ご意見
・ご相談

日本共産党渋谷区議会議員団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

2016年 第1回区議会定例会 『認可保育園の存続・増設により待機児の解消を求める請願』に対する五十嵐千代子幹事長の賛成討論

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただ今議題となりました認可保育園の存続・増設により待機児童の解消を求める請願の採択に賛成の立場から討論します。

 請願の主旨は、今年認可保育園に入れない子どもが、昨年4月の528人を大きく上回る見込みで、待機児問題は、低年齢児だけでなく保育室や認証保育所を退園したあと、認可保育園に入れないなど、ますます深刻な事態で、保育を必要とするすべての子どもたちが、認可保育園に入れるよう、区の責任で認可保育園を増やすこと、さらに待機児問題が深刻な時に、区立の本町第二保育園を廃園しようとすることは、保護者の願いに逆行するもので、存続し入園募集をしてほしい、というものです。

 請願に賛成する第1の理由は、待機児童解消は待ったなしの非常事態で緊急対策と共に抜本的解決としての認可保育園の増設が求められているからです。

 2月インターネットに、「保育園落ちた!」の投稿がされると大きな反響となり、国会前の抗議行動や国に向けての署名が一週間で2万7千人から寄せられる等運動が一気に広がり社会問題となりました。我が党の田村智子参議院議員も国会で取り上げ、東京都内で2万6千人を越える待機児が見こまれることを明らかにし、緊急対策として(1)公共施設を活用して自治体の責任で緊急の保育を実施すること。(2)公立保育所の分園設置や改修に国が緊急の財政支援を行うこと等を求めると共に、抜本的には父母が求めている認可保育所の増設と保育士の処遇改善を行うための保育予算の拡充を求めました。

 請願は、保育園に入れない保護者から「認証や保育室もキャンセル待ち、このままでは仕事を辞めなければなりません」「預けるところがなければフルタイムで働けません」など悲鳴の声が上がっていると述べ、保育を必要とするすべての子どもたちが、認可保育園に入れるよう区の責任で認可保育園をふやすことを求めています。

 実際渋谷区の待機児童については、3月25日の文教委員会に今年2月現在の認可保育園に希望した人数が1735人で受け入れ可能数が858人だったことが報告されましたが、才児ごとに見ると第一希望で認可保育園に入れなかった0歳児は、266人、1歳児が384人、2歳児が170人、3歳児が83人、4歳児が18人の合計921人で昨年の528人より393人も増加しているのです。こうした子どもたちに対する保育の実施義務が渋谷区には求められています。国が打ち出した対策を活用し認可保育園の分園を拡大するなどの緊急対策を実施すると共に、抜本的には、年次計画を立てて認可保育園の増設をはかるべきです。認可保育園を希望して入れず区立保育室や認証保育所に入れた保護者からは、「まずは預けるところが決まってほっとしているが、また来年保育所探しをしなければならないと思うと不安になる」また、認証保育所を退所して認可保育園を申し込んだが入れずに幼稚園に預けることになった保護者は「今までのフルタイムの仕事を辞めて短時間の仕事に変わらなければならず生活が厳しくなる」と怒りの声を上げています。保護者の願いは0才から5歳児まで保育の質が確保された同じ保育所で継続的、安定的な保育が受けられる認可保育園なのです。

 請願に賛成する第2の理由は、保育は子どもの権利であり、国と自治体にはそれを保障する責任が有るからです。

 日本も批准している国連の「子どもの権利に関する条約」では、0才から5歳児の子どもたちに必要なよい教育、よい保育をうける権利が有ることを認めています。

 実際スウェーデン、ドイツ、フランスでは、未就学児の子どもの居場所を得る権利を法律で認め、よい保育施設ですべての子どもに保育が受けられる施設整備が行われています。また、妊娠、出産から小学校就学前までの子どもにかける国の公費支出は、国内総生産に占める割合がフランス2・85%、スウェーデン3・46%に対し、日本は1・36%で異常に低いのが実態です。とりわけ小泉内閣の三位一体改革で公立保育所の運営費や整備費は、国庫負担がなくなり、一般財源化されたため自治体のコストカットの対象とされ公立つぶしや民間委託に切り替えられてきました。

 渋谷区でもこの間、区立の桜丘保育園、神宮前、上原、西原保育園が区民の反対を押し切って廃園され、さらに4月から本町第2保育園が廃園されようとしています。請願者が待機児問題が深刻なときに、区立の認可保育園を廃園することは保護者の願いに逆行すると厳しく批判していますが、これまで廃園した4園で212人の受け入れ定数を削減し、さらに本町の74人を加えると286人の認可保育園の受け入れを削減することになり、保育の実施義務を果たさなければならない区の責務を放棄するもので、本町第二保育園の廃園をすべきでは有りません。請願者が求めるように存続し募集を継続すべきです。

 国に対して国庫負担を復活し、運営費や整備費を引き上げることを求め、渋谷区が公立も含めた認可保育園の増設と全産業の平均賃金より月額11万円も低い保育士の処遇改善を行い、保護者が求めている保育の必要とするすべての子どもたちが認可保育園に入れるよう対策をとることを強く求めて、賛成討論とします。

一覧に戻る

TOP