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「要支援者に対する介護保険給付の継続」を求める意見書を国に提出を求める請願に対する賛成討論(いがらし千代子議員)

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただ今議題となりました受理番号第二十号 「要支援者に対する介護保険給付の継続」を求める意見書を国に提出を求める請願の採択に賛成の立場から討論いたします。

 本請願は、現在介護サービスを受けている要支援の人たちやその家族、介護事業所で働く人たちなどでつくられている軽度要介護者の介護給付継続を求める会の人たちなど471名の方たちが、要支援者に対する介護給付を継続してほしいと、やむにやまれぬ思いで出されたものです。 

 

 本請願の趣旨は、介護保険制度維持を名目に介護サービスを圧縮する動きが強まり、厚生労働省社会保障制度改革国民会議などにおいて、軽度者・要支援者を介護給付から除外することが検討されていることに対し、軽度者の現状は要介護1以上の支援と変わりないサービスが必要で介護の知識を有する介護職による継続的支援が必要であること、また要支援認定者は介護認定者の3割で、財政支出は5%にすぎず、この方たちを介護給付から外せば介護保険料は払っても、利用できないという掛け捨て感が強まること、さらに要支援者の心身の悪化や生活の質が低下するとして、要支援者の介護給付は今まで通り介護保険で行うことを求める意見書を国に提出してほしい、と言うものです。

 

 現在厚生労働省は社会保障審議会介護部会で、社会保障の公費負担を削減するため介護保険制度の見直しを検討しており、その内容は、今回請願が出されている要支援者のホームヘルプやディサービスを介護保険から外し、市町村の地域支援事業に移すことを始め、特別養護老人ホームの入所者を介護度3以上に限定する、一定の所得のある人の利用料を2割に引き上げる、低所得者の特養ホーム入居者への補助を削減するなどの四つの大改悪について、今年中に審議会でとりまとめ、来年1月からの通常国会に法案を提出し、2015年4月から実施しようとしているものです。

 当初厚生労働省は、要支援のサービス全てを市町村の地域支援事業に移そうとしましたが、利用者や現場関係者、自治体からも反対の声が上がり、訪問看護とリハビリは引き続き介護サービスとして継続することに変更しました。しかし、要支援の人たちの9割が利用しているホームヘルパーとディサービスは市町村の地域支援事業に移し、現在のように専門の知識を持った介護職員ではなく、ボランティアやNPOで対応し、事業内容は市町村の裁量にまかされることになり、「地域によってサービスがちがったり」「これまでと同じサービスがうけられない」などの問題がでてきます。

 請願者が述べているように 、要支援と認定されている人は全国では介護認定者の3割で154万人、渋谷区内では3276人で介護認定者の4割を占めています。

 現在介護サービスを利用している区民の方たちから共産党区議団に声が寄せられていますが、80代の夫婦二人暮らしで要支援2の夫を介護している方は、週1回のデイサービスとヘルパーを利用することで子どもたちの世話にならず、生活が続けられている、これがなくなれば二人だけの生活は続けられない、また、70代で一人暮らしをしている女性で要支援2の方は、脳梗塞の後遺症で右手がきかず、週3回のヘルパーさんに入浴介助や洗髪、買い物をしてもらうことで人間らしい生活が維持できている、と訴えています。

 そもそも「要支援」という介護基準は、2006年から導入され、「要介護状態に陥らないように予防」し、介護の重度化を防ぐことを目的にもうけられたもので、こうした人たちを介護保険から外すことは、現在ヘルパーやディサービスで支えられている自立した生活を送っている人たちを、要支援者から要介護者に重度化させるものです。

 請願者は、介護保険は超高齢社会になくてはならない共同・連帯の制度として広く認識され、独居や高齢者世帯など家族介護に頼れない世帯が急増し、その役割がますます大きくなっていると述べていますが、介護の家族負担を減らし社会で支える仕組みとしてつくられたのが介護保険制度で、要支援者を介護保険から外すことは、再び家族に重い介護負担をもとめるもので認められません。

 さらに四十才以上の全ての国民から保険料を徴収しておきながら、いざ介護が必要になったときには介護を受けさせない、と言うことは「保険あって介護なし」の状況を拡大するもので認められません。

 国は、介護保険財源に対する負担割合を引き上げ、いつでも、誰でも、必要な介護が保障される介護保険制度にする責任があります。要支援者の介護給付をこれまで通り、介護給付で行うべきです。

 最後に委員会の審査の中で、「要支援者に対する介護保険給付の継続わ求める意見書を国に提出を求める請願」の採択には賛成であるが、国に提出する意見書については幹事長会で提案された「国の責任において要支援者への介護サービスの水準維持の予算措置を求める意見書」にすべき、との意見がありました。しかし、幹事長会の意見書案は、介護サービスが「自治体事業に移行されれば、地方自治体の財政力によりサービス内容に格差が生じるおそれがあり、介護水準を維持するためには、国の責任において予算措置を講ずるべきである」と言う内容で、要支援者の介護サービスが地方自治体に移行されることを前提に予算措置だけを求めているもので、、請願者が求めている「要支援者に対する介護給付の継続」を求めているものではありません。請願者の願意とはまったく異なるもので共産党区議団は賛成できません。

 請願を審議した福祉保健委員会の全員一致で請願を採択したのですから、請願者の願意である「要支援者への介護給付を今まで通り介護保険で行うこと」を求める意見書を国に提出することこそ、道理ある対応であることを述べて私の討論とします。