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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ議員がおこなった「安全保障関連法案」の今国会成立反対の国への意見書採択を求める請願に対する賛成討論

私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題になりました「安全保障関連法案」の今国会成立反対の国への意見書採択を求める請願への賛成討論を行います。

 この請願が求めているのは、渋谷区議会が「安全保障関連法案」の今国会成立に反対する意見書を国に提出することです。

 

賛成理由の第一は、多くの憲法学者が法案を違憲と表明し、十分な説明と今国会での成立に反対する世論が多数を占めているからです。

 この法案について、6月4日に開かれた衆議院の憲法審査会では、参考人として出席した3人の憲法学者全員が集団的自衛権を可能にする法案は違憲であると断言し、22日の衆院安保法制特別委員会では、元内閣法制局長官の宮崎礼壱氏が集団的自衛権行使容認は憲法9条に違反し、速やかに撤回すべきと主張しました。憲法学者、専門家の意見も99%が違憲であり、法案の速やかな廃案を求める声明にも220人の憲法学者が賛同しています。

国民の世論も、今国会での成立に反対が多数を占めています。共同通信が20、21日に行った世論調査では、十分に説明していないが84%にものぼり、法案は憲法に違反するが56.7%、反対が58.7%、今国会の成立反対が63.1%と前回よりも増加し、朝日新聞の世論調査でも首相の説明は丁寧ではないが69%、今の国会で成立させる必要はないが65%となっています。15日に高知市で開かれた衆院憲法審査会の地方公聴会では、6人の陳述人のうち5人が反対を表明し、政府方針に理解を示した知事でさえ十分な議論を求めました。このように「安全保障関連法案」には、多数の国民が説明不足だと感じ、今国会での成立には反対との意思表示を行っているのです。

政府与党は、一昨日、95日間の大幅会期延長を強行しましたが、国民の多数の声を踏みにじって法案を強行することは許されません。

 

第二に、この法案が多くの国民に多大な影響を及ぼす重要な法案であるからです。

請願者が指摘するように、この法律が成立して適用されれば、周辺事態法の地理的限定をなくし、海外派兵恒久法で現に戦闘が行われている地域以外には派遣できるようにすることで、自衛隊を世界各地の戦争が行われている地域に、時の政権の判断で自衛隊を派遣できるようになり、国民や国会の判断は秘密保護法の特定秘密や短期間の審議の制約で困難になること、また、国連が統括しないPKOの治安維持活動でも自衛隊が参加できるようになり、偶発的な戦争勃発や相手側からの武力攻撃、テロ攻撃などの危険性が増大すること、さらに、武力攻撃事態になれば、地方自治体や民間事業者も自衛隊法103条によって、徴用・徴発が行われ、例えば、相手国の反撃で「原発にテロが想定される」となれば、防御陣地の構築のための施設の利用や土地の使用が不可欠になり、建設作業のための土木建設業者の動員などが地方自治体の仕事として行われることになりかねません。

このように、「安全保障関連法案」は、憲法9条のもとで日本が築いてきた平和国家としての国づくりを転換し、国民に多大な影響を与える重要な法案だからこそ、政府は国民に対し丁寧な説明を行い、理解を求めるべきです。また、国会は慎重審議を行うべきです。

法案の違憲性が多くの憲法学者や国会質疑で指摘されても、政府は集団的自衛権容認の根拠としている「安全保障環境の根本的変容」についても何一つ具体例をあげることできず追いつめられる中で、安倍首相は国会で「憲法の範囲内にあるからこそ法律として提出している。正当性、合法性に完全に確信をもっている」などと突っぱね、「従来の憲法解釈に固執するのは政治家としての責任放棄だ」と答弁するなど、平和主義だけでなく、立憲主義や国民主権にも背く姿勢をあらわにしました。

政府の説明不足への批判や違憲の世論が広がる中で、法案の国会提出後に「反対」や「慎重審議」を求める意見書を可決した地方議会は、三重県議会をはじめ30道府県の116自治体に達し、連日増え続けています。

渋谷区議会としても、憲法9条のもとで区民の命と安全を守るために、「安全保障関連法案」の今国会での成立に反対する意見書を採択すべきです。以上、請願に賛成の討論とします。

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