2025年4定本会議 議案第74号 きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例の一部を改正する条例への賛成討論
2025.12.10 牛尾
私は日本共産党渋谷区議団を代表して、議案第74号 きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例の一部を改正する条例の原案に意見を付けて賛成する討論を行います。
提案されている条例改正の趣旨は、美しくきれいなまちづくりを進めるために、繁華街等のごみのポイ捨ての多い地域を重点区域として、飲食料販売事業者等に回収容器の設置を義務化するとともに、これに従わない事業者やポイ捨てを行った者に対して、過料を徴収しようとするものです。
区内では、渋谷駅周辺などの繁華街を中心に、来街者の急増に伴い、ポイ捨てが目立つようになっています。町の美化が損なわれている現状は放置できず、これまでの各地区の美化推進委員会の啓発や清掃だけに頼るのではなく、区としての対策の強化が求められていることから、条例改正の必要性は理解し賛成するものです。
同時に、条例で規定している、「空き缶等の投げ捨ての防止…に必要な事項を定め、美しく健全なまちづくりを総合的に進める」という目的を損ねるような運用は避けなければなりません。そのために、改正条例の運用にあたっての意見を述べます。
第一に、住民や来街者への周知啓発を何よりも優先し、ごみの投げ捨てを未然に防ぐ対策を抜本的に強化することです。
条例改正にあたって、区が行った調査の結果、ポイ捨ては繁華街とその周辺に多く見られ、外国人が約半数で、「ごみの捨て場がなかった」という理由が多かったとのことでした。このため、区としてごみ箱の設置を検討していると言いましたが、改正条例施行までに実現すべきです。
住民や来街者に対する周知啓発では、区のメディアを活用するとともに、特に来街者が渋谷に訪れた際に目につく多言語での表示など、効果的な周知啓発に取り組むべきあり、観光協会や旅行業者にも協力を求め、東京都にも、広域行政としての役割を果たすよう働きかけるべきです。
第二に、重点地区に予定している渋谷、原宿、恵比寿駅周辺500mの区域内の飲食販売業者に義務付ける回収容器の設置と違反者への過料については、営業実態からみてポイ捨てされるような実態がほとんどない店舗や、店舗等の面積が狭く設置が困難な事例に対しては、助言を含めた丁寧な指導を行うよう求めます。
第三に、ごみのポイ捨てを行った者に対する対応です。条例で過料を定めている自治体でも、今年度に実際に過料を徴収したのは、札幌市で9件、北九州市で2件にすぎません。当区の条例も、ポイ捨てを行った者に対し、過料を科すこと自体が目的ではありません。路上などで飲食していたり、ごみとなるものを手に持っている人などには、まず、未然防止のための声かけを行うとともに、過料を求める際にも、渋谷区をきれいなまちにするために、来街者にも協力を求める趣旨であることが伝わる運用をすべきです。
第四に、過料徴収の効果を検証するために、実施後も定期的にポイ捨ての状況を調査し、過料のあり方や、有効な方策を幅広く検討することを求めます。
以上4点を意見として述べ条例に賛成する討論とします。