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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

五十嵐千代子議員は3月19日、区議会第1回定例会の予算特別委員会で、長谷部区長の「令和8年度渋谷区一般会計予算、同国民健康保険事業会計予算に反対し、両予算に対する日本共産党渋谷区議団の修正案に賛成する討論を行いました。

26年度渋谷区予算特別委員会 反対討論

26/3/19 五十嵐

 

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、只今議題となりました議案第19号

令和8年度渋谷区一般会計予算、議案第20号 同渋谷区国民健康保険事業会計予算について、日本共産党渋谷区議団が提出した予算の修正案に賛成し、原案に反対の立場から討論します。

 長引く物価高騰で多くの区民のくらしと中小事業者の営業が脅かされています。それに加え、イランに対するアメリカとイスラエルの攻撃が招いたホルムズ海峡の閉鎖による原油価格の高騰がさらに深刻な影響を与えかねません。
 それだけに渋谷区の新年度予算は、くらし、福祉、教育最優先に変え困っている人すべてに行き届く施策が求められています。
 しかし区長提案の予算案は、56億円もの税収増を見込みながら、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の大幅値上げと、敬老祝い金の復活に背を向けています。
 その一方で渋谷駅周辺再開発事業には17億円、住民合意のない玉川上水旧水路緑道再整備工事に36億円もの税金を投入することは許されません。わが党区議団のアンケートには、敬老祝い金の復活を求める高齢者の声、子育て世帯からは、小中学生の移動教室や修学旅行費、標準服の費用助成など教育費負担の軽減を求める声、若者や子育て世帯からは高騰する賃貸住宅の家賃助成を求める切実な声などが寄せられています。こうした区民の声にこたえない予算を認めることできません。
 以下新年度一般会計予算の問題点を指摘します。

 

[経営企画部]

⚫︎渋谷未来デザイン

 一般社団法人渋谷未来デザインは、2,527万7千円を計上しています。区から派遣している職員3人分の共済費365万円と退職した区の幹部職員の報酬1,054万円などです。
 未来デザインは、区が7,000万円を出資し官民共同で設立したもので、区民の公共財産を活用し新たな収益事業をおこし出資企業に儲けをあげさせる団体です。
 民間企業の利益のために区民の税金や職員、財産を差し出すことは自治体の役割ではありません。しかも、未来デザインの各事業の詳細は、議会にも報告されず、議会や住民の目が届かないことは問題です。自治体本来の役割を逸脱した税金投入は認められません。

⚫︎インクルーシブセンター管理運営では、

 アイリスの「なんでも相談」も「にじいろ相談」も月2回で、予約が必要です。世田谷区では土日も含めて週5日で平日は夜間も対応しています。アイリス相談員は全員会計年度任用職員で最長11年間勤務しています。渋谷区でも、困難な問題を抱える女性への支援を強化するために、世田谷区なみに相談日を増やすとともに、専任の女性相談員を常勤で配置し体制を強化すべきです。

⚫︎人権尊重社会推進では

・渋谷区男女平等・多様性推進行動計画の2026年度目標に対して現状は、女性幹部比率30%に対して26%、審議会女性比率40%に対して33.5%であり、到達が明確でない項目もあります。直ちに調査し、次期計画では、東京都の計画にある男性の育休取得率、家事・育児関連時間の男女差や男女賃金格差を政策目標に掲げるとともに、女性幹部比率も審議会の女性比率も50%に引き上げるべきです。
・生理用品の無償配布の実証実験は、庁舎をはじめ22施設で実施し、利用数は庁舎で7049個、全体14,485個で、アンケート結果も「必要な時にあってよかった」など好評でした。厚労省の調査では、生理用品の入手に苦労した方は、10~20代で13%にも達しており、女性の人権尊重の立場からすべての公共施設と、小中学校トイレに配置すべきです。

⚫︎職員人件費

・人事事務で、派遣職員の委託料に1億8484万円計上していますが、派遣会社のマージン率として、保育士32.8%、事務35.7%が派遣会社に支払われています。本来、臨時的な雇用は、会計年度任用職員として採用すべきです。公務職場は、災害やパンデミックへの対応など区民のくらしを守る上で欠かせないものです。急な職員の需要にも対応できるよう、平時から余裕を持った定数配置にすべきです。
・職員の育休取得率は、2025年度で、女性は100%、平均取得日数564日に対して、男性は、75%148日にとどまっています。男性も育休を取得しやすい職場環境に改善すべきです。

 

[危機管理対策部]

⚫︎国は、避難生活の「取組指針」等を、スフィア基準並みに引き上げました。区も避難所備蓄に、液体ミルク、授乳服・パッド、乳幼児用段ボールベッド等を配備したことは評価しますが、さらにプライバシーの確保のための簡易テントや仮設トイレ、シャワー、仮設風呂の増設も必要です。
 現在の地域防災計画は、発災後4日目で3万5千人を避難所で受け入れる計画です。この計画では1か所1000人超となり、政府方針にもとづいて一人当たりの面積を現在の1.65㎡から3.5㎡にすると、1万7500人しか収容できません。ジャイカやオリンピックセンターなど避難所を増やそうとしていますが、不十分です。在宅避難を原則とする地域防災計画に抜本的に改定し、情報提供や備蓄品の支援などを盛り込むべきです。すでに文京、中央、世田谷、港区などで実施している、在宅避難の周知啓発、備蓄を支援するギフト付き防災カタログの全戸配布を実施すべきです。

 

[産業観光文化部]

⚫︎中小企業振興

 商店街活動助成では、新たに街路灯の点検費用として2591万円を計上しました。街路灯維持管理費補助は、2023年度に1本当たり1万1000円に引き上げましたが、電気代値上げの影響などで昨年度は63商店会中50商店会が区の補助で賄いきれず、負担している商店会数が増えています。商店会の街路灯は、町の安全のためにも大きな役割を果たしているだけに、その電気代は全額区が負担すべきです。
 また、新年度予算では、地域経済活性化事業のハチペイに今年度比2億3,242万円増の19億3900万円余が計上されています。増額の太宗はキャンペーン原資増ですが、利用者は、2月末時点で約7万人の区民と区外の利用者に14億6000万円もの税金を還元することは、全区民の理解を得られるか疑問です。物価高騰対策や事業者支援として実施するならば、誰でも利用できる紙の商品券やクーポン券などと併用して行うべきです。

⚫︎グローバル拠点都市推進事業

 今年度からスマートシティ推進機構と渋谷スタートアップデックを統合して一般社団法人渋谷国際都市競争機構が設立され、スマートシティ推進事業と、グローバル拠点都市推進事業を担うことになりました。行政情報を開示するシティーダッシュボードは、個人情報の保護と区民の知る権利の保障を第一にすべきです。
 グローバル拠点都市推進事業には、全体で1億9452万円が計上され、事業経費は1億7800万円弱ですが、グローバル化の事業区分に8200万円余を費やしているように、海外からのスタートアップ招致に多くが当てられていることは基礎的自治体が担うべき事業とは言えず、認められません。

 

[都市整備部]

⚫︎住宅対策

 住まいは住民生活にとって必要不可欠なものだけに、区の住宅対策の基本として、だれもが安心して区内に住み続けることができるよう、公営住宅の提供と家賃補助の2つを柱にして進めるべきです。しかし、渋谷区は、住宅マスタープランの中間見直しでも、すでに住宅費が高騰し始めているにもかかわらず、低所得世帯向けの公営住宅の増設計画も、縮小され続けている家賃補助の復活、拡充も盛り込みませんでした。このため、新年度予算には、住宅整備費は全く計上されず、家賃補助の予算もわずか1680万円で、減少する一方です。
 質疑の中でも住み替える方の家賃は平均で8~10万円が多いとされていますが、わずか1万円の助成では、自己負担が大きく増えることになります。
 実態にあわせて助成額の引き上げと、かつて実施した若者や子育て世帯の家賃補助を復活するとともに、都営住宅の移管を含め区営住宅の増設に踏み出すべきです。

 

[まちづくり推進部]

⚫︎渋谷駅周辺整備

 渋谷駅中心五街区整備事業には、駅街区北側自由通路に2億9800万円、南口北側自由通路に10億7811万円の税金が投入されます。
 駅街区北側自由通路整備に対する区の負担は、当初の40億円から52億円に増額されましたが、第4回目となる今年度の見直しで、60億円にさらに引き上げられました。
 また、南口北側自由通路は新年度で完成が予定されていますが、区の負担は累計で16億7830万円となる見込みで、整備費の6割を占めることになります。
 これらの経費は本来、鉄道事業者や再開発事業者が支出すべきものであり、自治体が多額の税金を投入すべきではありません。

 

⚫︎神南二丁目西地区市街地再開発事業

 歳入の寄附金で18億円が見込まれていますが、これは神南二丁目西地区第一種市街地再開発の事業者が区道の所有権を得る対価として区に寄付するものです。区は、市街地再開発事業の権利変換処分によって区道の権利を事業者のものとするため、売買の財産収入でなく、寄付として計上していると言っていますが、そもそも市街地再開発事業の手法を使って、神南小学校の建て替えを民間の再開発に委ねる手法が問題であり、神南小学校は区が直接責任をもって建て替えるべきです。

 

[土木部]

⚫︎コミュニティバス運行事業

 新年度予算で運行経費補助を恵比寿代官山と神宮の杜ルートは約15%、本町・笹塚と上原・富ヶ谷ルートは約30%引き上げましたが、近い将来は厳しいとしています。交通弱者の福祉施策としての位置付けにふさわしく、引き続き現行の運行体制を維持するとともに、シルバーパスの利用を可能とするなどの改善を図ることを求めます。

 

⚫︎玉川上水旧水路緑道再整備

 玉川上水旧水路緑道公園整備事業の予算は総額36億7721万円余が計上されています。内訳として、公園設計に3億1600万円、発注者支援業務に2億4800万円など委託費として5億9400万円、今年度中に契約する工事費に18億8千万円と、新たに発注する笹塚緑道、代々木緑道とトイレ、管理棟、倉庫など10施設の工事費に12億円の工事請負費として30億8千万円を計上しています。

地域住民は、日本イコモス国内委員会に、区が進める玉川上水旧水路緑道再整備のへの評価と意見を求めました。今年1月には6項目の提言が示され、区長は、傾聴に値するとしたものの、すでに契約済みの工事や、今後の具体的な計画変更について明らかにしておらず、住民の納得は得られていません。こうしたもとで、再整備をさらに強行する予算は認められません。

 

[環境政策部]

⚫︎ふれあい植物センター運営

 ふれあい植物センターは、指定管理料に5,496万円、飲食・物販の業務委託料として7,486万円、農園ハウスの運営に3,456万円など、1億7,213万円が計上されています。このうち1億500万円は運営に携わる32人分の人件費で、総額の6割を占めています。飲食・物販と農園ハウスは区が直営でするため6362万円を負担しますが、その歳入は4580万円にすぎません。これでは、指定管理や受託者であるNPO法人支援の事業と言われかねません。
 ふれあい植物センターは、清掃工場の還元施設であるだけに、その在り方は住民参加で検討すべきです。

 

⚫︎温暖化対策

 世界の平均気温は、パリ協定で合意した産業革命前との比較で1・5度以内に抑える目標をすでに上回っていることが明らかになっています。区の温室効果ガスの削減目標は、国や都の不十分な目標に合わせたにすぎず、環境基本計画の見直しでも引き上げられませんでした。
 新年度の具体的な施策も、再エネ100%電力への切り替え助成や、エネファーム購入費助成が継続されるものの、住宅太陽光発電助成や総合相談窓口も未実施で、23区の中でも遅れを取っているのが実態です。
 区は、2050年ゼロカーボン宣言を直ちに行ない、温暖化防止条例を制定するとともに、分野別の削減目標と排出量、対策を明確にし、実現に向けた施策を具体化すべきです。

 

[学びとスポーツ部]

・幡ヶ谷社会教育館は、6月末に閉館するため、廃止条例が昨年強行されましたが、多くの利用者・区民は引き続き建て替え中も建て替え後も社会教育法に基づく教育施設として残すことが強く求めています。24年度の決算でも区内5カ所の社会教育館の内、幡ヶ谷社会教育館の利用者は61,697人で全館利用者の26%に上っています。
 また、社会教育施設の役割については、社会教育法が年々強化され、対象者も生涯教育の青少年から成人だけでなく乳幼児対象の体験教室も社会教育として位置づけられました。さらに「体育、レクリエーション活動」もスポーツ、レクリエーションだけでなく、様々な年代の体験活動や社会貢献活動も含まれます。社会教育施設の利用は、未就学の子どもから高齢者まであらゆる年代の人が無料で利用できる教育施設であり、国と区には、社会教育を公平、公正に行う任務が課せられています。幡ヶ谷社会教育館をあらゆる年代の教育施設として維持・存続すべきで廃止することは認められません。建て替えに当たっては、本町の仮設施設が利用できるまでは現在の社会教育館を改修して、区民が切れ間なく活動できるようにすべきです。

・中学校部活動の地域移行についてのパブリックコメントが行われましたが、提出は6件のみで全保護者、関係者等に周知されているとは言えません。今後直接学校単位等で保護者や教職員・関係者、生徒が対面で参加できる説明会等を開くべきです。
 また、保護者負担は現在平均して年間5,000円程度ですが、10年度の本格実施以降については年間24,000円から36,000円で現在の5倍から7倍の負担増になります。公教育の一環として実施してきた中学生の部活動に新たな保護者負担の増大や、子どもの参加を狭めるようなやり方は認められません。負担増はやめるべきです。

 

[子ども家庭部]

・区立保育園の新年度保育職員の募集は35人ですが、10人欠員となっています。初任給に限っては区内の民間保育施設のほうが高いケースもあります。保育士からは、「教材準備、事務作業が勤務時間内にできない」「時間に追われ心もからだもぼろぼろ」「このままではやめていく保育士があとを絶たない」などの悲痛な声が上がっています。保育士の労働条件を改善すべきです。
 また、区立保育園は18園ありますが、今後10年以内の改修予定は幡ヶ谷保育園一か所で、富ヶ谷、笹塚、千駄ヶ谷、本町の4保育園は、対応方針の検討をするだけになっていることは認められません。
 区立保育園はコロナ禍でも休むことができない保護者のために開園し続けるとともに、配慮の必要な子どもの受け入れなど公的保育の要としての役割を発揮してきました。直ちに改修や延命化工事の必要な施設から工事計画を具体化するとともに、順次子ども一人当たりの施設面積と保育士配置基準を国際基準に合わせ改善すべきです。

 

[教育委員会]

・教育費の負担軽減についてです。

 国の教育費予算のGDP比は、OECD諸国平均に比べ、大幅に下回る4%程度で、北欧諸国の4分の1しかありません。この間、国の国公私立大学の補助金が削減され大学の授業料の値上げが相次ぎ、少子化を一層進める状況になっています。こうした中で、高すぎる教育費負担を家庭に追わせず社会全体で支えていく流れが広がっています。
 大学や高等専門学校などの進学を支える給付制奨学金制度が足立区を皮切りに品川、新宿、港、千代田区で実現しています。他区が高校生向けから対象を大学等に拡大し給付制の奨学金に改善している中で、渋谷区が貸付の奨学金を廃止したまま、家計の事情で進学をあきらめる子どもを救済しないことは許されません。給付制奨学金を実施すべきです。
 また義務教育無償化をさらに実現させようと葛飾、足立、品川、中野区は小中学校の移動教室や修学旅行、中学校の標準服や教材費などの保護者負担をゼロにする予算措置をとっています。わが党の試算ではこれらに必要な予算は約2億3000万円です。渋谷区でも実施すべきです。

・小・中学校建て替え計画で、千駄ヶ谷小学校と原宿外苑中学校、鉢山中学校と猿楽小学校、笹塚

 小学校と中学校を統廃合して、小中一貫校にしようとしていますが、住民合意も納得もない小中一貫校による統廃合は白紙に戻すべきです。 また、ロードマップの改定が報告され、一校当たりの建て替え期間を当初の3年から5年ないし6年に延長するため、工期設定の見直しが必要になったことと建築費も現在の見込みの1.5倍以上に増額が見込まれるとの説明がありました。学校は教育施設であるとともに地域のコミュニティ・災害時の避難場所としての役割があります。建て替え計画については、各学校ごとに説明会を行うべきで、建て替えありきではなく再生建築による長寿命化も選択肢として検討すべきです。建て替え計画を強行することはやめるべきです。

 

 一般会計の最後に当区議団が提案した修正案は、区長提案の72事業を修正し、税金の使い方を自治体本来の区民と滞在者の安全と区民のくらし、福祉、教育優先に切り替え、区民要望を実現する内容です。

 

 

国民健康保険事業会計予算

・8年度の国保料は、新設される「子ども子育て支援分」4,227円加えると一人あたり20万2,283円となり、7年度より1万95円、5.3%の大幅値上げになります。年収400万円の40代夫婦と学齢期の子ども2人世帯の国保料は60万3,279円で1万8,934円3.2%の値上げで2か月分の給料がなくなります。高齢者や非正規雇用で低所得の人が多く加入する国民健康保険料を大幅に値上げすることは受診控えを起こし、加入者のいのちを奪うことにつながります。国民皆保険制度を崩壊させることにつながりかねない大幅値上げは認められません。

 

 党区議団が提案した国民健康保険事業会計の修正案は、高すぎる保険料を引き下げるため、子どもの均等割りを無料にし、均等割り軽減割合を1割上乗せするために、保険料から2億4089万円を減額し、同額を繰入金で増額するものです。

 区としても収入のない子供と低所得者の保険料負担軽減を実施すべきです。

 

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