要があります。一方大規模接種会場の内、一日1000回が上限のNHKフレンドシップシアターの9月の予約は3割程度です。目標達成には接種率の低い若年層に対する正確な情報提供や事業所対策が必要です。

 ワクチン接種率70%超の目標達成のための具体策を示すべきです。区長の所見を伺います。

 区外在住の訪問介護士や保育士などエッセンシャルワーカーから、まだ接種できていないとの声が上がっています。区として、区外在住のエッセンシャルワーカーのワクチン接種状況を調査するとともに、接種を進めるための事業所支援を行うべきです。区長に所見を伺います。

(4)医療機関への支援について

 日本病院会など3団体による経営調査では、交付金を加えても20年度の医業利益率がマイナスで赤字に陥っている病院は、全体の半数近くに達しています。国の新型コロナウイルス対策の「緊急包括支援交付金(医療分)」の内、実際に医療機関に届いているのは、20年度は3兆8700億円の約半分、21年度分は7月末時点で約1割に過ぎません。

 政府は、未だに医療機関への減収補てんに、背を向け続けています。区内で、新型コロナの病床確保要請に応じ、ワクチン接種で土日も休まず協力している病院の職員は、「医師、看護師、職員は極度のストレスと過労で疲弊しきっており、退職する看護師もいる。せめて医療機関に寄り添う気持ちを示して、支援してほしい」と国や渋谷区への支援を求めています。

 国に対して医療機関への減収補てんを求めるとともに、区独自で医療従事者への支援を行うべきです。また練馬区はコロナワクチンの個別接種医療機関に1バイアル2500円の上乗せ補助をしています。当区でも実施すべきです。区長に伺います。

(5)中小企業、低所得者支援について

 東京では、今年の8ヶ月間は緊急事態宣言などで、飲食店や観光業界などは瀕死の状態です。アンケートには、区内で50年以上営業している飲食店から、「支援金はあるが少なく、遅い。店じまいを考えている」など窮状を訴える声が多数届いています。千代田区は小規模事業者向けに50万円の補助制度を開始、鳥取県は、減収の規模に応じて支援をしています。多くの自治体が独自支援をしていますが、渋谷区は大企業のもうけやグローバル企業の支援には数億もの税金を使う一方、営々とくらしと経済を支え、雇用を守ってきた中小業者には融資や感染防止グッズだけで、直接支援はありません。

 中小企業に対する持続化給付金、家賃支援給付金の第2弾の支給を国に求めるとともに、区として、中小業者への固定費や減収幅に応じた助成を実施すべきです。区長の所見を伺います。

 雇止めやシフト減などで困窮している区民に区独自の支援がないことに対して、区民は「区はもっと自治体の問題として向き合って、困窮者への生活支援も積極的におこなって」と訴えています。世田谷区は、国の子育て世帯生活支援特別給付金に3万円を上乗せしています。

 国に対して、住民税非課税世帯に対する特別給付金の支給を求めるとともに、区として住民税非課税者に対する給付金を支給すべきです。また、世田谷区のように、国の子育て世帯生活支援特別給付金に区独自で上乗せ給付をすべきです。区長の所見を伺います。

3.区民のいのち、くらし、基本的人権を守る区政への転換について

(1)大企業奉仕から住民が主人公の区政への転換を

 新型コロナパンデミックは、自治体の在り方を問い直しています。コロナ感染拡大や医療崩壊、くらしや雇用の破壊と貧困の拡大は、区民の責任ではなく、一人ひとりの力ではどうしようもできません。それだけに住民福祉の増進に責任を負う、渋谷区の役割は重大です。

 しかし区は、独自のコロナ対策に背を向ける一方、再開発で環境負荷を拡大し、東急などの大企業の儲けに奉仕する渋谷駅周辺再開発事業には、今年度21億円もの税金を投入します。スタートアップ事業では、グローバル企業を育てるためなどに今年度1億円もの税金を投入して、プロモーション、環境整備、実証実験などの支援をしています。渋谷未来デザインは、区から3人の職員を派遣し、昨年度は、渋谷5Gエンターテインメント事業、産官学民のデータ利活用を進める事業、3億円を投入するササハタハツなどで、パートナー企業などのビジネスチャンスを拡大しています。

 大企業の儲けのための渋谷駅周辺再開発事業への税金投入は中止すべきです。渋谷未来デザインは事業内容や予算について区民や区議会に明らかにするとともに、区職員の派遣はやめるべきです。区長の所見を伺います。

 区政のあり方や来年度予算は、いのちとくらし、営業を最優先にし、これまでの福祉切り捨て、大型開発や大企業の儲けに奉仕する区政を大本から転換すべきです。区長の所見を伺います。

⑵デジタル化と区民のプライバシー権について

 9月1日に施行されたデジタル改革関連法は、世界最高のIT利活用社会を実現し、個人情報をビッグデータやオープンイノベーションとして活用することで、財界・大企業の儲けは拡大しますが、個人情報の保護や住民サービス向上の保障はありません。

 重大なのは、本人の知らないところで個人情報が利用されることです。例えば、スマホなどの購買履歴や生活習慣、健康診断結果をAIが分析して購入可能性の高い商品を案内する、SNSへの投稿から犯罪傾向を予測し監視するなどです。

 一昨年、就職支援サイトリクナビが、本人同意なしにネットの閲覧履歴から内定辞退率を計算して多くの企業に販売していたことが大問題となりました。また警察は、被疑者とされた人物の顔写真、指紋、DNAなどの情報を本人が死ぬまで保有しています。

 現在渋谷区は、個人情報保護条例によって、「本人同意」などを義務付けていますが、この法改正で、社会的身分や思想信条、病歴、犯歴、犯罪被害など悪用されると本人に不利になる要配慮個人情報さえ、本人同意なく収集され、政府や民間に活用される危険が極めて高くなります。

 世界ではプライバシー権保護を最優先にしており、EUは一般データ保護規則で個人情報についての自己決定権を保障し、欧州人権裁判所は、罪の軽重を考慮しない顔写真、指紋、DNAの保有を違法としています。日本では、憲法13条で個人のプライバシー権が保護されていますが、この法律で侵害されかねません。

 区長は、本人の同意なしに区民の個人情報が利用される危険性をどう考えているのかお尋ねします。人権侵害を拡大するデジタル改革関連法は廃止し、EUのように個人情報保護を義務付ける法律の制定を国に求めるべきです。また区の条例に、区が保有する要配慮個人情報を保護する規定を設けるべきです。区長の所見を伺います。

(3)だれ一人とりのこさない住民サービスについて

 政府はオンライン化によって申請・処理時間の短縮と人件費の削減を狙い、区長もオンライン化によって非来庁化を進めていますが、取り残される区民を生み出していることは問題です。

 実際、渋谷区でのワクチン接種予約では、オンラインの環境がない、あるいは利用できない区民の予約は困難を極めました。また区の飲食店への感染防止グッズ配布も、オンラインによる受付しかないため、インターネットを利用しない事業主は排除されています。

 だれ一人取り残さないサービス提供のためには、住民にとって最も身近な出張所の窓口機能を強化することが重要です。自治体の窓口業務は、憲法に基づき住民を最善の行政サービスにつなぐ役割があります。申請や届出を受付ける中で、住民の相談に応じたり困りごとを発見して必要な支援につなげる他、避難所運営など災害時の被災者支援も期待されます。滋賀県野洲市では、「くらし支えあい条例」を制定し、納税、保険年金、高齢者福祉、住宅、学校教育、生活福祉の窓口で、行政の側から貧困、DV、虐待などを早期発見しセーフティネットにつなげています。職員は窓口で住民のくらしの実態や要求を直につかみ政策化する経験と力をつけています。

 ところが区は出張所窓口業務を恵比寿は民間委託し、新橋は廃止するなど、機能を後退させてきました。また土木事務所や学校給食などの現業職場を民間委託や退職不補充にしてきました。ある職員は、「直接住民の声やニーズを聞いて仕事をしているが、退職不補充を続ければ職員がいなくなり、区民の声が届かなくなる。民間は、同じ仕事をしても政策に反映できないし、災害時に区民に責任を持たない」と指摘しています。

 出張所窓口の民間委託は止め体制を強化するとともに、新橋出張所の窓口業務は復活すべきです。また、区民サービスの向上や災害時対応の強化の観点から、現業職場の民間委託化や退職不補充は止め体制を強化すべきです。区長の所見を伺います。

(4)人間らしくくらせる賃金について

 2020年度の労働者一人当たりの賃金は前年度比1.2%減となる一方、大企業の内部留保は466兆6千億円と過去最高です。今年10月から東京の最低賃金は1041円となりますが、月160時間労働で換算すると16万6560円です。全国労働組合総連合の最低生活費試算調査では、25歳単身者が人間らしく生活できる賃金は時給1500円、月24万円以上であり、最低賃金の大幅引き上げが必要です。バイデン米大統領も、大企業・富裕層に負担を求め、最賃の引き上げを訴えています。

 国に対して中小業者への支援と一体に最低賃金の大幅引き上げを求めるとともに、区として区内企業への賃金の底上げを要請すべきです。区長の所見を伺います。

 公務労働の賃上げは、労働者の生活や公共サービスの質を確保すると同時に賃金相場全体を引き上げます。渋谷区公契約条例では、「公契約に係る業務に従事する労働者等の適正な労働条件を確保」すると規定しています。

 公共サービスの営利企業への民間委託は、利益確保のために、賃金や質の低下、利用料の値上げを招きます。実際、ミズノなどに指定管理されたひがし健康プラザの受付職員は時給1020円、サービス公社は1013円と最低賃金に張り付く低賃金と聞きました。また、区の公契約現場で、実際の賃金が設計労務単価を下回っている実態も明らかになっています。

 委託業者や指定管理、区発注工事の労働者の賃金について労働者への聴き取り調査を実施すべきです。区長の所見を伺います。

4.教育について

(1)早急な35人学級実現について

 少人数学級は喫緊の課題です。子どもや保護者の強い願いで40年ぶりに義務教育標準法が改定され、今年度から5年間で段階的に小学校の35人学級が進められています。しかし子どもたちは、コロナ禍で長期のストレスにさらされており、段階的拡大では、子どもの成長に、悪影響を与え続けるとして、保護者や学校関係者から、早急な小中学校全学年での35人学級、さらに30人学級を求める声が強まっています。

 国に対して、来年度から小中学校全学年で35人学級を実施し、30人学級へと進めるとともに、必要な教員の確保を求めるべきです。区が、今年度小中学校全学年で35人学級にするために必要なクラスは、小学校8学級、中学校1学級です。区独自で教員を加配して来年度から小中学校全クラスを35人学級にすべきです。教育長の所見を伺います。

(2)学校施設長寿命化計画

 「渋谷区学校施設長寿命化計画」は、区民施設との複合化、共用化を打ち出し、小規模校の学区変更や統廃合、さらに民間資金を活用するPFI/PPP整備手法を採用するなど計画が進められています。

 学校統廃合は、子ども一人当たりの校地面積を狭め、共用化は、学校施設は教育目的に活用するという原則を壊し、営利企業の儲けの場に活用することを可能にするもので、どちらも教育環境の改善に逆行します。

 またコロナ禍で社会的距離の確保や少人数学級化など、求められる教育環境は激変しましたが、この計画に反映されていません。コロナ禍の経験を踏まえて計画を見直すことが必要です。

 学校施設長寿命化計画は、コロナ禍での経験を生かして子どものいのちと学びを保障するよう、子どもや保護者、学校関係者、地域住民の声を丁寧に聞き取り、反映すべきです。教育環境を悪化させる統廃合や公共施設との共用はやめるべきです。区長の所見を伺います。

 区議会への報告では、渋谷ホームズの建て替えに際して、神南小学校と敷地周辺の区道を一体開発する事業が区に提案されており、第一種市街地再開発による公共貢献で容積率を大幅に緩和し、超高層に建て替えることができます。

 この提案で、容積率は何パーセント緩和され、何メートル何階建てのビルを建てる計画ですか、またどんな協議がされているのか、区民に明らかにすべきです。区長にうかがいます。区民と子どものかけがえのない教育財産を、民間の事業者の儲けのために差し出すことは許されません。神南小との一体開発はやめるべきです。すべての学校の長寿命化についてPPPやPFI手法の採用はやめるべきです。区長に所見を伺います。

5.高齢者福祉・介護について

(1)高齢者に寄り添う地域包括ケアの確立へ

 コロナ禍で、高齢者の社会的孤立が増加しており、日常生活動作(ADL)の悪化や認知症リスクを予防するためにも、区として一人暮らしや高齢者だけの世帯への支援が求められます。

 私の住む地域でも、長年町会活動に貢献してこられた一人暮らしの高齢者が、今年5月に孤独死し、死後数日して発見されましたが、コロナ禍での孤立対策は高齢者の尊厳を守るうえで、ますます重要になっていると感じています。

 渋谷区第8期高齢者保健福祉計画では、介護予防・自立生活支援と社会参加の推進として、「通いの場づくりの支援」、デジタルデバイド解消事業などを進めていますが、高齢者への直接訪問支援はありません。港区では、第8期計画でも地域包括支援センターを中心に、専任の「ふれあい相談員」による介護サービスを利用していない一人暮らし等の高齢者世帯に、直接訪問して、困りごとなどの相談を受け、介護予防など適切な支援につなげています。

 コロナ禍での高齢者の孤立を防ぐために、すべての地域包括支援センターに港区のような見守り専門職員を配置し訪問支援を行うとともに、民生委員や介護事業者、「通いの場」、見守り協力事業者などと見守りのネットワークを構築すべきです。区長の所見を伺います。

(2)特別養護老人ホーム待機者解消について

 今年4月1日現在の特別養護老人ホームの待機者は393人でした。待機者の中には、要介護4・5の重度者が192人もいるのに、待機期間は最長4年10ヶ月と「何年待っても入れない」深刻な事態が続いていますが、かんなみの杜の次の整備計画はありません。区長は、23区最高の特養整備率といいますが、介護保険料を取りながら必要な介護が受けられない事態を放置することは、区としての責任放棄であり許されません。

 区長の責任で、待機者解消のための特養整備計画を至急示すべきです。幡ケ谷社教館隣の都営住宅跡地、美竹分庁舎跡地の活用やケアコミニティ原宿の丘の大規模改修での特養整備とともに、取得計画を中止している代々木2丁目の国有地の活用を追求するなど、一刻も早く待機者を解消すべきです。区長の所見を伺います。

(3)介護施設の低所得入所者の負担増について

 政府は、今年8月から特別養護老人ホーム他入所3施設とショートスティの低所得の利用者に対する食費や入居費などの負担軽減制度(補足給付)の資産と収入要件を改悪し負担増を強行しました。年金収入等80万円以下で資産が650万円から1000万円の単身者の場合、特養のユニット型で月6万9000円、多床室でも月4万8000円もの大幅値上げす。さらに食費も特養などの入所者で年収120万~155万円以下は、現行月約2万円が4万2000円に、ショートスティは、2週間で最大9100円の値上げとなります。

 終の棲家である特別養護老人ホームなどの入居者が、入居費などが負担できずに退去したり、入所を断念せざるを得なくなることは、高齢者の尊厳を踏みにじることで許されません。国に対して、介護施設の低所得入所者の入居費等やショートスティの食費の負担増の撤回を求めるとともに、区として、負担増分について助成を検討すべきです。区長の所見を伺います。

6.地球温暖化対策とゴミ問題について

(1)1.5℃目標の引上げと具体化、石炭化発と原発ゼロへ

 日本を含め世界各地で異常な豪雨、台風、熱波、海面上昇などが発生する気候危機が進んでいます。国連IPCCは、2030年までに温室効果ガスの排出を10年比で45%、50年までに実質ゼロにして、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度までに抑え込まなければ、地球環境は甚大な打撃を受けると警告しています。この目標が達成できるか否かに人類の未来がかかっています。

 ところが日本の2030年目標は42%で、国連の目標よりも低く、CO2を長期に排出してきた責任に背を向けています。しかも「第6次エネルギー基本計画(素案)」の2030年度の発電量割合は石炭火力19%、原子力20~22%であり、大規模石炭火力や最悪の環境破壊をもたらす原発に固執することは許されません。日本共産党は、2030年までのCO2削減目標50~60%を掲げ、40%の省エネと再生可能電力の割合を50%に引き上げることを提案しています。

 区長は、政府に対して、2030年までのCO2排出削減量を50%以上に引き上げ、石炭火力からの撤退と原発ゼロを求めるべきです。所見を伺います。

 2050年CO2排出ゼロを表明した自治体は、40都道府県、268市10特別区、126町村に上ります。渋谷区は、2050年ゼロカーボン宣言もしておらず、「渋谷区地球温暖化対策実行計画2021」の2027年度までのCO2削減目標は31%と東京都の温室効果ガス削減目標38%と比べても低く、具体性に欠けます。

 世田谷区では、気候非常事態宣言を行い、太陽光蓄電池補助、緑化助成、断熱改修や省エネ機器材の購入助成などを実施しており、太陽光発電や省エネ改修などへの助成は23区中17区まで広がっています。

 区として2050年ゼロカーボン宣言を行い、2027年目標を大幅に引き上げるべきです。公共施設、公共事業、区の業務でのCO2削減目標と計画を具体化し、達成に向けて区内企業との削減協定の締結や省エネ投資への支援を行うこと。住民や地元企業に対して太陽光発電設備や省エネ機器材設置購入助成を実施し、再生可能エネルギーによる電力利用、税金の優遇、補助金の申請など、専門的アドバイスを行う総合支援窓口を設置すべきです。区長の所見を伺います。

(2)循環型社会の推進と家庭ゴミ有料化について

 いま廃プラスチックによる海洋等環境汚染や大量生産、大量消費、大量廃棄社会の在り方が問われており、循環型社会への転換が強く求められます。循環型社会形成推進基本法は、第1にゴミの減量(リデュース)、次に再使用(リユース)、最後に再生利用(リサイクル)を進めています。一方、環境関連団体で構成する「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」は、大量生産・大量消費・大量廃棄に歯止めをかけずに、焼却処理と大量リサイクルに重点を置く政府の姿勢を批判し、減量と再使用を中心にするよう求めています。また、EUプラスチック製品規制指令は、生産者に負担を求め、リサイクルから自治体の回収費用補てんに使っていますが、日本でも生産から廃棄まで生産者の責任を問う「拡大生産者責任」を規定した法律が必要です。

 渋谷区の廃プラの減量も、生産者責任を明確にし、減量と再使用を中心に、区民に理解と協力を求めることが必要です。家庭ごみ有料化で区民に責任を押し付けることは問題であり、公衆衛生について国や自治体の責任を明確にした憲法25条に反しており、わが党のアンケートには、圧倒的に反対の声が寄せられています。

 国に対して、プラスチックゴミの排出抑制のために拡大生産者責任を規定した法律の制定を求めるべきです。区として、区民への啓発と合わせて分別回収を進めるとともに、家庭ごみの有料化はしないと明言すべきです。区長に、所見を伺います。

以上