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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

トマ孝二区議会議員は、11月28日、区議会第4回定例会本会議1日目で、日本共産党渋谷区議団として代表質問を行いました。

 トマ孝二区議会議員は、11月28日、区議会第4回定例会本会議1日目で、日本共産党渋谷区議団として代表質問を行いました。


 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長・教育長に質問します。

1 初めに、区政にかかわる国政問題についてです。
(1)憲法9条を守ることについてです。
  安倍首相は、憲法9条に自衛隊を書き込み、海外での武力行使を無制限にすることに執念を燃やしています。臨時国会の所信表明演説で安倍首相は「憲法審査会において、政党が具体的な改正案を示す」よう求めるとともに「国会議員の責務を果たそう」と迫りました。これは、安倍首相に憲法遵守を義務付けている憲法99条違反であり、行政府の長が立法府に号令をかけるもので、憲法の三権分立を蹂躙するものです。
 安倍首相の意向に沿って、自民党が臨時国会に改憲案を提出することについて、どの世論調査でも多数の国民が反対しています。
 区長は先の区議会で、「区長として9条を含め、憲法を十分に尊重しております」と答弁しました。事態は、現臨時国会で憲法改定の発議が行われるかいなかの状況にあります。区長は、世界の宝ともなっている憲法第9条を守ることを明確にすべきです。区長の見解をうかがいます

(2)次に消費税10%増税についてです。
 安倍首相は、来年10月から消費税を10%に引き上げると表明しました。日本経済は消費税8%増税によって、深刻な消費不況が起こり、国民の実質家計消費は、年25万円も下がっています。
 こうした状況の中で、消費税を10%にすれば消費不況をさらに深刻にし、貧困と格差をひろげ、日本経済に破局的影響を与えることになります。
 政府は10%に上げることによる影響をさける提案をしていますが、国民生活を守るためには何よりも増税を行わないことです。アベノミクスのもとで富裕層と大企業が空前の儲けを得ており、そこに負担を求めるべきです。じっさい、中小企業の法人税の実質負担は18%なのに、大企業は10%と低く、年収1億円以上の富裕層は収入が増えれば増えるほど税の負担割合が低くなるのです。
 いまやるべきことは、消費税増税ではなく、富裕層と大企業に対する減税を中止し、応分の負担を求める税制改革です。消費税10%増税に反対し、政府に中止を求めるべきです。区長の見解をうかがいます。

2 次に(2つ目の柱である)、区民生活と区政の役割について質問します。
(1)はじめに、区長の政治姿勢についてです。
 区民のくらしはますます大変になっています。毎年、私たち区議団が行っている「区政・くらしの区民アンケート」では、くらしが「悪くなった」、「悪いままで変わらない」が73%を超えており、くらしの痛みが切々とつづられています。このように、区民生活が困難な時だからこそ、区民の声に耳を傾け、くらしを応援し、福祉を優先する自治体本来の役割の発揮が求められています。
 ところが、区長は、東急グループのための渋谷駅前周辺再開発事業に90億円もの税金を投入し、宮下公園整備事業では、三井不動産のために借地料を大幅に値引きし、区庁舎の建替えでは、土地の3分の一を三井不動産に77年間も貸しつけ、三井不動産はそこに39階建て505戸の分譲マンションを建設して大もうけをあげます。マンションの第一期100戸の分譲が始まりましたが、1戸が最高4億9千万円、最多価格帯でも1億5千万円と公表されました。全戸販売すれば211億円の借地料をはるかに上回る利益が、三井不動産に転がり込みます。住民からは、三井不動産に莫大な儲けをあげさせる区政のやり方は逆立ちしていると批判が広がっています。
 区民には、障がい者の福祉タクシー券や区型介護サービスの削減、生活保護世帯の夏冬の見舞金の切り捨て、国保料や介護保険料の値上げを押し付け、学校給食費の無償化などの切実な願いに背を向けて、この3年間で280億円も基金を積み増し、総額922億円も貯め込んでいます。その一方で、大企業の儲けのためには区民の税金や財産を提供して儲けさせる。思いやる相手が違っているといわなければなりません。
 区政のあり方、予算の使い方は、自治体本来の役割であるくらし・福祉最優先、住民本位に切り替えるべきです。区長の見解を伺います。

(2)次に、宮下公園の整備事業についてです。
 この事業は、区立宮下公園を三井不動産に、34年10ヵ月借地して、三井不動産は巨大商業施設と18階建てのホテルを建設して大もうけする計画です。当区議団は、区民の憩いの場である、かけがえのない防災空間としての都市公園の役割を損ない、区民の声を排除して、三井不動産の儲けを最優先する計画だとして、反対し、区民参加で見直すことを求めてきました。
 昨年6月22日に235億円で締結した事業用定期借地契約について、当区議団として専門家による不動産鑑定をしたところ総額427億円とする鑑定評価が出され、190億円以上の安値であることを明らかにしてきました。
 区長は、第3回定例会の当区議団の代表質問に対して、区が鑑定評価して契約をするまでの2年間に25%も路線価が値上がりしている事実や契約時には18階建てのホテルを鑑定評価することが可能であったのに、鑑定評価をせず、区独自の評価をしたことも認めた上で、「路線価の上昇は社会情勢の大きな変化といい難い」として、再鑑定を拒否しました。つまり、借地料の重要な要素である路線価が1.25倍となり、専門家が90億円とも評価するホテルを60億円も値引きし、結果的に190億円以上の大幅な安値で借地したことを当然視したことは重大であり問題と言わなければなりません。
 区長は、190億円以上も安値で借地させたことを認めるのか、伺います。
 この不当な値引きに、区民は納得していません。私たちのアンケートでは、「再鑑定すべき」が49%にも達しています。「区民には年間4千円の生活保護世帯の冬の見舞金を切り捨てたり、年間3億4千万円で実現できる学校給食の無償化などには背を向けながら、一方では、三井不動産には年間5億4千万円もの値引きをすることは納得できない」として、住民は、区長宛の「再鑑定を求める」署名に取り組んでいます。
 区長は、区民や区議会に対して、この定期借地料について再鑑定を行い、説明すべきです。見解を伺います。
 地方自治法では、住民への損害や行政がゆがめられることを防ぐために、公共財産を市場価格で処分することを定めていますが、190億円もの値引きは、この規定に反します。また、市場価格によらない処分の場合には、その理由を議会に説明し、議決を経ることを定めています。
 区長が大幅安値であることを知っていたのなら、明らかに地方自治法違反です。区長の見解を伺います。

 三井不動産の儲けのために、区民と議会を無視して、区民の財産を異常な安値で定期借地する契約は撤回すべきです。そして、この事業は白紙に戻し、区民参加で練り直すべきです。区長の見解を伺います。

(3)次に、高すぎる国民健康保険料を引き下げることについてです。
 14年連続での値上げの結果、年収400万円の40代の夫婦と子ども2人世帯の保険料は49万102円。過酷過ぎるものとなっています。保険料の通知後、区役所の窓口に3470件もの苦情・問い合わせが殺到しました。
 私たちのアンケートでも国保加入者が保険料について、「重く感じる」「やや重く感じる」が合計で88%と、ほとんどの加入者が高いと思っていることが改めて明らかになりました。
 国民健康保険制度は、社会保険に加入できない商店主や非正規の労働者、失業者など社会的弱者を守るための医療保険制度です。そのため、国保のスタート時、政府は「被保険者に低所得者が多いこと、保険料に事業主負担がないことなどのため、相当額国庫で負担する必要がある」と認めていました。ところが、自民党政府は1984年の法改正で国保事業への定率国庫負担を削減したのをはじめ、年々削減を続け、当初50%だった国庫負担を現在はその半分、25%まで削減してしまったのです。
 高すぎる国保料について、日本共産党は、1兆円の公費投入を行うことで、均等割りをなくし、「協会けんぽ」並みに引き下げるべき、と提案しています。全国知事会も同様に、国庫負担1兆円の増額を政府に求めています。当区も求めるべきです。区長の見解をうかがいます。
 区独自に国民健康保険料を引き下げるには、昨年度並みに約11億円を繰り入れることで可能です。区長は一般会計からの繰り入れの段階的縮小を表明していますが、それは保険料の引き上げを容認していることであり、許されません。一般会計からの繰り入れを行い、ただちに高すぎる国保料を引き下げるべきです。また、多子世帯ほど負担の重い、子どもの均等割保険料を軽減すべきです。合わせて区長の見解をうかがいます。

 今年度からあらたに国保の保険者となった東京都は、区市町村ごとの目標を決めて収納率の向上を競わせています。当区では、平成28年度に10件だった差し押さえ件数が平成29年度には150件、さらに今年度は11月16日までに266件と激増しています。高い保険料をおしつけながら、払えない区民には強引に差し押さえすることをやめ、滞納者の実情をよく聞き、くらしや営業をこわさない支払い方を援助し、解決をはかるべきです。区長の見解をうかがいます。

(4)次に生活保護費の引き下げ問題についてです。
 (1) 安倍政権は、先月10月から生活保護費を3年かけて最大5%引き下げる方向に踏み出しました。40代の夫婦と小・中学生の子ども2人世帯の保護費は、月9260円、年間11万円も支給額が減らされます。
 きびしい生活をしている人々をさらに苦しめる国に対し、区長は生活保護費の削減を中止し、元に戻すよう要請すべきです。区長の見解をうかがいます。
 (2) 渋谷区は、生活保護世帯が健康で文化的な生活が送れるよう、独自に支援してきた夏冬の見舞金を廃止してしまいました。ギリギリの生活をしている生保世帯にとって、夏の冷房や冬の暖房のための電気代は大きな負担です。今年の夏は異常気象で暑さ対策としてクーラーの使用が呼びかけられました。しかし、生保世帯では高い電気代のため、クーラーの使用を控え、熱中症になるケースもありました。夏冬の見舞金を復活すべきです。また、すべてのクーラーの無い生保世帯には設置助成を行うよう国に求め、荒川区のように区独自に助成を行うべきです。区長の見解をうかがいます。
 (3) さらに当区は都心区のため家賃が高いという状況があります。港区や新宿、中野区では単身者の家賃の限度額について特別基準の6万9800円まで認めています。住み慣れた渋谷区で住み続けられるよう家賃については6万9800円まで認めるべきです。区長の見解をうかがいます。

3 次に(第3の柱である)子育て支援策の拡充について質問します。
 (1)子育て世帯の切実な問題である保育園の待機児の解消策についてです。
 今年4月に認可保育園に入れなかった子どもは、485人でした。来年度、認可保育園などの新設が6園、建替え1箇所で450人の定数増が見込まれていますが、ゼロ歳から2歳児を中心に待機児が出ることは必至です。
 最近、中央区で区が認可した家庭的保育施設で生後11ヶ月の子どもが死亡するという痛ましい事件が発生しました。区長は待機児解消のため多様な保育資源を活用していくことを表明しています。しかし、保護者の願いは子どもを安心して預けられる認可園です。認可保育園の待機児をゼロにするため、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡地や代々木2・3丁目の国有地を早急に取得し、また、民有地の取得に力を尽くし、区立を中心に認可保育園を増設すべきです。区長の見解をうかがいます。

(2)二点目は、保育士の処遇改善についてです。
 子どもたちが健やかな保育園生活を送るためには保育の質が確保されなければなりません。世田谷区では企業主導型の二つの保育施設で、保育士が園長を含めいっせいに退職したために施設が運営中止となり、子どもたちの保育の場がなくなりました。報道によれば、賃金が低いことなどが一斉退職の主な理由とされています。保育施設でこうした事態が起きている要因は民間保育士の賃金が全産業労働者の平均賃金と比べ、依然として低いことにあります。民間保育士の賃金を大幅に引き上げることを政府や都に要請すべきです。区長の見解をうかがいます。
 認証保育園や私立認可保育園の保育士に対して、当区は区内在住者に家賃補助事業を始めました。各施設からは全保育士にたいする処遇改善を求める声が上がっています。渋谷区として民間保育士に対する賃金引上げ策を実施し、家賃補助の対象を拡大すべきです。区長の見解をうかがいます。

(3)次に、学校給食費の無償化についてです。
 小中学校の給食は、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につける教育の一環です。そして憲法26条は、義務教育の無償化を定めています。いま、全国の自治体で学校給食の無償化が進められており、88の自治体で実施され、一部無償化は114自治体となっています。実施自治体の多くが子育て世帯への経済的支援として取り組んでいます。
 当区の学校給食費は、小学生が平均年額4万9千円、中学生が6万2千円で、子育て世帯では給食費が無償になれば、その分、子どもたちの教育費に回せると、その実現を待ち望んでいます。無償化のための予算は3億4千万円です。学校給食無償化は保護者の強い願いであり、ただちに実施すべきです。区長の見解をうかがいます。

(4)次に、子どもの医療費の無料化を高校生まで広げることについてです。
 子育てしやすい環境づくりの一環として、高校生まで医療費を無料にする自治体は年々広がり、現在、福島、鳥取、静岡県を含め379自治体となっています。都内では、千代田区と日の出町が全額無料、北区が入院費のみ無料で実施しています。実際、高校生を抱える世帯の教育費負担は公立で年間38万円、私立で96万円にもなっています。高校生の場合、部活動などで怪我をするケースが多く、医療費は子育て世帯にとって大きな負担となっています。私たちの試算では子ども医療費を高校生まで拡大する場合、年間8千700万円です。当区には十分、財源はあります。子育て支援の立場からぜひ実施すべきです。区長の見解をうかがいます。

4 次に、(第4の柱である)教育問題について質問します。
 (1)最初は、早急に是正が求められている教師の多忙化、長時間労働の改善と行き届いた教育環境の整備についてです。 
 政府が2016年に小中学校の教員に行った「勤務実態調査」では、教員は月曜から金曜まで毎日平均12時間近く働き、休みのはずの土曜、日曜日も働いています。日本共産党は、教員の長時間労働を是正するために小中学校の教員を10年間で9万人増やす政策を発表し、(1)週の持ちコマ数を減らし、定数改善を行う。(2)学校での業務改善を国と自治体の双方から推進する。(3)教職員の働くルールを確立する。(4)公立、私立での非正規職員の正規化と待遇改善をすすめる。の4つの提案を行いました。
 渋谷区の教員がゆとりを持って一人ひとりの子どもに向き合うために、当区でも全教員に対する「勤務実態調査」を実施すべきです。また、長期休職者が何人いるのか、合わせて、教育長の見解をうかがいます。
 そして、政府に対し、教員の定数増を求めるべきです。教育長の見解をうかがいます。
 行き届いた教育を実現するため、全国各地で少人数学級が実施されています。それにより「子どもたちが落ち着く環境となり、発言が多くなり、学級が活発になった」など優れた成果が得られています。当区の場合、35人を超える学級が小学校で7、中学校で4クラスです。まずは全学年で35人学級を実施し、さらに30人学級にしていくべきです。教育長の見解をうかがいます。

 (2)2点目は、学校図書専門員についてです。
 2015年4月に「学校図書法の一部を改正する法律」が施行され、「学校司書」が法的に位置づけられました。本区では、2012年度から区立の小学校に司書の資格をもつ学校図書専門員が配置され始めました。
 学校司書は、担任や教科担任と連携した調べ学習やその専門知識を生かした学校図書室を活用した授業支援を行うなど、教育をより豊かにすることが求められています。
 ところが、当区の学校図書専門員は週4日勤務の非常勤とされ、不安定な雇用形態で2校に1名の配置となっている学校が10校あります。来年度、民間委託化も検討されていたと聞いていますが今後も止めるべきです。学校図書専門員が教師と連携した教育をいっそうすすめ、子どもたちのために活動していくには、学校司書として位置付け、区が直接雇用し、常勤職員にして各校に1名配置していくべきです。教育長の見解をうかがいます。

5 最後に、中小企業・商店街の振興対策の強化について質問します。
(1)中小企業・小規模企業振興条例についてです。 
 東京都は第四回定例都議会に、中小企業・小規模企業振興条例を提出します。条例案は前文で、「東京の中小企業は地域社会を活性化させ、雇用の場を創出するとともに、都民の暮らしや地域の経済を支えるうえで重要な役割を果たしてきた。」と述べています。当区では、従業員20人以下の小規模企業が全事業所の84%を占めていますが、2017年の中小企業の倒産は123件、それによる失業者は767人にものぼっており、さらに廃業も多数出ています。そのため、中小企業の支援は急務です。中小企業・小規模企業振興を重要課題として位置づけ、施策を総合的に推進する条例を制定すべきです。区長の見解をうかがいます。

(2)商店街助成についてです。
 私たちのアンケートでは、「区独自の中小企業・商店街支援の要望」として、高齢者支援活動への助成が25%、空き店舗活用が22%、店舗等賃料助成制度創設が10%となっています。例えば、商店街が買い物をしてくれた高齢者に対し、空き店舗を活用して、商品をまとめて届ける、また高い家賃に苦しむ若い事業者を支援する賃料助成制度をスタートさせるなど商店街の支援策を実施すべきです。さらに、商店街の街路灯電気代補助は全額補助にすべきです。合わせて区長に見解をうかがいます。

(3)3点目は、きびしい経営環境にある小規模企業を支援するため足立区が  一昨年から始めた「小規模事業者経営改善補助事業」についてです。
 この補助事業は、設備や備品の購入、店舗の改修を対象にしています。
 補助対象経費は、20万円以上、120万円以下で、その2分の一を補助するものです。実績は、2016年度は58件で補助額は2827万8千円となっています。当区でも、中小企業・小規模事業者を支援するため、このような制度を創設すべきです。区長の見解をうかがいます。

(4)4点目は、住宅簡易改修支援制度についてです。
 この制度の実績は、25年度で104件、726万5千円をピークに、29年度は38件、252万2千円と大幅減少しています。区内のすべての建築関連業者が受注できるように、区が直接窓口を設置すべきです。一度助成を受けていても必要性が認められる住宅や、住宅を兼ねている店舗の改修も対象にすべきです。区長の見解をうかがいます。

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