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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

第3回定例会本会議 田中まさや議員の代表質問

2018.9.20

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問します。
 9月6日の北海道胆振地方を震源とした最大震度7の地震によって、41人が犠牲となり、未だに1000人以上が避難生活を送られています。今年は、大阪北部地震、西日本豪雨災害、台風被害、猛暑と日本列島を災害が立て続けに襲いました。改めて、お亡くなりになられた方に心から哀悼の意を表すとともに、被災されたみなさんにはお見舞いを申し上げます。

1.区民にかかわる国政問題について
(1)憲法9条を守ることについて
 安倍首相は、秋の臨時国会にも自民党改憲案を提案、国会での発議を目指すなど改憲に執念を燃やしています。
 首相の改憲案は、戦争法によって集団的自衛権の行使や海外での武力行使が可能となった自衛隊を憲法に明記し、「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否定」を定めた憲法9条2項を空文化し、自衛隊の海外での武力行使を可能にするものです。問われているのは、「災害救助のために命をかける」自衛隊員を、アメリカが起こす戦争に自衛の名で参加させ、「殺し、殺される」戦場に送るか否かです。
 安倍改憲NO!3000万人署名は、4月末現在、全国で1350万人を超え、渋谷でも、政治的立場の違いを超えて結集している「安倍改憲NO!市民アクション」の9月14日の笹塚駅前宣伝には50人が参加し、幡ヶ谷・本町地域でも「私たちの手で戦争法廃止を!このまち行動」が、この3年間毎月草の根の宣伝活動にとりくんでいます。
 いま、平和国家としての歩みを続けるか戦争する国に変えるのか重大な分岐点を迎えています。常々「平和は大事」と表明している区長として、戦争する国へと道を開く安倍改憲に明確に反対すべきです。区長の所見を伺います。

(2)核兵器廃絶について
 被爆者等による核兵器廃絶の訴えが世界を動かし、昨年7月、国連で人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が採択され、現在60か国が署名、批准は14か国に広がっています。
 ところが安倍首相は、核抑止力論の立場に固執し、今年の広島、長崎の原爆記念式典のあいさつでも、核兵器禁止条約に一言も触れず、被爆者との懇談では、この条約は有害とまで述べ、「どこの国の首相か」と厳しい批判を浴びました。
一方、朝鮮半島で生まれている平和の激動は、対話と信頼の醸成こそ、平和を実現する最も重要な力であることを示しました。今こそ、核による抑止の考えは改めるべきです。
 日本は、唯一の戦争被爆国であり憲法9条を持つ国の政府として、核兵器禁止条約に署名し、世界の核兵器廃絶の世論と運動の先頭に立ち、対話と信頼によって平和を実現する積極的な外交へと転換すべきです。
 区長は、核兵器廃絶を求める区民の声を代表して、政府に対して、核兵器禁止条約への署名を求めるべきです。所見を伺います。
 平和首長会議は、すべての国に核兵器禁止条約の署名を呼びかけています。9月現在、「ヒバクシャ国際署名」に署名した首長は、すでに全自治体の65%・1155人に広がり、23区内でも新宿、中野、杉並、世田谷など8区長が署名しています。
 区長も、平和首長会議のメンバーとして、「ヒバクシャ国際署名」に署名し、渋谷から世界に核兵器廃絶を発信すべきです。所見を伺います。
 今年の原爆記念式典広島では、広島市の小学5年生が、「73年前の事実を、被爆者の思いを、私たちが学んで心に感じたことを、伝える伝承者になります」と力強く宣誓しました。
 核兵器の非人道性を次世代に継承するために、毎年、小中学生を中心とした、広島、長崎への平和使節団を派遣して、平和教育を推進すべきです。庁舎をはじめ区有施設で区主催の原爆写真展を開催すべきです。区長の所見を伺います。

2.2019年度予算編成方針について
(1)防災対策について
 今年の一連の自然災害では、多くの犠牲者が出ましたが、改めて、いのちを守ることを何よりも大切にした予防重視の防災対策の重要性を痛感しました。
首都直下地震や南海トラフ地震の確率は、それぞれ今後30年以内に70~80%とされており、専門家は、明日起きてもおかしくないと警鐘を鳴らしています。いのちを守るうえで、建物の耐震化は待ったなしです。わが党区議団は、阪神淡路大震災などの教訓から、住宅耐震化の促進を提案してきましたが、区は充分な制度改善や積極的な促進はしていません。
 住宅の耐震化を急速に進めるために、区の責任を明確にし、「渋谷区耐震改修促進計画」平成28年度版でも指摘している助成額の引上げ、所有者要件のいっそうの緩和、非木造住宅や木造アパートへの対象拡大などは直ちに実施するとともに、対象者に積極的に勧奨すべきです。また、火災や倒壊による大きな被害が想定される雑居ビルを総点検すべきです。区長の所見を伺います。
 また、区内には渋谷駅を中心とした超高層ビルや中高層ビルが数多くありますが、今の地域防災計画は、マグニチュード9を超えるような南海トラフ巨大地震は想定していません。南海トラフ巨大地震を想定した長周期地震動対策に見直すべきです。また、電車や高速道路など交通網への影響や被害なども調査し対策を講じるべきです。
 近年、想定を超える豪雨による被害が増え、一時間に100ミリを超える豪雨も発生しています。現在の防災計画の想定最大降水量1時間75ミリを引き上げ、地下街への浸水なども想定した水防対策に改めるべきです。また、災害ともいえる猛暑と熱中症対策も新たに防災計画に加えるべきです。
 以上、南海トラフ巨大地震、豪雨災害、猛暑対策などについて、都に対して、防災計画の見直しを求めるとともに、区としても、独自に対策を講じるべきです。区長に所見を伺います。
 また、高齢者、障がい者など、要援護者一人一人の状態にふさわしい避難計画を策定するとともに、福祉避難場所の整備と備蓄、訓練などを、区が実態をつかみ責任をもって進めるべきです。区長に所見を伺います。

(2)くらし・福祉最優先の税金の使い方について
 区民のくらしは、ますます大変です。実際、安倍政権の下で、大企業や大株主は大儲けし、昨年度の資本金10億円以上の大企業の内部留保は425兆円に増えた一方、労働者の賃金は5万4千円も減り、2人以上世帯の実質可処分所得は、5年間で1万3千円以上減少しています。年金削減と負担増によって、高齢者の貯蓄なし世帯は、高齢者世帯の16%にも達しています。生活保護費も、今年10月からの引き下げが実施されれば、2013年の削減と合わせて15%近くの引き下げとなります。
 党区議団の「くらし・区政についてのアンケート2018」中間報告では、73%以上が「生活が苦しい」、「苦しくなった」と答えており、悲痛な声がたくさん寄せられています。
 ところが、長谷部区長は、この間、生活保護の夏冬の見舞金の廃止、区型介護サービスや障がい者の福祉クシー券の削減など、福祉を次々と削り、国保料、介護保険料などの負担増を押し付けてきました。今定例会には、都市整備基金に60億円を積み増す補正予算を提案していますが、貯め込み総額は922億円となり、この3年間だけで288億円も増やすことになります。その財源は、福祉切り捨てと負担増によるものであり、区民の切実な願いには背を向けて貯め込んだものです。
 党区議団のアンケートには、「区が発展していくのは大事なことだと思いますが、福祉・くらし最優先の上に成り立つからだと思います」との声が届いており、自治体本来の役割を取り戻すことを求めています。
 区民のくらしを守るために、税金の使い方を、くらし・福祉最優先に切り替え、貯め込んだ基金も活用すべきです。区長の所見を伺います。

(3)受益者負担と民間資金・民間活力の活用方針について
 区長は、来年度予算編成方針で、行財政運営の効率化と「共助社会」を実現するとして区の責任を後退させ、受益者負担の名で使用料・手数料の引き上げを検討、さらに施設の整備や管理運営では、民間資金の活用や民間委託を進める方針を示しました。
 この方針は、財界の要求で「世界で一番、企業が活躍しやすい国」を標榜し、大企業には大型開発や減税、規制緩和、公共サービスの市場化で儲けの場を拡大する一方、国民には、消費税増税や社会保障の切り捨てなどで、格差と貧困を拡大したアベノミクスを区政の場に持ち込むものです。
 実際、日本経団連は、「大都市はグローバルシティへ」と「競争力を高める」ために、「都市インフラの整備では、成長の基盤として不可欠なものに選択と集中を進め、官民の連携の下、重点的、効率的に整備」し、「財政負担を極力抑えつつ、PFI、PPPの積極的な活用」と提言している通り、区長の方針は、財界の要求に沿って、区政を大企業の儲けの場に変え、福祉・くらしを守る自治体の役割を投げ出すもので認められません。
 まず、受益者負担ですが、この考えは応益負担につながるもので、負担能力のない区民を行政サービスから排除するものです。かつて政府が障害者自立支援法によって、障害福祉サービスに応益負担の原則を導入した時、障がいが重いほど負担が重くなる制度は、生存権の否定だと当事者が立ち上がり、政府も自立支援法廃止の基本合意を締結しました。受益者負担は、低所得者や高齢者、障がい者など、支援が必要な区民ほど負担が重くなるもので、社会保障の理念に逆行します。
 「受益者負担」の方針は撤回して、区民施設などの使用料、福祉サービスの利用料などの負担増はやめるべきです。区長の所見を伺います。
次に、公的サービスや施設の民間委託、民間資金の活用ですが、この手法は営利企業の儲けが最優先で、区民福祉の増進は二の次となり、利用料の値上げや不採算による突然の撤退、区民の声が届きにくいなど、全国的に深刻な事態が発生しています。
 窓口の業務委託を進めてきた豊島区では、個人情報である実際の戸籍証明書類や過去の実在データを委託業者の社員研修に使うなど不適切な事態が発生、区の職員と事業者が処分されています。
 また、指定管理を直営に戻した図書館は、12県14館に上り、民間委託の導入を推進してきた総務省でさえ、「業務の専門性、地域のニーズへの対応、持続的・継続的運営の観点から、各施設の機能が十分果たせない」との自治体の意見で、図書館、博物館、公民館、児童館では民間委託の推進を見送り、窓口業務も検討せざるを得なくなっているのです。
 区民サービスの低下をもたらし、区民の声が届かず、一部の民間事業者の儲けに奉仕する民間資金の活用手法や民間委託はやめるべきです。区長の所見を伺います。

(4)山中高原学園と富山臨海学園について
 区は、自然に親しみ、集団生活や宿泊を通じて学習活動を充実発展させ、教師と児童・生徒相互間のふれあいの場を提供する施設であり、貴重な社会教育の場である山中高原学園と富山臨海学園を廃止し、校外学習は民間等の施設で実施しようとしています。
 区は、「施設の老朽化」も理由にしていますが、建替えの費用や維持費の削減のために、区の直営施設を廃止することは、区が本来責任を負うべき子どもたちの豊かな人格の完成という公教育の役割を投げ出し、社会教育の場を奪うものであり、到底認められません。また、区独自の施設でないため、安定的に校外学習の場が確保される保証はありません。
 不登校だった青年は、「日頃学校には行けなくても、富山臨海学園や山中高原学園は楽しみで参加できた。仲間とのかけがえのない思い出になっている。廃止しないで」と話しています。財政削減のために子どもの教育を犠牲にすることは許せません。
 山中高原学園と富山臨海学園は存続し、直営で運営すべきです。教育長に所見を伺います。

3.区庁舎建替えについて
 この事業は、庁舎の土地の3分の1を三井不動産レジデンシャルに77年間、権利金211億円で定期借地し、三井はこの借地に39階の分譲マンションを建設して儲けを上げる見返りに庁舎と公会堂を建ててもらう民間活力の活用手法で進められています。
 党区議団は、この事業手法は、区民の財産である庁舎の土地を一民間企業の儲けのために差し出すこと、区民サービスの拠点である庁舎の建設にもかかわらず、計画・資金の全容も明らかにされず、区民の声が届かない手法だと厳しく指摘してきました。
 区民の土地で、庁舎などを建設するのですから、区長が、庁舎・公会堂や分譲マンションの建設費などの総事業費、分譲で三井不動産レジデンシャルが得る利益などの資金計画を明らかにしなければ、議会や区民はこの契約が適正か否かチェックすることができません。実際、分譲マンションの価格は最低8000万円以上といわれており、三井不動産レジデンシャルは、区民の土地で莫大な利益を手にすることになります。
 区長はこれまで、「民間事業者の資金計画に関与したり、説明する立場にない」と答弁してきましたが、区民の財産の処分について区民がチェックできるようにすることは区長の責務です。改めて、庁舎・公会堂、分譲マンションの建設費などの総事業費、分譲で三井不動産レジデンシャルが得る利益などの資金計画を明らかにすべきです。区長の答弁を求めます。

4.宮下公園整備事業について
 この事業は、宮下公園を34年8カ月定期借地した三井不動産が、3階建ての巨大商業施設と18階建てのホテルを建てて大もうけする見返りに、商業施設の屋上に整備した公園を区が譲り受けるという計画です。
 わが党区議団は、大企業の儲けのために、貴重な憩いの場であり、防災空間である宮下公園の都市公園としての機能が損われ、区民不在で進められているとして、大企業の儲けのために区民の財産を差し出すべきでないと反対してきました。
 第2回定例会では、わが党区議団独自の不動産鑑定士による鑑定評価をもとに、この事業用定期借地契約が、「適正な価格」より190億円以上も安いことや値引きの方法も明らかにして、区長に再鑑定を求めました。しかし、区長は、異常な安値の原因も説明せずに再鑑定を拒否しました。
 そこで改めて、区長に質問します。第1に、この借地契約は昨年6月22日に締結していますが、区が行った不動産鑑定はその2年前です。この間に路線価等が25%も値上がりしているのに再鑑定は行っていません。区民の財産を定期借地するのですから、契約直前の路線価を調査することが、区長に求められていました。区長は、この路線価の高騰を知っていたのですか、伺います。
 第2に、ホテル建設は、当初の三井不動産の提案の時から前提だったのに、正式な鑑定をしていません。区独自の試算で30億3000万円としましたが、専門家は60億円以上の価値があると指摘しています。契約前には、ホテル建設は可能となっており、ホテル部分を含めて再鑑定が必要でした。区長は、契約前にホテル建設が可能となったことを知っていたのですか。伺います。
 第3に、建物管理費については異常な水増しが行われています。区の採用した鑑定では、建物賃料は坪単価3万円に対して、建物管理費は坪単価1万円と、管理費が賃料の3分の一という常識では考えられない高額な管理料を採用しています。区長は、賃料の3割に及ぶ管理費は異常だと考えないのですか、伺います。
 結局、当初三井不動産が提案した235億2100万円という地代先にありきで、様々な手法を用いて値引きしたのではないですか。
地方自治法第237条2項では、地方公共団体の財産を「適正な対価なくして」処分してはならないと定めており、「適正な対価」とは、最高裁は市場価格・時価としています。
 区民からも、異常な安値での契約は違法ではないか、三井不動産の儲けを増やすための値引きではないかとの住民監査請求が出されており、「区の資産を、不透明なかたちで私企業に使わせるのはおかしい」など、区の責任を問う声が多数寄せられています。
 区長は、なぜ契約前にこの事業用定期借地契約について再鑑定をしなかったのですか、その理由を伺います。直ちに再鑑定すべきです。そして、議会と区民に明らかにすべきです。区長の所見を伺います。
(2)次に、議会に対して、正確・公正な情報を報告していない問題です。
 地方自治法第96条1項6号は、「適正な対価なくして」処分するときは、議会の議決を要すると規定していますが、議会に正確・公正な情報を示すことが前提です。しかし、この契約について、鑑定時から契約時までの間に路線価が25%も高騰していることやホテル部分を不動産鑑定しない理由、区が行ったホテル部分の具体的な評価方法、通常より高い建物管理費の理由など、市場価格に比べて大幅な安値の原因とその必要性については、区議会にはなんら報告しておらず、地方自治法に基づく議決を得ているとは言えません。また、この事業について、総事業費と三井不動産の利益など、資金計画の全容についても明らかにしていません。
 区長は、なぜこれらの点について、議会や区民に知らせなかったのか、伺います。宮下公園整備事業の総事業費と三井不動産の利益など資金計画を、明らかにすべきです。区長に伺います。
 地方自治法が公共財産の適正な価格での処分を求めているのは、市場価格によらない処分を許せば、その自治体に多大な損害を生じる恐れがあること、また特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられることを防ぐためだとされています。
 宮下公園整備事業は、「民間の事業」だからと事業に関する正確な情報も区民や議会に明らかにせず、定期借地料を190億円以上値引きして区民に多大な損害を与え、行政をゆがめている点で、明らかに地方自治法に違反しています。区民からは、「区の財産を一握りの大企業の勝手にさせてはならない」と厳しい批判が寄せられています。
 宮下公園の事業用定期借地契約は解除し、区民参加で計画を見直すべきです。区長に所見を伺います。

5.国民健康保険について
(1)国保料の引き下げについて
 今年度の国保料は、一人当たり平均6,141円の値上げで、年収400万円の40代夫婦と子ども二人世帯の保険料は、49万102円となり、1.5か月分の給料が国保料で消えてなくなるほど高く、負担の限界を超えています。今年の国保料通知が届いた6月21日から2週間で、窓口には3,470件もの苦情・問い合わせが殺到しました。党区議団のアンケートには、国保料が「重く感じる」、「やや重く感じる」が88%と圧倒的で、区民の悲鳴が上がっています。
国保制度は、いのちの平等を実現するために、社会保障としての国民皆保険制度の根幹としての役割を担っています。加入者の多くは、非正規雇用労働者や失業者、中小業者などで、経済的に弱い立場に置かれていることからも、国と自治体の財政負担なしには成り立ちません。事業者負担のある協会けんぽなどに比べて異常に高額な保険料は許されません。
 区長は、国保加入者以外の区民にも負担をかけることになるので、一般財源から国保会計への法定外繰り入れを段階的に縮小すると答弁しましたが、重大問題です。つまり、国保加入者に対して税金を使うことを否定しているのです。この考えに立てば、国保加入者の負担能力を無視して、際限なく国保料が上がっていくことになります。
 日本国憲法は、負担能力に応じて税金を支払い、これを財源にすべての国民に生存権を保障することを求めています。国保への一般財源の繰り入れを否定することは、社会保障制度の根幹を否定するものです。区長、国保制度が区民の生存権を守るための社会保障制度だという認識はあるのですか、伺います。
 区は、今年度の一般会計から国保会計への繰り入れを昨年度から3億7800万円も減額したために、保険料の大幅な値上げとなりました。昨年並みに繰り入れれば、保険料を引き下げることも可能でした。
 千代田区では、一般会計から国保会計への法定外繰り入れを前年度並みにしたことで、保険料を値下げしています。
 今からでも、法定外繰り入れを前年度並みに戻して、国保料を引き下げるべきです。また国保への法定外繰り入れの段階的縮小の考えは撤回すべきです。区長の所見を伺います。
 これだけ国保料が高額になったのは、国が、1984年以来国保財政に対する負担を減らし続けてきたためです。区長会任せにせず、区独自にも国に対して国保への負担を増やすよう求めるべきです。区長の所見を伺います。

(2)第2子以降の均等割りの無料化について
 国保制度では、子ども一人ひとりに均等割りが課されるため、多子世帯ほど保険料が重くなります。子育て支援にも逆行します。そもそも、所得に関わりなく負担を強いる均等割は、応能負担を原則とする民主的税制度に反しており、被用者保険にはありません。だからこそ、23区長会も全国知事会も均等割軽減を要望しており、政府も「検討する」と言わざるを得なくなっています。
 都内では東大和市の第3子以降の均等割無料に続き、清瀬市が今年度から前年の所得が300万円以下で18歳未満の子が2人以上いる世帯に対し、第2子以降の均等割保険料を最大で5割軽減する措置を始めています。
 党区議団は、第1回定例会で18歳以下の第3子以降の均等割を無料にする条例提案を行いました。渋谷区でも子どもの均等割軽減を国や都待ちにせず、率先して実施すべきと考えますが、区長の見解を伺います。
 また、低所得世帯に対する申請減免制度を広く周知するとともに、対象となる所得基準を現在の生活保護基準の1.15倍から引き上げるべきです。区長の見解を伺います。

(3)国保料の徴収強化について
 区長は、来年度予算編成方針で、国民健康保険料等について、「積極的な徴収努力」をすると表明しましたが、日本国憲法の下では、生活費非課税、応能負担が原則であり、国税通則法は、生活費に当たる給与や年金は差し押さえを禁止しています。
 国保料の滞納請求は、基本的人権と生存権を尊重し、国税通則法に違反する差し押さえはやるべきではありません。区長の所見を伺います。

6.だれもが安心できる介護保障・高齢者福祉を
 安倍政権の下で、介護保険制度が次々改悪され給付抑制と負担増が繰り返される中で、「介護離職者」が昨年も約10万人に及ぶなど制度崩壊の危機に瀕しています。今年8月から、一定所得以上の利用料が3割に引き上げられたため、渋谷区では1598人が3割負担となり、2割負担と合わせると24%もの高齢者が、重い負担に苦しんでいます。今こそ、高齢者の尊厳を守り、だれもが安心できる介護保障・高齢者福祉が求められています。

(1)「緩和サービスA」について
 渋谷区では、総合事業によって、要支援者の生活援助の訪問介護と通所介護については、短時間の講習を受けた無資格者に担わせ、報酬も国基準より2~3割低い「緩和したサービスA」を実施していますが、深刻な矛盾に直面しています。
 昨年度の緩和サービスAの月平均の利用者見込みは2,089人もいますが、ほとんどは資格のあるヘルパーが安い単価で担っているため、事業所とヘルパーに大きな負担が押し付けられています。区内の事業所から、「総合事業をやむを得ず受けているが、2~3割の減収になっている」との声が上がっており、廃業に追い込まれる事業所も出ています。
 そもそも、要支援者の生活援助は、利用者の状態の変化を、生活援助を通して見極め、必要なサービスに繋げるための専門的な知識と経験が求められます。それは、介護の重度化を防ぎ、自立した生活を維持することで、高齢者の尊厳を保ち、介護給付費の抑制にもなります。逆に、緩和サービスAでは、重度化と介護財政の悪化につながります。だからこそ、港区をはじめ、全国では多くの自治体で、国基準の単価を維持しているのです。
 緩和サービスAは止めて、要支援者の生活援助と通所介護も国基準の単価にすべきです。区長の所見を伺います。
 介護事業所で最も切実な要求である介護人材の確保に向けて、国に対して、介護報酬とは別枠で直接賃金の引き上げにつながる処遇改善交付金を求めるべきです。区としても、介護事業所に対する処遇改善助成や宿舎借上げ交付金を創設すべきです。区長の所見を伺います。

(2)特別養護老人ホームの増設について
 特別養護老人ホーム待機者は、今年9月でも409人と依然深刻です。区は、2020年度に高齢者ケアセンター跡地複合施設に84床の特養を整備する計画ですが、「何年待っても入れない」深刻な事態は改善されません。
 アンケートには、「94歳の母が、現在老健に入所していますが、近々追い出されます。特養入所希望していますが、母は101点、要介護4なのに入所できません。母が自宅に戻り、私が老々介護するようになれば、私は倒れます」との切実な声が寄せられています。
 こうした区民の声にこたえ、区として待機者ゼロを目標に掲げ、増設計画を示すべきです。幡ヶ谷社教館に隣接する都有地や代々木2、3丁目の国有地を早急に取得するとともに、都有地・国有地を再調査し、国や都に対して活用を求め、増設すべきです。またケアコミィニティ原宿の丘など区有施設の建て替えに合わせて、特養ホームを整備すべきです。区長の所見を伺います。

(3)地域包括ケアについて
 今年の夏の猛暑によって、多くの高齢者が熱中症により救急搬送されました。私も見守り活動を行いましたが、一人暮らしの高齢者の熱中症による死亡事故が発生し、悔しい思いをしました。
 昨年10月の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」では、区内の高齢者の63%が高齢者だけの世帯で、一人だけの世帯は34%に及びます。高齢者の孤立を防ぎ、必要な福祉サービスに結びつけるために、高齢者一人一人を福祉の専門家が支援することが求められます。
 港区では、区内の約6000人の一人暮らし高齢者の内、介護・福祉サービスを使っていない高齢者を、社会福祉士10人が直接訪問する「ふれあい相談員」事業を実施しています。
 本区でも、高齢者世帯を訪問し、孤立を防ぎ、必要な福祉サービスにつなげるための専門職を、すべての地域包括支援センターに配置すべきです。また、高齢者の見守り活動を担う、商店街のとりくみや地域活動への助成をすべきです。区長の所見を伺います。
 高齢者の交流や見守りの役割を果たしているのが、居場所の会や食事会などのサロン活動です。区内では社会福祉協議会に登録している27か所の他、未登録のサロンもあります。社協からの助成はありますが、ほぼボランティアで担われています。武蔵村山市では、高齢者のサロン活動を支援するために年間5万円を助成する「地域介護予防支援補助金」を実施しています。
 本区でも、サロン活動をさらに広げるために、会場費、運営費の助成を実施すべきです。区長の所見を伺います。

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