2026.3.23 牛尾
私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題になりました議案第9号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。
条例案の内容は、今年4月からの国民健康保険料の改定です。
保険料率は、医療分と後期高齢者支援金分の合計で、所得割を0・2%引き下げ10・31%にするものの、均等割を1100円引き上げ6万5200円にします。また、新たに子ども・子育て支援納付金分として所得割0・27%、均等割1800円を18歳以上の全員に賦課します。限度額は医療分を1万円引き上げて67万円とし、子ども・子育て支援金納付金分は3万円に設定されます。
40歳から64歳までの介護保険2号被保険者にかかる介護分は、所得割を2・43%に0・18%、均等割を1万7800円に1200円、引き上げます。
このほか、均等割軽減の対象となる世帯の所得を5割軽減で一人につき5千円、2割軽減で一人につき1万円増やします。
反対理由の第一は、今年度引き下げた保険料を再び引き上げに転じて、国保加入者のくらしを苦しめるからです。
新年度の保険料は、ほとんどの世帯で値上げとなります。渋谷区では、一人当たりの保険料は、介護分のかからない人は15万9674円で7001円、4・6%、介護分のかかる人は20万2283円で1万45円、5・2%の引き上げとなります。
年収400万円の40代夫婦と学齢期の子ども2人の勤労世帯の保険料は、60万3279円で、協会けんぽ加入世帯の2・5倍、世帯収入の15%もの負担になります。
昨年行った日本共産党区議団のアンケートでは、渋谷区政に求める施策のトップが国保料の引き下げでした。また、保険料の負担増だけでなく、政府が進める高額療養費やOTC類似薬の負担引き上げで、医療は生活が厳しい区民にとってますますかかりにくくなります。
物価の高騰でくらしの困難が増している今日、保険料の引き上げは、深刻な受診抑制につながり、いのちと健康をおびやかすもので認められません。
第2に、今回の保険料改定の主な要因が、子ども・子育て支援納付金分の新設によるものだからです。
子ども・子育て支援納付金は、子どもや子育て世帯を全世代、経済主体が支えるとして、医療給付とは全く関係のない経費を保険料に上乗せするもので、渋谷区では当初、一人あたり4227円で、2028年度まで段階的に増額されます。しかも、国保料の仕組みで賦課するため、均等割によりで収入がゼロでも徴収され、被用者保険の事業主負担分もなく、他の医療保険制度にはない負担の不平等がそのまま反映されます。子育て支援の財源は本来、国の税金で賄うべきで医療保険料への上乗せは認められません。
第3に、これまで特別区が独自に行ってきた納付金の一定割合を一般会計で補填する軽減策を段階的に減らし、新年度はゼロにするからです。
新年度の一人当たりの医療費総額は3・5%のマイナスと見込んでいますが、保険料は医療分と支援金分で2・5%のマイナスにとどまっています。これは、東京都の示す納付金に対し、国保財政の都道府県化以来、特別区が独自に行ってきた納付金の一部を一般会計で負担する保険料の軽減策が終了することが主な要因です。高い保険料を軽減するための公費負担を減らして保険料を引き上げることは認められません。
第4に、国保料を決める権限は自治体にあり、高すぎる国保料を引き下げることは区の判断で可能だからです。
名古屋市では、所得基準による均等割の減額制度の対象拡大と上乗せ、所得割額についても扶養家族などの独自控除や、所得が激減した場合の減額、さらに事業の休廃止で赤字となった場合の保険料軽減などを市独自に行っています。
また、18歳までの子どもの均等割全額免除は、茨城県取手市、栃木県足利市、福島県白河市、南相馬市などに続き、仙台市でも新年度から実施しようとしており、独自の軽減を行う自治体も各地に広がっています。
国は国保財政への法定外の一般会計繰入をなくすことを求めていますが、憲法が定める地方自治の原則から、自治体が福祉的施策として行う一般会計からの繰り入れを禁止することはできないことを認めています。特別区の統一保険料も区長会の申し合わせにすぎず、千代田、中野、江戸川区は独自に保険料を決定しています。区長は、特別区長会に保険料の引き下げを求めるとともに、区独自にも実施すべきです。
国保の被保険者は、被用者の協会けんぽへの移行が進む中で低所得化が進んでいます。保険料の引き上げは、加入者の医療を受ける権利を制限することに直結し、皆保険制度を行政の側から危うくするもので認められません。
以上、渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例に反対する討論とします。
2026.3.23
私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました議案第19号 令和8年度渋谷区一般会計予算について、反対の立場から討論します。
物価高騰で賃金も年金も実質低下が続き、区民の暮らしと中小業者の営業はますます厳しくなっています。さらに、アメリカ、イスラエルによるイランへの戦争で原油などの供給不安が日本経済を直撃し、物価をさらに押し上げています。渋谷区には、区民のくらしを守る自治体の役割を発揮することがかつてなく求められています。
ところが、区長が示した新年度予算案は、区税収入だけでも56億円も増え、過去最大の歳入が見込まれているにもかかわらず、くらしと営業に困っている人々に行き届く物価対策はほとんどなく、区民福祉の向上に背を向けるものと言わざるを得ません。
以下、予算に反対する理由を述べます。
第1に、区政が本来果たすべき、区民の暮らしを守り、中小業者を支援する役割に背を向けているからです。
区民の暮らしも中小業者の営業も、物価高騰で厳しさを増す中で、区民生活への経済的支援が強く求められています。しかし、予算は、低所得者への給付金や中小業者への直接支援など、物価高騰で困難となっている区民への独自支援はなく、くらしを圧迫する国保や後期高齢者の保険料引き上げをすすめています。
区長はハチペイのポイント還元を区民生活支援と言い、利用者増に合わせてキャンペーン原資を約2億円も増やし14億6千万円にしましたが、利用できる区民は約7万人だけで、一部の区民と区外の利用者への支援にとどまり、困っている人に行き渡りません。
物価高騰対策や事業者支援として実施するならば、誰でも利用できる紙の商品券やクーポン券などと併用して行うべきです。
商店街活動助成では、電気代値上げの影響などで、街路灯電気代が昨年度は63商店会中50商店会が区の補助で賄いきれず、自己負担する商店会数が増えています。商店会の街路灯は、町の安全のためにも大きな役割を果たしているだけに、その電気代は全額区が負担すべきです。
中小企業支援のあり方も問われています。グローバル拠点都市推進事業には1億9452万円が計上されていますが、その狙いは、海外のすぐれたスタートアップの招致が中心で基礎的自治体が行うべき中小企業支援とは言えません。党区議団が予算修正案で提案したように、光熱費や原材料費などの高騰で赤字となった事業者への支援や、小規模事業者への賃上げ支援を具体化すべきです。
教育費の重い負担が少子化をいっそう進めるなかで、大学生などへの給付制奨学金制度を実施する自治体がひろがり、23区でも足立区に続き、品川、新宿、港、千代田区で実現しています。ところが渋谷区は、貸付の奨学金制度を廃止しただけで、区民から寄付が寄せられても、家計の事情で進学をあきらめる子どもを救済しようないことは認められません。ただちに給付制奨学金を実施すべきです。
義務教育の完全無償化にも背を向けています。葛飾、足立、品川、中野区などが開始した小中学校の移動教室や修学旅行、中学校の標準服や教材費などの保護者負担をなくす施策を当区でも実施すべきです。
住宅はくらしに必要不可欠なものだけに、住宅費の高い当区には、だれもが安心して区内に住み続けることができるよう、公営住宅の提供と家賃補助の2つを柱にした住宅対策が求められます。しかし、新年度予算には、住宅整備費は全く計上されず、家賃補助の予算もわずか1680万円で、減少する一方です。わずか月1万円の住み替え家賃補助を実態にあわせて引き上げるとともに、若者や子育て世帯の家賃補助を復活し、都営住宅の移管を含め区営住宅の増設に踏み出すべきです。
区長は、区民への支援を「釣りざお」にたとえて、区の施策を利用する人は支援するが、直接支援という「釣った魚」は与えないという考え方を示しました。これは、自助努力できる人だけを支援し、それができない弱者は切り捨てるという新自由主義の考えに立つものです。わが党が提案した低所得者への給付金や中小事業者への直接支援をバラマキだと言って否定していることは、住民福祉の向上という自治体の役割に背くもので認められません。
第2に、福祉や教育を切り捨て、区民に負担増を押しつけようとしているからです。
幡ヶ谷社会教育館の廃止条例可決後も、多くの利用者・区民は社会教育法に基づく教育施設として継続することを強く求めています。また、社会教育法の改正のたびに拡充され、未就学の子どもから高齢者まであらゆる年代の人の体験活動や社会貢献活動が社会教育とされています。
社会教育施設は、誰もが無料で利用できる教育施設であり、国と区には、社会教育を公平、公正に行う任務が課せられています。幡ヶ谷社会教育館の廃止は認められず、建て替えに当たっては、本町の仮設施設が利用できるまでは現在の社会教育館を改修して、建替え中も建て替え後も区民が活動を継続できるようにすべきです。
中学校部活動の地域移行が進められていますが、区の計画では、平均で年間5,000円程度の保護者負担が、10年度の本格実施以降は年間24,000円から36,000円となり、現在の5倍から7倍の負担になります。中学生の部活動は公教育の一環として実施されるものであり、保護者負担を増やして子どもの参加を狭めることは認められません。
区立保育園は、コロナ禍でも仕事を休むことができない保護者のために開園し続けるとともに、配慮の必要な子どもの受け入れなど公的保育の要としての役割を発揮してきました。2024年3月の公共施設再配置の基本的な考え方で、保育園、保育室は、私立も含めた公民で需要に対応していくとされています。18の区立保育園のうち、今後10年以内の改修予定は幡ヶ谷保育園一か所だけで、富ヶ谷、笹塚、千駄ヶ谷、本町の4園は、対応方針を検討するとされています。
区立園を需要に応じた供給の調整弁として廃園することは認められません。改修や延命化工事が必要な施設の工事計画を具体化するとともに、子ども一人当たりの施設面積と保育士配置基準を国際基準に合わせ改善すべきです。
第3に、大企業奉仕と不要不急の事業を進める無駄遣いの予算だからです。
渋谷駅中心五街区整備事業には、駅街区北側自由通路に2億9800万円、南口北側自由通路に10億7811万円の税金が投入されます。
駅街区北側自由通路整備に対する区の負担は、当初の40億円から52億円に増額されましたが、第4回目となる今年度の見直しで、60億円にさらに引き上げられました。
また、南口北側自由通路は新年度で完成が予定されていますが、区の負担は累計で16億7830万円となる見込みで、整備費総額の6割以上を占めることになります。
これらの経費は本来、鉄道事業者や再開発事業者が支出すべきものであり、自治体が多額の税金を投入すべきではありません。
神南二丁目西地区市街地再開発事業の事業者からの寄附金として18億円が見込まれていますが、これは区道の所有権を与える対価として区が寄付を受けるものです。区は、市街地再開発事業の権利変換処分による区道の権利の移行であるため、財産収入でなく寄付として計上したとしていますが、市街地再開発事業者に神南小学校の建て替えを委ねる手法こそが問題です。神南小学校は区が直接発注し、責任をもって建て替えるべきです。
官民連携事業として設立した一般社団法人に職員を派遣し、行政が果たすべき役割を後退させ、特定の民間事業者を支援する手法が拡大されています。
一般社団法人渋谷未来デザインには、区から職員3人を派遣し、退職幹部の人件費とあわせて2,527万円を計上しています。今年度から、Shibuya Startup Deckと一般社団法人シブヤ・スマートシティ推進機構を統合して、一般社団法人渋谷国際都市共創機構を設立し、区職員2人の派遣と幹部職員2人の人件費として2273万円を負担し、スタートアップ企業支援を進めています。さらに新年度には、渋谷未来デザインや京王電鉄、東急不動産とともにササハタハツマチラボを一般社団法人化して職員2人を派遣して共済費270万円を負担し、水道道路沿道のまちづくりを、住民の声を切り捨て、にぎわい作り優先で進めようとしています。
官民連携の名のもとに民間企業の利益のために区民の税金や職員、財産を差し出すことは、自治体本来の役割を逸脱した税金投入であり認められません。
河津さくらの里しぶやには、総額で3億9567万円が予算化されています。策定した活用計画に沿って定員を2倍にするため、今年度に取得した隣接地の建物とスパ棟の建替えの設計費用として2億3939万円を計上しました。昨年7月の二の平渋谷荘リニューアルオープン以降、利用者数は減っており、区民からも交通の利便性の悪さが指摘されています。今年度は区立小学校5校が宿泊体験に利用しましたが、繁忙期の7、8月は一般客を優先させるため利用できず、教育施設との併用にも制約があります。こうした施設を拡大する計画に突き進むことはやめ、施設の廃止を検討すべきです。区民宿泊施設が不足するならば、より効果の高い区民の宿泊支援事業に転換すべきです。
第4に、区民の声を聞かず、トップダウンの政治手法で進める事業に多額の税金を投入しているからです。
玉川上水旧水路緑道再整備事業の予算は総額36億7721万円余が計上されています。内訳として、公園設計に3億1600万円、発注者支援業務に2億4800万円など委託費として5億9400万円、工事費として今年度中までの発注分18億8千万円と、新年度に契約予定の、笹塚、代々木緑道整備と、トイレ、管理棟、倉庫など10施設に12億円の合計30億8千万円を計上しています。
地域住民は、日本イコモス国内委員会に、区が進める玉川上水旧水路緑道再整備のへの評価と意見を求めました。今年1月には6項目の提言が示され、区長は、傾聴に値するとしたものの、すでに契約済みの工事や、今後の具体的な計画変更について明らかにしておらず、住民の納得は得られていません。こうしたもとで、再整備を強行する予算は認められません。
区は、あたらしい学校整備方針にもとづき、原宿外苑中学校と千駄ヶ谷小学校、鉢山中学校と猿楽小学校、笹塚中学校と小学校を統廃合して中学校の敷地に小中一貫校整備を進めていますが、住民が合意も納得もしていない学校統廃合は白紙に戻すべきです。
また、建て替えロードマップは、工事期間の大幅延伸、建築費の5割以上の大幅増により、見直されましたが、保護者や地域の声は反映されていません。学校は教育施設であるとともに地域のコミュニティ・災害時の避難場所としての役割があるだけに、計画は各学校ごとに説明会を行い、住民合意のもとに進めるべきです。その際、建て替えありきではなく、再生建築による長寿命化も選択肢として検討すべきで、現計画のまま強行することはやめるべきです。
ふれあい植物センターは、指定管理料に5,496万円、飲食・物販の業務委託料として7,486万円、農園ハウスの運営に3,456万円など、1億7213万円が計上されていますが、総額の6割を占めるのが運営に携わる32人分の人件費です。飲食・物販と農園ハウスは区の直営で、6362万円の経費に対し歳入は4580万円で1800万円近くを区が負担します。これでは、指定管理と受託者を兼ねるNPO法人支援の事業と言われかねません。
ふれあい植物センターは、清掃工場の還元施設であるだけに、その在り方は住民参加で検討すべきです。
第5に、公平、公正さを欠き、弱者置き去りの区政運営を拡大しているからです。
渋谷区は2021年度以降、毎年行っている区民意識調査の方法をWEB調査だけにして、インターネット普及率の低い高齢者や低所得者の意見を聞く姿勢がありません。
また、住民戸籍などの証明手数料は、マイナンバーカードで取得する場合は無料か10円としています。プライバシーの保護に不安を感じて取得しない区民もいます。手数料の引き下げは区民に平等に行うべきです。
ハチペイの利用者で区民認証した人には、50%のプレミアムキャンペーンのほかにも、松涛美術館や旧朝倉家住宅、コスモプラネタリウムなどの利用料を減額するなど、一部の人だけを優遇する特典を与えています。
実証実験が行われてるデマンド交通の利用も、電話予約を実施しないために、スマホにアプリをインストールした人しか利用できず、高齢者や障がい者、子育て世帯への助成も、利用できない人は初めから相手にせずに進められています。
こうした、一部の人たちだけが受けられる特典を次々と拡大して、その他の区民を差別化することは、公平、公正であるべき行政のありかたとしてふさわしいとは言えません。
以上、一般会計予算に反対の討論とします。
2026.3.23 牛尾
私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました議案第20号 令和8年度渋谷区国民健康保険事業会計予算、議案第21号 同介護保険事業会計予算、議案第22号 同後期高齢者医療事業会計予算の3議案について、反対の立場から討論します。
まず、国民健康保険事業会計予算についてです。
新年度の国保料は、新設される「子ども子育て支援分」の4227円などにより、一人あたり20万2283円となり、1万45円、5・2%の大幅値上げになります。年収400万円の40代夫婦と学齢期の子ども2人世帯の国保料は60万3279円で1万8934円の値上げですが、協会けんぽならば、保険料は23万8680円で値上げは4680円です。国保加入者に2・5倍もの保険料を押し付けることは認められず、制度間の格差を是正するのは国の責任です。また、東京都は、国保財政の運営を担う保険者として、区市町村のように応分の負担をすべきです。
高齢者や短時間の非正規雇用など、所得の少ない人が多く加入する国民健康保険料を大幅に値上げすることは受診控えを起こし、加入者のいのちを奪うことにつながります。国民皆保険制度を崩壊させかねない大幅値上げは認められません。
次に、介護保険事業会計予算についてです。
2024年度から26年度までの第9期の介護報酬が低く抑えられ、とりわけ訪問介護の基本報酬の引き下げで、介護事業所の倒産、閉鎖件数が最多となり、介護人材も極端な不足で深刻さが増しています。このため国は、新年度に介護報酬の期中改定を行うこととなりました。保険料は据え置かれますが、国の介護給付の負担率の引き上げは行わないため、利用料の自己負担も増えることになります。
国の負担割合を増やさずに、給付増をそのまま保険料に転嫁する予算は認められません。
最後に、後期高齢者医療事業会計予算についてです。
2026年、27年度の保険料は、医療分が均等割で6000円、所得割は0・21%の引上げとなるうえに、新たに課せられる子ども・子育て支援分として、均等割で1300円、所得割で0.26%が上乗せされ、合計で均等割が7300円、所得割が0・47%となり、一人当たりの保険料は12万7400円で、1万6044円、14・4%の制度始まって以来の大幅値上げとなります。しかも、2年ごとの保険料見直しでありながら、令和9年度の子ども・子育て支援金の総額が示されていないとして、次年度も引き上げをすると広域連合自身が言っています。
また、医療費窓口負担についても、3年前に導入された年金が200万円以上の方の2割負担の軽減措置が昨年9月で終了し、新年度は通年で軽減なしの2割負担となります。
今年4月から年金給付額は国民年金が1・9%、厚生年金分が2%引き上げられますが、昨年の消費者物価指数は3・2%の上昇で、実質年金はさらに下がるうえ、物価高騰がさらに続く見通しの中で、病気になっても医療を受けられない高齢者がますます増えて、事実上の皆保険制度の崩壊を招くことになりかねません。
そもそも、医療にかかる機会の多い75歳以上の高齢者だけで構成する医療保険制度をつくれば、高い保険料と窓口負担にならざるを得ないのは明らかです。高齢者の命を削る後期高齢者医療保険制度は廃止して、国の責任ですべての高齢者が安心して医療にかかれる医療制度を構築すべきです。
以上、3事業会計に反対の討論とします。
2026.3.23
私は、日本共産党区議団を代表して、議案第6号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。
本条例改正案は、任意団体であるササハタハツまちラボを一般社団法人にして、区の課長級職員1名と主任級1名の2名を在籍したまま派遣するための条例改正です。
反対の理由の第1は、区が責任をもつべきまちづくりについて、民間団体を設立して推進することは、住民の声が届きにくくなり、住民が主人公のまちづくりに逆行するからです。
任意団体であるササハタハツまちラボは、渋谷区が7000万円出資し、職員を派遣している渋谷未来デザインの9つのプロジェクトのひとつであり、未来デザインは、公共空間や区民の税金を使って民間企業の事業を支援する組織です。
ササハタハツまちラボの2025年度決算では、4736万円の収入のうち、区と京王電鉄、東急不動産、未来デザインの分担金各500万円の2000万円と仮設ファームの委託料2200万円が太宗を占めました。仮設ファームは、玉川上旧水路緑道再整備で、住民の反対を押し切って農園をつくる役割を果たしました。農園づくりは、ササハタハツまちラボの事務局でもあり、渋谷駅周辺エリアマネジメントにも参加している民間事業者リージョンワークスに委託されています。結局、玉川上水旧水路緑道再整備の農園づくりでは、住民の反対の声は切り捨てられ民間事業者のプロジェクトが優先されているのです。
また、ササハタハツまちラボは、区の北部地域のまちづくりを主導する役割を担い、公共空間の利活用や賑わいの創出などをすすめていますが、ワークショップの参加者から、「一部の人の意見だけ取り入れている」、「住民は、賑わいより安心・安全な街を求めている」との声が上がっています。まちづくりは、住民が主人公で進めるべきであり、区が直接責任を負うべきです。今回の職員派遣は、住民不在のやり方を拡大することになるもので認められません。
反対の第2の理由は、行政の公平性を損ない、事業内容について区民や議会の目が届きにくくなるからです。
今回、一般社団法人化する目的に、「高額な委託事業の受注」を挙げていますが、委託事業として玉川上水旧水路緑道の菜園や花壇の管理などの指定管理を想定しています。つまり、区民の税金を使い、「高額な」収益事業をこの法人に受注させようとしているのです。しかも、派遣職員は緑道を主管する土木部職員を想定しており、緑道の指定管理のプロポーザルでは、ササハタハツまちラボが有利になることは明らかです。これでは行政の公平性を損なう可能性があります。
しかも、一般社団法人ササハタハツまちラボは、総務委員会の渋谷未来デザインについて指摘しているように、民間事業者も負担金を出していることを理由に、議会への報告からも逃れブラックボックスとなりかねません。
区民の税金を毎年500万円も支出し、区がやるべき事業を実施しているのに、公平性や透明性に重大な問題のあるササハタハツまちラボに職員を派遣することは認められません。
ただいま議題となりました議案第24号 玉川上水旧水路緑道再整備工事(その8)請負契約について、日本共産党区議団を代表して、反対の討論を行います。
本契約は、玉川上水旧水路緑道再整備工事(その8)について、株式会社木林と2億5530万円で工事請負契約を締結しようとするもので、大山緑道の六条橋から常盤橋の2450㎡を対象にしています。
玉川上水旧水路緑道再整備計画については、総額100億円以上もの税金を投入し、農園などを整備、指定管理者によって民間企業に管理させるものです。
反対理由の第1は、専門家の意見も住民の声も無視して、従来通りの契約となっていることは認められないからです。
1月5日、日本イコモスは区長に対して、「江戸・東京400年の文化遺産である「玉川上水」の歴史と文化の保全と継承に向けた提言」を行い、区長は「ご意見を大切に」すると答えています。ところがこの契約では、「生物多様性と武蔵野の杜について」や「既存樹林の保全と回復について」という提言を無視して、これまで同様の低木・地被類はすべて除却、その多くは廃棄し、樹木や環境への負担が重いと専門家が指摘しているテラゾ材を使用するなど従来の工事内容をまったく変えていません。イコモスの提言も自らの回答にも反するこの契約は認められません。
さらに、イコモスは、「緑道が地域住民に愛されるかどうかは、地域の人たちと丁寧な協議を行い、納得できるようなプロセスを踏んでいくことが何より大切」と指摘しています。わが党区議団の沿道住民へのアンケートでは、8割が計画に反対しています。住民は、計画の中止や見直しを求めて、区長や区議会に陳情や請願を出し続けており、今定例会にも「玉川上水旧水路緑道の再整備および管理のための専門委員会設置を求める請願」が393人から提出されています。しかも、沿道住民がもっとも農園に反対の声を上げていたにもかかわらず西原緑道に農園を整備しようとしていることは重大です。
住民や専門家の声や意見を無視して新たな工事契約を結ぶことも許されません。
第2の理由は、高額なテラゾ材を使用し、工事総額が100億円を超える高額な整備事業は認められないからです。
本契約にもテラゾ材が使用されており、舗装材で平米単価14万1000円とインターロッキングの29倍です。さらにベンチは1台363万円が2基、水飲みが1基127万円、車止め1基33万円など、異常に高額です。
いま区民のくらしは、物価高騰によってかつてなく困難になっています。困っている区民の支援に背を向ける一方で、緑道再整備には湯水のように税金を投入しています。この契約に加えて(その9)を合わせると7億1203万円、テラゾ材の使用によって工事費は異常に高額になっています。緑道整備計画の全体に100億円以上の税金を投入することに、区民の理解は得られません。長年緑道に親しんできた区民からは、「今の緑道の良さを50年、100年残して。そのために適切に管理するのが一番」との声も上がっています。
圧倒的多数の近隣住民の反対を無視して、区長がトップダウンで進める緑道再整備に、物価高騰に苦しむ区民の税金を投入する本契約と、そのうえ、農園まで整備する工事契約(その9)は認められません。計画は撤回して、住民や専門家の意見を尊重して、今の緑道を生かした維持管理を行うべきです。
以上、反対討論とします。
3/23 五十嵐
私は日本共産党渋谷区議団を代表して、只今議題となりました、「安心・安全な質の高い保育の実現を国に要請する意見書の提出を求める請願」について採択に賛成の立場から討論します。
請願は,保育施設が誰もが安心して子どもを産み育てるために不可欠な社会資源であるとともに、保育を必要とする子どもは、安全・安心で質の高い保育を受ける権利があること。さらに、子どもの権利を守り、健やかな発達を保障するためには、ゆとりある空間と保育士がひとりひとりに寄り添える環境が必要とのべています。
そして請願は、国に対して①子どもたちの命を守り、保育を充実させるために、子どものための予算を大幅に増やし、②1歳児の職員配置基準をはじめ、すべての年齢の配置基準と2歳児以上の面積基準の改善を行うとともに、③保育施設で働く保育士・職員が十分確保できるよう、賃金・処遇・労働条件を抜本的に改善する意見書を提出することを求めています。
請願に賛成する第一の理由は、現在の国の保育士配置基準や子ども一人当たりの施設面積が、子どもたち一人一人に寄り添い、豊かな成長を保障できる基準になっていないからです。
児童福祉法24条1項では、保育の公的責任は、国と自治体にあると定めています。しかし、国の調査による2023年度保育園等での事故は、2,772件と2015年の4倍になっており、子どもの命と安全な保育が脅かされています。関係者からは、「子どもたちの命と安全を守るために、保育士配置基準の改善は緊急課題」との声が強く出されています。
保育士配置基準はこの間改善され、保育士一人当たりの子どもの数は、3歳児15人、4・5歳児が25人になりましたが、1歳児の5人は条件付きの「配置改善加算」のため、一部の保育所しか改善されていません。イギリスやスウェーデンの保育士一人に対する子どもの数は、ゼロ歳から2歳児が3人から4人、3・4・5歳児は13人から16で2歳児から5歳児は、日本の半数の少人数になっています。
この間頻発する地震などの大災害時に、一人の保育士が1・2歳児の子どもたち5人ないし6人ものいのちを守れるかが問われる実態で緊急に改善が求められています。
また、施設面積基準も2歳児以上の面積が、イギリス2.5㎡、アメリカ3.25㎡、スウェーデン7.5㎡に対し、日本はわずか1.98㎡しかありません。
保育士配置基準も子どもの施設面積基準も「最低」のルールですが、職員配置は国の規準にはない看護師や栄養士の配置をすでに実施している自治体や、認可保育園では国基準よりも広い面積で保育している自治体もあります。
しかし、この間国の財源が厳しいとして、待機児解消として新設された保育園は最低基準ぎりぎりまで子どもを詰め込む事態が広がり事故の件数が増加した原因ともいわれています。
こうした課題を解決するため、国は子供たち一人一人の成長に合わせた保育を安全に行うために、早急に保育士配置と子どもの施設面積基準の引き上げを行うべきです。
第二の理由は、保育士が一人一人の子どもの成長と発展に寄り添い、長く保育現場で働き続けることができるよう、保育士の処遇改善と労働環境を改善することが、国に求められているからです。
請願者は、現在の保育現場の実態として「教材準備、事務作業が時間内にできない」「休憩、休暇がとれない」「時間に追われ心も体もボロボロ」などの深刻な声が出され、やめていく保育士があとを絶たないことを告発しています。
この間、国の子どもに関する予算はGDP比4%程度で、欧米諸国の4分の1、OECD諸国で最低となっています。
実際保育士の賃金格差はこの間の処遇改善にもかかわらず、24年度末で全労働者の平均賃金より月額8万3千円も低く、新年度の補助制度が実施されても5万円以上の格差が残ります。これは、保育士の賃金を決める国の公的価格が全労働者の平均賃金を下回っているからです。
子どもの成長に寄り添うための知識と経験が求められる専門職にふさわしく、公定価格の保育士給与を大幅に引き上げ、経験年数10年を超えると賃上げが抑制される制度を早急に改善すべきです。
以上請願を採択し国に意見書を上げることに賛成の討論とします。