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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

いがらし千代子議員がおこなった2013年度予算案に対する反対討論

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第19号2013年度渋谷区一般会計予算に反対する討論を行います。
 
 昨年暮れに発足した安倍内閣は、景気対策として無制限の金融緩和や大型公共事業のばらまきなど大企業応援の成長戦略を行い、円安のながれをつくった結果、ガソリンや灯油の値上げが家計を直撃していますが、4月からは全国でガス、電気代が値上げされ、さらに、10月からの年金受給額の1%削減や中小企業支援の金融円活化法の3月打ち切り、8月からの生活保護基準の引き下げ、7月からの地方公務員の給与引き下げなど国民の生活を一層厳しくしようとしています。

 また猪瀬都知事が提案した東京都の予算案も外環道や八ッ場ダムなど不要不急の大型開発や都民合意のない豊洲新市場の建設を最重点にする一方、待機児が2万3千人を越えている認可保育園や特別養護老人ホームの増設と都市基盤の耐震化や維持更新は後景に追いやられ、雇用、中小企業対策もきわめて不十分となっています。

 こうしたなかで区政に求められているのは国政、都政の悪政から区民の暮らしを守り、区民の負担増をなくし、福祉、教育優先の税金の使い方に切りかえることです。
 しかし、区長が提出した予算案は、区民の願いに応えるものではなく認められません。

 反対理由の第一は、長引く不況に苦しむ区民の暮らしと中小企業の営業を守る予算になっていないことです。
 私たち区議団が、昨年実施した「くらしと区政に関するアンケート」で76%の人は生活がきびしくなったと訴え、その理由として税と社会保障の負担が重くなったと答えています。実際、国民健康保険料の滞納世帯は2011年度決算で加入世帯の4分の1を超え26.3パーセント、介護保険料の滞納者も979人、後期高齢者医療保険料は628人に上っています。また、今年1月現在の生活保護世帯は2738世帯、就学援助の中学生が34.9%になっているとともに、区内の倒産件数は173件に達しています。こうしたことから今議会には消費税増税中止や国民健康保険料の値上げをしないことを求める請願が多くの区内の団体から提出されています。

 ところが区長は2013年度も、国民健康保険料の値上げを行い、1人あたりの平均保険料は9万8466円、昨年に比べ3188円の値上げです。特に均等割りの引き上げと激変緩和措置の廃止で、例えば年収250万円の4人世帯では、昨年に比べ約3万円の値上げ、3年前と比べると5万6千円もの値上げとなり低所得の家族に大きな負担となるのです。値上げはやめるべきです。

 介護保険料の平成24年度軽減制度利用者はわずか62人、また、渋谷区介護保険サービス利用者負担額助成は、平成23年度916件と年々減っていることは問題です。安心して介護が受けられるように一般財源を活用し、区独自の預貯金制限を撤廃し、保険料、利用料負担軽減助成制度をすべての住民税非課税世帯がうけられるよう拡充すべきです。

 当区の生活保護受給者は、3,103人と昨年1月比で4.8%以上増えており、最後のセーフティネットとしての生活保護制度を守り、強化することが求められています。

 しかし政府は老齢加算を廃止したことに加え、さらに総額670億円もの保護費を削減しようとしていることは、最低限度の生活を強いられている生活保護世帯を苦しめるとともに、最低賃金の引き下げと住民税非課税世帯や就学援助の対象者が削減されるもので許されるものではありません。区が削減した特別対策給付金を復活するとともに、国に生活保護基準の切り捨てをやめるとともに老齢加算の復活を求めるべきです。

 2012年の渋谷区内の中小企業の倒産件数は173件で、それにより職を失った人は1317人にのぼっています。2012年度1月末の中小企業事業資金融資実績は、個別企業の申請が1307件がありましたが、利用できたのは705件にとどまっているにもかかわらず、中小企業事業資金融資の予算を4692万円も減額していることは認められません。

 住宅簡易改修支援事業は、地域経済の活性化と住環境の改善を図る事業として今年度、戸建住宅から共同住宅に拡充されました。

 しかし今年度の申請は相談件数の約三分の一の90件しかなく、新年度予算は、1千万円から800万円に減額しました。賃貸住宅などにも対象拡大すること。また、申請の受付を区が責任を持って行い、区内の中小事業者が住宅リフォーム工事を請けられるよう改善すべきです。

 中小企業振興、商店街活性化を区の中心課題と位置づけ、対策を抜本的に強化するため、中小企業振興条例を制定すべきです。 

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