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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ区議団長は、11月27日の第4回区議会定例会の本会議で、長谷部区長、伊藤教育長に対して、日本共産党区議団として一般質問をおこないました。

第4回定例会 一般質問

2025.11.27 牛尾

 私は日本共産党区議団として、区長、教育長に質問します。

1,国民健康保険について
  わが党区議団が8月から行った、「くらし・区政についてのアンケート」では、国保料が重い、やや重いと感じる人が8割に上っており、「年金生活者にとって保険料値上げは堪える」など、切実な声が寄せられています。保険料率をみても、協会けんぽが約5%なのに国保の場合は所得の10%プラス1人6万4千円の均等割りで、その差は歴然としています。
 区長は、国保料が高いという区民の痛みをどう受け止めているのか、認識を伺います。
 東京都の国保運営協議会に、来年度の仮係数による保険料率が示されました。
仮係数の算定で見込まれた一人当たりの保険料はいくらで、引き上げ率は何%になるのか、伺います。
 来年度の保険料引き上げには、国が進める国民負担増の施策が反映しています。
 都道府県ごとの標準保険料率に統一するために、区が独自に行っている一般会計からの繰り入れを減らすことなどによる引き上げ額と、来年度から新たに保険料に上乗せされる子ども・子育て支援金の負担増は一人当たりいくらになるのか伺います。
 区長は議会答弁で、国保は相互扶助の制度だと言いましたが、単なる助け合いではなく、すべての被保険者に医療を受ける権利を保障する社会保障制度です。
 国保が高い保険料となる根本原因は、年金生活者や退職者、非正規労働者が多数で給付が多いにもかかわらず、所得が少ない人が多く加入している医療保険制度だからです。負担能力に応じた保険料にする責任は、国と都、区にあります。
 区長は、医療に対する公的責任を果たすためにも、国の負担割合の引き上げと、都の財政負担の拡大を求めるべきです。また、区も一般会計からの繰り入れを増やして保険料を他の医療保険料並みに引き下げるべきと考えますが、見解を伺います。
 均等割保険料は、加入者の人数に応じて賦課される国保にしかない仕組みで、応能負担に逆行する大きな要因です。
 区長は、低所得でも重い負担となる均等割り保険料についてどう認識しているのか伺います。所得ゼロでも課せられる均等割りの廃止を国に求めるとともに、緊急の課題として、区が子どもの均等割保険料をゼロにすべきと考えますが、区長の見解を伺います。

2,教育について
 憲法は、子どもの教育を受ける権利を保障するために、国に義務教育の無償を命じ、保護者に就学義務を課しています。すべての学齢児に普通教育を保障することを、区の教育行政の基本に据えることが、何よりも重要です。

少人数学級と教員配置の充実を
 今、渋谷区に求められているのは、人格の完成を目指し、すべての子どもが安心して通え、学ぶ喜びを実感できる教育環境を整備することです。
 そのためには、一人ひとりの子どもにしっかりと向き合えるような教員の増員と少人数学級が必須です。文部科学大臣が10月17日の定例記者会見で、中学校の35人学級を来年度から順次実施することを表明しましたが、世界から見れば、まだまだ立ち遅れており、さらに小中とも30人学級を目指すべきです。
 国と都に対し、ただちに中学校全学年の35人学級を実施し、さらに30人学級へと進むよう求めるべきです。また、本格的な少人数学級は、子ども全員が主体的に参加する授業に変える、学級の雰囲気が落ちつく、インクルーシブ教育への可能性が広がるなど、教育に新しい可能性をもたらすだけに、区としても30人学級に必要な教員を配置して、独自に実施すべきです。教育長の見解を伺います。

不登校児童・生徒などへの支援について
 渋谷区では、昨年度、年間30日以上欠席した不登校児童・生徒数は小学生が178人で2・36%、中学生が169人で8・46%でした。全国では35万人を超え、12年連続の増加です。日本共産党は、5月に「不登校についての提言」を発表し、第一に不登校の多くは「心が傷ついた状態」「命の問題」であるとして、子どもと保護者への支援の強化、第二に、過度な競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校をつくることを提案しました。
 NPO法人多様な学びプロジェクトの調査によれば、不登校の子どもがうれしかったことの第1位は、「不登校を認められる・理解される」で34・5%でした。何よりも子どもの心の傷への理解と休息・回復の保障が必要です。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門職員がいつでも対応でき、継続した支援がきわめて重要です。
 スクールカウンセラーは、各校に都の週1回7時間45分と区の週1回6時間が派遣され、昨年度の延べ相談件数は、6895件でした。文部科学省は、相談のほかに、校内会議などへの参加、教員や児童生徒への研修や講話、相談者への心理的な見立てや対応、ストレスチェックなどの予防的対応、事件・事故などの被害児童生徒の心のケアを業務に挙げており、学校運営に欠かせない役割を果たしています。
 スクールソーシャルワーカーは、2023年度から、週1日3時間学校に配置するようにしたため、相談件数は、1756件から2591件に増加し、保護者からの相談は前年度の約3.5倍になったと教育委員会で報告されました。委員からは、週1日3時間だと少なくないかと質問が出され、教育センター所長は、「学校のオーダーや現状を踏まえて、今後の体制を考える必要はあると思う」と答えています。
 また、今年3月の文科省委託調査の報告でも、常時配置・長時間配置ほど、不登校好転率が高いという結果が得られていると結論付けています。
 各学校に派遣するスクールカウンセラーは、東京都が会計年度任用職員として採用しているのに対し、区は報償費が支給されるだけで有給休暇も賞与も身分保障もありません。子どもたちに寄り添い継続的に支援できるよう、各校に常勤配置すべきです。また、スクールソーシャルワーカーも会計年度任用職員から常勤職員にして、相談・支援体制を強化すべきと考えますが教育長の見解を伺います。

学校施設の建て替えについて
住民参加で計画の具体化を
 日本共産党区議団は、「新しい学校づくり」整備方針に基づく各校の建替えについては、一貫して子どもの教育条件を第一に、広く住民に知らせ、意見を反映した計画づくりを求めてきました。準備委員会の資料の公表とアンケートの実施は一歩前進ですが、何よりも周知が不十分なためにアンケートを実施しても回答は、広尾中11人、松濤中24人、代々木中14人などわずかです。これで、今後50年以上子どもたちの使う学校建替えが進められていいとは到底言えません。学校は子どもたちの学びの拠点とともに、地域コミュニティや防災のかなめだけに、準備委員会での議論をすみやかに区民に伝え、意見が反映される仕組みにすることが必要です。
 教育委員会の責任で、準備委員会の資料は会議後ただちに、会議の結果も早急に作成してニューレターやホームページで公表し、説明会は、学区域のすべての希望する区民が参加できるように周知すべきです。教育長に伺います。

小中一貫校の押しつけはやめるべき
 原宿外苑中のアンケートには145人の回答がありましたが、一貫教育や計画に賛成と答えたのは9人で、2倍以上の19人が反対と意思表示し、117人は賛否を表明しないと聞きました。回答者の多くが一貫校の是非を判断できる情報を持ち合わせていないことが示されています。しかも、反対意見の中には、歴史ある千駄ヶ谷小学校をなくすのは反対、2校を一体にすることへの狭さへの懸念など、統廃合自体に反対する意見や、小中一貫教育や一貫校の必要性への疑問も寄せられていると聞いています。
 そもそも、小中一貫教育は、特徴ある学校づくりの中で示されたメニューの一つにすぎず、その効果が検証されたものではありません。しかも原宿外苑中や、鉢山中は、渋谷本町学園と異なり、複数の小学校から入学する児童がいるため、一貫教育とならない児童との差を区の側から作り出します。しかも、一旦一貫校化されれば、後戻りはできません。
 地域住民の議論も合意もない統廃合はやめ、原宿外苑中と千駄ヶ谷小学校、鉢山中と猿楽小学校の小中一貫校化は、白紙に戻すべきです。区長の見解を伺います。

プールのない学校はなくすべき
 区は、昨年1月の文教委員会で、松濤中学校や代々木中学校にはプールを整備しないことを明らかにしました。今後は屋内プールを造り、金額も高いので全ての学校に設置をするのではなく、バランスよく限られたところに設置をしていくとの区の考えも示されました。
 プールを設置しないことがいつ、どこで、どういう議論が行われ、決定されたのか、保護者や住民にはいつ、どのようにして知らされたのか、また意見を聞いたのか、区長に伺います。
 松涛中の建替え準備委員会では、まともに議論された形跡はありません。学校建替えニュースレターでは、第5号までは、屋内プールを予定し、アンケートでは、「プール、グラウンドなど運動施設の充実」を求める回答が3分の2もあるのに、第6号で「コスト面の課題等から設置を取りやめることとなりました」としか説明がありません。また、松濤中のプールの授業は、神南小学校のプールを利用し、生徒は徒歩で移動するとしていますが、往復の移動時間は、授業時間が削られることになります。
 そもそもプールの授業は水難事故から命を守るためのカリキュラムとして、学習指導要領で年間10時間と定められているのです。党区議団のアンケートでは、「水泳の授業に支障が出るので全校に設置すべき」が回答者の5割を占めています。
 子どもの命を守るための授業を、経済的理由で制約する整備は認められません。プールでの授業や部活動が学校内でできるよう、プールは全校に設置すべきです。区長に伺います。

3、気候危機対策
 「パリ協定」では、産業革命後の世界の平均温度上昇を1・5度以内に抑える努力を追求することを掲げましたが、すでに昨年の温度上昇は1・55度となっています。今月11日からブラジルのベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)では、目標達成に向け、温室効果ガス排出削減の取り組みを加速させることで合意しました。
日本はこれまで大量のCO2を排出してきた責任と排出削減できる能力があります。政府は2035年までの目標を、経団連の提案どおりの60%にする消極的な削減目標しか提出しませんでしたが、科学者のプロジェクト「クライメート・アナリティクス」は、13年比81%削減を提言しています。
 区長は、地球温暖化の現状と政府の姿勢を、どう見ているのか伺います。また、政府に対し、石炭火力からの即時撤退と危険な原発再稼働を中止し、日本の再生可能エネルギー活用などの技術力を生かして、1・5度目標に整合し、さらに高い削減目標を掲げ、施策を推進するよう求めるべきです。合わせて伺います。
 区としても、温暖化対策を進めることは待ったなしです。渋谷区は、23区で唯一2050年ゼロカーボン宣言を行っていません。区長は、区民の機運が高まった時が宣言のタイミングとしていますが、気候危機打開への責任を放棄するもので許されません。今、区に求められているのは、危機を深刻に受け止め、現状打開に力をつくす発信をすることです。
 ただちに2050年ゼロカーボン宣言を行うとともに、区民、事業者と協力して取り組むために、地球温暖化防止条例を制定し、区の姿勢を示すべきです。区長の見解を伺います。
 温暖化対策の具体的施策として、区施設の100%再エネ化を目指すべきです。直近の再エネ化率は何%なのか、またいつまでに達成するつもりなのか伺います。
 また、区内企業とCO2削減協定の締結、建物の長寿命化を図り開発を抑制すること、さらに、小規模事業者や区民のCO2削減の支援を具体化すべきです。区長に伺います。

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