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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ議員がおこなった平成26年度渋谷区一般会計補正予算(第2号)に反対する討論

私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました、議案第40号 平成26年度渋谷区一般会計補正予算(2)に反対の立場から、討論します。

この補正予算には歳出3件が計上されていますが、初台保育園耐震補強工事費については、わが会派が以前から求めてきたものであり、賛成します。

しかし、他の二つの歳出については、以下の理由により賛成できません。

第一に、公園新設改良費として計上されている(仮称)宮下公園及び駐車場整備事業者検討会経費は、大企業のための渋谷駅周辺再開発の一環として、宮下公園のエリアを再整備しようとするものです。そのため、区が区民の意見を聞きながら整備する通常の手法をとらず、公園と駐車場の一体整備とともに、多目的な施設整備の可能性も含め、民間の活力を活用する整備案を公募するとしています。区長は昨年の第4回定例会の答弁では、商業施設の導入の可能性も検討するとしています。

今議会の区長発言でも、整備に向けた基本的な考え方の第一に、渋谷駅周新築の再開発との連携をあげています。渋谷駅周辺の再開発事業者から見れば、宮下公園を再開発のエリアにとりこみ、自らの開発にとって最も有利な活用を図ることを可能にするものとなるのです。その一方で、区民や公園利用者の意見を計画に反映する手立ては不明瞭で、説明会を開くかどうかについても検討してみるという答弁しか得られていません。

宮下公園はこの間、ネーミングライツと合わせ、フットサルコートやスケート場、クライミングウォールなど企業が運営する施設が主要な部分を占めてきました。区は企業の商業的な利用を促進してきたのです。その一方で、路上生活者に対する年越しのための支援活動は非人道的な排除を強行しました。

本来、公園は、区民や来街者の誰もが憩いのスペースとして利用できるようにすべきものです。宮下公園の整備を民間開発事業者の提案任せにして企業を利することは、区民不在の再整備であり、認めることはできません。

第二に、区長が、区民が知らないまま32億円もかけて取得しようとしている「防災公園」用地内に複合施設を建設するためのものだからです。

補正予算には、幡ヶ谷二丁目の防災公園と高齢者住宅、保育施設を一体的に設計する経費として7560万円が計上されています。わが党は、一貫して高齢者住宅や保育園の増設を求め、とくに待機児の解消については、定例会のたびに取り上げ、認可園の増設で待機児解消を図るべきと提案してきました。昨年の単身高齢者の区営住宅入居待ち抽選の倍率は30倍をこえ、今年4月の認可保育園・認定こども園の入所待機児は341人で、どの保育施設にも入れない子どもが120人もいるのです。保育園の待機児解消は区政の最優先の課題として、直ちに対策を立てるのは当然です。

しかし、防災公園計画は昨年の第四回定例会で、区長が突然打ち出したもので、区民に説明もないまま、32億円もかけて5000平米の用地を取得するものです。区長はさらに2000㎡を取得するとも言っていますが、その計画を知った区民からの批判の声が広がっています。区民合意のない土地取得に莫大な予算をつけ税金投入することは認められません。

しかも取得するとされているのは、都営住宅やマンション群に囲まれて幹線道路にも面していない土地で、防災公園として機能するのかという疑問の声も上がっているのです。すると区長は、木造密集地域の指定を受けている本町地域の一時避難場所として活用すると言いましたが、当該地は本町地域とは接しておらず区長の言い分は破たんしています。本町の住民からは避難所と逆方向にありとても利用できないと言われているのです。土地購入の理由を二転三転させ、防災公園の根拠もあいまいなままで予算をつけるやりかたは、区民の目を欺いて土地取得ありきで進めるものと言わざるを得ません。計画は白紙撤回すべきです。また、木造蜜集地域の災害対策というのであれば、その基本に住宅の耐震化、不燃化を据えて、助成制度の拡充を図り促進すべきです。

質疑の中では、複合施設の想定規模は2000㎡の敷地に鉄筋コンクリート造5階建て、延べ面積3300㎡を想定したと答弁がありましたが、用地については、4700㎡の取得の見込みが立ったとしているだけで、議会には、どの部分が取得できるのかも示さず、複合施設の敷地をどの部分にするのかは未定とされ、いつ確定するのかも今年度中としか答弁しておらず、定かではありません。土地取得の見通しさえ示さないまま、設計予算をつけるやり方は、区民要望の強い施設建設と抱き合せた計画にすることで、32億円の土地取得を合理化するもので、認めることはできません。

また、なぜ4700㎡の取得見込みの段階で、設計費の予算計上を行おうとしているのかも疑問です。「渋谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例」には、土地取得について5000㎡以上の土地取得を議会の議決を要するとしています。4700㎡ならば議会の議決なしに土地取得ができることをねらって、議会の審議を経ないまま、莫大な税金を投入して区民の疑問や反対の声の上がっている土地取得をしようとすることは、区民を二重三重に欺くものであり、認められません。

以上、補正予算(2)に反対の討論とします。

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