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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ議員は3月24日、第1回定例会予算特別委員会で、区長提案の2021年度渋谷区一般会計予算、同国民健康保険事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算に反対し、同介護保険事業会計予算と日本共産党渋谷区議団が提案した一般会計予算と国民健康保険会計予算に対する修正案に賛成する討論を行いました。

 牛尾まさみ議員は3月24日、第1回定例会予算特別委員会で、区長提案の2021年度渋谷区一般会計予算、同国民健康保険事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算に反対し、同介護保険事業会計予算と日本共産党渋谷区議団が提案した一般会計予算と国民健康保険会計予算に対する修正案に賛成する討論を行いました。


予算特別委員会 討論 一般会計

2021.3.24 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第14号 令和3年度渋谷区一般会計予算の原案に反対し、日本共産党渋谷区議団が提出した修正案に賛成する討論を行います。

 2020年度は新型コロナウイルスパンデミックによって、区民のくらしは大きく変容するとともに厳しさを増し、日本共産党区議団が例年行っている「暮らし・区政に関するアンケート」にくわえ、昨年夏と今年冬に行ったコロナ緊急アンケートにも、「仕事がなくなり手持ちもあとわずか、助けてください」「コロナで売り上げが激減し家賃や税金を払うのに困るというという状態です」など、くらしの大変さを訴える声が多数寄せられました。

 こうしたときに自治体に求められているのは、最優先の課題としてコロナの感染拡大を抑え、区民のくらしと営業を守るための緊急対策を速やかに実施するとともに、区民の負担軽減と福祉や教育の充実をはかることです。

 ところが、長谷部区長の示した新年度予算では、区独自のコロナ対策は、感染拡大防止でも、区民の生活と営業を支える支援もほとんどありません。区民には17年連続の国保料を引き上げ、認可保育園に入れない子どもがたくさんいるのに増設計画はなく、区民の願いに答えようとしていません。
 その一方で、大企業のための渋谷駅周辺再開発への巨額の税金投入を継続するとともに、河津の保養所も温存し無駄遣いを続けています。こうした税金の使い方は、自治体本来の役割である住民福祉の増進にそむくもので認められません。
以下、各部の予算の問題点を指摘します。

経営企画部
●官民連携事業で一般社団法人渋谷未来デザインに対し、事務局長人件費1220万円など、1566万2千円が計上されています。渋谷未来デザインの目的は、官民連携事業と称して公有財産を活用して参加企業の利益を上げさせる新たな事業を企画・提案するなど、本来区がやるべき業務ではなく事務局職員の人件費を区が負担することはやめるべきです。

●新規事業のスマートシティ推進事業費として1億2656万円を計上し、全体構想やダッシュボード作成、データ収集の公募事業、システム利用料、人材研修などの民間への委託費がほとんどを占めています。
 スマートシティについては都市部における様々な課題をIoTやセンサ、ビッグデータをはじめとした技術を活用して解決する都市の在り方とされていますが、個人情報をデータ化して活用することが問題視されています。
 質疑の中で区が活用するのは行政データであり個人情報ではない、と述べています。しかし、現在国会で審議が始まった「デジタル社会形成基本法案」では、住民基本台帳、医療・介護保険、各種の税情報、子ども・子育て支援、健康管理など17事業のシステムが国の定める標準化基準に変更させられ、さらにデジタル関連法で、企業が常にオンラインで個人情報を自由に使えるようにするために、国と自治体の個人情報保護体制を統合していく内容も盛り込まれています。行政が持つ個人情報の匿名化はかな変換するだけに簡略化されます。また、現行条例が規定している、区民の個人情報を企業が利用するために必要な個人情報保護審議会への諮問も、区の情報が国と統合されればその必要がなくなり企業が自由に使うことができることになります。
 スマートシティ推進は、企業や生活者の利便性・快適性向上を目指すとして、区民の個人情報を活用した事業で企業に利益を与える一方で、国民のプライバシーの侵害の危険をはらむ社会のデジタル化を拙速に進めるもので認められません。

総務部
●新年度の一般職員数は、前年度との比較で、衛生費の2人増を除き、民生費で15人、教育費で12人減をはじめ、全部署の削減数は、合計で51人、予算額で4億9400万円の減額となっています。
 1年契約の会計年度任用職員については、子ども家庭部の保育補助などで261人、教育振興部のスクールサポートスタッフや幼稚園補助などで132人となっていますが、保育園、学校などの職員については、正規職員を増員すべきです。また、他部署の職員や東京都からの職員派遣で対応してきた保健所についても保健師、看護師などの専門職員を正規職員として増員すべきです。

財務部
●予算事務費で1億9900万円余の委託料が計上されていますが、これは、全庁的に需用費、役務費、委託料、備品購入費などの経常経費を、民間手法を取り入れて削減するためにコンサル業務を委託する経費と説明がありました。その内訳は、人件費などの固定費として5000万円、残りの1億4800万円は、経常経費の削減額の30%を成功報酬として支払う予算と説明がありましたが、この額を委託業者の言い値で決定したことは問題です。多くがマンパワーで成り立っている公共サービスの経費節減を、削減額に応じた報酬にすれば、今よりも劣悪な労働条件を拡大することにつながるものでやめるべきです。
 また、新たに設置する財産価格審議会の専門委員の人件費が計上されていますが、公正、公平な運営も透明性も確保されていない審議会は、認めることはできません。

危機管理対策部
●地震災害はいつ起こきてもおかしくない状況が続いており、木造密集地域の被害を最小限にとどめるため、引き続き、燃えない、倒れない対策のため、老朽化している木造家屋への補助など対策を強化し、あわせて感震ブレーカーの配布など防災対策を強化すべきです。
 また、安全対策課として、依然として深刻な被害が指摘されている若年女性などの性的被害を根絶するために、関係機関との連携を一層強めるとともに、客引き行為等の防止指導員による対策も強化すべきです。

区民部
●河津さくらの里しぶやの運営費として1億2003万6千円に加え、施設維持管理費として300万4千円が計上されています。今年度の宿泊利用者はコロナ禍の影響で1月までの宿泊者累計は4586人にすぎません。今年度は、指定管理者の減収補填として740万円の補正予算で追加支出しようとしています。区民の要望もないまま老朽化した施設を十分な検討もなく取得、開設し、新年度も1億2304万円もの予算は認められず、この施設は廃止すべきです。

●グローバル拠点都市推進事業は、渋谷をスタートアップの集積地としてさらに発展していくことをめざすとして今年度予算の創業支援から独立させ、新規事業として予算化しました。全体はスタートアップ環境整備事業として4つの事業から構成されており、①スタートアップ環境整備事業として、昨年立ち上げたコンソーシアム運営費、不動産の賃貸や資金調達をしやすくする支援、起業家育成システムの構築、②プロモーション事業として、PR費、ウエブサイト運営、ピッチイベント・トークセッション、③実証実験事業、④グローバル化事業としてワンストップセンターの設立、など全体で1億456万円余が計上されています。
 これらの予算には、国や都の補助などは一切なく、すべて区民の税金でまかなわれます。
一方で、区民のくらしを支えてきた飲食店をはじめとした中小事業者が、コロナ禍で倒産や休廃業に追い込まれるなど、かつてない苦しみに見舞われているときに、他区が実施している家賃支援などの区独自施策は実施しないまま、国内だけでなく海外からまでスタートアップ企業を呼び込み支援する事業に億単位の予算をつけることは、基礎的自治体である区が行うべきではありません。

都市整備部
●渋谷駅周辺再開発への税金投入
 市街地再開発事業として、渋谷駅桜丘口地区への補助金は、これまでに9億4360万円が投入されてきましたが、新年度は7億5600万円が計上されています。この事業の補助金は総額80億円が予定され、令和4年度に27億8600万円、令和5年度には28億7840万円の補助金と6千万円の公共施設管理費負担金が見込まれています。再開発の途上で住民や小規模店舗の多くは追い出され、東急中心の再開発事業となっています。
また、渋谷駅中心五街区整備事業として、新年度引き続き、駅街区北側自由通路に6億8千万円、南口北側自由通路に2億8800万円もの予算が計上されています。こうした大企業中心の事業への税金投入は認められません。
 さらに、東京都の旧児童会館跡地に加え、区の美竹第二庁舎と区立美竹公園を一体の敷地として、民間に定期借地させ、営利事業を展開させるステップアップ事業の検討業務に470万円余が計上され、新年度には募集が行われる予定です。この地域の住民から提案されていた特養ホームや保育施設を整備する提案を全く無視し、大企業の利益のために区民の大切な財産である公有地を差し出す事業は認められません。

土木部
●新宮下公園に関連する経費として、公園維持管理費の中に、指定管理料1億5千万円、渋谷川遊歩道使用料に5千万円など合計2億4300万円が計上されています。また、宮下公園駐車場は、使用料収入8040万円しか見込めないのに、事業運営の委託料として1億5千万円を計上し、区が赤字の7千万円を区民の税金で負担しています。区が三井などに払う経費は3億4300万円にのぼり、渋谷川遊歩道使用料は、東京都に区が支払い、同額が三井不動産から雑入として歳入しますが、区が又貸しして便宜を図るものです。
 定期借地料の値引きに加え、公園施設の運営管理でも三井不動産などが利益を上げることは、認められません。

●5G通信インフラ整備事業
 この事業は、第5世代移動通信システムの情報通信基盤となる通信基地局をはじめ、複数のICT関連のセンサーなどを搭載可能な多機能通信基盤施設(スマートポール)を渋谷駅周辺などの区道や公園などに設置する場合、スマートポールの製作費と設置工事費などへの補助金です。新年度から3年間の事業で、初年度は3800万円の予算で、15基の設置を見込んでいます。しかし、通信インフラ整備は全額通信事業者の負担で行うべき事業であり、区民の税金を使って行うことは認められません。

環境政策部
●区民環境委員会で、区が廃プラスチックの資源化と一緒に、議会にも報告のないまま行った家庭ごみの有料化の基礎調査報告書が提出されました。予算審議の中で区は、来年度検討する予算はないと言いましたが、アンケートで7割の区民が反対し、不法投棄を増やすことにつながる家庭ごみの有料化は、絶対に認められません。

子ども家庭部
●認可保育園に入れてほしいと願う保護者の声にこたえて認可保育園を整備するのは渋谷区の責務です。今年4月に新設園5園が開設され409人の定員が拡大されました。しかし、今年4月の新たな入園希望者は、1563人あり、ゼロ歳児で82人、1歳児で89人が定員オーバーとなり、「保育園に子どもが入れなければ働けなくなる」という不安の声が出されています。
 待機児解消には程遠い現状にもかかわらず、新たな保育園の増設を行わず、保護者の声を無視する姿勢を示しています。こうした対応は認められません。

●子育て支援の一環として、高校生まで医療費を無料にしようという取り組みは全国に広がり、現在511自治体が高校生まで医療費無料化に踏み出しています。高校生は怪我をする確率が高いと言われています。子どもがお金のことを心配して医者にかかることをあきらめることがあってはなりません。1億2607万円の予算をつければ高校生までの医療費無料化は実施できます。コロナ禍のいまこそ、当区も実施に踏み出すべきです。

教育振興部
●保護者や教職員、教育関係者の粘り強い運動で、文科省が義務教育標準法を改正し、小学校の35人学級を2026年度までに段階的に実施する方針を示しました。しかし、東京都も渋谷区も新年度は小学校の2年生までと中学1年生のみの実施で何ら前進はありません。渋谷区では、新年度、小中学校の全学年で35人学級を実施するために必要な教室と教員は小学校の9クラスのみで、中学校はすべて35人以下になっています。
 直ちに小中学校全学年で35人学級を実施するために必要な手立てをとり、さらに30人学級をめざすべきです。

●子どもの豊かな食育や栄養バランスの良い食材を提供することで、心身共に健やかな成長を目指し実施されている学校給食は教育の一環です。しかし、義務教育無償の原則にもかかわらず、給食費は中学生の場合、月額5千円以上で、年間6万4500円の負担となっています。子育て支援の立場から小中学校の給食無料化に取り組む自治体が広がっており、現在76自治体で実施しています。コロナ禍の中で、学校給食費の負担が重くなっている家庭も増えていることからも、4億1100万円でできる学校給食の無償化を実施すべきです。

福祉部
●新型コロナの影響で多くの介護事業者、障がい者福祉事業者が、減収を余儀なくされています。区が今年度、これらの施設への減収補てんを実施したことは評価しますが、実施件数は少数であり、区内でも介護事業所の廃業が起きています。持続化給付金の対象外で減収となっているすべての事業所に助成すべきです。

●特別養護老人ホームは、今年5月から、かんなみの杜・渋谷の84床が開設されますが、昨年10月現在の待機者は386人であり、待機期間は最長45カ月で依然として深刻な事態です。ただちに特別養護老人ホームの増設計画をたてるべきです。
 引き続き代々木23丁目の国有地の活用の可能性を追求するとともに、幡ヶ谷2丁目の都営住宅跡地、本町1丁目の警察寮跡地の早期取得、民有地の借り上げなどをすすめるべきです。また、ケアコミニュティ原宿の丘の再整備の際にも特養を整備すべきです。

●介護従事者は、高齢者に寄り添い、その時々の状態にふさわしい支援に結びつける専門職であり、エッセンシャルワーカーにふさわしい賃金引上げが求められています。しかし、今年度1月末までの特養の介護職員の退職者は、あやめの苑8人、美竹の丘5人、けやきの苑4人、つばめの里23人の4施設だけで45人にもなるなど、介護職員の低賃金・過重労働にコロナが追い打ちをかけているのが実態です。国が実施した処遇改善加算も、あやめと美竹の10年以上勤続の介護福祉士で18,000円、10年以下で最高9,000円にとどまり、全産業平均に比べて月額10万円も低い賃金の改善には極めて不十分で、訪問介護士はさらに低賃金を強いられています。
 国に対して、コロナ対策の慰労金の支給と抜本的な処遇改善を求めるとともに、区として、処遇改善と慰労金支給のための事業所支援を行ない、職員とサービスの質を確保すべきです。

●高齢者入浴介助事業は、家庭内での入浴が困難で、介護保険では不十分な高齢者に訪問入浴介護を実施する事業ですが、新年度から事業者の値上げを本人負担に転嫁して100円引上げ1000円に値上げします。今年度は270人が347回利用していますが、区が年間3万円程度を負担すれば、値上げせずに実施できます。高齢者の尊厳ある生活を守る区の責任を果たすために、利用者の負担増にならないようにすべきです。

●区型介護サービスは、国が切り捨てた訪問や通所介護の事業を区が独自に行う事業ですが、年々縮小され、新年度予算は761万円減額の8517万円です。区長が就任した2015年以降、利用料を値上げし、生活援助と高齢者世帯サービスは区分限度額以内に利用を制限するとともに、単価の安い総合事業の緩和サービスAに置き換え、総合事業を実施しない介護事業所には区独自サービスの利用を制限するなど、毎年予算を削減し半分以下に減らしています。
 区型介護サービスは、高齢者の尊厳と自立した生活を支える、全国に誇るべき高齢者福祉施策です。利用できる事業者を限定せず、利用料と単価を元に戻し、区分限度額以上の介護サービスも認めるべきです。

●敬老館について、昨年度の初台敬老館に続き、千駄ヶ谷敬老館を民間委託するために1568万円を計上しています。敬老館をはじめ区の施設は、区民福祉の重要な拠点であるだけでなく、災害時は救援活動の拠点ともなることは、東日本大震災の重要な教訓であるだけに、敬老館は直営で存続すべきです。

●福祉タクシー券は、障がい者の社会参加をはじめ、病院への通院など生活に欠かせない事業ですが、新年度は9063万円に377万円減額されています。区は2016年度に月額4600円から3500円に支給額を1100円引き下げ、その後も毎年減額したため、2015年度予算と比べて3382万円、27%も削減しています。障がい者から、元に戻してほしいとの要望にも応えようとしていません。障がい者のくらしを守る大切な制度として、月額支給額を4600円に戻すべきです。

●生活保護の窓口は、かんなみの杜の複合施設に移転する予定ですが、生活保護は憲法で保障された区民の生存権を保障する最後の砦であり、複合的で困難な相談事例が増えている現状では、区の他の窓口との連携がますます重要になっています。窓口を本庁舎内にもどすべきです。
 また、区は、区独自に生活困窮世帯に対して、冬の暖房代、夏の冷房代のために支給してきた生活保護世帯に対する夏冬の見舞金各4000円を2017年度に冬、翌年度に、夏の見舞金も廃止しました。夏冬の見舞金は、2160万円余で復活できます。国が扶助費を6年間で6%も削減している中で、昨年も猛暑の中で、クーラー代も我慢するなど命にかかわる深刻な事態となっているだけに夏冬の見舞金を復活すべきです。
 生活保護基準以下で生活しながら生活保護を利用していない人は8割以上に上るといわれ、親族などに対して行われる扶養照会があるために申請をためらうことが問題となっています。国に対して本人同意のない扶養照会は行なわないよう求めるべきです。また住宅扶助費は、区内の不動産価格の実態に合わせ、単身者で6万9800円の特別基準を適用すべきです。

健康推進部
●新型コロナウイルス感染症対策では、緊急事態宣言は解除されましたが、東京の感染者は増え続けており、区内の高齢者施設でもクラスターが発生、小中学校や医療機関でも陽性者が確認されています。政府も高齢者施設等でのPCR検査の定期・頻回検査や駅や繁華街でモニタリング検査の実施、変異株の検査を方針に掲げましたが、全国で1万件では規模が圧倒的に不足しています。
 区は、東京都の事業を活用して、高齢者・障がい者施設でのPCR検査を予算化しましたが、検査実績は、高齢者施設で44人、障がい者施設で3件23人にとどまっており、重大です。「関係者に陽性者や濃厚接触者がいる」などの条件付けをやめて、医療機関、小中学校、幼稚園、保育園などの施設を対象に加え、定期・頻回検査を実施すべきです。また、駅や繁華街等でのモニタリング検査を区として直ちに取り組むべきです。

●2018年度にがんによって死亡した区民は446人で、全体の約3割と死亡原因の1位になっています。早期発見早期治療につなげるためにも、要精密者全員が再検査を受けることが求められています。当区では以前は、要精密検査は無料でしたが、現在は自己負担になっています。区民のいのちを守るために1500万円ほどで実現できる要精密検査の無料化を実施すべき。また、前立腺がんを検診の対象にすべきです。

 日本共産党渋谷区議団は、区長の一般会計予算案に対し、修正案を提出しました。主な内容は、コロナ対策として、高齢者・障がい者施設だけでなく学校、保育園等での社会的なPCR検査の実施、低所得者の生活支援として住民税非課税者に1万円を給付、保健所の体制強化を実施するとともに、国民健康保険料の軽減のための繰り出し金の増額、介護保険の保険料や利用料を住民税非課税世帯に対して軽減する、区立小中学校の給食費の無償化、高校生と低所得高齢者の医療費無料化、小中学校の全学年での35人学級の実現、民間の保育士や介護従事者の処遇改善、障害者の福祉タクシー券や生活保護世帯への見舞金の復活、商店街街路灯の電気代と維持管理費の全額補助、建築物の耐震化助成の拡充など、区民の切実な願いを実現するとともに、大企業のための再開発への税金投入とグローバル拠点都市推進事業や5G通信インフラ整備事業、スマートシティ推進事業などの新規事業を削減し、河津さくらの里しぶやなど、不要不急の経費を削減するものです。
 区民のための施策に必要な予算は39億1069万4千円です。一般会計予算の4%で多くの区民要望が実現できることを示しています。
 以上、議案第14号 令和3年度渋谷区一般会計の予算原案に反対し、日本共産党渋谷区議団の修正案に賛成する討論とします。

予算特別委員会 討論 国保

2021.3.24 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第15号 令和3年度渋谷区国民健康保険事業会計予算の原案に反対し、日本共産党渋谷区議団が提出した予算修正案に賛成する討論を行います。
 予算原案では、新年度の保険料として、医療分の均等割を1100円、所得割を0.01%引き下げますが、支援金分の均等割を300円、所得割を0.12%引き上げ、被保険者全員に賦課される医療分と支援金分の合計で、均等割を800円引き下げ、所得割を0.11%引き上げるものです。その結果、40歳以下と65歳以上の世帯の場合、年金で300万円、給与所得では子どもがいなければ300万円、子ども1人で400万円、2人で500万円を超える世帯が引き上げとなります。さらに、介護分が均等割で1400円、所得割で0.42%も引き上げられるため、世帯主が40歳から64歳までの世帯は大幅な引き上げとなります。渋谷区の1人当たり保険料は、医療・支援金分で902円下がりますが、介護分が4117円も引き上げになります。40代の夫婦と子ども2人の世帯では、保険料は51万9270円で1万1949円の値上げです。
 4月からの協会けんぽの保険料は、東京都の場合、介護保険料のかからない世帯では0.03%、かかる世帯でも0.02%の引き下げとなっており、国保加入世帯との保険料の格差はますます広がります。また、子どもの均等割保険料については、国が未就学の子どもの半減を打ち出しましたが、実施は2022年度からで、新年度は所得のない子どもにも一人当たり5万2千円もの過酷な保険料が課されます。
 また、短期保険証は331世帯、資格証は22世帯に発行されて医療を受ける権利が制限され、保険料の滞納率は25.4%となっていることからも、保険料の値上げはやめ、誰もが無理なく払える保険料にすべきです。
 今回の保険料改定では、保険料引き上げの激変緩和策として23区が行っている一般会計からの繰り入れを納付金の3%に減らす予定を先延ばしし、今年度と同じ4%としましたが、高すぎる保険料をさらに今後、引き上げる方針は何ら変更されていません。
 被保険者には自営業者や非正規雇用の労働者など低所得の方が多く、くらしはコロナ禍でいよいよ厳しさを増しているのに、無慈悲に保険料を引き上げることは、社会保障としての国保制度の否定につながるものであり認めることはできません。

 日本共産党が提案した修正案は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げる第一歩として、子どもの均等割を全額免除するとともに、低所得者の均等割軽減率を1割上乗せして保険料を軽減するもので、2億4040万4千円の財源で実現できます。コロナ禍のもとで、所得が少なくても安心して区民が医療にかかれるようにするための修正案であり、直ちに実施すべき提案として賛成します。
 以上、国民健康保険事業会計予算の原案に反対し、日本共産党渋谷区議団が提出した予算修正案に賛成する討論とします。

予算特別委員会 討論 介護

2021.3.24 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第16号 令和3年度渋谷区介護保険事業会計予算の原案に賛成の討論をおこないます。
 渋谷区は、第8期介護保険事業計画期間の介護保険料について、基準保険料を据え置くとともに第1、第2段階及び第6、第8段階の保険料を引き下げる案を示しました。引き下げ額は、第一段階で3600円、第二段階で3500円、第6段階で3600円、第8段階で10700円となり、1万8191人、41.4%の被保険者の介護保険料が引き下げられます。第8期計画等の住民説明会やパブリックコメントでの多くの区民の声や、昨年第4回定例会に提出された、低所得者の介護保険料の引き下げを求める請願など、区民の強い願いに応えて、介護給付費支払準備基金を5.3億円活用するなどにより、保険料を引き下げたことは、介護保険制度発足以来7回の改定で初めてであり、区民のくらし・福祉を守る区政の役割を発揮したものとして高く評価するものです。
 政府も、2020年度から低所得段階の保険料軽減を国費で実施しており、低所得世帯にとって負担の限界で、重い介護保険料であることを認めているのです。低所得世帯にとって現在の保険料は限界であることを深く認識し、今後の保険料についても低く抑えるべきです。
 また、保険料と同様に困窮する高齢者のために、住民税非課税世帯の利用料の負担軽減を実施すべきです。
 さらに、安い報酬で介護事業者を苦しめ、軽度者の介護を受けにくくする総合事業の緩和サービスAの単価を国基準にすること、現在2名しか利用のない介護職員宿舎借上げ事業の要件緩和と改善、8月から制度改悪される補足給付で100人、高額介護サービス費の年収要件引き上げで532人の利用者が負担増となることから、実施の中止を国に求めるとともに、区として負担増を回避する施策を求めて賛成の討論とします。

予算特別委員会 討論 後期高齢者

2021.3.24 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第17号 令和3年度渋谷区後期高齢者医療事業会計の予算原案に反対の討論を行います。
 新年度の予算では、後期高齢者医療保険料の改定はありませんが、高齢者を差別し高い保険料を押し付ける医療制度に対する国民の強い反対のもとで、国が実施してきた元被扶養者などへの軽減特例が完全に廃止され、新年度、7.75割軽減だった方が、7割軽減となります。軽減特例の廃止によって3093人の方々が、3308円の保険料値上げとなります。
 さらに国は単身者で年収200万円以上、夫婦で年収320万円以上の方の医療費窓口負担を原則2割に倍増することを狙っていますが、高齢者がますます医療を受けにくくするもので、絶対に認められません。そもそも、医療にかかる機会が多い高齢者だけを別の保険制度に囲い込み、高い保険料と給付抑制を押し付けるこの制度そのものを廃止し、国の責任で高齢者が安心して医療にかかれる制度設計をすべきです。
 以上、後期高齢者医療事業会計の予算原案に反対の討論とします。

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