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社会保障制度改革国民会議が最終報告を提出、保育分野でも公的責任が大きく後退し、営利化が進む

 政府の社会保障制度改革国民会議は、今月6日、医療、介護、年金、保育の全分野で改悪を求める最終報告書を首相に提出しました。この中で、保育の分野では公的責任を投げ捨てる「子ども・子育て新システム」のいっそうの推進、規制緩和による保育の質の切り下げが盛り込まれています。

 

自治体が責任を持つ保育制度が後退

 昨年8月に自公民の3党合意で現行の保育制度を改悪する「子ども・子育て支援」関連法が強行成立させられました。自治体が公的保育に責任を持つ児童福祉法24条の規定は、国民的な世論の中で残されましたが、この法律に基づいて設置された「子ども・子育て会議」の検討の中では、公的責任を投げ捨てる内容があらわになっています。

 7月26日の会議で了承された保育施設整備のあり方などを示した基本指針では、認可保育所だけでなく、現行の認可外施設などの多様な施設での保育の確保でも可とされ、新たに財政支援の対象となる小規模保育所では、「保育士資格を持つ職員は半数で可」とする案が出されました。認可保育所の増設でなくても「待機児解消」となる仕組みです。

 また、新システムでは、親の就労時間によって保育時間に長時間、短時間の区分を持ち込むことが決まっています。親がパートなどの場合は、現在保障されている一日中の保育が保障されなくなる危険があります。

 保育園では子どもの発達を考えて一日の流れの中で遊びや散歩などを組み立て、保育を実施しています。保育が細切れにしか受けられないことになれば、その子どもは発達を保障されないことになります。

 国民会議の報告書では、新システムの本格実施(2015年4月)を待たずに安倍内閣が打ち出した「待機児童解消加速化プラン」による対策も強調しています。

しかし、このプランで推進しようとしているのは、営利企業の参入を中心に据えた認可保育所の増設や、基準を緩めたビルの一室などでの定員拡大を図る規制緩和策です。

新システムでは、現在は制限されている株式会社の保育園による株主配当も可能になります。安倍政権がすすめるプランは、新システムの実施を見越して保育を儲けの場に変えるものにほかなりません。

 

渋谷区の認定子ども園開設も公的保育を後退させるもの

 いま、渋谷区では、桑原区長が民間の認定子ども園を開設する一方で、区立保育園、区立幼稚園を廃止してきています。今年4月に廃止した区立神宮前・上原保育園の跡地にも、待機児対策として民間の認定子ども園の分園を設置しようとしています。さらに、恵比寿公園内にも、認定子ども園を開設しようとしています。新システムのもとで新たに設けられた認定子ども園は、制度上は区が保育に責任を負う公的保育の枠から外れた施設で、その基本は、保護者と施設の直接契約、個人給付の仕組みです。

田村厚労相は、4月には待機児対策として「基本的に認可保育所を中心に整備する」と述べていましたが、基本指針の了承後に行われた自治体向けの説明会では、認定子ども園への移行が「最良」と誘導を図っています。桑原区長の進める認定子ども園開設も、こうした国の施策を先取りしたものにほかなりません。

増え続ける保育需要のもとで、公的な責任を後退させる区の姿勢は、子どもの健やかな成長を願う保護者の期待に背くものです。日本共産党区議団は、区民のみなさんと力を合わせ、児童福祉法に定められた自治体の保育実施義務にもとづいて、認可保育園を増設し、区が直接保育に責任をもつことを強く求めて頑張ります。