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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2018年第1回定例会 最終本会議でトマ孝二議員が、生活保護基準引き下げの「見直し案」の撤回を求める請願に賛成討論

私は、日本共産党渋谷区議会議員団を代表して、ただいま議題となりました「生活保護基準引き下げの「見直し案」の撤回を求める請願」について、採択する立場から賛成討論をおこないます。

本請願は、昨年12月に厚生労働省がうちだした生活保護基準額を今年10月から3年がかりで、5%削減する見直し案について、国民の生活権を著しく侵害し、生活保護法の根幹を崩壊させるものとして、区議会に対し見直し案の撤回を求める意見書を政府に提出してほしい、というものです。

いま、日本の貧困は、倒産、失業、リストラ、病気、家族の介護など職を失えば、誰もが貧困に陥ってもおかしくない状況におかれています。

また第二次安倍政権が発足以来、この5年間で働く人の実質賃金は年間15万円も減っています。

相対的貧困率、いわゆる貧困ラインは1999年は、157万円だったものが、2014年には133万円に落ち込んでいるのです。

そうした社会状況を反映して、生活保護受給世帯が増え続け、当区でも2016年の生活保護世帯は2919世帯、3249人の受給となっているのです。

安倍政権が打ち出した生活保護基準額を5%削減するという方針は、きびしい生活をしている生活保護世帯をますますきびしくするもので断じて認められるものではありません。

じっさい、ある母親と高校生の保護世帯では、日々の暮らしがやっとのことで、大学を目指している子どもの参考書もなかなか買うことができない生活状況です。

今回すすめられようとしている削減によって、約15万世帯といわれる子育て世帯のうち、約4割が減額となる見込みです。とくに、ひとり親世帯の「母子加算」を平均2割カットするほか、児童養育加算も1部減らすことが示されているのです。それにより、母子加算は、月2万1千円から1万7千円に引き下げられ、また児童養育加算は3歳未満児について、一人当たり月1万5千円が、1万円と大幅に減額されるのです。

また、75歳以上の高齢者単身世帯では、月額4千円の引き下げとなります。

請願では、生活保護世帯がぎりぎりの支給額のためアパートの瞬間湯沸かし器ではお金がかかるので、冬場がまんして水で洗い物をしていること、一日二回に食事を切り詰めていること、小学生をもつ母子世帯では家族旅行にも行きたくともいけない等の実情を示し、「健康で文化的な最低限度の生活」とはほど遠い状況を訴えいます。そして、5%削減が実施されれば、保護世帯のくらしは大きな打撃を受け、深刻な事態になることを訴えています。

また請願は、生活保護基準の引き下げは、住民税の非課税限度額や就学援助、国民健康保険料の減免、公営住宅家賃の減免など一般の住民生活にも大きな影響を与えることを訴えています。

実際5年前に基準が大幅に引き下げられた際、横浜市では就学援助について両親と小学生の子ども2人の世帯で年収約358万円以下を対象としていたものを保護基準の引き下げに伴い対象年収を344万円以下にしたため、推計で977人の子どもが対象から外されたと言われています。

今回の安部政権による基準の見直しは、憲法25条で定められている「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という規定を真っ向から踏みにじる暴挙と言わなければなりません。

住民の代表機関である渋谷区議会は、安倍政権による弱者を切り捨て、いっそう困難な生活にさせる生活基準引き下げの見直しに反対し、その暴挙を中止させる意思を示すべきです。

そのため、本請願を採択し、政府に対し、見直し案の撤回を求める意見書を提出すべきです。

そのことを強く訴えて、私の討論といたします。

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