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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2015 第4回区議会定例会 すがの茂区議団長の代表質問

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して区長に質問します。

質問に入る前に一言発言します

 パリで起きた同時テロについて、イスラム過激組織ISが犯行声明を出したことに対して日本共産党はいかなる理由があろうと絶対に許されない卑劣な犯罪行動に強い怒りを込めて糾弾します。犠牲者とそのご家族に心から哀悼の意を表します。テロを世界から根絶するために国際社会の一致結束した取り組みが急務です。質問に入ります。 

憲法違反の戦争法、安保法廃止についてです

 安倍自公政権は、9月19日未明、憲法違反の戦争法を数の暴力で強行採決しました。安倍自公政権に対して満身の怒りを込めて抗議するものです。

 戦争法強行採決後も世論調査では、国民の6割が反対し、戦争法が強行されて2カ月後も、国会前には9000人が集い、立憲主義、民主主義を取り戻そうと国民は訴え、区内でも、党派を超えた宣伝や若者や学生たちによるハチ公前、表参道での戦争法廃止のパレードなどが繰り広げられています。

 日本共産党は、戦争法廃止、立憲主義を、民主主義を取り戻す国民の声に対して、戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府の実現を呼びかける3つの提案を行いました。

 この呼びかけに、小林節慶応大学名誉教授は「我が意を得たり」と歓迎の意を表明、区内在住の9条の会呼びかけ人澤地久枝さんなど各界から期待、注目されています。朝日新聞の世論調査では、野党の選挙協力について48%が期待すると回答しています。

 戦争法は、戦後70年間守ってきた憲法9条をじゅうりんして、自衛隊の海外での武力行使に道をひらき、日本の平和と国民の命を危険にさらす違憲立法であり、立憲主義を否定するもので許されません。

 9月から党区議団が行った区政アンケートでも、安保法制について憲法違反でやめるべき、国民の理解が得られていないと回答した人が84%を占めています。

 違憲立法の安保法、戦争法の存続を許すならば立憲主義、民主主義、法の支配というわが国の存立の土台が根底から覆されることになりかねません。憲法を遵守すべき区長として立憲主義、民主主義をこわす違憲立法である安保法廃止の意思表示をすべきです。区長の所見を伺います。

次にオスプレイの横田基地配備中止についてです

 日米両政府は、違憲の戦争法の具体化として東京横田基地を日米が一体となって、軍事拠点にするための特殊作戦に使用するオスプレイCV22を2017年から10機配備すると発表しました。米軍が作成しているオスプレイの訓練は特殊作戦に備え、地上から150mの異常な低空飛行をおこなう、とされています。

 米軍横田基地は、5市1町51万人を数える人口密集地の中にあり、基地周辺3キロに30を超える学校、40を超える保育園があり、現在でも騒音と振動などで住民の生活を脅かしているのです。そのうえ、高い事故率のオスプレイ配備は都民として許すことはできません。

 11月21日には「オスプレイは東京・横田基地にくるな大集会」が福生南公園で開かれ、5000人が集い、渋谷区民も多数参加しました。

 横田基地周辺の5市1町の自治体はオスプレイ配備反対の声明を出しています。都民の命を脅かし、平和をこわし、首都東京で侵略のための訓練をおこない、出撃する拠点へと強化する横田基地へのオスプレイCV22の配備に区長として反対の意思を表すべきです。区長に伺います。

次にマイナンバー制度の凍結・中止についてです

 そもそもマイナンバー制度は国民や自治体が求めた制度ではなく政府が無理やり押しつけたものです。政府の狙いは住民登録している人に一人残らず個人番号をつけ収入、財産を厳密につかみ税や保険料の徴収強化や社会保障のサービス抑制に利用することです。

 世論調査でも、国民の8割が漏えいの不安があると訴えています。実際、個人情報漏えいを防ぐ、完全なシステム構築は不可能であると国会や区議会の答弁で明らかとなりました。

 国民と、自治体、中小企業に大きな負担と労力を求め、なにより憲法で保障された人権である個人情報の漏えいの歯止めがないマイナンバー制度は、来年一月の本格運用に進むのではなく、凍結、中止を国に求めるべきです。区長に伺います。

2.区長の政治姿勢についてです

 いま、区民の暮らしは消費税増税と物価高に加え、社会保障の負担増で家計が圧迫されています。政府の9月の統計で、家計消費支出は0.4%マイナス、勤労者実収入は1.6%マイナス、区内の中学生の37%が就学援助を受けており、生活保護世帯は2700世帯にのぼっています。生活がたいへんな区民の暮らしと福祉を守るのが自治体の第一の仕事です。大企業の利益を優先させる街づくりや、不要不急の事業はきっぱりやめ、税金の使い方や事業手法を住民本位に転換すべきです。この立場から質問します。

第1に、庁舎建替えについてです

 区が、民間資金を活用して庁舎、公会堂を建て替える手法は、民間企業が利益第一に庁舎を建設するもので、自治体がとるべき手法ではありません。区民には分譲マンションの説明もなく、三井不動産、三井不動産レジデンシャルと10月30日に期間77年7カ月、対価211億円の定期借地権の設定と新庁舎、公会堂を建設するための契約を結んだことは区民無視と言わざるをえません。

 庁舎、公会堂と一体事業である三井不動産のマンションは、高さ143m、39階建て、戸数が420戸から520戸と100戸増やし、しかもすべて分譲だったのに賃貸を含めることになっています。また、三井不動産に貸し出した区の土地は、借地期間が終了後にサラ地として区に返還すると区は再三議会にも区民にも説明していたのに、契約書の第15条では、三井不動産に優先して土地の譲渡ができる規定を盛り込んでいることは重大です。こうしたいくつもの重大変更について、いっさい区民にも議会にも報告はありません。

 区長は、議会が議決した基本協定書にもない事項をなぜ契約書では含めたのか、また区の土地の譲渡を規定したのか、区長に伺います。

 三井不動産レジデンシャルは、横浜で起きたマンションくい打ち不正事件の当事者です。事件は拡大し、全容究明も責任も明らかにされていません。新聞報道では、国交省はすでに宅地建物取引業法に基づき、売り主の三井不動産レジデンシャルの調査も始めたと伝えています。同法では取引き関係者に損害を与えた場合、営業許可取り消しなどの行政処分を行うと定めているのです。三井不動産レジデンシャルなどと契約を結ぶことは、民間資金による庁舎等建替え計画に区の最終的な合意を与えるものであり、くい打ち不正事件の全容も責任も明らかになっていない中での契約締結は、到底、区民の納得は得られるものではありません。区長はなぜ、不正事件の当事者である三井不動産レジデンシャルとの契約を結んだのか、伺います。

 区庁舎と公会堂の建替えについて、区が選択したやり方は、区民にも議会にも知らせず、すべて三井不動産レジデンシャルに丸投げし、区が区民に責任を負えない手法です。

 区の土地に建設する高層マンションの住民説明会は11月に予定していたものを、三井不動産レジデンシャルの都合で延期するという不誠実な態度をとったうえ、区民にも議会にも庁舎建て替えと分譲マンション計画の全容は全く明らかにされていません。こんなやり方を認めるわけにはいきません。三井不動産、三井不動産レジデンシャルとの契約は撤回し、庁舎建替え計画は白紙に戻すべきです。庁舎のあり方について、区民、専門家などによって再検討すべきです。区長に伺います。

第2に、渋谷駅周辺再開発と宮下公園整備についてです

 渋谷ヒカリエをはじめ、渋谷駅南街区、渋谷駅桜丘口地区、道玄坂1丁目駅前地区、渋谷駅街区に高さ100m以上の林立するオフィス、商業施設等のビル8棟以上の建設が予定されています。そのすべての開発事業主体に東急電鉄、東急不動産が名をつらね、東急グループのための超巨大開発とも言えます。

 この渋谷駅周辺開発に、区は2001年度から2015年度までに11億3745万5749円の税金を投入してきました。西口広場と東口広場を結ぶ北側自由通路には15年間で20億円が区負担分として支出されます。また、本来開発事業者が負担するべき南口自由通路の整備には区が全額負担することになっていますが、いくらになるのか伺います。

 渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合が今年の九月に設立し、東急不動産が主体の事業で高さ180mと150mのオフィスビルを中心に事業が展開され、事業費は1630億円と発表しています。

 区はこの事業費1630億円に対し、いくら負担することになるのかお答えください。

 この地区に50年住んでいる住民は、「再開発でいい思いをするのは大企業だけ、私たちは住み慣れた地域から追い出される」と不安をうったえています。区は桜丘地区の行き場に困っている住民や小規模テナントに対し再開発組合が住まいと営業を保障するように指導すべきです。区長に伺います。

 住民追い出しの大企業のための渋谷駅周辺大型再開発に税金の投入はやめるべきです。区長に伺います。

次に、宮下公園整備についてです

 宮下公園は、ケヤキの大木が生い茂る区民、来街者にとってもだれもが憩える貴重な都市空間であり、災害時の避難場所として最適な公園です。

 区長が今年の三月議会で全会一致で継続廃案になった計画を再度提案した内容は前回と同様に区有地をすべて三井不動産に30年間提供し、整備する手法で庁舎の建替えとまったく同じです。

 その内容は、1階と地下に駐車場、1万6千㎡3階建ての商業施設、その屋上部分に都市公園を配置し、現在の公園の10分の1、1000㎡の敷地を公園面積から切り離して17階のホテルを建設し、切り離した分を区道上の人工地盤を公園に変更し、穴埋めしようとしています。意見は、近隣の町会、商店街と団体のみからしか聞いておらず、広く区民に説明会を開いていません。宮下公園を利用している区民からは、公園のよさがなくなってきている、また、近隣住民たちは、3階建ての公園になったら毎日壁を見ているようになる、地元の店舗からはテナントには何が入るか心配と批判の声をあげています。区立の都市公園が商業施設によって区民や来街者の使用は制限されます。

 住民はこれまで以上の賑わいを求めているのではありません。三井不動産の儲けのために住民の財産を差し出す計画は認められません。宮下公園がいつでも誰でも自由に使える区立の都市公園として今後のあり方は、広く区民が参加する場を設定し、練り上げていくべきです。そして、区が責任を持って管理・運営すべきです。区長に伺います。

第3は、幡ヶ谷二丁目防災公園についてです

 この土地は、前区長が幡ヶ谷二丁目の7000㎡の土地を取得して防災公園にする計画でした。区民から見て問題なのは、目的が二転三転したうえ、土壌汚染された土地であることが明らかになったことです。しかも、そのことを区民にも議会にも報告しませんでした。区はその土壌汚染された用地を今年の3月に取得しました。その土地価格は2社の鑑定評価29億1千万円と30億円に対して、31億9628万円で購入したのです。まさに土地取得先にありきで、住民不在の不要不急の土地取得です。

 しかも、11月16日の総務委員会で、土壌汚染対策法による調査結果が報告されました。その結果は面積の約80%が土壌汚染されており、鉛は土壌含有率で最大濃度は基準値の約300倍となっています。区民の命と安全を考えるならば、こうした土壌汚染された用地への保育園、高齢者住宅建設計画は白紙に戻すべきです。区長に伺います。

 区は、土壌汚染の調査結果について住民説明会を開くべきです。そして、この用地を今後どうするかについては、区民参加で検討すべきと考えますが、区長に伺います。

第4に、河津町の第二保養所について伺います

 伊豆河津町の第二保養所への税金投入は、旅館の取得費も含め5億円にのぼり、さらに年間の運営費に1億5000万円、老朽化した施設の維持管理、エレベーターをはじめ本館の大規模改修などに多額の税金投入が行われることは間違いありません。区民からは、「税金をもっとちがうところに使うこと」「遠くて行く気になれない」、また浴場などの改築後に行った区民からは「区内から車で三時間半もかかり遠くて体がもたない、ひのき風呂は3~4人が入れる程度、狭すぎる」など批判的な声が多く寄せられています。アンケートでは、河津町の保養所について、必要か必要でないか、の問いに対して、必要ないが70.8%、必要が4.7%でした。

 今後、大規模改修などによる多額の税金支出が予定されています。また、区民からは、いま区がやるべきことは第二保養所に多額の税金を使うことではなく、福祉、子育て支援に、という声が多数です。不要不急の事業である第二保養所はやめるべきです。区長の所見をうかがいます。


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