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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2018年第1回定例会 中間本会議で五十嵐千代子幹事長が行った「公益法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対討論

3月8日の中間本会議で五十嵐千代子幹事長が行った「公益法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対討論は次のとおりです。

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私は、日本共産党渋谷区議団を代表してただ今議題となりました、議案第2号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論します。

本条例改正案は、区の職員を派遣出来る団体に、新たに一般社団法人渋谷未来デザインと公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の2団体を追加するものです。

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会への職員派遣について、組織委員会はオリンピック憲章に基づきコンパクトな大会運営に努めるべきで必要人員については、本来国と東京都の責任で確保すべきです。この間、渋谷区など地方自治体の職員は、職員数が削減された中で区民サービスに応えているのが実態で職員を派遣する余裕はありません。大会組織委員会の肩代わりに区の職員を派遣し人件費のほとんどを区が負担することは認められません。

4月に渋谷区が7000万円の拠出金をだして設立する 一般社団法人渋谷未来デザインに管理職をふくむ4人の職員を派遣することも問題です。

第1に、一般社団法人渋谷未来デザインは、基本構想で未来像として掲げている「ちがいをちからに変える街。渋谷区」を、実現する為の産官学民連携による組織であり、その活動は渋谷で実証し、東京、日本、世界へ展開するとのべています。そして具体的事業として掲げた公共空間及び資産の新しい活用モデルの創出及び実行、クリエィティブシティ シブヤ構想実現に資する基本計画の策定並びに実行支援は、区民不在で企業のための街づくりで公共性とは無縁のもので、本来自治体がやるべき仕事ではありません。こうした団体に、区の職員を派遣し、管理職を事務局長に配置すると共に、職員3人を、産官学民の連携を促進するリーダーとして養成することは、地方自治体の本来の役割である「区民の福祉の増進」さらに、地方公務員法で定めている「全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し」とある公務員のあり方から逸脱するもので認められません。

第2に、この法人の設立も、今後の運営についても、区民に知らせず区議会のチェックもできない組織で認められません。条例審議の中で、一般社団法人渋谷未来デザインは、出資者への利益の分配はできないものの営利追求が認められ、公益性がなくてもよい団体であることや、設立にむけて、区長と理事就任予定者で数回の協議が行われていたことが質疑の中で明らかになりました。しかし、このことは区議会には全く報告はありませんでした。また渋谷区が7000万円、東急電鉄、京王電鉄、NTTドコモ、日本マイクロソフト、みずほ銀行などの大企業10社以上が各1000万円ずつ出資し、1億7000万円以上の資金で設立することになっていますが、渋谷区の出資金が2分の1を越えないため法人の運営については、区議会への定期的報告も行わないことが明らかになり、これまで職員派遣をしてきた社会福祉事業団や松濤美術館のように区民の立場で区議会がチェックすることが出来ない組織であることは認められません。

第3に、すでに、笹塚、幡ヶ谷、初台地域では、玉川上水旧緑道や水道道路などの地域資源を活かすとして、「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」が組織され、区とS-SAP協定を結んだ京王電鉄などの企業も加わって新たなプロジェクトが創出されようとしています。渋谷未来デザインの個人パートナーで、フューチャーデザイナーとして登録している(株)フューチャーセッションズの代表は、このササハタハツセッションの誘導役としての業務を区から委託されているのです。

一般社団法人渋谷未来デザインは、ササハタハツプロジェクトとしてすすめている緑道などの公共空間の活用をはじめ、クリエィティブシティ渋谷の特区申請の手続きとマスタープランの作成等新たな事業をおこし、協業パートナーの出資企業に優先的に仕事を提供することが明記されています。

本条例案は、産官学民の連携を推進するとして区の公園や道路などを活用し新たな街づくり等を協業企業となっている大企業などに提供し、利益を上げさせるための組織であり、区民の税金と職員を派遣することは認められません。

以上反対討論とします。

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