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日本共産党渋谷区議会議員団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

田中まさや区議会議員は、11月26日、区議会第4回定例会の本会議で、日本共産党渋谷区議団としての代表質問を行いました。

2020.11.26

私は、日本共産党区議団を代表して、区長、教育長に質問します。

1.区民の人権、平和、くらしにかかわる国政問題について

⑴日本学術会議人事介入問題について
 菅首相は、日本学術会議推薦名簿の内6人の任命を拒否しました。日本学術会議は、戦前の学問の自由の侵害が、侵略戦争へとつながり、多くの科学者が協力させられた反省の上に設立され、日本学術会議法は、徹底した権力からの独立を定めました。今回の任命拒否は、学術会議法に反し、学問の自由を侵害し、立憲主義と法の支配を根底から覆す暴挙です。
 これに対して、抗議と任命拒否の撤回を求める署名は14万を超え、690もの学会などが、学問の自由だけでなく、言論・表現、信教の自由などの侵害だと声を上げています。山際寿一日本学術会議前会長は、国の最高権力者が「意に沿わないものは理由なく切る」と言い出したら、全体主義につながると警告しています。
 区長は、この問題が法の支配と区民の基本的人権にかかわる重大問題という認識がありますか。国に対して、日本学術会議人事への介入について説明責任を果たし、任命拒否を撤回するよう強く求めるべきです。合わせて所見を伺います。

⑵核兵器禁止条約について
①人類史上始めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が来年1月22日に発効します。核兵器廃絶を訴え続けてこられた被爆者、日本と世界で尽力された方、多くの区民のみなさんとともに、心から歓迎します。区長は、この条約の発効をめざしてきた平和首長会の一員として、条約発効についてどう評価しますか。見解を伺います。
②核兵器廃絶を求める「ヒバクシャ国際署名」は、1261万人に達し、条約の署名・批准を求める地方自治体の意見書は495に広がっていますが、日本政府は、条約に参加しないと表明し、被爆者や平和団体から、怒りの声が上がっています。
 区長は、国に対して唯一の戦争被爆国の政府として核兵器禁止条約への参加を求めるべきです。1月22日を中心に、区庁舎でも、原爆写真展を開催するなど核兵器禁止条約参加への機運をひろげるべきです。区長の所見を伺います。  

⑶羽田空港新飛行ルートについて
 日本共産党区議団のくらし・区政のアンケートでは、69%と圧倒的な区民が反対であり、「うるさい」、「危険」の声とともに「私たち老人は『ひこうき』の音は戦争のことを思い出してノイローゼになりそうです」と中止を求めています。住民からは、飛行差し止めを求める訴訟も起されており、品川区では新飛行ルートへの賛否を問う住民投票を求める直接請求に、必要な有権者数の3倍もの区民が応じています。
 
国交省は、「国際競争力強化」のために国際線の増便が必要と説明してきましたが、コロナ禍のもとで羽田空港利用数は激減しているにもかかわらず、新ルートに自衛隊機や国内線も飛ばしており、成田空港の便の受け入れまで検討されています。
 
区長は、「国際化」と関係なく区民の安全やくらしを破壊して飛行している現状を容認するのですか。お尋ねします。区民の声を無視し、いのちやくらしを犠牲にする羽田空港飛行ルートは、きっぱり国に撤回を求めるべきです。所見を伺います。 

2.新型コロナウイルス感染症対策について

⑴区民のいのち・くらしを守り抜くための緊急の予算確保について
 新型コロナウイルス陽性者は、全国で1日2000人を超え、東京でも500人以上に急増、感染爆発による医療崩壊やコロナ恐慌が強く懸念されます。区民も中小業者も必死で感染拡大防止や自粛などの自助努力を続けていますが、「このままでは年を越せない」などの悲鳴が上がっています。国と自治体の、感染拡大防止といのちとくらし、営業を守るための支援は待ったなしです。
 
100年に一度といわれる災害から区民のいのちとくらし、営業を守るために区民の財産である1079億円を、躊躇なく活用すべきです。区長に所見を伺います。

⑵PCR検査の拡大について
①WHOコーディネーターの渋谷健司東大大学院教授は、感染爆発を防ぐために「検査・追跡・保護で無症状者を含めて対策をしっかりやる。感染の集積地への徹底した検査や、医療機関、介護施設などには積極的に定期検査を行う必要がある」と指摘しています。都は、検査能力を6万5千件に増やし、自治体の実施する高齢者・障がい者施設、接客を伴う飲食店での検査費用も負担する予算を計上しました。世田谷区では、高齢者・障がい者施設、学校、保育園などの職員、利用者に検査を実施していますが、特別養護老人ホーム職員・利用者222人の内15人の無症状の陽性者が確認されています。無症状者を積極的に見つけ出し、感染拡大を防ぐ社会的検査の重要性は明らかです。
 
区内でもクラスターが発生し死亡者も出た障がい者施設の「検査報告書」で「感染の恐れがある場合は、すみやかにPCR検査を行う必要がある」と指摘していますが、その後、保育園、学校、障がい者施設などで陽性者が確認されても、職員、利用者全体の検査は行われていません。感染者が出た保育園の職員、学校の保護者からは、「万一感染していたらどうしよう」との不安から検査を求める声が寄せられています。
 
区長は、感染爆発を防ぐためのPCR検査の重要性について、どう認識されているのですか。また、全額国庫負担で検査が受けられるよう国に求めるべきです。区として、都の助成対象外の医療機関、保育園、幼稚園、小中学校の職員・利用者に、無料でPCR検査を定期的に実施すべきです。所見を伺います。
②また、政府の新型コロナウイルス対策本部は、新宿区歌舞伎町の重点検査数や陽性者数の推移から「大規模・地域集中的なPCR検査によって、陽性者数が減少した」と報告しており、広島県は、広島市内にある繁華街に検査スポットを設置、名古屋市でも、中区栄地区で飲食店従業員らを対象に無料の検査を実施しました。
 渋谷の繁華街が感染集積地になれば、区民だけでなく全国的な感染拡大につながります。繁華街に検査スポットを設置して、そこで働く人や利用者、在住者に対して無料でPCR検査を実施すべきです。区長の所見を伺います。

 ⑶保健所の体制強化について
 保健所は、憲法25条の「健康権」に基づき、社会保障、公衆衛生の向上及び増進の役割を果たす機関であり、子育て支援や精神保健など、住民にとって欠かせない役割を担っています。コロナ対策では、相談窓口や濃厚接触者の追跡調査をする保健所の体制強化が強く求められます。第1波の時には、感染症対策係など12人では対応できず、精神保健やネウボラに携わる職員も総動員となりました。現在は、都からの派遣4人や会計年度任用職員7人と他部署からの応援などで対応していますが、感染爆発や長期化、新たな感染症パンデミックに備えるためには抜本的な体制強化が必要です。都は、追跡調査の強化のため100人のトレーサー班を派遣しますが常駐でないと聞きました。世田谷区では、保健所の負担を増やさないために、保健所とは別に常勤3人非常勤5人の専門職によるトレーサー班を設置しています。
 
コロナ感染急拡大に対応できるよう、追跡調査のための専門チームを設置すべきです。また感染症対策係の常勤の保健師を大幅に増やすなど保健所の常勤職員を増やすべきです。区長の所見を伺います。
 
また、墨田区や練馬区のように、自宅療養の陽性者に対して、食品等の自宅療養セットや血中酸素飽和度測定器を配布するとともに、濃厚接触者も対象にすべきです。区長の所見を伺います。

⑷医療機関への支援について
 新型コロナの影響は、コロナ受入れ病院だけでなくすべての医療機関に及んでいます。日本病院会など病院3団体の調査では、全国1460病院の内7月から9月は50%前後が赤字で、「地域医療を支える病院が経営破綻し、新型コロナウイルス対応が不可能になるのみならず、地域医療が崩壊する危険すらある」と指摘しています。区内の中堅病院では、発熱外来を設けコロナとたたかってきたにもかかわらず、夏も冬の一時金も4割以上減額を職員に提示せざるを得ないと聞きました。最前線でコロナとたたかっている医療従事者のボーナスが引き下げられるような理不尽を許してはなりません。渋谷区議会も、「医療機関・介護事業所等に対する緊急財政支援を求める要望書」を全会一致で議決し、国に提出しました。墨田区では、コロナの影響で減収した医療機関に500万円まで支給しています。
 
国に対して医療機関に対する減収補てんを求めるとともに、区としても、医療機関への財政支援を行うべきです。区長の所見を伺います。

⑸中小業者と区民への支援について
①東京商工リサーチの調査では、9月も6ヵ月連続で8割の中小企業が前年同月比で売り上げが落ちており、年内に31万件もの廃業や倒産が出る可能性があると指摘しました。なんとしても大量廃業、大量失業でコロナ恐慌という事態は避けなければなりません。
 
区内の商店街でも閉店・休業が相次いでおり、「コロナの終息が見えないなかで、資金繰りは限界。いつまで金と気力が持つか」と訴えています。いま中小業者と雇用を守る区の支援が強く求められています。品川区などでは独自の家賃支援給付金を実施し、八王子市では、テナント家賃緊急支援金の要件を緩和し、支給期間も延長しています。
 
区長は、持続化給付金はコロナの影響がおさまる迄延長し、何度でも支給するよう国に求めるべきです。区議会では、中小業者への固定費支援を国に求める意見書を全会一致で採択しています。区としても独自に家賃などの支援を実施すべきです。所見を伺います。
②今年7月から9月までのGDP速報値の個人消費は、前年度比22兆円も減少しています。いま消費税を減税することが、消費を拡大し、地域経済を循環させるうえで最も効果的であり、低所得者ほど効果が大きく、消費税を価格に転嫁できない中小業者支援にもなります。すでにイギリス、ドイツなど22カ国で付加価値税を減税しており、区政アンケートでは、消費税の減税を求める声が約6割に達します。
 
国に対して、消費税の5%減税と納税猶予の延長を求めるべきです。区長の所見を伺います。
③最高20万円を貸し付ける緊急小口資金や総合支援資金は、コロナ禍で苦しむ区民にとって命綱の役割を果たしています。10月末現在で相談件数は延べ8,887件、貸付件数は合計5,646件に達しています。ところが12月末迄で終了する見込みで、国は再延長の方針を示していません。いまこの制度を打ち切れば、多くの区民が路頭に迷うことになります。
 
国に対して、緊急小口資金特例貸付と総合支援金貸付の継続を求めるべきです。区として、コロナで困窮している区民が活用しやすくするために応急小口資金貸付の要件を緩和し、区ニュースなどで周知すべきです。また、住民税非課税世帯に対して定額給付金を支給すべきです。区長の所見を伺います。

⑹エッセンシャルワーカーへの支援について
 コロナ禍で、医療、介護、障がい福祉、保育など、命を守るケア労働の重要性が明らかになっており、全産業平均より月7万から10万円安い介護・障がい者福祉・保育等で働く労働者の賃上げ・処遇改善は喫緊の課題です。実際、介護職に昨年実施された処遇改善加算は、社会福祉事業団の介護施設でも、職員の83%は月1万2千円以下の賃上げに過ぎず、職員は、「介護士不足と3連続夜勤などの過重労働の悪循環は変わらない」と話しています。感染リスクに晒されながら区民のいのちを支える労働者への支援が必要です。
 
八王子市は、保育園、幼稚園などの職員4500人に5万円の慰労金、品川区では、介護職員に最低2万5千円、民間の保育園などの職員に応援金2万5千円を支給しています。
 
国や都に対して、公費による賃金への直接補助と介護報酬、障がい福祉の報酬、保育単価などを抜本的に引き上げ、それらを利用者の負担増に跳ね返らせないための財政措置を講じるよう求めるべきです。区としても、エッセンシャルワーカーへの独自支援金を給付すべきです。区長に、所見を伺います。

⑺ひとり親家庭と学生の支援について
①総務省の7月の労働力調査では、非正規の従業員数は前年同月比131万人減で、その内女性が62%を占めています。とりわけひとり親家庭への影響は深刻です。支援団体の調査では、国の1回の給付金では生活は改善していないと指摘しています。幡ケ谷に住む高校生の子どもがいるシングルマザーは、「今まで2か所掛け持ちで働いて21万円で何とか生活できたが、1か所がコロナで雇止めになり、仕事を探しても見つからず途方に暮れている」と窮状を訴えています。
 
国に対して、ひとり親家庭への臨時特別給付金の継続的な支給を求めるとともに、区として、ひとり親家庭への現金給付を継続して行うべきです。区長の所見を伺います。
②休業要請や外出自粛などの影響でアルバイト収入や親の収入が減り、学業の継続困難に直面する学生が急増するなか、山梨県笛吹市では、市内在住の学生に、一人10万円、高校生にも一人1万円、厚木市は、市内の一人暮らしの大学生などに一人5万円を支給しています。八王子市は、市独自の学生支援特別給付金の要件を緩和して再募集を始めています。
 
国に対して、学費を半額にするよう求めるとともに、区として、収入や仕送りが減っている区内在住の一人暮らしの学生に支援金を給付すべきです。区長の所見を伺います。

3.区政のあり方について

⑴来年度の予算編成について
①新型コロナ感染症パンデミックは、世界でも日本でも規制緩和と市場化万能で、公共サービスや社会保障を弱体化させた新自由主義的改革が社会を脆弱にし、逆に公衆衛生や医療、社会保障に対する「公共」の大切さが再認識されています。日本でも、保健所の数を半減させ、医療費抑制政策による病床削減、慢性的な医師、看護師不足と長時間労働で、医療崩壊寸前という事態です。
 
渋谷区でも、グローバル企業を呼び込み、大企業の儲けのための渋谷駅周辺再開発事業に83億円もの税金を投入し、庁舎建て替え事業や宮下公園整備事業では、区民の土地を三井不動産の儲けのために差し出すなど大企業のためには税金も財産も大盤振る舞いする一方、国保料や介護保険料などの負担増を押し付け、障がい者の福祉タクシー券を削減、生活保護世帯への夏冬の見舞金を廃止、区独自の上乗せ介護サービスを削減するなど、大企業の利益を優先し、弱者への支援を切り捨ててきました。
 
党区議団のアンケートには、「コロナ禍でアルバイト先が営業停止となり無収入になった」、「派遣切りにあい、未だに仕事が見つからず、体調が悪くても病院に行けない」など切実な声が寄せられています。今こそ、自治体本来の役割であるいのちとくらしを最優先にする区政への転換が求められます。
 
来年度予算は、一定の税収減は見込まれますが、コロナで苦しむ区民のいのちとくらしを守る区の責任の後退は許されません。渋谷駅周辺再開発事業や渋谷未来デザインなどの大企業のための税金投入や河津・さくらの里しぶやなどのムダ遣いをやめ、基金の活用や起債も含めて、くらし、福祉、中小業者への支援を維持拡大すべきです。区長の所見を伺います。
②コロナの影響で、今年の敬老金は、カタログによる現物支給になりました。これに対して、区民から「生活費の一部だったのに、今年はくらしを切り詰めなければならない」など、怒りの声が上がっています。この事業は、高齢者に敬老の気持ちを表す区民の誇りの制度です。来年度は、1万円の現金給付に戻すべきです。区長の所見を伺います。

⑵新島青少年センターについて
 区長は、本定例会に新島青少年センター廃止条例を提案していまいすが、区民は、「私たち親子にとって大切な思い出の場、自然に親しむかけがえのない施設をなくさないで」との声を上げています。区は、この間財政削減のために富山臨海学園と山中高原学園を廃止したため、子どもたちの校外学習の施設がなくなっています。その上新島青少年センターを廃止するなど許されません。
 
新島青少年センター廃止条例は撤回し、区が建て替えるべきです。区長の所見を伺います。

⑶ステップアップ・プロジェクトとスーパーシティについて
①都と区が共同で、美竹第二分庁舎跡地や美竹公園を都有地と一体に再開発し、民間の営利事業のために使わせるステップアップ・プロジェクトは、開発用地の約6割が区民の財産なのに、都が主導しているため区民の声が届きません。大企業の儲けのための計画に区が参加することは許されません。
 
ステップアップ・プロジェクトへの参加は中止し、美竹第二分庁舎跡地や美竹公園のあり方については区民参加で検討し、福祉の増進を目的に活用すべきです。区長の所見を伺います。                       
②菅政権は、デジタル庁を創設し、各省庁や地方自治体、行政機関の間の情報共有とともに、マイナンバーカードの普及を推進し、健康保険証や免許証などと統合しようとしています。今年6月に成立したスーパーシティ法は、住民の様々な個人情報を丸ごと大企業が管理・運営して、医療、交通、金融などの各種のサービスを提供するものです。一方、個人情報を一元的に管理することで、その人の全情報が企業や国・自治体に把握されプライバシーが奪われ個人情報が漏洩する危険があります。また、中国のような監視社会を容易に作ることも可能になります。しかも自治体がスーパーシティ事業計画を作成する際は、住民参加・住民合意の仕組みがありません。
 
区長は、スーパーシティの危険性についてどう認識しているのですか。その危険性について区民に情報提供をすべきです。所見を伺います。スーパーシティ計画は推進すべきではありません。所見を伺います。

4.国民健康保険について

⑴新型コロナ対策について
 国は、新型コロナの影響で今年度の収入が、前年度より3割以上減少などの世帯に、国保料の減免制度を実施していますが、10月末現在、相談・申請は1,522件に及びその内669件が減免されています。加入者の約45%が均等割軽減を受けるなど低所得者の多い国保加入者に、コロナによる減収は深刻です。アンケートにも、「コロナで収入がほとんどない。高額な保険料をどうやって払っていけばよいか」、「失業中で減免制度を利用しているが、今後さらに厳しくなったら払えなくなる」など、深刻な声が寄せられています。
 
区長は、新型コロナウイルス感染症により、収入が回復しない世帯に対しては来年度も保険料の減免を継続し、休業した場合の傷病手当は、自営業者も対象にするよう国に求めるべきです。また、区独自にこの制度を継続すべきです。所見を伺います。

⑵来年度の国保料の引き下げについて
①今年度で16年連続となった国保料の負担増は、コロナ禍で苦しむ多くの区民にさらに追い打ちをかけました。年収400万円の40代夫婦と子ども2人の4人家族の保険料は、50万7321円と1か月分以上の収入が消えてなくなるほど重くなっています。アンケートでは、国保加入者の内、57.8%が負担が「重い」と回答、「やや重い」と合わせると85.9%が重いと感じており「とても払いきれない」と悲鳴があがっています。国保料の値上げは、区民の医療を受ける権利、生存権を踏みにじるもので絶対に許されません。
 
全国知事会も求めているように、1兆円規模で国庫負担を増やせば、保険料を協会けんぽ並みに引き下げることができます。国に国庫負担の大幅増額とともに均等割制度の廃止を求めるべきです。区長の所見を伺います。   
②国は、「少子化社会対策大綱」のなかで、「子どもの数に応じた国民健康保険料の負担軽減を行う地方自治体への支援などを着実に実施する」と表明しています。
 
区の来年度の保険料は、一般会計からの繰入を増やして、子どもの均等割と低所得者の保険料を減額すべきです。区長の所見を伺います。

5.保育について

⑴保育の質の確保について
 保育園は、子どもの発達を保障し、保護者の就労を支える極めて重要な役割を果たしています。ところが、保育の質を保障する面積基準は72年前から変わっておらず、2歳児以上の面積基準は一人1.98㎡です。一方、5歳児の子どもの身長は72年前に比べて、平均で7cm伸びており、年長児は「足をのばして寝られない」状態です。また4歳以上の保育士配置基準は30対1で、72年前のままです。新潟県私立保育園・認定こども園連盟が、1歳児基準の子ども6人に保育士1人を3人に1人にしたところ、給食の時の声かけ回数が、最高18倍も増えたと報告していることからも、こどもに良質な保育を保障する基準に改めることが必要です。
 
国に対して、面積基準と保育士の配置基準を抜本的に改善するよう求めるとともに、区独自に基準を改善すべきです。区長の所見を伺います。

⑵認可保育園の増設による待機児解消について
 今年10月時点で、どこの保育園にも入れなかった子どもは66人、認可保育園を希望して入れなかった子どもは0歳児355人、1歳児160人、2歳児93人など5歳児までの合計は645人に上ります。一方、来年4月開設予定の5園の定数は、0歳39人、1歳60人、2歳66人など合計393人であり、低年齢児を中心に認可保育園に入れない深刻な事態です。
 区長は、多様な保育で待機児解消といいますが、全国では、最近も民間の小規模保育が突然閉園し子どもの保育が継続できなくなる事態が発生しており、千代田区では認証保育所が2園経営難を理由に今年度末で廃園するなど、子どもの保育が保障できない事態です。
 多くの保護者は、保育の質が確保された認可保育園を希望しており、子どもの権利条約第3条で、「子どもの最善の利益」を国や自治体に求めていることからも、早急に認可保育園の増設で待機児を解消すべきです。
 区として、安定した運営と保育の質が確保でき、早急に人材を確保できる区立を中心に認可保育園を増設し、待機児を解消すべきです。区長の所見を伺います。 

⑶民間保育園への支援について
 認証保育所では、保育単価と子どもの数で運営費が決まるため、定員割れの場合運営が困難になります。
 
認証保育所に対して、未充足加算を支給すべきです。また保育従事者に対して、都が実施している保育従事者宿舎借り上げ助成制度については、都は継続を明言していません。都に継続を求めるとともに、区独自でも継続すべきです。合わせて区長の所見を伺います。

6.教育について

⑴少人数学級について
 コロナ禍の分散登校で少人数学級を体験した教師、保護者、子どもから、少人数学級を求める声が急速に広がっています。少人数学級化を求める教育者有志の会が呼び掛けた署名は、18万人に達しており、呼びかけ人の乾彰夫東京都立大学名誉教授は「感染対策と子どもたちに目が届きやすい学校運営の両立には、早急な少人数学級の実現が必要」、本田由紀東京大学教授は全国データを示し、「習熟度別少人数指導よりも少人数学級の方が学力向上に効果があった」と述べています。全国市長会など地方団体、全国都道府県教育委員会連合会、全国4つの校長会などが少人数学級の実現を求め、文部科学大臣も、法改正による学級規模の変更も視野に、30人学級への「不退転の決意」を表明するなど実現まであと一歩です。
 国に対して30人学級の実現とそのための教員の確保、教室整備の財政措置を求めるべきです。現在の在籍数で区立小中学校での30人学級にした場合、幡代小学校や笹塚小学校で6学級、神南小学校、富ヶ谷小学校5学級など合計61学級増やす必要があります。渋谷区も来年度から30人以下学級にすべきです。区長の所見を伺います。
 
また、現在、教育委員会では、「渋谷区立学校の在り方検討委員会」が設置され、「適正規模・適正配置について」議論がされています。しかし、少人数学級が進めば、教室不足となりますがその点は議論されていません。まして「適正配置」の名による学校統廃合は、少人数学級を望む子ども、保護者、教員、区民の願いに逆行するもので許されません。本町小学校と本町東小学校を統廃合した本町学園小学校では、現在教室不足になっています。
 「検討委員会」では、国の30人学級の動向も踏まえて十分検討すべきであり、期限を切って性急に結論を出すべきではないと考えます。また、30人学級に逆行する学校統廃合はしないこと、学校は教育環境の充実を優先すべきであり他の公共施設の統廃合のために活用しないことを明確にすべきです。教育長に所見を伺います。

以上

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