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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

第1回定例会ですがの茂議員がおこなった代表質問(大要)

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して区長に質問します。
 
第一は、国政・都政についてです 
  
 総選挙の結果、自民・公明両党が325議席を占め、衆議院で3分の2を超える巨大与党となっていますが、自民党の「勝利」は、自民党自身が認めているように、民主党政権の裏切りへの国民の激しい怒りが集中した結果であり、国民は安倍政権に委任状を与えたわけでは決してありません。
 ところが、安倍首相は、オバマ大統領との日米首脳会談で、TPP(環太平洋連携協定)交渉参加に大きく踏み出す意向を示しました。TPP参加は、自民党の国民への公約を投げすて、農業や医療、食の安全をはじめ広範な分野で地域経済と国民生活に深刻な打撃となるもので絶対に許されません。また、景気対策では、「アベノミクス」と称して無制限の金融緩和、大型公共事業のバラマキ、大企業応援の「成長戦略」というどれもが過去の自民党政権時代に破綻したものばかりです。また、消費税増税や社会保障の切りすて、憲法第九条改悪の動き、さらに原発再稼働の推進や新増設を容認するなど、どれをとっても国民多数の意思に背くものばかりです。
 わが党は、国民多数の声を実現させるには、国民の利益より「財界の利益」「アメリカの利益」を優先する長年つづいた自民党型の政治を転換させることが必要だと考えています。
 この立場で、消費税増税中止、TPP参加阻止、原発即時ゼロ、憲法第九条を守り、米軍基地の撤去など新しい政治をめざす決意です。
 
 質問のはじめは、区民生活を苦しめている深刻なデフレ不況の打開策についてです。
 
 安倍政権の打ち出したデフレ不況脱却策の最大の弱点は、国民の所得を増やす対策がないことです。昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低となり、ピーク時の1997年より年収で約70万円、88%まで減少したのに対し、企業の経常利益は、1997年を100として163まで増加しています。この背景には長期にわたり、賃下げとリストラをくりかえし、働く人の所得を減らし続けてきたことがデフレ不況の最大の原因です。

 わが党は、デフレ不況脱却のため、いま政府は三つの決断をすべきと考えます。第一に、国民の所得を奪う消費税増税などの中止、第二に、大企業、財界の身勝手な賃下げ、リストラを政治の責任でやめされること、第三に、人間らしいくらしを保障するルールを確立し、政府として「賃上げ目標」をもつことです。
 とくに消費税増税は、10%増税でサラリーマン世帯は一ヵ月分の給料が消費税に消え多くの中小零細業者は価格に転化できないとの声があがっているのです。
 区内でも消費税廃止渋谷各界連絡会がすすめる消費税増税中止を求める署名に対し、すでに89団体から賛同が寄せられているのです。
区民の所得を奪い、中小企業を苦境に追い込む消費税増税の中止を政府に求めるべきです。見解を伺います。

 また、大企業の内部留保は、260兆円に達しています。内部留保の1%を活用すれば賃上げが実施可能です。政府は賃上げのため、政治の責任を果たすときと考えます。区民のくらしと経済を立て直すためにも賃上げと安定した雇用の拡大でデフレ不況打開をするよう政府に要請すべきと考えますが見解を伺います。
 
 次に生活保護基準の引き下げについてです。
 
 政府は、2013年度予算案で生活保護費について、今年8月から3年かけて740億円以上カットし、13年度は、生活扶助と医療扶助、勤労控除の見直しなど、合わせて670億円も削る過去最大の削減計画を打ち出しました。削減の中心は、日常生活に欠かせない食費や光熱水費などの生活扶助費です。受給者はいまも食費をギリギリに抑え、暖房もできるだけ我慢するなど切り詰めた生活を続けているのです。
 区内のある受給者は「暖房費を節約するため玄関のドアや窓に厚手の布をおおい、スキ間風をふさぎ、室内でも防寒着で厳しい寒さをしのいでいるのに、このうえ基準を引き下げるなんて、生きていくことを認めないのか」と怒りをぶつけています。
 まさに、安倍政権が決めた保護基準の引き下げは国民が「生きる」根幹まで切り詰めるもので暴挙にほかなりません。

 そこで区長に伺います。「最低生活ライン」削減が実行されれば、保護受給世帯の90%以上が減額され、そのうち40代夫婦と子ども2人の世帯では、基準額9%、2万円もの削減となるひどいものです。また、生保基準に基づいている住民税非課税者43,806人、就学援助者1,811人(2011年度現在)をはじめ、最低賃金を低く抑えることなど、広範な区民に打撃を与えることになります。生活保護基準の引き下げ中止と老齢加算の復活など生活保護制度の拡充を国に求めるべきです。見解を伺います。
 
 次に、都政についてです。
 
 猪瀬新都政は、新年度予算案と3ヵ年計画の「アクションプログラム」を発表しました。1メートル1億円の幹線道路や莫大な港湾施設、巨大開発などの事業費が全体事業の31・3%を占める一方、高齢者対策は3%、少子化対策は2・4%にすぎません。国保料など負担軽減施策、深刻な待機者解消をはかるための区立保育園の増設や特養ホームの用地助成、その運営費の支援など都政の役割を果たしていません。

 そこで区長に伺います。国保、介護、高齢者医療保険料などの負担軽減策の実施や区立保育園や特養ホーム建設のための用地取得費の助成などの実施と区内の若者の雇用を守る支援策の強化を都に要請すべきです。見解を伺います。
 
2、区の2013年度予算編成と実施計画についてです 
 
 わが党区議団がおこなった区民アンケートでは、生活が苦しくなったと回答した人が76%にのぼり深刻な訴えが多数寄せられました。70代の夫婦は「年金から引かれる額が徐々に増えている、国保の他に、昨年秋より後期高齢者保険料が増え、今年は昨年の倍になり、2つ合わせて7万円近くで大変です」と重い保険料の負担増を訴えています。
 実際、区民のくらしの実態は課税所得が200万円以下の方が53,709人と46・61%と半数に迫り、5年前より、2,660人も増え、生活保護世帯は2,703世帯、就学援助も中学生で34・9%に増加、昨年一年間の企業倒産件数は173件、それによる失業者は17,207人にのぼる深刻な事態となっているのです。

 区の新年度予算案と実施計画は、区民の要望の強い、避難所の備蓄拡充などの防災対策、区民施設の耐震改修、特養ホーム、地域包括支援センターの増設などあります。しかし、、高い国保料をさらに値上げし、介護、高齢者医療保険料の負担増に苦しむ区民に対する負担軽減の対策はまったく反映されていません。また、効率化の名による子どもを犠牲にする区立桜丘・西原保育園を廃園にし、その上、神宮前、上原保育園や区立西原幼稚園を廃園に追い込もうとしていることや山谷・代々木小学校の強引な学校統廃合をすすめ、さらに、本庁舎の耐震化では建替えありきの方向にすすもうとしています。

 一方、渋谷駅周辺の大型開発を促進させ、将来にわたって税金投入することにふみだしています。また、不要不急のイベント事業を継続するなど、区民の要望や生活実態と乖離しており、福祉増進という地方自治体の役割を果たしていません。
 税金の使い方は、区民の命、くらし、福祉を守ることを第一にし、大型開発や不要不急な事業や無駄なイベント事業への税金投入は中止すべきと考えます。区長の見解を伺います。

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