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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2016年 第1回区議会定例会 トマ孝二議員の一般質問

 私は日本共産党渋谷区議団として区長に四つの柱で質問します。

最初は保育について質問します

 2月10日に今年4月からの入園児の発表が行われて以来、私たち区議団のもとに「どこの保育園にも入所できないという通知を受けて目の前が真っ暗になりました。夫は内装業で、私は18年事務職としてフルタイムで働いてきました。やめて会社に迷惑をかける訳にはいかず家のローンもあり、働き続けなければなりません。絶対に保育園に入れてほしい」などの痛切な訴えが寄せられています。児童福祉法第24条1項で自治体に対し保育の必要な乳幼児については保育所に入所させて保育することを義務付けています。

 昨日、区長は今年4月からの入所希望の申請児数について1735人と答弁しましたが、私の質問は認可保育園の待機児数についてゼロ歳から歳児ごとの数と、どの保育施設にもはいれなかった子どもの数について歳児ごとに明らかしていただくことです。また、これらの子ども達の対策をどうするのか、区長の対応を伺います。

 区は保育園が不足しているにも関わらず、桜丘保育園の廃止を皮切りに神宮前、上原、西原保育園を廃止し、その上、今年度で本町第二保育園を廃止しようとしていることは許されず、本町第二保育園は存続すべきです。区長の見解を伺います。

 渋谷区では入園希望児が増え続ける中で私立保育園や認定こども園を増設してきましたが、多くはゼロ、1、2歳児を中心とする認証保育園や保育室の増設で待機児の解消を目指してきました。このため3歳児の行き場がなくなり、ある認証保育園では3人の子どもが幼稚園の預かり保育に入れなければならないという事態も起こっています。待機児解消はゼロ歳から5歳児まで安定的に保育される認可園の整備によって進められていくべきです。認可保育園では子どもたちがのびのびと生活できる園庭があり、専門の保育士や看護師、給食調理員が配置され、こどもがしっかり成長できる体制となっています。認可保育園を増設していくべきです。区長の見解を伺います。

 区立保育園では障害のある子どもを受け入れる体制を整えています。ところが、区立保育室では障害児を受け入れるための職員配置を行っていないことは認められるものではありません。直ちに保育室でも障害児が入所できるようにすべきです。区長の見解を伺います。

 区内の民間保育施設では、ベテランの正規職員でも月収20万円程度で、民間や公務員の平均給料と比べ年間100万円以上も低いことなどから保育士の確保が非常に厳しい状況です。子どもたちの安全や成長にとっても安定した保育士の確保が欠かせません。また区立保育室でも定数を増やそうとしたものの保育士がいないため、増員できない、という問題も起こっています。こうした民間の保育施設の実態などから国と都は保育士の処遇改善のための保育従事職員宿舎借上げ事業を始めました。世田谷区の場合、この制度を活用して一人当たり月額8万2千円の補助金を支給し、人材確保、離職防止に尽力しています。今年の1月末現在、37施設、のべ641人に補助金が支給され喜ばれています。

 民間施設の保育士の劣悪な労働条件改善のために打ち出された国と都の補助制度を活用し、厳しい現場で働く保育士を支援し施設が安定して運営できるようにすべきです。また、民間施設の保育士の処遇改善のために運営費を増額すべきです。合わせて区長の見解を伺います。

次に第2の柱の障害者福祉施策の拡充・強化について質問します

 心身障害者福祉タクシー券事業は重度心身障害者の福祉の増進をはかることを目的に1978年から始められたものです。昨年度はのべ2,831人の障害者に月額4,600円のタクシー券が支給されました。これを新年度から1,100円減らし月額3,500円にする予算案が示されました。昨日、区長は「他区より支給額が高いので削減した」という答弁を行いました。4600円のタクシー券を削減することは、障害者の通院の足を奪い、命にかかわる問題です。このタクシー券削減は中止すべきです。区長の見解を伺います。

 区内の精神障害者保健福祉手帳の交付者は1,143人、そのうち1級の人は54人となっています。当区では、これらの人は心身障害者福祉手当の対象から外されています。このため渋谷区精神障害者連絡会から精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給するよう毎年、区に対し要望書が提出されています。杉並、品川区に続き、大田、中野区が精神障害者を心身障害者福祉手当の対象にしようとしています。杉並区では1級の人に月額5,000円を支給しており、当区でも同様な制度を実施するのに約300万円の予算があればできます。ただちに実施すべきです。区長の見解を伺います。

 また、心身障害者福祉手当の年齢制限や所得制限などをやめ、対象を拡大すべきと考えます。区長の見解を伺います。

 区は「障害のある人がその人らしく暮らす共生社会を実現する」ことを障害者福祉計画でうたっています。しかし、当区の障害者福祉施策は、障害者と家族の要望を満たすものになっていません。はぁとぴあ原宿の家族会からは利用者が増え続けている現状から第二施設の増設やグループホームの設置など切実な要求が出されています。こうした声にこたえて第二施設の設置やグループホームの増設などを促進すべきです。区長の見解を伺います。

 2015年1月、日本政府は「障害に基づく差別は人間固有の尊厳と価値を侵害するものである」とする、障害者権利条約を批准しました。こうした流れの中でこの4月から障害者差別解消法が施行されます。この法律は障害のある人への差別をなくすことで、障害のある人もない人も共に生きる社会を目指すもので自治体はもとより、民間企業、商店などに対し、障害を理由とする差別を解消するための措置などをとることを求める重要な法律です。障害者の人権が守られ、いきいきと生活できることを理念とし、施設整備や福祉施策を着実に進めていくため障害者基本条例を定めるべきです。区長の見解を伺います。

次に、第3の柱である、幡ヶ谷2丁目防災公園問題について質問します

 幡ヶ谷2丁目防災公園計画について初めての説明会が開かれ、近隣住民をはじめ多くの区民が参加し、様々な意見、質問が出されました。「土壌汚染のある土地なのに、子どもたちが生活する保育施設のためになぜ取得したのか。毒物があることがわかった時点で取得するかどうか住民の声を聞くべきではなかったのか」「土壌汚染があるところを32億円で購入したのは納得ができない」「防災公園、保育所、高齢者施設というが、周辺の道路は狭い。車と車イスやベビーカーがすれ違うのは無理で、消防車も入れないのに防災公園を作るのはおかしい」など、多くの質問が出されました。これに対して、区は土地の売主が土壌汚染対策を行い、土壌の入れ替え後の検査の結果、安全だということを繰り返すだけでした。こうした対応やこれまで一度も説明してこなかった区に対し、住民を無視するもので納得いかないという厳しい意見が出されました。

 なぜ、土壌汚染がわかっていながら区民に説明せず、意見も聞かずに土地を取得したのか。まず質問します。また、土壌汚染調査の結果や、除去後の検査結果も示さず、消防車が入れない土地を購入したのか、住民に明確に説明すべきです。合わせて区長の見解を伺います。

 桑原前区長は昨年の3月2日の区議会で土壌汚染対策は売主側の責任と費用負担で行う売買契約としており、区は最終的に土壌の入れ替えが行われた後にその土地を取得すると、答弁していました。ところが、桑原前区長はこの答弁の3か月前の12月に血税1,285万円を使って、土壌汚染調査を行い、その上、まったく土壌汚染対策がされていないのに、あろうことか答弁の翌日に土地を取得したのです。しかも重大なことは区が依頼した土地の鑑定について、前提条件として、土壌汚染がないこと、6メートル道路に接道しているとの実際と異なる条件をつけ、価格が29億1千万円と30億円という評価額を出させたことは異常なやり方です。そのうえ、2億円も高い31億9,628万円で購入したことは、不当であり、区民がとうてい納得できることではありません。通常の土地取引なら、売り主が土壌汚染を除去し、問題のないことを確認して、代金を払うものです。なぜ、そうした対応をしなかったのか。区長の見解を伺います。

 住民からは土地の購入費に汚染除去費用を含めていたのではないか、との声も出されています。除去費用はいくらだったのか、明らかにすべきです。区長の見解を伺います。

 こうした土地の購入は問題であり、計画は白紙に戻すべきです。今後の在り方については住民参加で決めていくべきです。区長の見解を伺います。

最後に、第4の柱である住宅施策について質問します

 住宅に困っている高齢者にバリアフリーの安全で低家賃の住まいを提供する借り上げ高齢者住宅制度は、優れた福祉施策であり、高齢者が増え続けている現状から拡大していくべき施策です。ところが区は昨年12月富ヶ谷1丁目の借上げ高齢者住宅の住人に対し、来年6月に契約期限の20年が来るので、この住宅を廃止する可能性がある、などと説明しました。入居者から「ずっと住み続けていられると思ったのにどこに行けばよいのか」などの不安の声が出されています。

 2012年に20年の契約期限がきた本町借り上げ高齢者住宅、昨年6月に契約期限がきた笹塚借り上げ高齢者住宅について貸主との契約期限を2年としています。区は、富ヶ谷の高齢者住宅の居住者にこれらを引越し先と示し、また転居することになるかも知れないと言い、高齢者に大きな不安を与えています。こうした対応は直ちに中止し、本町、笹塚、富ヶ谷の借上げ高齢者住宅は継続すべきです。さらに借上げ高齢者住宅は増設すべきです。区長の見解を伺います。

 昨年7月に募集が行われた高齢者向け空き家待ち登録者に対する応募状況は単身者用8戸に対し、応募者は178人と倍率は21.8倍、世帯用は6戸で応募者は39人。倍率は6.3倍でした。9月に行われた単身者用の幡ヶ谷原町住宅の場合は37戸の募集に対し、応募者は228人で倍率は6.16倍。落選した西原1丁目のある女性は「ここに入居できれば一生大丈夫だと思い、当選を祈っていました。それだけに落選はショックで3日間寝込んでしまいました」と嘆いていました。高齢者に安心して生活できる住まいを提供するのは渋谷区の責務です。こうした立場から国有地、都有地の取得を進め、幡ヶ谷2丁目の社会教育館に隣接する都営住宅跡地や代々木2・3丁目の国有地を早急に取得し、高齢者住宅を含む福祉施設を建設すべきです。また、住宅マスタープランを改定し、区営住宅、高齢者、障害者住宅を着実に整備していくべきです。区長の見解を伺います。

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