ご意見
・ご相談

日本共産党渋谷区議会議員団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

第一回定例会(3月5日)ですがの茂議員がおこなった一般質問

第一回定例会(3月5日)ですがの茂議員がおこなった一般質問

 第一に、介護保険制度の改善についてです。
 安倍政権は、2月、要支援者への訪問、通所介護を介護保険サービスから外し、区市町村によるまったく別のサービスにおきかえ、また特養ホーム入所者を原則、要介護3以上に限定し、利用料は年金収入280万円以上を1割から2割に引き上げ、施設入所者への居住費、食事補助の縮小などを盛り込んだ「医療・介護総合推進法案」を閣議決定しました。
 要支援者の介護給付外しによって、全国では150万人、区内では、3276人の人たちが6割利用していた訪問、通所介護サービスが使えなくなるのです。しかも、市町村への移行事業は、サービス内容、人員、単価など統一基準がなく地域間格差が生じること。専門職によるサービスをボランティアに肩代わりさせるなど、安上がりのサービスにおきかえるのです。
 こうした改悪に対して、多くの国民、関係者から反対の声が上がるとともに、昨年の第四回区議会で、要支援者や認知症の会など、多くの区民から出された「要支援者に対する介護保険給付の継続を求める」請願が、全会一致で採択されました。
区長は要支援者の介護はずしに対して、まず、政府にきっぱりと撤回を求めるべきです。見解を伺います。
 また、区の独自施策として要支援者へのホームヘルパーの時間延長や回数追加の上乗せ事業を拡充すべきです。この間の実績をみると、要支援者のホームヘルパー時間延長は、2012年度は前年度比の倍、述べ6400人、回数追加で約1・5倍の述べ1076人が利用しています。そこで要支援者と要介護者の重度化防止と自立支援をいっそう促進させるために要支援1・2と要介護者のホームヘルパー時間延長と回数追加、要支援者へのディサービスの回数も週3回以上、通所できるよう拡大することを提案します。区長の見解を伺います。
二点目は、地域包括支援センターの体制強化についてです。
 区が、地域包括支援センターを11ヵ所に拡大したことは前進です。この地域包括支援センターは、地域住民にとって介護、福祉のまさに拠点であり、医療、福祉機関などとのネットワークを強化し、福祉のまちづくりをすすめていくうえでも欠かせません。
 現状の地域包括支援センターは、基本的に専門職員が4人で運営されています。現場からは要支援者のケアプラン作成に一人が35人から40人をかかえ、3ヵ月に一回の訪問になっているけれど実態は、利用者の健康状態を把握するのに月1回訪問することが多い。それだけでなく窓口、電話相談が増加し、その対応にもおわれる。また、医療、介護施設との連絡などあり、残業が日常化になっている。本来、担当地域の住民の見守りを含め、要介護者のケアのために医療、介護、町のボランティア団体などと日常的に、交流をする必要を感じているが時間の余裕がとてもないという声が上がっています。
 せっかく11ヵ所に拡大し、地域住民により身近になった地域包括支援センターの機能を発揮し、ここを拠点とした医療、介護、福祉のネットワークづくりをすすめるために、専門職員を増員し、体制を強化すべきと考えます。見解を伺います。
 三点目は、特別養護老人ホームの入所基準を原則「要介護3以上」に限定するのは問題です。
現在全国で入所待機者は42万人、要介護1・2人は13・2万人にのぼっています。区内では、待機者が650人いる中で、要介護1・2の人は240人、約3割に達しています。
 神宮前在住の要介護2の認知症の82歳の母親を介護している人は、特養ホームに入所申請してもう2年近くになるが入所できない、自宅で母親から一時も目を離すことができないもう在宅介護は限界であると切実な声をあげ、特養ホームの増設を強く求めています。 
区民が「住み慣れた地域で尊厳をもって安心して必要な介護が受けられるためにも区長は政府に対し、要介護の軽度者の特養ホーム入所外しの中止を求めるとともに、本町東小学校跡地のほかにケアコミュニティ原宿の丘の地域密着型特養ホーム計画の前倒しと特養ホーム、ショートスティ、グループホームの新たな増設計画を策定すべきです。見解を伺います。
 四点目は、国の負担を増やし、介護保険制度の拡充についてです。
政府は、利用料を年金収入で280万円、夫婦で359万円以上を1割から2割負担にします。65歳以上の20%が対象となります。在宅では要介護1の人が7700円から1万5400円になるなど軒並み倍加、施設では、有料老人ホームで要介護1の人を除いて施設入所者すべてが負担上限額の3万7200円に達します。その上、来月からは高い保険料が更に値上げが予定されています。
 その最大の要因は、介護保険導入前は、介護費用の50%だった国庫負担割合を25%に削減したことです。さらに、施設費用への国庫負担は、20%にまで引き下げました。このため、サービス利用の増加が保険料の値上げに直結し、利用料を引き上げるという欠陥制度をつくりあげたのです。
 私は、これまでも提案してきましたが、国庫負担を直ちに10%増やし、将来的に50%に戻せば、保険料、利用料の減免と介護内容の充実、介護労働者の処遇改善を同時にすすめることができるのです。
 区長は、政府に対し、国庫負担を引き上げ、利用料の2割負担の中止と、保険料、利用料の減免など、介護保険制度の拡充を要請すべきです。また、区の保険料、利用料の負担軽減策を拡充し、すべての非課税世帯を対象にすべきです。見解を伺います。
 五点目は、第6期介護保険事業計画の策定についてです。
 次期事業計画の策定にあたっては、区民の直近の実態を把握するため、しっ皆調査を実施するとともに出張所ごとに、説明会などを開き、区民の生きた声が反映された計画を策定すべきです。区長の見解を伺います。
 次に、配食サービスの改善についてです。
 配食サービスの目的は、栄養バランスに欠ける高齢者に対する食事の面から生活支援をおこない自立を促進し、安否確認を含め見守りの役割を担っているのです。その事業を区は、食事券事業におきかえ、これまでの補助を一律200円に削減し、160円も自己負担を増やし、そのうえ自立認定者を対象外にしたことは認められるものではありません。
 問題の一つは、福祉の切り下げです。配食サービスの利用者は1410人であったものが、食事券事業になった2012年度は878人になり、なんと、利用人数は532人と大幅減少しているのです。補助額の削減などで配食サービスを受けられなくなった高齢者は安いコンビニでカロリーや塩分の高い弁当や冷凍食品だけで済ませ、栄養のバランスもくずれ、安否確認もされないという事態となっているのです。まさに、要介護者などの生活支援する目的から逆行するものです。
 問題の二つ目は、食事券事業が高齢者の実態に則していないことです。
 食事券事業の協力店は、当初の100店から80店に減少し、神宮前地域は、わずか4店しか加盟していません。要介護者の目線から、食事券事業は見直すべきです。
 配食サービス事業を元に戻し、利用者への補助額を元に戻し、自立認定者も対象にし、地域見守りネットワークの一つの事業として再構築すべきです。区長の見解を伺います。
 
次に、障害者、難病患者の施策についてです。
 一点目は、精神障害者を福祉手当の対象にすることについてです。
 政府は、国連の障害者権利条約を批准して2月19日に発効しました。
 障害者権利条約は、社会に障害者の尊厳を尊重すること、心身に障害があっても同じ人間として認めることを求めています。
 区内の自立支援精神通院医療制度の利用は2020人、精神障害者保健福祉手帳の交付件数は、508件(2012年度)、そのうち1級の人は52人です。
 精神疾患の症状による社会生活の困難さは、外からは見えにくく、本人の生きづらさが理解され難いことなど多くあります。
 当区においても、心身障害者福祉手当の対象外にされており、毎年度、渋谷区精神障害者連絡会などから精神障害者も福祉手当の支給を要望する切実な願いが出されています。
 すでに、杉並区、品川区では、障害者福祉手当の対象としています。杉並区では、対象要件を精神障害者保険福祉手帳1級の人で、月額5000円を支給しています。
 当区においても、当面、日常生活をおくることが最も困難な重度の精神障害者保険福祉手帳の人を対象に心身障害者福祉手当を支給し、生活支援をおこなうべきです。区長の見解を伺います。
 二点目は、難病患者の命と健康を守ることについてです。
 厚生労働省は、難病の医療費助成の見直しをすすめています。今回の見直しは、難病対策を法律で位置づけるものです。難病対策の法制化は患者団体、関係者の悲願であり、その内容が関係者の願いにこたえるものになることが求められています。しかし、厚労省案は、①特定疾患を現在の56疾患から約300疾患へ拡大などの前進面はあるものの、一方で、①入院時食負担額に対する給付廃止(一日につき780円の負担増)②患者数が人口の〇・1%程度を超える場合、対象外とする、③重症者や生計中心者の住民税非課税者等に対する「自己負担なし」制度の廃止などが盛り込まれました。これが実施されれば、現行、住民税非課税の年収150万円以下の人は入院、外来とも0円であったものが本人収入80万円まで2500円になるなど、厚生労働省の試算でも9割の人が負担増になるとしており、患者団体などから改善を求める声が上がっています。
 区内に住むせんい筋痛症の72歳の女性は新制度でも対象外にされています。月2回の治療費が1万3千円、ねたきり状態なのでヘルパーによる生活支援を受けています。その費用が月15万円にのぼると深刻な実態を語ってくれました。
 せんい筋痛症は原因は不明で全身に激しい痛みを生じ重度は15万人、発症率は人口の2%といわれています。区内には、せんい筋痛症以外にも対象外とされ、苦しんでいる難病患者がいます。現在当区の特殊疾病医療助成申請者は、2012年度で1843人となっています。
 そこで区長に伺います。区内の難病患者の痛みを受け止め、尊厳をもって患者がくらせるよう、政府に対し、せんい筋痛症など対象疾患の拡大と患者数を理由にした対象疾患外しをおこなわないこと、医療費負担の軽減策の拡充など要請すべきと考えます。見解を伺います。また、区独自に福祉手当の対象として肝硬変・ヘパトームを復活すべきと考えます。見解を伺います。
 
次に、がん検診の改善についてです。
 10大死因のトップががんです。区の新年度予算案では乳がん、子宮頸がん検診を拡充したことは前進です。
 この二つの検診は区民健康センター桜丘、東京都予防医学協会と区内の指定医療機関18ヵ所で受診できます。しかし、胃がん、肺がん、大腸がんの各検診は、区内の身近な指定医療機関で受診できません。
 このことも要因の一つとなって、当区の区民がん検診である胃がん、大腸がん、肺がんについては、国の受診率目標の50%に対し、いづれも10%台にとどまっているのが実態です。
 港区では、すべてのがん検診が指定医療機関で受診できます。胃がん検診は、79ヵ所、大腸がんは、147ヵ所、肺がんは、120ヵ所の医療機関で受診でき、2011年度の胃がん検診は、28・4%、大腸がん検診は、34・6%の受診率でいづれも23区中トップです。身近な医療機関で受診できる環境整備がいかに大切かを物語っています。
 当区のもう一つの問題は、がん検診を受けて、要精密検診が必要な人が合計で2497人にのぼっているのに、再検診を有料化したことです。以前は、いわゆる二次検診の無料化を実施し、要精密者の負担軽減と状況を把握していたのです。
 区民の健康増進とがん検診の受診率向上のためにも、身近なところでがん検診が受診できるように改善すべきです。区長の見解を伺います。また、がん検診を受け、要精密者となった方が、再検診を受ける場合に二次検診の無料化を復活すべきです。区長の見解を伺います。
 
次に、公契約条例の改善についてです。
 区の公契約条例が施行され、ほぼ1年が経ちます。条例の目的は、区の発注する工事について受注者等が労働者に一定額以上の賃金を払い、労働者の適正な労働環境を確保することにあります。
 そのため、受注者は、区に対し、労働台帳を提出することになっています。
 しかし、区が受注者から提出を求めている労働台帳では、下限報酬額が現行賃金より、高いか低いか区自身が把握できない様式になっているのです。この書類も含め、労働者に実際支払っている賃金の台帳の提出を求め、区がチェックする必要があります。区は、公契約条例の目的に則して、労働者の賃金を担保するためには、労働台帳の提出を早急に改善すべきと考えます。
 また、国交省は1月30日に、急に2014年度設計労務単価の引き上げを決定し、2月1日から実施すると発表しました。区は、設計労務単価の引き上げに伴い、区の下限報酬額を引き上げるべきです。
 さらに、公契約条例を拡充するため対象とする請負工事額を5000万円まで拡大し、公共サービスの質の向上をはかるうえでも、委託契約、指定管理を対象にすべきです。以上3点について区長の見解を伺います。
 
最後に、代々木区民会館の改修に伴う代替施設の設置についてです。
 この区民施設は、地域住民にとって手軽に利用でき、地域コミュニティの場として欠かせない施設です。区民会館の利用率は77・3%と高く、約6ヵ月間の休館は、地域住民、利用者にとって支障をもたらせるものです。とくに、代々木区民会館を利用する代々木1丁目から3丁目にはバリアフリー化された公共施設はなく、地域住民からも代替施設設置の要請がだされています。改修工事等は新年度の後半になる予定ですので十分仮設を設置する時間はあります。代替施設を設置するべきと考えますが、区長の見解を伺います。

一覧に戻る

TOP