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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

第三回定例会(9月25日)ですがの茂議員がおこなった代表質問

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して区長に質問します。
 

 

議場での討論時間の制限に抗議

 質問に入る前に一言発言します。9月19日の議会運営委員会において、「議場での討論時間を議員一人年間20分と制限」する「あり方検討会」の答申を受けて、議長が提案した「申し合わせ」について委員長採決で強行可決したことです。そもそも議長は「議場での討論のあり方について「検討会」が設置されて諮問した際、「討論を制限するものではない」と明言していたのです。議員の発言を保障すべき議長が討論時間を制限することは、議長の取るべき態度ではありません。討論時間の制限は、区民の意見や要求への制限であり、結局、区民の声を区政に届かなくする議会制民主主義破壊の暴挙であり、絶対に認めることはできません。日本共産党渋谷区議団は断固抗議します。
 
 

 はじめに集団的自衛権行使容認の問題です。
 安倍政権は、7月1日、国民多数の反対の声を踏みつけにして集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行しました。まさに、憲法9条を破壊する歴史的暴挙であり絶対に認められません。
 集団的自衛権の最大の問題は「海外で戦争する国」づくりを一内閣の「閣議」で決定したことです。このことは、アメリカの戦争に自衛隊が一緒になって軍事行動をすることです。
 いま、「二度と戦争をくりかえすな」、「若者を戦場に送るな」、「憲法9条を守れ」の声が広がり、各世論調査でも5割から6割以上が反対の声を上げています。
 この健全な声は、今年の広島、長崎の平和式典でも示され、被爆者から安倍首相に対し、「閣議決定」の撤回が申し入れられ、長崎の平和式典では「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の城臺みや子さんは「集団的自衛権の行使容認は、日本国憲法を踏みにじった暴挙です」。「戦争は戦争を呼びます。歴史が証明しているではありませんか、日本の未来を担う若者や子どもたちを脅かさないでください」と述べ、多くの国民の心を打つ感動的な「誓い」でした。
 区民の平和とくらしを守る責務を負う区長として憲法9条を否定する集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回するよう政府に求めるべきです。見解を伺います。
 
 

2 消費税増税の中止についてです。
 4月からの消費税8%増税が個人消費を大きく落ちこませました。4月から6月期の国内総生産(GDP)統計で年率換算で7・1%マイナスとなり、リーマンショック以来の大幅マイナスです。
 家計消費は年率換算で19・0%減という空前の落ち込み、これは過去20年間で最大です。勤労者の実質所得も3ヵ月も減り続けたことなどによりGDPが大幅のマイナスになり、典型的な増税不況のはじまりです。わが党の区民アンケート調査では、8%増税に対し85・4%の方が「重くなった」と答えています。
 ある千駄ケ谷の飲食業の方は「8%増税で売上が3割も減り、仕入れは1割上昇している。そのうえ10%の増税なんてとんでもない、死活問題」と訴えられました。世論調査でも10%引き上げに反対が70%を超えています。
 政府は増税を「社会保障のため」といっておきながら年金、医療、介護などを切り下げ、財政再建のためといって庶民には増税、大企業には1・5兆円を減税し、さらに大企業減税の財源のため赤字で苦しむ中小企業から「外形標準課税」の拡大で税金をとりたてる逆立ちぶりです。ところが、大企業はこの一年間で、内部留保が20兆円も増加しているのです。
 いかに消費税増税が道理のないものか明らかです。いま、政府がやることは、国民の所得を増やし雇用を拡大し、国民の購買力を高めることです。増税するならまず大企業や富裕層に「応分の負担」を求め、浪費の公共事業、軍事費を削るべきです。
 区民のくらし、営業を壊し、日本経済をどん底におとしいれる消費税10%増税を中止するよう区長は政府に対し、申し入れるべきです。見解を伺います。
 

3 原発問題についてです。
 今年の猛暑の夏は、稼働する原発がゼロで過ごしました。これは1966年7月に商業原発が稼働して実に48年ぶりの出来事です。
 また、原発ゼロ、再稼働反対の世論が広がる中、原発問題に対する歴史的な二つの裁判の判決が下されました。
 大飯原発運転差し止めを命じた福井地裁の判決は、福島原発事故から真摯に教訓を引き出し、「個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益」を最優先し、原発の他の技術と異なる「本質的な危険性」を強調し再稼働を断罪したことです。
 また、避難中に自ら死を選んだ女性への賠償命令を東電に下した福島地裁判決は、避難を強いられて家族や、地域コミュニティもバラバラにされたことによる多大なストレスにさらされたことが自殺の原因とし原発事故との因果関係を明確に認めたことです。
 まさに、二つの判決は「人類と原発は共存できない」ことを示しました。
 いまなお福島県では、ふるさとに帰れず約13万人が避難生活させられているのです。 こうした中で再稼働、原発輸出につきすすむことは許されません。国民の原発再稼働中止と原発ゼロの日本をつくる願いを区長は正面から受けとめ政府に対し、再稼働中止、原発ゼロを要請すべきです。見解を伺います。

区民のくらし応援を最優先した税金の使い方についてです。
 今、区民のくらしは、消費税増税、諸物価の値上げ、年金、医療、介護など社会保障の切り下げや保険料の値上げなどの負担増、一方で賃金が上がらず、所得は減りつづけ苦しい生活実態となっています。9月14日からわが党区議団が実施している「くらし、区政についてのアンケート」に10日間で300通の返信があり、その中で70歳の女性は「家賃が重く、年金から支払うと残りはライフラインの支払い、お米は買いますが副菜はほとんど納豆です。毎日が暗くなります」と生活の深刻さを寄せてきました。
 区民のくらしが大変な時こそ、区政の第一の仕事である区民のくらし応援の税金の使い方に切り換える必要があります。ところが区長は、高い国保料を今年も値上げし一人当たり平均で10万3103円、給与所得者で年収200万円の三人世帯の場合は、13万6562円から16万216円と2万3654円の大幅な値上げとなり一ヵ月分の給与が保険料でなくなるという深刻なものです。値上げに区民から700件の苦情などが区に寄せられているのです。また、小中学校の給食費に消費税増税分約964万円を保護者負担にさせ、わずか36万円の親子スケート教室経費、難病患者や障害者の生活のよりどことしていた福祉予算9289万円を削減するなど自治体の役割を放棄しています。その一方で、区庁舎の建替え、議員の海外派遣、第2保養所の取得、32億円の防災公園用地取得、渋谷駅周辺大型開発事業に莫大な税金を投入するという「逆立ち」した税金の使い方をしています。
 区民の生活が大変なときこそ不要不急の事業はやめ、国保料の値下げと減免制度の拡充、学校給食費への消費税増税分を区が負担し、福祉、教育など削減した予算を復活させる、くらし応援を最優先にした税金の使い方にすべきです。区長の見解を伺います。
 

4 区庁舎建替え問題です。
 まず、「新庁舎における議場の設計に資するため」として4人の議員、4人の職員が9月3日から9月10日まで8日間、ロンドン、ベルギー、ドイツの市庁舎など5ヵ所を視察した問題です。この海外派遣に用した経費は一人当たり87万6500円、総額7百1万2000円も支出しました。
 区民からは、「税金の無駄遣いだ、視察に名を借りた海外旅行ではないか」など厳しい批判が広がっています。この議員海外派遣は当初議員などで1100万円の予算を計上していましたが共産党、民主党、無所属議員が反対し、また参加を予定していた議員が辞退したため結局4人の議員に4人の職員が同行するという税金の浪費ぶりです。
 区長は、「財政が厳しい」といって区民負担増を押しつける一方、議員には700万円の大盤ふるまいするという区民感覚からずれた税金のムダ使いです。議員の海外視察はやめるべきです。強く指摘します。
 質問の一点目は、区民にいっさい知らせていない問題です。
 9月1日「渋谷区庁舎の耐震問題を考える会」が、「誰のための区役所庁舎建替えか」の学習会を開催しました。私も参加しましたが、120名の住民が参加し、多くの人が区が何も知らせないのでどうなっているのか話を聞きに来ました」と語っていました。
 講演した久保木亮介弁護士は、「渋谷区の建替え計画が区民不在のまま進んでいることに異常な事態であると指摘し、そもそも民主主義は区民の声を反映させること」と強調しました。
 区庁舎の耐震化について、区が区議会に最初に報告したのが2012年11月20日、全員協議会で「2012年度耐震診断結果の報告」でした。その後現在に至るまで約二年間、区民には、耐震診断の結果をはじめ耐震補強案、民間公募による建替え案など区庁舎の耐震化に関わる情報はまったく知らされていません。秘密主義そのものです。
 東京新聞、4月7日付の記事では「渋谷区庁舎と公会堂、建て替え計画、目立つ非公開、「秘密」が多すぎる、土地の鑑定額は区議会にも非公開」と報道しています。
9月1日の学習会で住民から「121mのマンションや区役所、公会堂がどこにどう建つのかも知らなかった」と出されるほどです。
 すでに、職員のプロジェクトチームでは区庁舎や公会堂の位置など議論されているにもかかわらず、区民に対して区は、7月から8月にかけて基本設計案を広報、周知するとしていたがいまだ知らせていません。区民からは「区は本当に区民の意見を反映するつもりがあるのか」との声が上がっています。
 区庁舎の耐震化に関する情報を区民に知らせず建替え計画を住民不在ですすめることは大問題です。これまでの経過を区民に知らせ、区政の主人公は区民という立場ですすめるべきです。区長の見解を伺います。
 二点目は、区の建替え計画は、大企業に莫大な利益を与え、区のリスクがあることの問題についてです。
 区の庁舎建替え計画は、庁舎と公会堂の土地3割4565㎡を三井不動産に70年間貸し出し地上37階高さ121mの414戸の分譲マンションを建てさせ、その見返りとして154億円で庁舎と公会堂を建てるというものです。三井不動産は、分譲マンション販売で莫大な利益を得ることになります。まず、区民の福祉向上をめざすことを第一の役割を果たすべき区が三井不動産の莫大な利益を得るために区民の共有財産を差し出すことはやめるべきです。区長に見解を伺います。
 次に区のリスクの問題です。
 区長は「区の負担はない」、「区は損をしない」といっていますが基本協定8条2項の「法令等の変更、税制改革、不可抗力及び物価変動により発生するリスクで本事業への影響が大きいと見なされる場合は、事業者はその費用負担等の取扱いについて、区へ協議を申し入れることができる」これに対し「不可抗力による物価変動については事業者だけの負担にできない」と「区も負担する」と明言しています。区の負担はあり、様々なリスクを限りなく区民が負うことになるのです。
 いま、建材や人件費の高騰、地価変動などが庁舎を建替える自治体で問題となっています。千葉県木更津市は、建材等の高騰で庁舎建替えの入札予定価格約110億円のところ建設するには約150億円かかり約40億円の増額になることから建替えは2020年五輪後まで延期し、現庁舎は耐震性が低いことからすぐ解体し、約8年間は仮設庁舎で業務することにしています。また、小金井市でも建材の高騰などを理由に市庁舎の建替え計画を凍結しました。
 区長は「物価変動についての費用負担は、区も負担する」と明言しているのです。区民の限りない負担となります。このリスクは誰が責任を負うのか。区長に伺います。
 三点目は、70億円の仮設庁舎と区民サービス低下による区民負担の問題です。
区長は建替えが「最少限の区民負担でできる」といっていますが、8年前に13億円かけて耐震化・全面改装した公会堂をわざわざ建替える浪費、そのうえ、わずか3年間のみ使用する仮設庁舎の移転費用に70億円の税金を投入するのです。これだけでも区民に大きな負担を負わすのです。仮設庁舎計画では、当初予定していた都税事務所、東京都水道局渋谷営業所が仮設庁舎に移転しないことが明らかになりました。問題は、東京都の2つの施設が仮設庁舎に移転しないとなれば現庁舎では、区民にとって一ヵ所で手続等ができた利便性が大きく損なわれ、区民サービスの低下です。さらに、区民サービス低下の問題では、仮設庁舎以外の区施設での分散した区民窓口が設置されることもあり得るとしています。70億円の区民負担と区民サービスを低下させる仮設庁舎はやめるべきです。区長の見解を伺います。
 四点目は、住民参加で練り上げる問題です。
  建替えを決めたどの自治体でも数年かけて住民、専門家などが参加し、基本構想計画に位置づけるなど情報を公開し、検討会、住民説明会を何回も重ね、広く住民参加を保障しているのです。
 区民に知らせず、大企業の利益のために区民の貴重な財産を貸出し、区民には大きな負担をもたらす庁舎建替え計画は白紙に戻し、区庁舎のあり方は区民参加で練り上げるべきです。区長の見解を伺います。

5 伊豆・河津町の保養所の問題です。
 わが党区議団は、8月に現地の旧菊水館の外観を視察しました。一見しただけで老朽化がひどく外壁に露出したパイプはサビついているなど区はなぜ購入したかおどろきました。 今年度総額2億2800万円の多額の税金が使われる第2保養所には、旧菊水館を取得した経過が競売物件であったことを覆い隠すなど不透明であること。また、区が実施した不動産鑑定書では、築50年の旧館などに対して数十項目の施設改善が指摘されている施設で安全性に問題があります。
 区民からは「第2保養所は税金の浪費である」、「河津は遠すぎる、交通費もかかる」など批判が出るのも当然だと思います。
 わが党の調査でこの旅館が競売にかけられていたことが明らかになりました。
 この競売について6月議会で区長は「職員から報告を受けてそのことを知りました。直ちにそのことについては競売停止になるように、そのことについて経営者にはお話をして、そうなるような段取りをとってもらう」と答弁し、競売物件であることを事前に知っていたことを認めました。この間「競売について知らなかった」「競売については取り下げられてから知った」と答弁してきたことは、区民と議会をあざむいたことになります。私は現地の住民から「隣接する町で築20年も経っていない、ほぼ菊水館と同規模の競売のホテルが債権者である銀行の提示額1億5千万円が3000万円で落札された」と聞きました。当然競売物件であれば評価額も取得価格も変わるはずです。
 区長は競売物件であることを知りながら、不動産鑑定書の評価額1億2500万円をなぜ1億1000万円の高額の価格で取得したのか区長に伺います。
 また、区は、第2保養所を10月27日に開設しようとしていますが、旧館、体育館などの施設に対する多くの改善指導が指摘され、耐震診断の結果も明らかにせず、耐震補強工事もしていないのです。区が今年度の予算で改修したのは、トイレや浴室、客室の一部改修のみです。区民の命と安全を考えれば耐震補強工事や多数の指摘された施設の改善をせず開設すべきではありません。区長に伺います。
 今後、耐震補強など大規模修繕に多額の費用をかけることになります。第2保養所について取得経過の不透明さ、耐震補強工事、改修に多額の税金を投入することなど税金の浪費です。第2保養所は白紙に戻すべきです。区長に伺います。

6 渋谷駅周辺の大型開発と宮下公園の整備問題についてです。
 区長は、オリンピックをテコに安倍政権の大企業の稼ぐ力を増すための「成長戦略」を率先して東急グループなど大企業奉仕の渋谷駅周辺の大型開発に踏みこんでいます。本来ならば、東急グループなど開発事業者が負担すべき渋谷駅南側自由通路整備費の設計費に今年度6381万円を計上。今後数10億円ともいわれる工事費まで税金を投入しようとしています。
 また、オリンピック開催めざし、渋谷駅周辺の開発と連動し、区立宮下公園の整備をするとして民間企業の公募をおこなっています。大企業奉仕の渋谷駅南側自由通路整備に莫大な税金投入すること、東京五輪のためと称して区民の宮下公園を企業に土地を貸し出し利益をあげさせることはやめるべきです。区長の見解を伺います。

7 医療、介護、福祉の拡充についてです。
 ①その最初に医療、介護総合法の撤回についてです。
 安倍政権は、医療、介護総合法を強行可決しました。
 この総合法の最大のねらいが介護給付費の削減です。そのために、要支援者を介護給付から外し、要介護の軽度者を特養ホームの入所対象外にし、利用料の2割負担の押しつけ、医療では、患者追い出しの病床削減など、国民が願う社会保障に逆行するものであり、社会保障の解体そのものです。
 医療、介護総合法で渋谷区では、介護認定者8329人中38・5%の3211人が介護給付のヘルパーによる「訪問介護」、ディサービスの「通所介護」から外される事態になり、特養ホームは、待機者681人中41・5%の283人が対象から外されることになります。
 政府は、「共助」「自助」、介護の市場化で「安上がり」の受皿づくりを方針として自治体に押しつけ、一層の給付費削減と給付抑制策をすすめようとしています。こうしたやり方に対し、日本ホームヘルパー協会や日本介護福祉士会、有識者などから懸念や、異議を唱え、全国239を超える地方議会から反対等の意見書が可決されているのです。
 介護保険制度の根本矛盾を解決する道は「給付削減」の改悪のくり返しではなく、国庫負担割合をまず10%引き上げることです。
 区民が安心して必要な介護サービスを受けられるようにするため「医療、介護総合法」の撤回と介護保険制度の立て直しの要である国庫負担割合の引き上げを政府に強く要請すべきです。区長の見解を伺います。
 ②区の介護、福祉の拡充についてです。
 医療、介護総合法は、来年度から実施されることになり、介護給付の対象外にされる区民の介護サービス水準を維持することが区に求められます。
 第一は、要支援者の「訪問介護」と「通所介護」についてです。
 要支援者が介護から外され地域支援事業に移されます。国の方針は「介護の専門職のサービス」を制限し、人件費の低いボランティアなどの「多様なサービス」へ誘導する意向です。結局介護サービスの低下にともなう重度化を招き、また、介護職員の低い賃金を固定化することになりかねません。現行の介護専門職のサービスを継続するとともに区の独自施策であるホームヘルパー派遣とディサービスの回数の上乗せ事業の継続と拡充を求めます。合わせて区長に伺います。
 第二に、特養ホーム、グループホームの増設と入所対象外にされた要介護1・2の人の対策についてです。
 私は、3月議会で待機者の生活実態を紹介しました。要介護2の認知症の母親を介護している息子は、「一時も母親から目を離すことができず、在宅介護はもう限界です」と訴えた例です。この方は「高い保険料をまじめに納めているのに特養に入れないのはおかしい」と憤っていました。いまメディアでもとりあげ社会問題となっている「漂流社会」「介護難民」をつくってはなりません。まず区として介護1・2の人を特養ホームの対象外にすべきではありません。区長の見解を伺います。
 また、区長は、入所希望者の待機者解消のため国に対して特養整備の国庫補助の復活、都市部の用地取得に対する支援強化を求めるとともに都と国に対し、 都・国有地の無償貸与や賃料の大幅引き下げを要請すべきです。また、区として地域密着型を含む特養ホームを増設し、その中には、低所得者のために多床室を確保し、グループホームの増設も促進すべきです。以上見解を伺います。
 第三に、保険料、利用料の負担軽減策の拡充についてです。
3年ごとに毎回値上げされる保険料と利用料の2割負担は区民の負担増と必要な介護サービスが受けられなくなるという問題です。政府は保険料について低所得者への負担軽減策を示していますが、区独自の保険料、利用料の負担軽減策の拡充は強く求められています。 第6期の保険料については「応能負担」に立った収入区分を設定し一般財源を活用し値上げはやめるべきです。また、利用料については年金年収280万円以上の一が2割負担となります。区の高齢者への「ニーズ調査」では介護が必要になったときの心配事について「介護費用など経済的なこと」をあげた人は25・6%となっています。区独自の非課税世帯への保険料、利用料の負担軽減策の預貯金要件を撤廃し、新たに利用料が2割負担となる人も対象拡大すべきです。以上、区長に伺います。
 第四に、地域包括支援センターの体制強化と「地域ケアネットワーク」づくりについてです。
 厚労省は、地域全体で高齢者を支えるネットワークづくりを目的に医師、介護関係者などが参加する「地域ケア会議」の設置を努力義務として通知しています。しかし、モデル区の荒川区では、要支援者が地域包括支援センターの職員から「介護保険を受ける人が多くなっているから自立を考えてほしい」などケアプランの変更を求めている事態がおこっています。とんでもありません。「地域ケア会議」を介護給付抑制のための「会議」にしてはなりません。
 当区では、高齢者の実態に即し、地域ケアネットワークづくりが求められています。
 体制づくりの要は、11ヵ所の地域包括支援センターの専門職の人員増による体制強化です。現在各センターでは常勤職員は大多数が3人となっています。地域包括支援センターの現場は一人が二十人のケアプランの作成、月一回の訪問、それに電話相談等の対応というギリギリの活動をしています。こうした中でも現在、医療、介護関係者や民生委員、地域団体との打合わせを月に1~2回開いていると聞いています。
 そこで抜本的に地域包括支援センターの常勤専門職員を増員し、11ヵ所の地域包括支援センターを中心に「地域ケアネットワーク」として位置づけ医療、介護、福祉、ボランティア団体、町会、商店街などがすべての介護の必要な人たちを支える体制づくりを本格的にすすめていくべきです。区長の見解を伺います。
 

8 水害対策の抜本的な改善についてです。
 今年も全国各地で集中豪雨による被害が相次いで発生しております。当区では、今年6月29日日曜日の午後4時すぎに10分間で21ミリの集中豪雨がおそい、区が把握した7月25日現在の被害状況は床上、床下浸水が105件、道路冠水23件、がけ崩れ4件、山谷架道橋で車両3台が浸水、走行不能になるなど区内全地域に及んでいます。
 私は、この集中豪雨のとき、ちょうど神宮前3丁目の渋谷保育園前の区道が冠水し、周辺の住宅店舗が浸水した現場に出会い排水活動などおこないました。そこで感じたことは数ヵ所で地下が浸水しているのに消防団の可搬ポンプ一台で1ヵ所しか対応できない事態でした。区の排水ポンプが活用できず、その台数の不足と身近なところに配置されていないことです。その後、代々木四丁目など被害地域の調査の中で多くの住民から水害の原因究明と再発防止のための抜本的な水防対策など要望が寄せられました。
その一つは、区民からの緊急対応窓口の改善です。
 住民からは「水害発生後防災課に連絡したが何か混乱していて対応がよくない、窓口を一本化し、緊急対応できる体制をつくることや行政の横の連絡が不十分である」と訴えられました。水害であれ、震災であれ、災害から区民の命と財産を守るために住民への緊急対応窓口は、一本化にすべきです。区長に伺います。
 二つは、再発防止のための抜本的な対策の実施です。
 再発防止のためには、おこる前とおこなった時の対策が重要です。予防では、今回の被害状況を区が把握したのはほとんどが住民からの連絡です。代々木4丁目の住民は「この間こんな被害ははじめてです。山手通りの拡幅など影響しているのでは」と語っています。 まず、被害住民から教訓を引きだすため被害住民のしっ皆調査を実施し、原因究明をすべきです。また、今回の被害状況をふまえ区の洪水ハザードマップを改訂しわかりやすく区民に周知するとともに貯留槽などを増設し、抜本的な水防計画を実施すべきです。水害がおこった時の区の対策としてわずか一台しかない移動式排水ポンプ車や5台しかない排水ポンプを浸水被害地域の近くに配置するなど水防資材を拡充すべきです。
以上4点について区長の見解を伺います。
 

9 新国立競技場計画の問題についてです。
 新国立競技場計画は、所在地が当区と新宿区にまたがり、延床面積はロンドンオリンピックの施設の3倍、敷地はその70%、狭い敷地にいっぱいに建物を建て8万人を収容し、工事費が周辺整備を含め1625億円、この建設単価は昨年7月時点の積算であり、今後増加します。この計画が現況を一変させる巨大施設に、巨額な費用を投ずるものとなっていることです。
 多くの専門家や都民、区民から批判も出され、近隣住民から「マンションの前に高さ70mの巨大建物は圧迫感を与える」、「住環境の悪化が不安」との声があがり、建替えでなく改修で使用することを求めているのです。原科幸彦東工大名誉教授を代表する参加と合意形成研究会が千駄ケ谷1、2、神宮前2丁目の訪問調査では、景観など環境への影響に対して自由回答では79%が計画への懸念を示していると報告しています。
 こうした中、私も参加しましたが日本スポーツ振興センターが9月12日日本青年館で「現国立競技場の解体工事説明会」をおこなったことに対し、出席者から施工業者がいない説明会に批判が上がりました。
 9月16日国立競技場の改修を求める「神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会」が記者会見を開き「国立競技場の解体をめぐり、談合の疑いがもたれていることを指摘し、世界に非民主性を表明するようなもので猛省と真摯な対応を求める」と訴えました。また、日本経済新聞が7月21日に報道した世論調査では、解体せず改修などを求める声が76%を占めています。国に対し景観と住環境を守り、税金の浪費をなくすためにも国立競技場の改修を求めるべきです。
 区長の見解を求めます。

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