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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

すがの茂区議団長は、11月29日、区議会第4回定例会本会議2日目で、日本共産党渋谷区議団として一般質問を行いました。

 すがの茂区議団長は、11月29日、区議会第4回定例会本会議2日目で、日本共産党渋谷区議団として一般質問を行いました。


2018.11.29

私は、日本共産党渋谷区議団として区長に質問します。

1.介護保険の改善と高齢者福祉の拡充についてです。

(1)介護保険制度の改善について
① 国は介護保険制度の改悪を次々と強行し、要支援者を介護保険から外すなどしてきました。今年8月からは、一定所得以上の利用料を3割に引き上げました。そのうえ、国は、10月9日財政制度審議会で、今後、要介護1・2の生活援助サービスを保険給付から外し、介護保険の利用料負担を原則2割に引き上げ、介護老人保健施設などこれまで無料だった多床室の室料を有料化するなどの改悪メニューを提示しました。
 こうした改悪の中、当区では、介護利用料が今年8月に3割負担になった人は、これまで2割負担の2139人のうち約73%に当たる1560人です。利用者からは、「デイサービスの利用料がこれまで1回1300円が約2000円になったので、負担できず回数を減らした」との声が寄せられています。
 区長は、こうした区民の痛みをどう認識しているのか伺います。国に対して、新たな負担増と給付抑制や介護サービスの削減をやめて、国庫負担を当面30%に引き上げ、元の50%に戻すことを要請すべきです。見解を伺います。

② 認知症の対応強化と地域包括ケアの構築についてです。 
東京都の認知症高齢者の推計調査では、10年後には認知症高齢者は約56万人で、見守りが必要な人は約42万人としています。 
 当区の在宅介護実態調査では、高齢者の一人暮らし、老老世帯が約60%を占めており、介護者が不安に感じることの第1位が、「認知症への対応」で34.4%です。認知症の早期発見、早期支援は緊急の課題です。一人一人に寄り添い、切れ目のない施策の充実が求められています。

ア 第1に、介護サービスを利用していない、すべての一人暮らしの高齢者や老々世帯を訪問し相談に乗る、「ふれあい相談員制度」についてです。
 東京都は、認知症の診断の無料化を打ち出しましたが、診断後の支援を充実する必要があります。認知症の初期の内は、介護サービスをすぐ使用することはなく、支援の空白が生じてしまいます。本人や家族の不安も募り、閉じこもりがちになるケースもあります。
 港区では、2014年度から「ふれあい相談員制度」を実施しており、60人以上の福祉の専門職員が、2人一組で、介護サービスを利用していないすべての一人暮らしの高齢者などを、直接訪問し相談を受け、必要な支援につなげる役割を果たしています。担当者からは、「本人が認知症になっていることを気づいていないことが訪問して分かった」など高齢者の実態を有効に把握できる利点を挙げています。この事業の予算は、7000万円を計上しています。
 当区での対応は、民生委員による一人暮らしの高齢者の実態調査での訪問活動ですが、福祉の専門家が直接訪問し本人の状態をつかむことが重要です。
 区が責任を持ち、早期発見と切れ目のない支援を図るためにも、「ふれあい相談員」を配置すべきです。区長に伺います。

イ 第2に、地域包括支援センターの体制強化についてです。 
 私は、これまでも、認知症地域支援推進員を11か所の地域包括支援センターすべてに配置し、体制を強化することを提案してきました。しかし、第7期の計画でも改善されていません。
 ある基幹型センターでは、認知症地域支援推進員1名を含む常勤職員5名と非常勤職員1名の体制です。推進員は、本来の仕事である初期集中支援チームの一員として医療機関などとの対応を、複数のセンターを掛け持ちで担当する他、相談や困難事例にも対応しているのが実態です。このセンターでは、1人の職員が140件もの介護予防プラン作成を担当し、相談件数は月600件と、その対応に追われています。職員からは、「困難ケースもあり、対応に時間がかかること」「認知症予防のためには、初期対応が必要であり、その把握のために、もっと地域に出かける時間がほしい」などが訴えられました。
 まず、地域包括ケアの構築と認知症の予防・早期発見の支援体制を強化するために、すべての地域包括支援センターに認知症地域支援推進員を配置し、常勤専門職を増員すべきです。区長の見解を伺います。 

ウ 第3に、認知症対応型のデイサービスの拡充についてです。
 今、認知症とどう向き合うか、在宅介護における支援体制をどう強化するのかが求められています。
 在宅介護の大事な柱の一つである認知症対応型のデイサービスは、蓄積された知識と経験、専門職の配置基準も手厚くなっており、認知症の人の尊厳を守り、生活を支援しています。
 現在、区には公設で、認知症対応型デイサービスが5か所80人、若年性認知症対応型デイサービスは、1か所3人が利用しています。
 第7期計画では、今年度、ケアステーション笹幡に定員12人の拡充と、2021年開設予定の高齢者ケアセンター跡地施設のみです。 
 今後、特養ホームなど介護施設の増設の際には、認知症対応型デイサービスとともに、若年性認知症対応型のデイサービスを拡充すべきです。区長に伺います。  

③ 特養ホームについてです。
 現在の待機者は422人に上り、「つばめの里・本町東」ができても増加しており、特養ホームの増設は、待ったなしです。当区議団の区政アンケートでは、福祉施策の中でも「特養ホームの増設」が上位となっています。
 ある83歳の要介護4の母親を介護している息子さんからは「認知症も重く、一時も目を離せない、いつまで介護できるかわからない」と増設を強く訴えています。
 まず、区として待機者ゼロを目指し、代々木の国有地をはじめ、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡の都有地や公有地など活用して、増設計画を具体的に区民に示すべきです。区長に伺います。
 また、代々木2・3丁目の国有地について、区長は、特養ホーム、保育園、住宅など、福祉の複合施設を考えていると答弁していますが、取得の目途はいつなのか、何が取得の障害になっているのか、伺います。これらの施設の建設、運営は、区が責任もって直接行うべきです。区長に伺います。

④ 緩和サービスAについてです。 
 区は2年前から要支援者に対して、訪問介護では12時間の研修を受けた無資格者のヘルパーを従事させることを認め、介護報酬は国基準の8割に、通所介護は7割に下げる緩和サービスAを実施しました。区内の緩和サービスを実施している介護事業者からは、「これまでの利用者のことを考え、緩和サービスAの利用者に対しても全て専門職によるヘルパー派遣をおこなっており、赤字覚悟で受け入れている」と語っています。
 区長は、「緩和サービスAは、広く定着している」と答弁していますが、とんでもありません。こうした訪問介護事業所の実態についてどう認識しているのか伺います。実態を調査すべきです。伺います。
 訪問介護ヘルパーは、一人ひとりに寄り添い、利用者の身体の変化や生活状態、会話をし、悩みを聞き、励ますなど個人の尊厳を守り、必要なサービスにつなげていく専門職としての役割を担っているのです。だからこそ、港区など、多くの自治体で専門職としての国基準の単価で実施しているのです。
 区は緩和サービスAをやめ、訪問介護、通所介護のサービスは国基準にすべきです。区長に伺います。 

⑤ 次に、区型介護サービスについてです。
 区型介護サービスは、介護給付が不十分な場合、ヘルパー派遣やデイサービスを区の独自施策として上乗せ、横出しをおこない、高齢者の尊厳を守り、自立支援を促す全国でもすぐれた制度であり、区民と関係者の強い要望によって実現しました。ところが、区は、この制度を、介護保険の区分限度額の枠内の利用しか認めず、さらに総合事業に置き換えて、利用者を大幅に減少させたことは認められません。
 例えば、ヘルパー派遣の利用人数では、時間延長が、2013年度の延べ人数が8261人に対し、2017年度は3753人、4508人の減少、また、生活援助でも、同年度の比較で延べ16、870人が10、212人に6658人と大幅減少しているのが実態です。切り捨てられたサービスを継続しようとすれば1割負担が全額負担になります。いかに、これまで必要であったヘルパー派遣サービスが切り下げられ、高齢者の自立が阻害されたか明らかです。
 誰もが安心して必要な介護サービスが利用できるように、区型介護サービスは、元の制度に戻すべきです。区長に伺います。

⑥ 介護職員の処遇改善と介護人材の確保についてです。
 介護職員の不足は、深刻な社会問題となっています。区内では、5月に開設した特養ホーム「つばめの里・本町東」では、今でも、定数100人に対し90人の受け入れしかできておらず、介護職員の不足が原因と聞いています。今後、介護施設の増設は緊急課題であり、介護人材確保を安定的に進めていくために、一般労働者より約7万円も低い賃金を抜本的に引き上げるなど処遇の改善が求められています。
 区長は、国と都に対して、介護職員の賃金引き上げなど処遇改善の追加対策を要請するとともに、区独自の賃金引き上げの補助制度と保育士等の家賃補助制度と同様に、介護職員に対しても、区が上乗せして実施すべきです。見解を伺います。 

(2) 高齢者の医療費の無料化について
 本来、社会に貢献してきた高齢者が、いつまでも元気で、輝く高齢期を過ごすことのできる社会を作ることは、国と自治体の役割です。しかし、国は、今年の8月から75歳以上の医療費自己負担を改悪。窓口負担1割の住民税課税者の自己負担の上限を一か月1万4000円から1万8000円に、4000円も引き上げました。ある76歳の糖尿病の人は、「わずかな年金の中で、後期医療保険料や介護保険料、そのうえ、医療費、介護利用料だけで1万円以上になり、生活費は、預金を取り崩して生活をしている」と訴えています。
 東京の日の出町では、2009年度から75歳以上の医療費の無料化を実施しています。目的は、「これまでの高齢者のご苦労に報い、今後もますます壮健で地域社会の一員として活躍され、暮らしていただくこと」です。担当者は、「町民から大変歓迎されています」と話し、2017年度の対象者は2354人で、決算額は1億671万円余です。
 当区での75歳以上の住民税非課世帯の医療費無料化の経費は、6億6千万円で実施できます。高齢者にやさしい福祉の心を持った施策として、75歳以上の住民税非課税世帯の医療費無料化を実施すべきです。区長に伺います。 

2 がん検診について

 1点目は、すべてのがん検診を区民の身近な医療機関で受診できるようにすることです。
 当区の死因のトップはがんであり、2017年は、467人で約30%を占めています。
 がん予防のためには、早期発見、早期治療が必要ですが、当区では、肺がん、大腸がん、胃のバリュウム検査については、区民健診センターなど2か所に限られているため、これらのがん検診の受診率は15%前後にとどまっています。隣の港区は、以前から、すべてのがん検診は、指定医療機関で受診でき、受診率も30%に前進しています。
 私は、昨年の第4回区議会で、区民の身近な指定医療機関で受診できるように提案したことに対し、区長は、「関係医療機関と協議検討する」と答弁しましたが、どのような検討がされたのか、まず、区長に伺います。
 区民からは、「早期に身近な医療機関で実施を」の多くの声が寄せられており、指定医療機関からは、「検診の精度管理体制も十分に対応できる」と早期実施を求めています。
 早期発見、早期治療を図るために、がん検診は、すべての指定医療機関で実施すべきです。区長に伺います。
 2点目は、胃がん検診の内視鏡検査についてです。 
 昨年度から指定医療機関での実施については評価します。2017年度の実績は、胃がん検診の総数9653人のうち、内視鏡検査は、2050人、21%となっており、今後増加が予想されます。区民からは、「身近なところで、検査できて助かる」と歓迎されています。同時に、「予約を取るのに1か月、2か月、先になる」との声も寄せられています。私が調査したところ、指定医療機関が月に検査する件数は20件に制限されています。
 区民の検診の機会を保障するために、件数制限をやめるべきです。区長に伺います。
3点目は、がん検診に血液検査を加えることについてです。
 バリュウム検査で放射線を浴びたくないという人など、「身体にやさしい検診」といわれているのが、胃がんリスク検診(ABC検診)で、ピロリ菌感染の有無、胃粘膜の萎縮度を採血で判断することで、胃がんになりやすいかどうかを判断する新しい検査です。すでに荒川区では、検査項目に追加されています。 
 胃がん検診の検査項目に血液検査を加えるべきです。区長に伺います。 

3 民泊について

 国は、違法民泊をなくすとして新法を制定しましたが、実際は、大手仲介業者の儲けのために、規制緩和して、違法民泊を事実上合法化したのです。 
 当区では、違法民泊が3000件以上といわれていましたが、9月14日現在、民泊事業者の届け出完了は、395件、そのうち、文教地区、住居専用地域は、94件、うち家主滞在型が21件です。また、違法民泊は、110件と報告されています。
 さらに、苦情は135件で、宿泊者による騒音、ゴミ出しなどの問題で、いずれも違法民泊によるものです。
 千駄ヶ谷、神宮前地域のあるマンションの居住者から「深夜まで騒音で悩まされている」「ゴミ出しは、半端でない、爆買いした物が入っていた段ボール箱が回収日以外に放り出されている」などの訴えに対し、私は、現場にいきましたが、いずれも、その部屋のドアやポストには民泊の表示もなく、明らかに違法民泊物件です。しかも、文教地区や住居専用地域であり、本来、旅館業法では営業が認められていませんでした。
 区として、違法民泊に対し、どう指導してきたのか、告発したのは何件か伺います。また、区民の安全、安心、生活、衛生環境を守るため、本来旅館業法では認められない文教地区や住居専用地域での民泊営業は、全面禁止の規制を行うべきです。区長に伺います。

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