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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2016年第4回区議会定例会 「渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」に対するトマ孝二区議会議員の反対討論

 私は、ただいま議題となりました議案第71号渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例について、日本共産党渋谷区議団を代表して、反対の討論をおこないます。

 本議案は、「東京都市計画地区計画神宮外苑地区地区計画」の変更がさる10月3日付けで告示されたことを受けて、条例の「神宮外苑地区整備計画」を変更し、整備計画地区に神宮前二丁目二番の「外苑ハウス」地区を追加し、これまで三〇メートルであった高さ制限を八〇メートルに引き上げるというものです。

 第一の反対理由は、環境破壊の巨大開発をすすめることになるからです。

 条例改定が提案されている神宮前二丁目の「外苑ハウス」地区は、大正十五年・一九二六年に日本で初めて風致地区に指定された神宮外苑地区に隣接する区域です。そのため、風致地区の環境に見合った建築物が建てられてきました。また、当区が全区的に定めた絶対高さ制限は三〇メートルとされているのです。

 こうした経過を無視して、規制緩和をおこない、「外苑ハウス」地区の巨大な再開発を認めることは許されるものではありません。

 第二の反対理由は、住民の声を無視し、地方自治体の立場を放棄するからです。

 都市計画審議会に提出された資料ではこれまで地上7階、高さ約25メートル196戸のマンションである「外苑ハウス」が地下二階・地上二二階、高さは塔屋を含めると八五メートル、住宅戸数は四一〇戸、駐車場の台数は一八〇台のマンションになるのです。

 東京都がおこなった都市計画変更の説明会では、出席者から「落ち着いた静かな町並みを破壊するものだ」という意見をはじめ、「なぜ外苑ハウスの優遇措置がとられるのか」、「民間企業のために、都がなぜ協力するのか理解できない」など疑問や批判の声が出されたのです。

 当区では、二〇一二年三月に、景観条例を制定し、「渋谷区における良好な景観の形成を図り、多様な界わいが共存する魅力あるまちづくりを推進する」ことをめざしており、その条例に抵触する東京都の都市計画の変更について、それが妥当なものであるのかどうか、審議会にはかり、答申を求めるべきでした。また、東京都の都市計画の変更に対して、住民からきびしい意見が出されているわけですから、区として、地方自治の立場から東京都に、神宮外苑地区の静かで緑豊かなまち並みや景観を壊す都市計画の変更を中止するよう求めるべきだったのです。

 しかし、区はそうした対応をせず、東京都の都市計画の変更を容認し、地方自治の立場を放棄するという、区民の願いに背を向ける態度をとったのです。こうした、対応は断じて認められるものではありません。

 第三の反対理由は、本条例改定案が大企業の三井不動産主導の巨大再開発事業にゴーサインを与えることになるからです。

 先の第三回定例区議会で、区道六三一号線の幅員四メートルを一二メートルにする議案が提出されました。この外苑ハウスの前面に位置する道路が拡幅されることが決定されました。そして今度は、高さ制限を八〇メートルまで緩和するという都市計画の変更をおこない、まさに三井不動産にいたれり尽くせりの対応をしているのです。こうした大企業奉仕の手法は、住民福祉の増進を第一義とする地方自治体の役割から逸脱したものです。

 本条例改定案は、神宮外苑地区の緑豊かで静かな街並みや景観・百年あまり続いてきたかけがえのない環境を破壊するものです。

 日本共産党渋谷区議団は、こうした街こわしの本条例の改定案は断じて認めることはできません。以上、反対討論といたします。 

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