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渋谷区議団ニュース 2016年1月号外 区役所庁舎等建替え計画 区民に知らせず 横浜マンションデータ偽装事件の当事者 三井不動産レジデンシャルと定期借地契約締結

 渋谷区は、10月30日、横浜市のマンション杭打ちデータ偽装事件のマンション販売会社である三井不動産レジデンシャルと三井不動産の間に、庁舎と公会堂を建てさせるための定期借地契約と庁舎等の建設についての契約を結びました。
 この契約で、三井不動産レジデンシャル等は、庁舎の土地の3分の1を77年7ヵ月間、211億円で定期借地し、そこに地上39階143mの超高層マンションを建て、大儲けをあげる見返りに、庁舎と公会堂を建てるというものです。
 横浜市の事件が発覚し、三井不動産レジデンシャルが予定していた庁舎跡地の高層マンション建設の住民説明会も延期する中で、議会にも区民にもまったく説明もなく区が契約したことに、厳しい批判の声が上がっています。

弁護士久保木亮介
横浜のマンション杭打ちデータ偽装事件が発覚した時点で、渋谷区は区民の不安・疑問に応え、区庁舎建替え契約の準備を凍結し、三井を出席させた説明会を準備すべきでした。真逆の方向に突き進んだことで、長谷部区政の地金が露わになりました。「勝手に決めるな!」の声を広げる時です。

 

【宅地建物取引業法】
同法では取引業者が、関係者に損害を与えた場合、免許の取り消しなどの行政処分を行えると規定しています。

 

問題その1

法的、社会的責任を問われる事業者と契約とは…

 横浜マンション偽装事件では、三井不動産レジデンシャルは開発業者として、このマンション建設を発注するとともに分譲もしました。国土交通省は、宅地建物取引業法にもとづいて三井不動産レジデンシャルの調査も始めています。事件の全容解明もまだなのに、事件発覚直後に、この事件で法的にも責任を問われかねない事業者と借地契約や庁舎等を建てさせるための契約を結ぶなど、自治体のやることではありません。

問題その2

基本協定の大幅変更で、三井不動産の利益を最大化

 区は、三井不動産の建てる高層マンションの建設費や販売価格、利益などの区民の疑問に対して、庁舎建設と関係ないとの理由で、一貫して説明してきませんでした。区民からは、「庁舎、公会堂と一体事業なのに、なぜ明らかにしないのか」との批判が上がっていました。
 今回の契約では、このマンション部分について、昨年3月議会で議決した三井不動産との「基本協定」から大きく内容が変わっています。戸数は100戸も増やし、「分譲だけ」から賃貸も可能とし、さらに、借地期間終了後に三井不動産に優先して土地の譲渡ができるなど、どれも三井不動産の利益を最大限にしようとする大幅な変更です。
 議会が議決した内容を大幅に変更し、区民にも議会にも知らせず契約するなど許されません。

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問題その3

三井不動産レジの儲けのために、区民の財産を差し出してよいのか

 横浜マンション偽装事件では、三井不動産レジデンシャルが、儲けを最大限にするために、工事完成前からマンションの分譲をはじめ、元請建設会社に工事の完成を急がせ、工事費用を少しでも安くしようとしました。住まいの安全性や品質の確保より、儲け最優先のやり方が事件を引き起こしたといえます。
 区庁舎建設での民間資金の活用という手法は、三井不動産レジデンシャルの儲けを優先するため、住民サービスの拠点である区庁舎等の安全性と質を損なう危険をはらんでおり、この点でも住民福祉の機関である自治体のとるべき手法ではありません。三井不動産、三井不動産レジデンシャルとの契約は撤回し、庁舎のあり方について、区民、専門家などの参加によって再検討すべきです。

旧区役所庁舎・公会堂から、新たにアスベスト検出

いのちと健康にかかわる重大問題。直ちに説明会を

 旧区役所庁舎と旧公会堂の解体工事の開始にあたって行われたアスベストの詳細調査の結果、飛散性の強いアスベストが新たに検出されました。(下表)
 アスベストは被曝すればいのちにかかわる有害物質です。除去工事については住民に説明を行うことが義務付けられており、今回新たに検出されたことで、再度住民に説明することは当然です。ところが、区は「9月4日の事業者説明会で説明している。新たに説明会は行わない」として、工事日程の変更など簡単な説明をした文書を近隣に配布しただけで終わらせています。
 区民のいのちと健康にかかわる重大問題です。直ちに、住民説明会を開くべきです。

解体工事中の旧区役所本庁舎

解体工事中の旧区役所本庁舎

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自民・公明などの多数で質疑打ち切りの暴挙
 12月3日に開かれた区議会庁舎問題特別委員会では、総務委員会で報告された「旧庁舎及び旧公会堂のアスベストの除去について」と「新庁舎及び新公会堂の施設性能の要求水準について」が報告される予定でした。
 ところが、特別委員会の質疑の途中で、自民党などの委員から「総務委員会で報告を受けている」との理由で他の委員の質疑を妨害し、挙句の果てに自民党委員は質疑打ち切りの動議を提出。自民、公明、シブヤ笑顔などの賛成多数で動議を可決し、質疑を打ち切る暴挙が強行されました。
 庁舎問題特別委員会は、庁舎のあり方について専門的に調査するために議会全体の総意で設置されたものです。区民のいのちと健康にかかわるアスベストへの対応や区庁舎の契約に係る重大問題について、十分審議することが特別委員会の役割でした。数の力で質疑を封殺することは、議会の自殺行為であり、断じて許されません。

 
シンポジウムこれでよいのか庁舎建設計画
マンション偽装事件を通して民間資金活用手法の問題点を考える
とき●2016年1月16日(土)午後2時~4時
ところ●家庭クラブ会館(渋谷区代々木3-20-6)
シンポジスト●すがの茂区議団長、久保木亮介弁護士、建築の専門家
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※詳しくは「ニュース」紙面のPDFファイルをご覧ください。

「区議団ニュース」2016年1月号外(PDF432KB)