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牛尾まさみ議員がおこなった2013年度渋谷区一般会計決算に対する反対討論

私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、認定第一号 平成25年度渋谷区一般会計歳入歳出決算に反対する立場から討論を行います。

 

わが党区議団が昨年秋に行った「暮らしと区政に関するアンケート」には、74%の方々が「暮らしが苦しい」と答え、その理由として、諸物価の値上がり、健康保険料や医療費などの負担増が上位にならんでいます。 これは、政府による円安政策や無制限の金融緩和で、輸入品をはじめとした諸物価の高騰が進み、区民のくらしがますます厳しさを増していることのあらわれです。2013年度は、4月からの電気、ガス料金の一斉値上げ、8月からの生活保護費の引き下げ、10月からは年金支給額の引き下げなどが区民生活を直撃しました。

 こうしたもとで、区政に求められていたのは、何よりも福祉、暮らし優先に税金の使い方をきりかえ、悪化する区民生活を守ることでした。ところが、桑原区政の2013年度決算が最優先にしたのは、区民の共有財産を企業の儲けのために差し出し、住民不在で区役所庁舎の建て替えを推進することであり、大企業の利益のための渋谷駅周辺の再開発に税金投入することでした。また、伊豆・河津町の旅館を買い取って第二保養所を開設するなど、税金のムダ使いをいっそう拡大することでした。

その一方で、区民生活を守る役割は大きく後退し、区民のくらしの悪化には何らの対策も示さず、福祉、教育の削減を進めてきました。

また、その手法は、庁舎建て替えにみられるように、区民には何も知らせない秘密主義と区長のトップダウンが際立つ住民無視のすすめかたであり、住民が主人公という自治体本来のあり方から大きくかけ離れたものとなっています。

以上のように、桑原区政の2013年度決算は、区民の願いに背を向け、区民のくらしを守る自治体本来の役割を果たすものではなく、住民自治さえ否定するものであり、認めることはできません。

 

反対理由の第一は、区民に対して負担増を押し付け、区民の暮らしを守る役割を果たしていないことです。

国民健康保険料は均等割り額を1200円引き上げたことと保険料算定方式の変更による激変緩和措置が住民税非課税者に限られたことにより、低所得者にとりわけ厳しい負担増になりました。たとえば、年収250万円の三人世帯の場合、保険料は31590円の引き上げで227864円となり、一か月の給料がなくなる金額です。高い保険料は引き下げるべきです。

年金受給額が引き下げられたなかで、介護保険の保険料、利用料の負担が重くのしかかっています。ところが、低所得者のための保険料減免や利用料の利用者負担額助成の基準は8年間据え置かれたままで、利用者も保険料で75人、利用料で118人とわずかにとどまっています。対象となる収入基準を引き上げるとともに、預貯金制限は撤廃すべきです。

生活保護世帯は、年々増え続け、2,777世帯、3,143人にのぼっています。国は8月から保護基準を平均1%引き下げるとともに、年末の期末一時扶助も単身世帯で680円、二人世帯で6,350円も削減されました。国に対して扶助額の引き下げの中止と廃止した老齢加算を復活するよう求めるべきです。また、区が削減した特別対策給付金を復活すべきです。

2013年の区内の中小企業倒産件数は161件でそのために職を失った人は、1,137人に上りました。資金融資の決算額も対前年度比で3,000万円も減っており、融資を受けられた相談者も約3分の2にとどまっています。消費の低迷で苦しむ区内中小企業や商店会が利用しやすい融資制度に改善を図るとともに、街路灯電気代の全額補助をはじめ、支援策を抜本的に拡充すべきです。

区の決算では、特別区民税が当初予算よりも116700万円も上回り、都市整備基金に35億円を積み増し、翌年度への繰越金も前年度に比べ31億円も増えるなど、財源は十分あります。これらの財源を区民のために使うべきです。

 

第二に、区民の福祉、教育の充実の願いに応えようとせず、切り捨てをすすめていることです。

区が高齢者配食サービスを廃止して食事券事業に統合したため、二つの事業を合計した利用実績は前年度の176658食から15777食に25千食以上も減少しました。利用をやめた高齢者はコンビニの弁当などで済ませるようになり、健康や生活への影響が懸念されます。食事券事業を利用する高齢者に対しても区の補助額が一食当たり360円から150円に引き下げられ、安否確認もしなくなるなど、大幅なサービス削減となりました。食事の支度や外出が困難な方々のくらしを支えるために、廃止した高齢者配食サービス事業を復活し、対象者と補助額も元に戻すべきです。また、高齢者配食サービスの廃止とあわせて削減した、心身障害者配食サービス事業の補助額も復活すべきです。

特定疾病患者福祉手当条例の廃止が3月の区議会定例会で決定され、心身障害者福祉手当に統合されたため、約1,450人の手当受給者が、年齢制限、所得制限、併給できなくなるなどで切り捨てられました。特定疾病患者にとって、手当は命綱に等しく生活に欠かせない収入となっていました。手当を打ち切られた1,450人の特定疾病患者の暮らしをどん底に突き落とす福祉手当の削減は許されません。直ちに復活すべきです。

特別養護老人ホームの待機者は、681人に増え、いっそう深刻になっています。区は、いったんは打ち出したケアコミュニティ原宿の丘への地域密着型特養の計画を中止し、旧本町東小学校跡地の特養計画も2018年開設と当初の計画を先送りし、増え続ける待機者の願いにこたえる計画になっていません。さらなる増設計画を立てるべきです。また、事業団が運営するあやめの苑・代々木や美竹の丘・しぶやでは、常勤職員の採用が困難になっており、非常勤で対応せざるを得ない事態となっています。介護職員の処遇改善を図り、常勤職員を増やして介護の質の向上を図るべきです。

区は、子育てや教育の分野にも「効率化」をもちこみ、子どもを財政削減の犠牲にしています。認可保育園に入れない子どもが235人もいるのに、区立神宮前、上原保育園を廃止して区立保育園の定数を122人も減らし、区の責任を放棄したことは誤りであり、保護者の願いにも反するものです。子ども子育て新制度のもとでは、認定こども園は原則として保護者と園との直接契約になり、区の責任は大きく後退することになります。待機児の解消は国や都の遊休地の活用なども含め、認可保育園の増設で行うべきです。

区が代々木小学校の8割の保護者が「小規模校の良さがなくなる」として反対し、子どもの健やかな成長のために、地域がつちかってきた子育て環境やコミュニテイを破壊すると地域の方々からも反対の声が上がった、山谷、代々木小学校の統廃合を、区長のトップダウンで強行したことは、許されるものではありません。

区長が「区立幼稚園は非効率だ」と言って区立西原幼稚園を廃園にしました。保護者は区立幼稚園の良さを訴え、区内のすべての区立幼稚園を残してほしいと連日区議会に駆けつけ、区議会も「区立幼稚園を存続するための請願」を採択したのです。保護者の強い願いや、区議の意思も無視して、区立西原幼稚園を廃止し、子どもたちを財政削減の犠牲にしたことは許されません。区立幼稚園を存続させるとともに、三歳児保育の実施など、区民の幼児教育の充実の願いにこたえるべきです。

201213年で施設整備費を除く学校教育予算が17%も削減された結果、習字の授業の半紙まで保護者負担になっていたり、バスの予算削減で行事がとりやめになったりしています。子どもたちがのびのびと学び成長するための教育環境を充実させることは教育委員会の責務です。これまでと同様の行事や備品が保障されるよう学校予算を増やすべきです。また、特色ある学校づくりとして学校に格差をつけるために一部の学校に偏った予算をつけ、学校選択制で学校を選ばせることは公教育の在り方に反するものでやめるべきです。

すべての子どもに行き届いた教育環境を保障するためにも少人数学級の推進を国や都に求めるとともに、区独自に小学校で13クラス、中学校で8クラスある35人以上の学級を解消し、さらに30人学級を進めるべきです。また、中一プロブレムの解消と言ってスタートした渋谷本町学園については、ひきつづき渋谷本町学園中学校に行く子どもが35人に対し、他校に行く子どもが37人と多数になっていることからも、施設一体型小中一貫教育について教員、保護者、地域住民の参加で検証するとともに、小学生は小学生らしく、中学生は中学生らしい学校生活を送れるようにすべきです。

特別支援教育の情緒障害学級については23区で当区だけが設置されていない中学校に設置するとともに、小学校の学級数も増やし、一人一人の子どもを大切にする教育を進めるべきです。

 

第三に、区民と滞在者の命を守る予防重視の防災対策が大きく立ち遅れていることです。

区の地域防災計画の中では公助の役割を明確にするとともに、予防重視の災害対策を強力に推進すべきです。また、日ごろからの福祉の充実こそが、いざという時に力を発揮することは、東日本大震災の経験からも明らかです。震災時に最も深刻な被害が想定される木造住宅密集地域では、住宅の耐震化と不燃化が一番の予防対策です。ところが、区は耐震診断のコンサルタント派遣がわずか39件にとどまり、耐震改修されたのは、一般住宅は0軒で高齢者住宅は9軒しかありません。区内では耐震化の必要な木造住宅は8,700棟もあるのに、区の助成を受けて耐震化された住宅は累計で191軒に過ぎません。2015年度までに90%の耐震化目標をめざし、きめ細かな相談を行うとともに、補助額の引き上げなど制度の改善をはかり促進すべきです。

また、遅れている防災マニュアルは、公助の役割を明確に示した計画として速やかに作成し、日ごろから区民とともに予防重視の対策をすすめるべきです。

災害対策用の食料品などの避難所ごとの備蓄数が、きちんと把握できていないことが明らかになったことは、発災時に対応できない重大事態です。避難所には、帰宅困難者用も含めて十分な備蓄を確保するとともに、避難所や備蓄倉庫ごとの管理体制を明確にして、発災時には避難者にすみやかに提供できるようにすべきです。

629日のゲリラ豪雨や台風による水害が発生しており、水防対策の強化が求められています。再発防止のために水害発生地域の原因調査をおこなうとともに、道路の改修などの抜本的な予防対策をとるべきです。また、東京都に対しても時間雨量70ミリの対策を推進するよう求めるとともに、区としても水害に備え排水ポンプの増配備などの対策を強化すべきです。

 

が際立っているからです。

第四に、住民参加の区政に背を向け、桑原区長のトップダウンと秘密主義の手法で、住民無視や無駄遣いの区政を運営していることです。

区長が進める庁舎建て替えの最大の問題点は、区庁舎の建て替えという重大問題を区民に何も知らせないまま進めていることです。他の自治体では、どこでも住民に繰り返し説明し、数年かけて住民合意ですすめるとともに、建築費の高騰で建替え計画の延期や凍結を決めているところもあります。

区長が進める民間資金活用による庁舎建替えは、区が三井不動産に庁舎と公会堂の敷地を70年間貸し出し、地上37階、高さ121m414戸の分譲マンションを建てさせる見返りとして、154億円で庁舎と公会堂を建ててもらう計画です。区長は「区民の負担なしで建替えできる」と言ってきましたが、三井不動産との基本協定でも、「法令等の変更、税制改革、不可抗力及び物価変動による発生するリスクで事業への影響が大きいとみなされる場合には、その費用負担について区に協議を申し入れることができる」と規定し、区長も「不可抗力による物価変動については事業者だけの負担にできない」と述べています。この計画は結局、三井不動産に莫大な利益を保障する一方で、区民は様々なリスクを負うことになるのです。さらに、8年前に13億円かけて耐震改修と全面改装した公会堂を取り壊し、わずか3年間しか使わない仮設庁舎に70億円もかけるなど、区民に大きな負担を押し付けることは許されません。区庁舎の耐震化を速やかに進めるために、20年から30年は持つとされている耐震補強工事を直ちに行うとともに、将来の庁舎のあり方については、区民参加で計画を練り上げるべきです。

昨年暮れに区長は突然、伊豆・河津町の旅館を買い取り第二保養所にする計画を打ち出しました。しかし、区が購入する話は夏から申し出があったにもかかわらず、区は極秘裏に不動産鑑定など調査を進め、当初予算にない支出が執行されました。今年度予算には取得費11千万円を含め、22800万円が計上され、区民からは「第2保養所は税金の浪費である」、「河津は遠すぎる、交通費もかかる」など批判が出されています。また、購入のための予算審査の段階で、この物件は昨年10月には競売開始決定がされた物件であることが判明しましたが、区長の説明は「知らなかった」「競売停止になるよう経営者にお話しした」などと二転三転し、その経過は不明朗です。また、不動産鑑定書には地区50年の建物の耐震診断が未実施であることをはじめ、数十項目の施設改善が指摘されている施設で、安全性に問題があるにもかかわらず、開設を強行することは認められません。また、今後、耐震補強など大規模修繕に多額の費用がかかります。第2保養所の開設は税金の無駄遣いであり、やめるべきです。

区議会では議会費を使っての海外視察を、この間中止してきましたが、区長からの依頼で区議会議員が海外視察することが繰り返し行われています。昨年1027日から31日には、トルコ共和国から招待があったとして、区長、区議会議員3名など、7名が派遣され、4955,685円が支出されました。トルコ共和国やフィンランド共和国への海外派遣は、2004年以来6回目であり、今年も庁舎の議場の設計に資するためとして7回目の議員派遣が行われ、4名の議員が参加するなど、桑原区政になってから急増しています。議員の海外視察はやめるべきです。

 区は、区立保育園や幼稚園、学校統廃合などを、何ら住民の意見を聞かずに決定し強行してきました。その最大の被害者は未来をになう子どもたちです。財政削減の犠牲にすることはやめるべきです。また、情報公開条例を改悪して区民の情報開示請求を却下できるようにし、資料のコピー代も二倍に引き上げるなど、区民の知る権利に制限を加えました。

 こうした区政運営は、区民の声を区政に反映し、区民の理解と協力を広げながら住民のための行政を進める地方自治体本来の在り方とはかけはなれたものであり、住民自治を否定するものと言わざるをえません。

 

第五に、大企業中心の渋谷駅周辺再開発に、莫大な区民の税金を投入することをはじめ、区が企業に便宜供与するとともに、営利企業から多額の寄付金を受け取っていることです。

2011年度から26年度までの15年間に20億円、整備費の三分の一を区が負担する渋谷駅北側自由通路の2100万円に加え、渋谷駅南側自由通路の設計費が補正予算で計上され、25679370円が執行されました。南側自由通路は、国道246号線の南側のJR線の線路上に東西を結ぶ通路として計画されています。東側に建設される東急電鉄の渋谷駅南街区の再開発ビルと、西側に位置する東急不動産が中心となって進める桜丘口再開発ビルをつなぐもので、まさに開発業者のための施設であり事業者が負担するのが当然ですが、区は全額を負担するとしています。しかも建設費は実施設計が確定しないとわからないとされ、今後も多額の区民の税金をつぎ込むことになるもので認められません。

20134月の総務区民委員会では、区施設の有効活用として、旧桜丘保育園を東急ウェルネスに、旧代官山防災職員住宅を東急電鉄に使用させる契約を結び、それぞれの事業者は今年から営業を開始しています。保育園の待機児が深刻なときに、旧桜丘保育園を保育施設として活用することもせず、区内に在住する職員が少なく、防災職員住宅は計画的に増やすことが求められているのに、区が使用もせずに企業の利益のために貸し出すことはやめるべきです。また、文化学園へのインキュベーションオフィス、神宮前国際交流学級への神宮前小学校の施設、おやじ日本への神南庁舎の便宜供与はやめるべきです。

決算では、2012年度にひきつづき東急電鉄から1千万円、住友不動産から3000万円の寄付が寄せられ、区はこれを受け取りました。住民奉仕の機関である地方自治体が、企業から多額の寄付金を受け取ることは、企業の営利目的のために区政がゆがめられることにつながるとともに、住民の自治体への不信を招くものであり、受け取るべきではありません。

 

以上、平成25年度渋谷区一般会計歳入歳出決算の認定に反対する討論とします。