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区庁舎の耐震化問題が最大の焦点

区民に一切知らせず庁舎建て替えの強行は許されません

庁舎用地を70年間民間事業者に提供することは認められません

 

第3回区議会定例会は、9月9日から10月8日まで30日間の会期ではじまりました。 9月9日の本会議で、区政の最大の焦点となっている区庁舎の耐震化問題で日本共産党区議団を代表して質問したいがらし千代子議員が多くの問題点の指摘と対案を示し、区長のトップダウンのやり方を追及しました。その質問の内容と答弁の概要は次のとおりです。

 

  第一の問題は、この間の庁舎の耐震問題について区民にはまったく知らされていないことです。

 

  当区の庁舎は区民サービスの拠点であり、区民の共有財産です。また公会堂は区民の文化活動の中心的施設として2006年に13億円をかけて耐震補強工事と全面改修をした施設です。この二つの施設を今後どうしていくのか真っ先に区民の意見を聞くべきです。

  甲府市では2007年の市長選挙で市庁舎の建て替えについて、市民の審判を仰ぐとともにその後3年間かけて、基本構想、基本計画、基本設計のそれぞれの段階で市民会議の設置やパブリックコメント、ワークショップなど繰り返し行い住民の意見聴取を行っています。

  しかし、渋谷区のやり方は、区民に知らせず意見も聞かず、住民代表の議会の承認を得ることを隠れ蓑に建て替えを強行しようとしていることです。

  区長は、あらためて区民に二つの施設の耐震診断の結果や補強工事と建て替えをする場合の工法やそれぞれの経費・資金計画等の情報公開を行い区民説明会の実施など区民参画を保障すべきと考えますが区長の所見を伺います。

区長答弁  「建て替えるのか補強工事をするのか決まらない段階で区民の意見を聞くことはあり得ない」

 

  第二の問題は、区議会に必要な情報提供がされていない問題です。

 

  先行実施している自治体の議論や区が提案募集を行った際に事業者に提出を求めた資料について調査をしてみると、議会として耐震補強工事案と民間活力による建て替え案を比較しようとしても、議会に提出されている資料は、工事期間も必要経費も概算のものしかなく、明確な工事期間や資金計画、

工事期間中や工事終了後の施設の使い勝手、仮設庁舎を利用する場合の費用や区民サービスのメリット、デメリット、さらに民間活力事業の内容はまったく明らかにされていません。

  区が事業者に提出を求めた新総合庁舎等の整備費用および民間活力事業に伴う対価、区の事業収支および全体収支についての収支計画等の資料を直ちに区議会に提出し説明すべきと考えます。また補強案についても一社の提案だけでなく複数の事業者に提案を求め議会に提出するべきと考えますが、あわせて区長の所見を伺います。

区長答弁「区議会が建て替えか、

補強するかを決めたあとで説明するが資料は出さない」

 

  第三の問題は、総合庁舎、公会堂の建て替えに、民間資金を活用することについてです。

 

  昨年10月の幹事長会で、区長から「建て替えの場合は、業務継続の上、庁舎、公会堂を合わせてPFI、定期借地権を活用し」と発言があり、今回区が採用しようとしている民間資金活用事業(PFI)は、公共施設の建設、維持管理、運営等に民間の資金、経営能力、技術的能力を活用する手法でもともとイギリスで財政削減の行革路線に基づきつくられたもので、日本では、99年に法律(PFI法)を策定し活用されてきました。

  東京土建一般労働組合と特定非営利法人  建設政策研究所の調査では、東京都がPFIで実施した原宿警察署等整備事業は、50年間都有地を事業者に貸付けるとともに、総床面積の65・5%を民間収益施設がしめ、民間事業者の利益は東京都に支払う借地料276億円に対して推定で1・5倍の427億円に上ることを明らかにしています。

  そしてこの整備事業は、借地期間の長さ、床面積比からみて民間収益施設中心の開発プロジェクトである、と指摘するとともに、民間資金活用事業は、公共事業の目的を本来の住民の生活や福祉向上から、銀行、デベロッパー、ゼネコンの投資機会、収益機会を保障するものに変更し、公共性を喪失させている、と批判しています。

  実際、渋谷区議会に示された民間事業者による建て替え提案で明らかになっているのは、庁舎・公会堂の建物の高さが最低で40m最高が74m 、70年間の借地権を利用して民間事業者が建設する住宅は超高層建築物で最低で120m  最高で181m、借地料は最低で130億円、最高で194億円で区の負担は0から60億円となっています。

  庁舎等と民間住宅の建物の建築面積や総床面積が明らかでないため正確な比較はできませんが単純に建物の高さだけでみても、民間住宅は庁舎・公会堂の2・5倍から3倍とな

っています。

  さらに問題なのは、庁舎建設に税金をかけないから良いとする考え方です。区は、民間資金活用事業を利用することで庁舎、公会堂の建て替え費用は0になると委員会で説明していますが、実際豊島区では当初黒字と言われていたのがその後の見直しで50億円の持ち出しになっており計画通りにはいきません。

  また、区の土地を民間事業者に70年間の長期間借地提供することについて、北区は、民間との契約期間が長期にわたるため、区民ニーズに柔軟に対応できなくなる、

として民間資金活用事業を採用しないことにしています。

  区長は住民福祉を増進するという自治体本来の役割と目的から外れ、民間事業者の利益を優先するとともに様々な問題が指摘されている民間資金活用事業はやめるべきと考えますが所見をうかがいます。

区長答弁「建て替えの財政負担を考えると再開発は当然視野にいれる。自治体のあり方とはなれているとは考えない」

 

第四に、日本共産党区議団は、いつ大地震がおきても不思議でない状況から庁舎の耐震化は急務であると考えています。

 

  現在の庁舎のコンクリート強度についても耐震補強をすればあと20年から30年は利用できると委員会で答弁しているのですから、まずは耐震補強工事を選択し、補強工事の工法についても改めて複数事業者から案を募集し、将来の建て替えも視野に入れ住民、職員、専門家の参加で庁舎あり方検討委員会をあらためて設置して検討すべきと考えますが区長の所見を伺います。

 

区長答弁「検討委員会設置の考えはない」