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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ区議団長は12月12日の本会議で、渋谷社会保障推進協議会などから提出された「国民健康保険料を引き上げないことを求める請願」について、日本共産党区議団を代表して、賛成討論をおこないました。表決結果は、日本共産党、立憲国民、無所属3人が賛成しましたが、自民、シブヤ笑顔、公明、無所属1人の反対で残念ながら不採択となりました。

国民健康保険料を引き上げないことを求める請願 賛成討論

2023.12.12 牛尾

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題になりました、国民健康保険料を引き上げないことを求める請願について、賛成討論を行います。

 本請願は、来年度の国民健康保険料の引き上げをしないこと、国と都に財政処置を求めること、子どもの均等割軽減について18歳まで対象にすることを求めています。

 請願に賛成する理由は第一に、今でさえ高い国民健康保険料を引き上げれば、区民のくらしが破壊されるからです。
 今年度の国保料は、一人当たり14万3078円で3987円の値上げとなり、区には前年を上回る問い合わせや苦情、相談が寄せられました。党区議団が行ったくらしのアンケートで、国保の問いに答えた9割の方が国保料が重いと回答しています。
 来年度の保険料については、11月26日に開かれた東京都国保運営協議会で、仮係数にもとづく各区市町村の納付金額が示されました。それによると、渋谷区の場合、一人当たりの負担増は、1万7313円、8.36%の引き上げで、22万4317円になります。すでに国は、医療分の最高限度額を2万円引き上げ、89万円にすることを決めました。国保に加入しているのは、社会保険に加入できない非正規労働者、中小自営業者、年金生活者など、所得の少ない方々が多くを占めています。今年の最低賃金の引き上げ率は4%にも満たず、中小事業者の営業はコロナ禍前の水準に回復しておらず、年金も物価高騰に追い付いていません。さらに昨年来の物価高騰で、国保加入者、とりわけ低所得者のくらしが困難になっているときに、保険料のこれ以上の引上げを行うことは認められず、やめるべきです。

 第2の理由は、高い保険料を是正することを国に求める意見が、地方自治体からも出されているからです。
 国民健康保険料は、平均給付額が高く、低所得者が多いうえに事業者負担がないという構造的な問題を抱えており、公費による支えなしに運営維持できない医療保険制度です。しかし、国は1984年の法改正以来、国の負担率を引き下げて責任を後退させてきました。このため、国民健康保険料は、他の医療保険制度と比較しても、一段と高い保険料となっており、今年度の協会けんぽと比較すると、全体で約1.7倍、子どものいる世帯では約2倍となっています。年収と家族構成が同じであっても、これほどの格差が生じている現実は、国の制度設計と財政負担の削減によるものであり、保険料の格差を是正する一番の責任は、国にあります。
 23区特別区長会は、保険料負担を国の責任で軽減することを求め、11月16日に厚生労働大臣あての「国民健康保険制度の見直しに関する提言」を提出しました。その内容は、①被保険者の低所得化や1人当たり医療費増による保険料増は、個々の自治体の努力だけで解決できることではないから、国民健康保険財政基盤の更なる強化及び国庫負担割合の引上げを実施することにより、制度の維持を図ること、②所得基準が低い被保険者が増えていく現状を踏まえ、低所得者の負担軽減を図ること、③子どもにかかる均等割額の軽減措置については、軽減対象を現行の未就学児までという制限を撤廃すること及び、公費による軽減割合の拡大を実施すること、などを求めています。
 区市町村国保を運営する保険者からも、国の責任で被保険者の負担能力に見合った保険料にする必要性が述べられており、国は地方からの要望にこたえるべきです。

 第3に、都や区も、保険者として、保険料を引き上げないための対策が求められているからです。
 東京都は、国保運営方針の見直しの中で、区市町村が行っている保険料軽減のための一般会計繰入をなくすよう求めていることは認められません。また、国保の財政運営を担う保険者としての責任を果たすため、国保へのさらなる財政支出を行うべきです。
 渋谷区は保険料を決定する権限を持つものとして、一般会計からの繰入で保険料を引き上げないようにすべきです。
 均等割保険料については、国保にしかない制度で保険料格差の大きな要因になっているだけに、国に廃止を求めるととともに、子どもの均等割保険料は、ただちに都と区の負担で無料にすべきです。
 以上、請願の採択に賛成する討論とします。

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