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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

6月5日、区議会第2回定例会本会議で、日本共産党渋谷区議団としして、田中まさや議員が一般質問を行いました。

 6月5日、区議会第2回定例会本会議で、日本共産党渋谷区議団としして、田中まさや議員が一般質問を行いました。


第2回定例会 一般質問・最終  田中

2020.6.3

 私は、日本共産党渋谷区議団として、区長に質問します。
 新型コロナウイルス感染症によって、お亡くなりになられた方に心から哀悼の意を表すとともに、感染された方、関係者にお見舞い申し上げます。医療や介護をはじめ区民生活を守るために感染リスクの中でも奮闘されているみなさまに感謝申し上げます。
 新型コロナウイルス感染拡大は政治のあり方を問うています。国も自治体もグローバル大企業の利益と効率を最優先し、医療、介護などの福祉を切り捨て、医療崩壊・介護崩壊の危機を招いた新自由主義政策をただし、今こそ生存権の保障最優先に改めるべきです。

1.子育て支援について
(1)子どもの貧困について
①子育て世帯への経済的支援について
 新型コロナウイルスの影響で、倒産、廃業、首切り、リストラなどで、格差と貧困が拡大し、経済的に弱い家庭は追い詰められています。一方、学校休業、保育の登園自粛のもとで、貧困や虐待の広がりがつかめなくなっています。いま子どもの生活実態をつかみ、貧困や虐待から守る渋谷区の役割が求められています。
 「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」など3団体は、コロナの影響でシングルマザーの48.6%が収入減、5.6%が無収入になっており、「このままでは一家心中しかない」など想像を絶する困難が広がっているとして、ひとり親世帯と住民税非課税世帯に月3万円、子ども一人に1万円を上乗せして4月から9月まで支給するよう国に求めています。安倍政権の第2次補正予算、ひとり親家庭に1回限り5万円給付ではまったく足りません。
 江戸川区は、所得制限なしで中学生までのすべての子どもに、一人1万円。練馬区では、ひとり親世帯に5万円を支給するなど自治体の支援が広がっています。
 国や都に対して、すべての子育て世帯への現金給付とひとり親世帯への上乗せ給付を継続的に行うよう求めるべきです。当区でも、子育て世帯とひとり親世帯への独自給付を実施すべきです。また、コロナ自粛で活動が困難になっている子ども食堂など子育て支援団体の声に応えて、区として感染防止ガイドラインを策定し、マスクや消毒薬を準備するための財政支援を実施すべきです。区長に、所見を伺います。

②子どもの生活実態調査と子どもの権利条例について
 コロナ禍のもとで子どもの貧困が拡大しています。渋谷区には、子どもの生活の実態を可視化し、だれ一人取り残さない子育て支援が求められています。
 子どもの権利条例を制定している世田谷区は、今年1月に子どもの生活実態調査を実施し、「貧困対策の全体像を定め、総合的な対策を講じ」ようとしています。中野区は、今年1月、0歳から14歳までの保護者と小学校高学年・中学生に対して無作為抽出調査をした結果、家庭生活が貧困になるほど授業の理解度が低くなり、子どもの孤独感が高まり、健康が悪化することが明らかになったとして、区長は、「子どもの思いを大切にし、子どもの視点で考え、子ども一人ひとりに向き合っていく」と表明、子どもの権利条例の制定を目指しています。
 区長は、わが党が実態調査を求めたのに対して、児童扶養手当の認定の時に、面談、訪問などで調査し、更新の際にアンケートを行っていると言いましたが、対象はひとり親など774人だけです。渋谷区の子ども全体の生活や貧困の実態把握も、可視化もできていません。
 区として、中野区のように子どもの生活全体が把握でき可視化できる生活実態調査を実施するとともに、子どもの権利条例を制定すべきです。区長の見解を伺います。

(2)保育について
①コロナ感染拡大のもとでも安心できる保育について
 渋谷区は緊急事態宣言の下で、原則すべての保育園を休園し、当初区立6園と社会福祉事業団2園、最終的には14園で特別保育を実施しました。特別保育では、「子どもの特徴がわからず、どう対応してよいか困った」、「デリケートな家庭の事情が引き継がれていない」など、保育士も子どももコロナ感染のリスクの上にさらに大きなストレスを抱えることになりました。
 一方、都内では本区と豊島区を除いて、全園休園でなく原則在籍園での保育を実施しました。子どもと保育士や子ども同士の関係、保育環境など、登園自粛の中でも最善の子どもの保育を保障するために、都は在籍園での保育を想定していたと聞いています。
 区は、第2波など再び登園自粛が求められた場合の保育は、職員や保護者の声をよく聞き在籍園で実施すべきです。区長の見解を伺います。
 コロナ禍のもとでの特別保育は、区立園が中心でした。災害時に区民のいのちとくらしを守ることは「全体の奉仕者として」の区と公務員の役割です。東日本大震災や熊本地震、台風19号の時は地方公務員の役割が高く評価されました。ところが渋谷区ではこの間、区立保育園を次々に廃園にして、民間に置き換えてきました。これでは、災害時に必要な保育を守れなくなります。
 また、区長は2021年度までに待機児ゼロと表明しましたが、2021年度新設5園409人の内の0~2歳児の定数は合計166人です。来年度の入園申し込みが今年度と同程度だとすれば、200人以上が認可保育園に入れないことになります。
区の保育の質を確保するうえでも、災害時に子どもの保育を保障するためにも、今後は区立を中心に増設し、待機児ゼロを目指すべきです。保育の質の確保のために、全産業平均より月7万円も安い民間保育士の処遇改善を国や都に求めるとともに、区独自に賃金助成をすべきです。合わせて区長の所見を伺います。

②保育施設、給食食材納入業者への支援について
 区の休園要請に伴って、認可外の民間保育施設は大きな損害を受けています。区は休園中の保育料は返還するとしており、民間認可外施設は休園によって保育料を返還すると大幅減収となり、事業が継続できなくなります。世田谷区では、認証保育所、保育室などに、登園自粛によって減った保育料を助成。福岡市では、認可外保育施設の利用料減額分を市が補償しています。
 認可外の民間保育施設の事業が継続できるよう、コロナによる減収分を補償すべきです。区長の所見を伺います。
 保育の営みは、人と人の密接を避けることができません。区は、6月1日からすべての保育園等を再開しています。いま、保育士や子どもを感染から守るための支援が重要です。
 すべての保育施設に、感染防止のガイドラインを徹底し、マスク・消毒薬や体温計、空気清浄機などについて支援すべきです。区長の所見を伺います。
 また、保育園休園によって、給食材料を納入している肉屋さんや八百屋さんなどの地元業者は大打撃を受けています。地域の肉屋さんは、「給食が売上の6割を占めている」と話してくれました。自粛要請と補償は一体です。
区として、給食食材納入業者に対して、減収分を助成すべきです。区長の所見を伺います。

2 高齢者・障がい者福祉と介護保険について
(1)新型コロナウイルスの影響から介護事業者、障がい者施設を守ることについて
①多くの介護事業所は、高齢者の生活を保つために事業を継続していますが、利用者の減と感染防止対策の支出増とで、雇用や事業の継続が危ぶまれる深刻な事態です。全国介護事業者連盟の調査では、コロナの影響で、デイサービス事業所の4月の売上が2月に比べて2割から4割減ったが25%、1割以上は54%。また1割以上減収の事業所は、ショートステイが54%、訪問介護でも32%です。区内の介護事業所からは、「本格的な減収が予想される5月、6月は乗り切れない」「このままではたくさんの事業所が廃業・倒産し、介護崩壊になる」と悲鳴が上がっています。
 障がい者施設も、感染者が出れば事業が継続できなくなるため、休所して在宅支援に切り替えている施設、利用者の生活を保持するため開所している施設、どちらも訓練等給付や自主製品の売上の大幅減などで事業の存続にかかわる事態です。介護や障がい者施設に対する支援では、江東区が1施設30万円を補助。品川区では、介護事業所運営法人に常勤換算一人4万円を補助し、減収となっている事業所の家賃も助成しています。
 区として介護事業者・障がい者施設の実態調査をすべきです。そして事業が継続できるよう、前年同月の収入との差額を補償するとともに、家賃を助成すべきです。また、感染防止ガイドラインを徹底し、マスク・消毒薬や体温計、空気清浄機などの設置について支援すべきです。区長に所見を伺います。

②高齢者や障がい者の尊厳ある生活を支える福祉労働者は、エッセンシャルワーカーであるにもかかわらず異常な低賃金のため、離職率も高く深刻な人手不足に陥っています。介護職員の平均月収は全産業平均より7万円も低く、訪問ヘルパーはさらに劣悪です。本区の社会福祉事業団のある特別養護老人ホームでは、3月末で3人のヘルパーが退職しましたが補充できないため、「3連続夜勤も普通」、「夜勤はフロア全員32人を一人で見守る」など感染リスクと過労で死ぬ思いをしていると訴えています。
 国に対して、介護職員の処遇改善を求めるとともに、区としても賃金助成を実施すべきです。また緩和サービスAは、同じ生活援助介護でも訪問介護で国基準より15%も報酬が低く、事業所の経営を圧迫しています。コロナ禍のもとで多くの訪問介護事業所の事業継続が困難ないまこそ、報酬を国基準の生活援助並みに引き上げるべきです。区長に所見を伺います。

(2)高齢者のくらしを守ることについて
①高齢者はコロナの影響で、シニアクラブや趣味の活動は中止になり会話や運動の減少にともなう生活不活性化によって体力の低下や認知症が進行し、自立した生活が困難になることが危惧されています。私の相談活動にも、高齢者やその家族、医療・介護関係者から、高齢者への支援の強化を求める声が多く寄せられています。コロナとの共存が長期にわたり、第2波、第3波を想定すれば、いま在宅高齢者への支援を抜本的に強化することが必要です。
 訪問介護は、介護保険制度に上乗せして、在宅での適切な運動や会話の機会を増やす必要があります。区は、高齢者の自立のために介護保険制度に上乗せ・横出ししてきた訪問介護サービスを、支給限度額以上の利用を認めず、予算も大幅に削減するなど切り捨ててきたやり方を改めて抜本的に拡大して上乗せすべきです。地域包括支援センターの体制を強化して、介護認定に至らないすべての高齢者世帯を訪問し見守る活動を行うべきです。高齢者の居場所やサークルに対して、活動再開できるようマスクや消毒薬などの財政支援を行うべきです。合わせて区長の所見を伺います。
②また、在宅時間が増える中で、高齢者のいのちを守るために、熱中症対策として、高齢者世帯へのクーラー設置助成をするとともに、クーラー使用を控えないよう生活保護の夏冬の見舞金を復活すべきです。区長の所見を伺います。

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